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第38話 もう一人見知った顔が
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「皆様。お初にお目に掛かります。わたくしはマキサ=フォン=アマミヤードの孫のマーガレット=フォン=フェニクテンプルと申します」
スカートの端を掴みお辞儀をする。
教養の教科書に乗りそうなくらいに綺麗で様になっているカーテシーだ。
「これは、ご丁寧に。わたしはイヴァン=フォン=ロヴェマフルムだ。こっちが婚約者のゼノミティア=フォン=ローレンベルトだ」
「よろしく」
そう言って、頭を下げるゼノミティア。
「そして、こちらがゼノミティアの妹君であるリエリナ=フォン=ローレンベルトだ」
「初めまして、学園の部活動紹介の時に、お顔は見ましたが、話すのは初めてですね」
「貴女は学園の生徒なんですね。わたくしの方が一年先輩ですが、何かありましたら、どうぞ気軽に声を掛けて下さいね」
「はい。その時はよろしくお願いします」
二人は微笑みながら話だした。
同じ学園の生徒という事で、話が弾んでいるのか、二人は微笑みながら話している。
「アマミヤード伯爵。貴殿の孫娘はフェニクテンプルだが?」
「姓は娘婿のですが、正真正銘わたしの孫ですよ」
「成程。そうですか」
イヴァンは納得したのか頷いた。
「それで、そちらの方は? 皆様は何度か当家に足を運んでいただいたので、お顔も名前も分かりますが、そちらの男性は初めて見ますな」
アマミヤードはザガードを手で示した。
何時もは、こいうパーティーにはセイラ又はベルハルトが護衛として付く。
今日はその二人ではないので、アマミヤードは気になったようだ。
「ああ、ご紹介を忘れていました。この者はザガード言いまして、リエリナの従者です」
「お初にお目に掛かります。アマミヤード伯爵」
ザガードはカーテシーをした。
「ほぅ、リエリナ様の従者ですか。見た所、まだお若いと見た。御歳を聞いても良ろしいかな?」
「今年で十六になります」
「十六.だとしたら、マーガレットの一つ下か。という事は、リエリナ様と一緒に学園に通っておられるのか?」
「はい。その通りです」
「そうかそうか。なかなか、優秀な御仁のようだな」
「恐縮です」
ザガードは頭を下げた。
「はっはは、それは当然だ。伯爵。何せ、我が妹の婿候補の一人に選ばれているのだから」
ゼノミティアが胸を張りながら、唐突に言いだした。
「お姉様⁉」
何を言っているの、この人はみたいな顔をするリエリナ。
「事実だろう?」
ゼノミティアは違うのかという顔をする。
「えっ? 違うのかい。わたしはそう思っていたのだけど」
イヴァンもゼノミティアと同じような顔をした。
「お、御兄様まで⁉」
イヴァンまで言うので、リエリナは火が出そうな位に真っ赤にさせた。
「はっはは、そこまで見込まれているとは。成程、将来有望のようですな」
「ええ、わたしもそう思います」
イヴァンは笑顔でそう答えた。
皇太子にそこまで見込まれていると知らず、ザガードは驚くと同時に慄いてた。
「・・・・・す、すいません。ちょっと、離れます」
顔を真っ赤にさせたリエリナは、蚊が鳴くような声でイヴァン達に言うと、その場を離れた。
「お、お嬢様。わたしもお供に」
ザガードはイヴァン達に一礼して、慌ててリエリナの後を追いかけた。
イヴァン達から離れたリエリナはそのまま、トイレへと駆けこんだ。
流石にトイレには入る事が出来ないので、ザガードはその入り口の前で待とうとしたが、止めた。
女性が使うトイレの前に男性が居たら不審に思われると思ったからだ。
なので、ザガードはトイレの入り口が見える所で、リエリナが出て来るのを待つ事にした。
(それにしても、俺がまさか、リエリナ様の婿候補か)
初めて聞かされた話に、ザガードは驚いた。
正直に言って、公爵家の使用人達と少し扱いが違うような気はなんとなく分かっていた。
だからと言って、公爵家の令嬢の婿候補になるとは夢にも思わなかったザガード。
これで、冗談と言われた方が、まだましだと思った。
いきなり、そんな話を聞かされたので、ザガードは困惑していた。
気晴らしに何か飲もうかと思い、歩き回っている使用人に何か飲み物を貰おうかと思い、周りを見回した。
