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第54話 この女はトラブルメーカーなのか?
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ライアンの声が聞こえて来たので人だかりを避けながら向かうザガード達。
その人だかりの中心に行くと、今度はカトリーヌを連れたライアンが男達に難癖をつけられているようであった。
「殿下。そんな風に声を荒げる者ではありませんよ」
「我々はその者は殿下に相応しくないと言っているだけですよ」
「その通りです。男爵令嬢など、とてもとても身分が釣り合わないでしょう」
男達はカトリーヌを嘲笑していた。
ザガードはその男性達を見て、誰なのか分からなかったがリエリナは誰なのか分かったようだ。
「はぁ、王子に喧嘩を売るなんて本当に良い度胸をしているわね」
「お嬢様。あの者達を知っているのですか?」
「ええ、この国には三公という三つの公爵家がある事を知っている?」
「お嬢様のローレンベルト家とローザアリア様の生家のクラ―トゲシャブと最後にリウンシュハイム家ですよね」
「そうよ。そして、それぞれの家が何を司っているか知っているでしょう」
「はい。ローレンベルト家は政治。クラ―トゲシャブ家は軍事。リウンシュハイム家は経済をですね」
「その通り。で、今王子に嫌味を言っているのはリウンシュハイム家の一門の者達よ」
「成程」
国の経済を司っている事であれだけ大きな態度を取れるのだと理解したザガード。
「同学年のしかも令嬢を侮辱するとは失礼であろうっ」
「我々は別に侮辱はしておりません。ただ、殿下のお側にいるには少々身分が合っていないのではと申し上げているだけです」
「まぁ、殿下の女性の好みについては臣下として申し上げる事はございません」
「人それぞれですからね。はっはは」
明らかにカトリーヌの事を言っている。
自分の身体を使って王子を誑し込んだのだろうと暗に言っているのが分かる。
ライアンはそれを言及しないというよりも出来ない。
もし言えば「それは王子の被害妄想でしょう」と言うのが分かっているからだ。
ライアンもそれが分かっているのか何も言えない。
だが、悔しいのか拳を握りしめている。
「殿下・・・・・・」
カトリーヌはそんなライアンの手を優しく包む。
色々と言われているカトリーヌだが、流石にここまであからさまに侮辱されているの何とも言えない空気になっている中。
「・・・・・・ふぅ、全くよってたかって女性に対して身分が釣り合っていないとかどうとか言う何て、親の顔が見てみたいわね」
そんな空気の中でリエリナが口を挟んだ。
「何だとっ!」
「むっ。あれはローレンベルト家のリエリナ嬢」
リエリナの見るなり顔を顰めるリウンシュハイム家の者達。
その顔を見た所、此処で公爵家の者が現れるとは想像していなかったようだ
「この様な場所で立ち止まっては通行の邪魔ですよ。まだ話足りないというのであれば、別な所でしなさい」
「・・・・・・いえ、我々とした事がとんんだ失礼を」
「では、わたし共はこれで」
そう言ってリウンシュハイム家の者達は形だけの礼をしてその場を離れて行った。
リウンシュハイム家の者達が離れて行くと、見物客達も立ち止まるのを止めて歩き出した。
その人だかりの中心に行くと、今度はカトリーヌを連れたライアンが男達に難癖をつけられているようであった。
「殿下。そんな風に声を荒げる者ではありませんよ」
「我々はその者は殿下に相応しくないと言っているだけですよ」
「その通りです。男爵令嬢など、とてもとても身分が釣り合わないでしょう」
男達はカトリーヌを嘲笑していた。
ザガードはその男性達を見て、誰なのか分からなかったがリエリナは誰なのか分かったようだ。
「はぁ、王子に喧嘩を売るなんて本当に良い度胸をしているわね」
「お嬢様。あの者達を知っているのですか?」
「ええ、この国には三公という三つの公爵家がある事を知っている?」
「お嬢様のローレンベルト家とローザアリア様の生家のクラ―トゲシャブと最後にリウンシュハイム家ですよね」
「そうよ。そして、それぞれの家が何を司っているか知っているでしょう」
「はい。ローレンベルト家は政治。クラ―トゲシャブ家は軍事。リウンシュハイム家は経済をですね」
「その通り。で、今王子に嫌味を言っているのはリウンシュハイム家の一門の者達よ」
「成程」
国の経済を司っている事であれだけ大きな態度を取れるのだと理解したザガード。
「同学年のしかも令嬢を侮辱するとは失礼であろうっ」
「我々は別に侮辱はしておりません。ただ、殿下のお側にいるには少々身分が合っていないのではと申し上げているだけです」
「まぁ、殿下の女性の好みについては臣下として申し上げる事はございません」
「人それぞれですからね。はっはは」
明らかにカトリーヌの事を言っている。
自分の身体を使って王子を誑し込んだのだろうと暗に言っているのが分かる。
ライアンはそれを言及しないというよりも出来ない。
もし言えば「それは王子の被害妄想でしょう」と言うのが分かっているからだ。
ライアンもそれが分かっているのか何も言えない。
だが、悔しいのか拳を握りしめている。
「殿下・・・・・・」
カトリーヌはそんなライアンの手を優しく包む。
色々と言われているカトリーヌだが、流石にここまであからさまに侮辱されているの何とも言えない空気になっている中。
「・・・・・・ふぅ、全くよってたかって女性に対して身分が釣り合っていないとかどうとか言う何て、親の顔が見てみたいわね」
そんな空気の中でリエリナが口を挟んだ。
「何だとっ!」
「むっ。あれはローレンベルト家のリエリナ嬢」
リエリナの見るなり顔を顰めるリウンシュハイム家の者達。
その顔を見た所、此処で公爵家の者が現れるとは想像していなかったようだ
「この様な場所で立ち止まっては通行の邪魔ですよ。まだ話足りないというのであれば、別な所でしなさい」
「・・・・・・いえ、我々とした事がとんんだ失礼を」
「では、わたし共はこれで」
そう言ってリウンシュハイム家の者達は形だけの礼をしてその場を離れて行った。
リウンシュハイム家の者達が離れて行くと、見物客達も立ち止まるのを止めて歩き出した。
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