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第25話 何とも言えない終り
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実技テストは順調に進んで行った。
参加した者達は、皆LEVELをティルズよりも下に設定したが、それでも勝ったり負けたりしていた。
中には、LEVEL設定を三十以上に設定して、勝つ者が居た。
「なぁ、あいつ。どう思う?」
ティルズも気になったのか、ザガードに訊ねる。
「そうだな。同じ学生と考えても、かなりの実力者と考えて良いだろうな」
「だよな」
ザガード達は、その者を見る。
ちなみに設定したLEVELは四十だ。
角刈りにした藍色の髪。端正な顔立ち。身長は二メルト(二メートル)あるが。ティルズみたいに筋骨隆々という訳ではなく、細身だがガッチリとした体格をしていた。
「あいつが誰か知っているか?」
「何だ。知らないのか? あいつはな王国騎士団の一つで『紫鮫騎士団』の団長ドルドラ=フォン=ファーレンの息子で名前をゴルドファ=フォン=ファーレンだよ」
「成程。騎士団長の息子か」
ザガードはそれで納得した。
王国には騎士団が六つある。
『赤獅子騎士団』
『青熊騎士団』
『黄竜騎士団』
『緑鹿騎士団』
『紫鮫騎士団』
『銀虎騎士団』
の六つだ。
全ての騎士団は、貴族だろうと平民だろうと資格審査を受けなければ入団できない。
その騎士団の団長の息子という事で、かなり鍛えられているのだなと思ったザガード。
「さて、次の人は、……と言っても、残りは二人ですか」
オベランがそう言うので、生徒達を見ていると、テストに参加して受けていないのは、ザガードとライアンだけだという事に気付いた。
オベランがそう言うので、ザガードはライアンの方を見た。
(どっちが先、行くかな?)
と思いつつ見ていると、ライアンはどうかというと。
「という訳なんだ」
「ふっふふ、殿下ったら」
ライアンはカトリーヌと楽しく談笑していた。
授業中だというのに、其処だけは何故か華が咲いた様な雰囲気をだしていた。
皆、それを見て羨ましそうな妬んでいる様な目で見ていた。
それを見たザガードはと言うと。
(何だ? 何かモヤモヤとするぞ? いや、違う。イラッとしているのか?)
何故か、イライラしている気持ちになっている自分に不思議に思った。
どうも、ライアンとカトリーヌが話している姿を見て、こんな気持ちになっているのだと分かった。
何でそんな気持ちになっているのか分からないが、とりあえず先にテストを受けるザガード。
ザガードは箱の中から、得物を探していた。
「……これは」
箱の中を探していると、ある物を見つけた。
ザガードはそれを手に取った。ザガードが手に取った物は剣だった。
いや、剣と言うよりも、それは刀身は細く、長く、反っていた剣であった。
よく見ると、片刃なので剣というよりも、刀と言えた。
しかし、鍔の部分や握りの部分がこちらの国風であった。
「サーベルか。鞘付きか。これにしよう」
ザガードはその剣を持って、人形の近くまで行く。
「準備が整いましたね。では、LEVEL設定はどれくらいにしますか?」
「……最大で」
ザガードがそう言うと、周りがどよめきだした。
「ほぅ、つまりLEVEL五十という事ですが、良いのですか?」
オベランがそう言う。それは確認の為に訊いているようだ。
「はい。お願いします」
「……良いでしょう。分かりました」
オベランが人形をLEVEL最大にさせて起動させた。
人形は起動すると、赤い目を輝かせた。
そして、剣と盾を構える。
その構え方は、ティルズやゴルドファが相手にした時よりも、更に隙が無かった。
「これがLEVEL五十か。これは流石にキツイな」
ティルズが人形の構えを見て呟いた。
今の自分では、勝てるか勝てないか分からないという感じであった。
思わず、生唾を飲み込んだ。
(さて、あいつはどうやって勝つのやら)
ティルズはザガードがどう戦うか楽しみにしていた。
ザガードはサーベルを抜かず、生ける人形と対する。
「それでは、始めっ!」
オベランが開始の声をあげても、ザガードは剣は抜かなかった。
皆、何で抜かないんだと思いつつ見ていると、人形が駆けだした。
その速さ、他の生徒達が戦って時よりも速かった。
盾で自分を守りつつ駆けている。
これでは、普通に攻撃しても盾で防がれると皆は思っていた。
しかし、ザガードはまだ剣は抜かなかった。
人形はそれでもザガードに向かって来る。
そして、後、十歩という所まで人形が来ると。ザガードは身体の重心を前に傾けた。
