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第9話 試合開始
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フィリックと魔導剣闘術部の生徒達話し合いの結果。
先鋒から三将まで魔導剣闘術部の模擬演舞に出る選手四人。
副将ティルズ。
大将ザガード。
という順番になった。
あくまでも、剣術部と魔導剣闘術部の手合わせなので、先に出る事となった。
ザガード達は人数合わせ的な役目となった。
リエリナは微笑んでいたが、その顔を見てザガードは思った。
あれは内心、不満に思っている顔だなっと。
長年仕えているので、顔を見ればどう思っているか分かるザガード。
顔は微笑んでいるのだが、右眉だけピクピク動いている。
家以外で、不満がある時はこんな顔をする。
現にリエリナが不満だと思っている事に気付いている者はザガード以外誰も居ない。
そんな顔をするリエリナにザガードは近付く。
「…お嬢様」
ザガードが声を掛けると、リエリナは手招きする。
リエリナの傍に行くザガード。リエリナは羽根扇子で口元を隠し話しだした。
「遠慮は無用です。何処の家の者だろうとコテンパンにしなさい」
「はぁ」
「全く、フィリック先生は何で貴方にも声を掛けたのかしら? 人数合わせで良いなら、ここの部の者でも良いではありませんか」
不満げに呟くリエリナ。
リエリナの言う通り、模擬演舞に出る生徒は四人だけだが、素振りやら型の練習をしている者は沢山いる。
「先生にも、何かお考えがあるのでしょう」
だが、何を考えているかはザガードには分からなかった。
「折角、ザガードのカッコいい所が見えれると思いましたのに」
「まぁまぁ」
不満たらたらのリエリナを宥めるザガード。
「よしっ。このメンバーで行くぞ」
「「「はいっ」」」
剣術部もメンバーを選抜終えたようで、六人程仕切りの中に入る。
「向こうは選び終えたようですね」
「では、行って参ります」
ザガードは一礼して、リエリナの傍を離れる。
リエリナの傍を離れたザガードは魔導剣闘術部の者達が居る所に座る。
ザガードが座ると、その隣にティルズがきた。
「調子はどうだ?」
「悪くない」
「そうか。まさか、相手をするのではなく、一緒に戦う事になるとはな。想像もしなかったぞ」
「確かに、わたしも想像できなかった」
「俺は一-Bだが、お前は?」
「一-Aです」
「そうか。クラスは違うが仲良くしような」
ティルズは手を差し出した。
これは握手をする為だ。
その手を見たザガードは、手を差し出して握手した。
「まずはルール説明です。一対一で戦い。相手選手が「参った」と言うか、審判役のわたしが「一本」と言った方か勝ちとします。また、試合続行不可と判断したら、わたしが止めます。それで良いですね?」
フィリックがそう尋ねると、両チームの者達は頷いた。
「では、両チームの先鋒前へ」
フィリックの声が響くと同時に、両チームの先鋒が前に出た。
「始まるな」
「ああ」
「お前はどう見る?」
ザガードは両チームの先鋒を見る。
剣術部の先鋒はしなやかな体つきだが、剣の構えに無駄がない。
相当出来るなと思いながら、こちらのチームの先鋒を見る。
鍛えた体をしてはいるが、どうにも構えに隙がある。
「…こっちの負けだな」
「そうか。まぁ、仕方がないか。あの先鋒は剣術部でも上位に入る実力者だそうだ」
「成程」
ティルズとザガードは話している間に、試合が始まった。
先鋒は最初から剣を交える事はせず、相手の動きに注視した。
そのまま睨み合うのかと思われた瞬間。
「きえええええっ」
奇声をあげて駆けだす魔導剣闘術部の先鋒だった。
その突撃を前に、剣術部の先鋒は慌てず構える。
上段からの振り下ろしを相手にぶつける魔導剣闘術部の先鋒。
だが、剣術部の先鋒はその一撃をなんなく受け止める。
「ふんっ」
受け止めた一撃を、押し返した。
剣を押し返されて隙を生んだ魔導剣闘術部の先鋒。
その隙を見逃さず、剣術部の先鋒は腹に刺突を見舞う。
「ぐふっ⁉」
魔導剣闘術部の先鋒は腹を抑える。
「一本。それまでっ」
フィリックがそう言うと、剣術部の先鋒は構えを解いた。
「まずは一勝」
「この調子で次も勝つぞ」
剣術部から喜びの声があがる。
続く、次鋒、中堅戦は、魔導剣闘術部の負けであった。
それにより意気があがる剣術部。
もう一戦勝てば、剣術部の勝利かと思われた。
続く三将戦にて。
「せいっ」
魔導剣闘術部の三将の剣が、剣術部の剣を払い飛ばした
「一本。それまでっ」
ようやく勝ちを拾えて、喜ぶ魔導剣闘術部の者達。
反対の剣術部の方はというと、負けはしたが、これ以上、負ける事はないという顔をしていた。
何故なら、次の副将、大将はこの部のものではなく、他の部の者と見学に来ただけの生徒だ。
