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第40話 立て続けに踊るとは
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ザガード達がダンスをする所に着くと、ローザアリアがザガードの肩に右手を置いた。
それを見て、ザガードはローザアリアをの手に取る。
二人は音楽に合わせながら、周囲に踊っている人達にぶつからない様に、距離を取りながら踊りはじめる。
ザガードは幼い頃から勉学、教養、武術など教え込まれてきた。
その中には、無論ダンスも入っている。
この国でダンスとはワルツなので、ワルツを教わっていた。
講師からは「筋が悪い」と言われていた。
なので、リエリナのお供でダンスがあるパーティーがある場合。
リエリナが誰かと踊っている間、何処かの貴族の令嬢がリエリナの顔つなぎでダンスを誘ったりするのだが、その際は護衛という事で断っていた。
なので、ダンスはあまり踊らない。
ザガードは音楽に合わせながら踊りながら、内心では。
(足を踏まない様に足を踏まない様に足を踏まない様に・・・・・・)
と思いながら踊るザガード。
顔にこそ出さないが、内心一杯一杯であったザガード。
そんなザガードを見たローザアリアは。
「落ち着きなさい」
小声で、音楽が響く中でもハッキリと聞こえた。
「顔が必死過ぎるわよ。笑いなさいよ」
「笑うですか?」
そう言われて、今自分が笑っていない事に気付いたザガード。
ダンスを教えてた講師も言っていた「ダンスを踊る時に必須なのは笑顔。君は真剣に踊り過ぎて笑顔を忘れている」と良く注意された。
それを思い出して、どうにか笑う様に頑張ったザガード。
少し引きつった笑顔であったが、傍目から見たら笑っている様に見えた。
「・・・・・・まぁ、良いでしょう」
まだぎこちないなと思いつつローザアリアは笑顔を浮かべた。
見目麗しい男女が笑いながら踊るのを見て、踊っていない人達も関心しながら見ていた。
音楽に合わせて踊っている二人。
(どうしてだ? どうして、心臓が高鳴るのだろう?)
ただ、ダンスを踊っているだけなのいに、ザガードの心臓は激しく脈動した。
その意味が分からず、ザガードは踊る事にした。
既にザガード達と一緒に踊っていた者達は踊るのを止めて談笑して、新しい者達が踊っていた。
何時まで踊るのだろうと思われた。そんな時にローザアリアが話しかけて来た。
「そろそろ、疲れたわ」
「あっ、失礼。気付きませんで」
「別に良いわ。それに、何時までも貴方を独占していると、ご主人様が怒りだしそうだからね」
「はっ? それは」
その言葉の意味を聞こうとしたら、ローザアリアが目をチラリと動かした。
視線の先にはリエリナが居た。
口元を羽根扇子で隠しながら目が笑っていなかった。
(ま、まずいっ)
ザガードはギョッとした。
「ふふ、貴方でも驚く事があるのね」
そんなザガードの顔を見て微笑むローザアリア。
そして、ローザアリアが足を止めるとザガードも足を止める。
ザガードがその場で跪く。
ローザアリアは手を伸ばした。
ザガードはその手を取って指に唇を当てた。
唇が指に当たると、ローザアリアが頭を下げながらその場を離れた。
ローザアリアが離れて、少し時間を置いてから、ザガードは立ち上がる。
そして、リエリナの下に向かう。
「お、お嬢様。傍を離れて申し訳ありませんでした」
「・・・・・・(プイッ)」
ザガードが話しかけても、リエリナは顔を背けたままであった。
「お。お嬢様」
ザガードは困ったような顔をした。
それを見て、リエリナは羽根扇子を仕舞い、ザガードの方に手を伸ばした。
「・・・・・踊ったら許してあげる」
「は、はいっ」
ザガードは藁にもすがる思いでその手を取り、また踊り始めた。
それを見て、ザガードはローザアリアをの手に取る。
二人は音楽に合わせながら、周囲に踊っている人達にぶつからない様に、距離を取りながら踊りはじめる。
ザガードは幼い頃から勉学、教養、武術など教え込まれてきた。
その中には、無論ダンスも入っている。
この国でダンスとはワルツなので、ワルツを教わっていた。
講師からは「筋が悪い」と言われていた。
なので、リエリナのお供でダンスがあるパーティーがある場合。
リエリナが誰かと踊っている間、何処かの貴族の令嬢がリエリナの顔つなぎでダンスを誘ったりするのだが、その際は護衛という事で断っていた。
なので、ダンスはあまり踊らない。
ザガードは音楽に合わせながら踊りながら、内心では。
(足を踏まない様に足を踏まない様に足を踏まない様に・・・・・・)
と思いながら踊るザガード。
顔にこそ出さないが、内心一杯一杯であったザガード。
そんなザガードを見たローザアリアは。
「落ち着きなさい」
小声で、音楽が響く中でもハッキリと聞こえた。
「顔が必死過ぎるわよ。笑いなさいよ」
「笑うですか?」
そう言われて、今自分が笑っていない事に気付いたザガード。
ダンスを教えてた講師も言っていた「ダンスを踊る時に必須なのは笑顔。君は真剣に踊り過ぎて笑顔を忘れている」と良く注意された。
それを思い出して、どうにか笑う様に頑張ったザガード。
少し引きつった笑顔であったが、傍目から見たら笑っている様に見えた。
「・・・・・・まぁ、良いでしょう」
まだぎこちないなと思いつつローザアリアは笑顔を浮かべた。
見目麗しい男女が笑いながら踊るのを見て、踊っていない人達も関心しながら見ていた。
音楽に合わせて踊っている二人。
(どうしてだ? どうして、心臓が高鳴るのだろう?)
ただ、ダンスを踊っているだけなのいに、ザガードの心臓は激しく脈動した。
その意味が分からず、ザガードは踊る事にした。
既にザガード達と一緒に踊っていた者達は踊るのを止めて談笑して、新しい者達が踊っていた。
何時まで踊るのだろうと思われた。そんな時にローザアリアが話しかけて来た。
「そろそろ、疲れたわ」
「あっ、失礼。気付きませんで」
「別に良いわ。それに、何時までも貴方を独占していると、ご主人様が怒りだしそうだからね」
「はっ? それは」
その言葉の意味を聞こうとしたら、ローザアリアが目をチラリと動かした。
視線の先にはリエリナが居た。
口元を羽根扇子で隠しながら目が笑っていなかった。
(ま、まずいっ)
ザガードはギョッとした。
「ふふ、貴方でも驚く事があるのね」
そんなザガードの顔を見て微笑むローザアリア。
そして、ローザアリアが足を止めるとザガードも足を止める。
ザガードがその場で跪く。
ローザアリアは手を伸ばした。
ザガードはその手を取って指に唇を当てた。
唇が指に当たると、ローザアリアが頭を下げながらその場を離れた。
ローザアリアが離れて、少し時間を置いてから、ザガードは立ち上がる。
そして、リエリナの下に向かう。
「お、お嬢様。傍を離れて申し訳ありませんでした」
「・・・・・・(プイッ)」
ザガードが話しかけても、リエリナは顔を背けたままであった。
「お。お嬢様」
ザガードは困ったような顔をした。
それを見て、リエリナは羽根扇子を仕舞い、ザガードの方に手を伸ばした。
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ザガードは藁にもすがる思いでその手を取り、また踊り始めた。
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