「覇極始天流抜刀術――――――『疾風』」
その呟きと共に、ザガードの姿が消えた。
いきなり、姿が見えなくなった事で、人形は動きを止める。
チャリン。
そんな涼やかな音が人形の背後から聞こえて来た。
人形が振り返ると、其処にはザガードが居た。
人形は標的を見つけて、攻撃をしようと剣を振り上げようとしたら、その剣を持っている手が無かった。
ドチャッという音と共に、剣を持っている手が地面に落ちた。
その音が聞こえだしたと思ったら、人形の至る所に線が走った。
次の瞬間、人形がバラバラになった。
「「「………………っ⁉」」」
観戦していた者達は目を見開らかせて驚いていた。
ザガードの姿が消えたと思ったら、人形の背後に現れたと思ったら、人形が斬られていた。
あまりに速いので、目を追う事が出来なかったのだ。
それは、ティルズもゴルドファも同じであった。
「なんて、速さだ。俺の目でも追い切れなかったぞ」
「斬った回数は全部で五回。俺の目でも三回までしか見えなかった⁉」
二人は驚愕していた。
自分では、あんなに速く五回も斬る事は出来ないからだ。
「見事。流石は覇極始天流ですね」
「ありがとうございます」
オベランが称賛したので、ザガードは頭を下げる。
パチパチパチ。
「わぁ、凄いですね」
カトリーヌが拍手してきた。
女性からも褒められたので、ザガードは礼儀として頭を下げた。
カトリーヌが褒めた事で、ライアンの顔を顰める。
ザガードがサーベルを箱の中に仕舞う。
それを見て、ライアンが前に出た。
「では、次はわたしの番だな」
そう言うライアンを見て、皆心の中で、もう、お前だけだよと思った。
口に出せば、不敬と思われるので口には出さなかった。
ライアンは箱の中に手を入れて、剣を手に取った。
「では、ライアン君。LEVELはどれくらいにしますか?」
「そうですね。・・・三十で」
ライアンのLEVEL設定を聞いて、皆、ホッとした。
まさか、ザガードみたいにLEVEL最大にしないか、皆不安だったようだ。
ライアンと人形は対峙した。
「殿下。頑張ってください!」
カトリーヌが励ましの言葉を掛ける。
ライアンは手を振って答えた。
そうしている間に、オベランは人形を起動させた。
「では、初めてください」
オベランがそう声を掛けると、人形はライアンに向かって行く。
ライアンは剣を構える。
人形が剣を振りかぶり、袈裟切りを見舞う。
「くっ」
ライアンはその攻撃を防ぎ、反撃の逆袈裟を見舞うが、人形は盾で防いだ。
「くそっ、ならっ」
ライアンは剣を叩きつける様に連撃を見舞う。
その必死に剣を振るう姿を見て、ティルズはザガードに訊ねる。
「どう思う?」
「五分、いや下手したら負けるな」
「お前もそう思うか?」
ザガードは無言で頷いた。
「……あの皇子は馬鹿なのか?」
「ゴホン。それについては、何も言えないが、ティルズ。不敬だぞ」
ザガードは話を聞いている者は居ないか見たが、誰も聞いている者は居ないようだ。
「ああ、思わず出ちまったな」
ティルズは口を抑える。
「しかし、そろそろ決着つくな」
「だな」
二人の予想通り、防戦一方であったライアンが人形の攻撃で剣をふっ飛ばされた。
「あっ⁉」
手から離れた剣は、ライアンから離れた所に落ちた。
ライアンは剣が落ちた所に行こうとしたら、人形は容赦なく剣を振り下ろした。
「「「っっ⁉」」」
皆、声にならない悲鳴を上げた。
カトリーヌにいたっては手で顔を覆う。
「そこまでっ」
オベランが大きな声をあげると、人形は止まった。
剣は後少しで、ライアンに当たると言う所で止まった。
「はい。では、これで実技テストを終了とします。お疲れ様でした」
オベランが手を叩くと、人形は止まっていた体勢から動き、元居た位置に戻り停止した。オベランが片付けをしていると、ライアンはその場に座り込んだ。
「…………」
そして、身体を震わせた。
自分が提案した事で、自分が恥を掻いたので羞恥で震わせているようだ。
ライアンのその姿を見て、何とも言えない顔をしだした。
しかし、カトリーヌはそんな空気を読む事無く、ライアンに声を掛ける。
「き、今日は調子が悪かったのですよね? じゃないと、こんなにあっさりと負ける訳ないですよっ」
励ます為にそう言っているつもりだろうが、それなら、何であんな事を言ったのだろうと皆思った。
「大丈夫です。今日は駄目でも、次はちゃんとこなせますよっ」
カトリーヌは分かっているのか、励ませば励ますほどに、ライアンが落ち込んでいる事に。
このままでは、可哀そうだと思い、誰か止めさせてやれと、目で見ているが、誰も行く気配はない。