すると、窓際の壁の近くに見覚えがある顔を見つけた。
(あの方は⁉)
ザガードの視線の先には、ローザアリアが居たのであった。
スカートの端を掴みお辞儀をする。
教養の教科書に乗りそうなくらいに綺麗で様になっているカーテシーだ。
「これは、ご丁寧に。わたしはイヴァン=フォン=ロヴェマフルムだ。こっちが婚約者のゼノミティア=フォン=ローレンベルトだ」
「よろしく」
そう言って、頭を下げるゼノミティア。
「そして、こちらがゼノミティアの妹君であるリエリナ=フォン=ローレンベルトだ」
「初めまして、学園の部活動紹介の時に、お顔は見ましたが、話すのは初めてですね」
「貴女は学園の生徒なんですね。わたくしの方が一年先輩ですが、何かありましたら、どうぞ気軽に声を掛けて下さいね」
「はい。その時はよろしくお願いします」
二人は微笑みながら話だした。
同じ学園の生徒という事で、話が弾んでいるのか、二人は微笑みながら話している。
「アマミヤード伯爵。貴殿の孫娘はフェニクテンプルだが?」
「姓は娘婿のですが、正真正銘わたしの孫ですよ」
「成程。そうですか」
イヴァンは納得したのか頷いた。
「それで、そちらの方は? 皆様は何度か当家に足を運んでいただいたので、お顔も名前も分かりますが、そちらの男性は初めて見ますな」
アマミヤードはザガードを手で示した。
何時もは、こいうパーティーにはセイラ又はベルハルトが護衛として付く。
今日はその二人ではないので、アマミヤードは気になったようだ。
「ああ、ご紹介を忘れていました。この者はザガード言いまして、リエリナの従者です」
「お初にお目に掛かります。アマミヤード伯爵」
ザガードはカーテシーをした。
「ほぅ、リエリナ様の従者ですか。見た所、まだお若いと見た。御歳を聞いても良ろしいかな?」
「今年で十六になります」
「十六.だとしたら、マーガレットの一つ下か。という事は、リエリナ様と一緒に学園に通っておられるのか?」
「はい。その通りです」
「そうかそうか。なかなか、優秀な御仁のようだな」
「恐縮です」
ザガードは頭を下げた。
「はっはは、それは当然だ。伯爵。何せ、我が妹の婿候補の一人に選ばれているのだから」
ゼノミティアが胸を張りながら、唐突に言いだした。
「お姉様⁉」
何を言っているの、この人はみたいな顔をするリエリナ。
「事実だろう?」
ゼノミティアは違うのかという顔をする。
「えっ? 違うのかい。わたしはそう思っていたのだけど」
イヴァンもゼノミティアと同じような顔をした。
「お、御兄様まで⁉」
イヴァンまで言うので、リエリナは火が出そうな位に真っ赤にさせた。
「はっはは、そこまで見込まれているとは。成程、将来有望のようですな」
「ええ、わたしもそう思います」
イヴァンは笑顔でそう答えた。
皇太子にそこまで見込まれていると知らず、ザガードは驚くと同時に慄いてた。
「・・・・・す、すいません。ちょっと、離れます」
顔を真っ赤にさせたリエリナは、蚊が鳴くような声でイヴァン達に言うと、その場を離れた。
「お、お嬢様。わたしもお供に」
ザガードはイヴァン達に一礼して、慌ててリエリナの後を追いかけた。
イヴァン達から離れたリエリナはそのまま、トイレへと駆けこんだ。
流石にトイレには入る事が出来ないので、ザガードはその入り口の前で待とうとしたが、止めた。
女性が使うトイレの前に男性が居たら不審に思われると思ったからだ。
なので、ザガードはトイレの入り口が見える所で、リエリナが出て来るのを待つ事にした。
(それにしても、俺がまさか、リエリナ様の婿候補か)
初めて聞かされた話に、ザガードは驚いた。
正直に言って、公爵家の使用人達と少し扱いが違うような気はなんとなく分かっていた。
だからと言って、公爵家の令嬢の婿候補になるとは夢にも思わなかったザガード。
これで、冗談と言われた方が、まだましだと思った。
いきなり、そんな話を聞かされたので、ザガードは困惑していた。
気晴らしに何か飲もうかと思い、歩き回っている使用人に何か飲み物を貰おうかと思い、周りを見回した。
すると、窓際の壁の近くに見覚えがある顔を見つけた。
(あの方は⁉)
ザガードの視線の先には、ローザアリアが居たのであった。
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