どうしたものかと思っていると。
「殿下。何かあったのですか?」
其処に、ローザアリアが現れた。
参加した者達は、皆LEVELをティルズよりも下に設定したが、それでも勝ったり負けたりしていた。
中には、LEVEL設定を三十以上に設定して、勝つ者が居た。
「なぁ、あいつ。どう思う?」
ティルズも気になったのか、ザガードに訊ねる。
「そうだな。同じ学生と考えても、かなりの実力者と考えて良いだろうな」
「だよな」
ザガード達は、その者を見る。
ちなみに設定したLEVELは四十だ。
角刈りにした藍色の髪。端正な顔立ち。身長は二メルト(二メートル)あるが。ティルズみたいに筋骨隆々という訳ではなく、細身だがガッチリとした体格をしていた。
「あいつが誰か知っているか?」
「何だ。知らないのか? あいつはな王国騎士団の一つで『紫鮫騎士団』の団長ドルドラ=フォン=ファーレンの息子で名前をゴルドファ=フォン=ファーレンだよ」
「成程。騎士団長の息子か」
ザガードはそれで納得した。
王国には騎士団が六つある。
『赤獅子騎士団』
『青熊騎士団』
『黄竜騎士団』
『緑鹿騎士団』
『紫鮫騎士団』
『銀虎騎士団』
の六つだ。
全ての騎士団は、貴族だろうと平民だろうと資格審査を受けなければ入団できない。
その騎士団の団長の息子という事で、かなり鍛えられているのだなと思ったザガード。
「さて、次の人は、……と言っても、残りは二人ですか」
オベランがそう言うので、生徒達を見ていると、テストに参加して受けていないのは、ザガードとライアンだけだという事に気付いた。
オベランがそう言うので、ザガードはライアンの方を見た。
(どっちが先、行くかな?)
と思いつつ見ていると、ライアンはどうかというと。
「という訳なんだ」
「ふっふふ、殿下ったら」
ライアンはカトリーヌと楽しく談笑していた。
授業中だというのに、其処だけは何故か華が咲いた様な雰囲気をだしていた。
皆、それを見て羨ましそうな妬んでいる様な目で見ていた。
それを見たザガードはと言うと。
(何だ? 何かモヤモヤとするぞ? いや、違う。イラッとしているのか?)
何故か、イライラしている気持ちになっている自分に不思議に思った。
どうも、ライアンとカトリーヌが話している姿を見て、こんな気持ちになっているのだと分かった。
何でそんな気持ちになっているのか分からないが、とりあえず先にテストを受けるザガード。
ザガードは箱の中から、得物を探していた。
「……これは」
箱の中を探していると、ある物を見つけた。
ザガードはそれを手に取った。ザガードが手に取った物は剣だった。
いや、剣と言うよりも、それは刀身は細く、長く、反っていた剣であった。
よく見ると、片刃なので剣というよりも、刀と言えた。
しかし、鍔の部分や握りの部分がこちらの国風であった。
「サーベルか。鞘付きか。これにしよう」
ザガードはその剣を持って、人形の近くまで行く。
「準備が整いましたね。では、LEVEL設定はどれくらいにしますか?」
「……最大で」
ザガードがそう言うと、周りがどよめきだした。
「ほぅ、つまりLEVEL五十という事ですが、良いのですか?」
オベランがそう言う。それは確認の為に訊いているようだ。
「はい。お願いします」
「……良いでしょう。分かりました」
オベランが人形をLEVEL最大にさせて起動させた。
人形は起動すると、赤い目を輝かせた。
そして、剣と盾を構える。
その構え方は、ティルズやゴルドファが相手にした時よりも、更に隙が無かった。
「これがLEVEL五十か。これは流石にキツイな」
ティルズが人形の構えを見て呟いた。
今の自分では、勝てるか勝てないか分からないという感じであった。
思わず、生唾を飲み込んだ。
(さて、あいつはどうやって勝つのやら)
ティルズはザガードがどう戦うか楽しみにしていた。
ザガードはサーベルを抜かず、生ける人形と対する。
「それでは、始めっ!」
オベランが開始の声をあげても、ザガードは剣は抜かなかった。
皆、何で抜かないんだと思いつつ見ていると、人形が駆けだした。
その速さ、他の生徒達が戦って時よりも速かった。
盾で自分を守りつつ駆けている。
これでは、普通に攻撃しても盾で防がれると皆は思っていた。
しかし、ザガードはまだ剣は抜かなかった。
人形はそれでもザガードに向かって来る。
そして、後、十歩という所まで人形が来ると。ザガードは身体の重心を前に傾けた。
「覇極始天流抜刀術――――――『疾風』」
その呟きと共に、ザガードの姿が消えた。
いきなり、姿が見えなくなった事で、人形は動きを止める。
チャリン。
そんな涼やかな音が人形の背後から聞こえて来た。
人形が振り返ると、其処にはザガードが居た。
人形は標的を見つけて、攻撃をしようと剣を振り上げようとしたら、その剣を持っている手が無かった。
ドチャッという音と共に、剣を持っている手が地面に落ちた。
その音が聞こえだしたと思ったら、人形の至る所に線が走った。
次の瞬間、人形がバラバラになった。
「「「………………っ⁉」」」
観戦していた者達は目を見開らかせて驚いていた。
ザガードの姿が消えたと思ったら、人形の背後に現れたと思ったら、人形が斬られていた。
あまりに速いので、目を追う事が出来なかったのだ。
それは、ティルズもゴルドファも同じであった。
「なんて、速さだ。俺の目でも追い切れなかったぞ」
「斬った回数は全部で五回。俺の目でも三回までしか見えなかった⁉」
二人は驚愕していた。
自分では、あんなに速く五回も斬る事は出来ないからだ。
「見事。流石は覇極始天流ですね」
「ありがとうございます」
オベランが称賛したので、ザガードは頭を下げる。
パチパチパチ。
「わぁ、凄いですね」
カトリーヌが拍手してきた。
女性からも褒められたので、ザガードは礼儀として頭を下げた。
カトリーヌが褒めた事で、ライアンの顔を顰める。
ザガードがサーベルを箱の中に仕舞う。
それを見て、ライアンが前に出た。
「では、次はわたしの番だな」
そう言うライアンを見て、皆心の中で、もう、お前だけだよと思った。
口に出せば、不敬と思われるので口には出さなかった。
ライアンは箱の中に手を入れて、剣を手に取った。
「では、ライアン君。LEVELはどれくらいにしますか?」
「そうですね。・・・三十で」
ライアンのLEVEL設定を聞いて、皆、ホッとした。
まさか、ザガードみたいにLEVEL最大にしないか、皆不安だったようだ。
ライアンと人形は対峙した。
「殿下。頑張ってください!」
カトリーヌが励ましの言葉を掛ける。
ライアンは手を振って答えた。
そうしている間に、オベランは人形を起動させた。
「では、初めてください」
オベランがそう声を掛けると、人形はライアンに向かって行く。
ライアンは剣を構える。
人形が剣を振りかぶり、袈裟切りを見舞う。
「くっ」
ライアンはその攻撃を防ぎ、反撃の逆袈裟を見舞うが、人形は盾で防いだ。
「くそっ、ならっ」
ライアンは剣を叩きつける様に連撃を見舞う。
その必死に剣を振るう姿を見て、ティルズはザガードに訊ねる。
「どう思う?」
「五分、いや下手したら負けるな」
「お前もそう思うか?」
ザガードは無言で頷いた。
「……あの皇子は馬鹿なのか?」
「ゴホン。それについては、何も言えないが、ティルズ。不敬だぞ」
ザガードは話を聞いている者は居ないか見たが、誰も聞いている者は居ないようだ。
「ああ、思わず出ちまったな」
ティルズは口を抑える。
「しかし、そろそろ決着つくな」
「だな」
二人の予想通り、防戦一方であったライアンが人形の攻撃で剣をふっ飛ばされた。
「あっ⁉」
手から離れた剣は、ライアンから離れた所に落ちた。
ライアンは剣が落ちた所に行こうとしたら、人形は容赦なく剣を振り下ろした。
「「「っっ⁉」」」
皆、声にならない悲鳴を上げた。
カトリーヌにいたっては手で顔を覆う。
「そこまでっ」
オベランが大きな声をあげると、人形は止まった。
剣は後少しで、ライアンに当たると言う所で止まった。
「はい。では、これで実技テストを終了とします。お疲れ様でした」
オベランが手を叩くと、人形は止まっていた体勢から動き、元居た位置に戻り停止した。オベランが片付けをしていると、ライアンはその場に座り込んだ。
「…………」
そして、身体を震わせた。
自分が提案した事で、自分が恥を掻いたので羞恥で震わせているようだ。
ライアンのその姿を見て、何とも言えない顔をしだした。
しかし、カトリーヌはそんな空気を読む事無く、ライアンに声を掛ける。
「き、今日は調子が悪かったのですよね? じゃないと、こんなにあっさりと負ける訳ないですよっ」
励ます為にそう言っているつもりだろうが、それなら、何であんな事を言ったのだろうと皆思った。
「大丈夫です。今日は駄目でも、次はちゃんとこなせますよっ」
カトリーヌは分かっているのか、励ませば励ますほどに、ライアンが落ち込んでいる事に。
このままでは、可哀そうだと思い、誰か止めさせてやれと、目で見ているが、誰も行く気配はない。
どうしたものかと思っていると。
「殿下。何かあったのですか?」
其処に、ローザアリアが現れた。
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