どう考えても、負ける事はない。
剣術部の者達の顔にはそう書かれていた。
「さてと、行くとするか」
ティルズは剣を手に取り、立ち上がる。
「頑張ってくれ」
「おうよ」
ザガードがそう声を掛けると、ティルズは白い歯を見せながら笑う。
先鋒から三将まで魔導剣闘術部の模擬演舞に出る選手四人。
副将ティルズ。
大将ザガード。
という順番になった。
あくまでも、剣術部と魔導剣闘術部の手合わせなので、先に出る事となった。
ザガード達は人数合わせ的な役目となった。
リエリナは微笑んでいたが、その顔を見てザガードは思った。
あれは内心、不満に思っている顔だなっと。
長年仕えているので、顔を見ればどう思っているか分かるザガード。
顔は微笑んでいるのだが、右眉だけピクピク動いている。
家以外で、不満がある時はこんな顔をする。
現にリエリナが不満だと思っている事に気付いている者はザガード以外誰も居ない。
そんな顔をするリエリナにザガードは近付く。
「…お嬢様」
ザガードが声を掛けると、リエリナは手招きする。
リエリナの傍に行くザガード。リエリナは羽根扇子で口元を隠し話しだした。
「遠慮は無用です。何処の家の者だろうとコテンパンにしなさい」
「はぁ」
「全く、フィリック先生は何で貴方にも声を掛けたのかしら? 人数合わせで良いなら、ここの部の者でも良いではありませんか」
不満げに呟くリエリナ。
リエリナの言う通り、模擬演舞に出る生徒は四人だけだが、素振りやら型の練習をしている者は沢山いる。
「先生にも、何かお考えがあるのでしょう」
だが、何を考えているかはザガードには分からなかった。
「折角、ザガードのカッコいい所が見えれると思いましたのに」
「まぁまぁ」
不満たらたらのリエリナを宥めるザガード。
「よしっ。このメンバーで行くぞ」
「「「はいっ」」」
剣術部もメンバーを選抜終えたようで、六人程仕切りの中に入る。
「向こうは選び終えたようですね」
「では、行って参ります」
ザガードは一礼して、リエリナの傍を離れる。
リエリナの傍を離れたザガードは魔導剣闘術部の者達が居る所に座る。
ザガードが座ると、その隣にティルズがきた。
「調子はどうだ?」
「悪くない」
「そうか。まさか、相手をするのではなく、一緒に戦う事になるとはな。想像もしなかったぞ」
「確かに、わたしも想像できなかった」
「俺は一-Bだが、お前は?」
「一-Aです」
「そうか。クラスは違うが仲良くしような」
ティルズは手を差し出した。
これは握手をする為だ。
その手を見たザガードは、手を差し出して握手した。
「まずはルール説明です。一対一で戦い。相手選手が「参った」と言うか、審判役のわたしが「一本」と言った方か勝ちとします。また、試合続行不可と判断したら、わたしが止めます。それで良いですね?」
フィリックがそう尋ねると、両チームの者達は頷いた。
「では、両チームの先鋒前へ」
フィリックの声が響くと同時に、両チームの先鋒が前に出た。
「始まるな」
「ああ」
「お前はどう見る?」
ザガードは両チームの先鋒を見る。
剣術部の先鋒はしなやかな体つきだが、剣の構えに無駄がない。
相当出来るなと思いながら、こちらのチームの先鋒を見る。
鍛えた体をしてはいるが、どうにも構えに隙がある。
「…こっちの負けだな」
「そうか。まぁ、仕方がないか。あの先鋒は剣術部でも上位に入る実力者だそうだ」
「成程」
ティルズとザガードは話している間に、試合が始まった。
先鋒は最初から剣を交える事はせず、相手の動きに注視した。
そのまま睨み合うのかと思われた瞬間。
「きえええええっ」
奇声をあげて駆けだす魔導剣闘術部の先鋒だった。
その突撃を前に、剣術部の先鋒は慌てず構える。
上段からの振り下ろしを相手にぶつける魔導剣闘術部の先鋒。
だが、剣術部の先鋒はその一撃をなんなく受け止める。
「ふんっ」
受け止めた一撃を、押し返した。
剣を押し返されて隙を生んだ魔導剣闘術部の先鋒。
その隙を見逃さず、剣術部の先鋒は腹に刺突を見舞う。
「ぐふっ⁉」
魔導剣闘術部の先鋒は腹を抑える。
「一本。それまでっ」
フィリックがそう言うと、剣術部の先鋒は構えを解いた。
「まずは一勝」
「この調子で次も勝つぞ」
剣術部から喜びの声があがる。
続く、次鋒、中堅戦は、魔導剣闘術部の負けであった。
それにより意気があがる剣術部。
もう一戦勝てば、剣術部の勝利かと思われた。
続く三将戦にて。
「せいっ」
魔導剣闘術部の三将の剣が、剣術部の剣を払い飛ばした
「一本。それまでっ」
ようやく勝ちを拾えて、喜ぶ魔導剣闘術部の者達。
反対の剣術部の方はというと、負けはしたが、これ以上、負ける事はないという顔をしていた。
何故なら、次の副将、大将はこの部のものではなく、他の部の者と見学に来ただけの生徒だ。
どう考えても、負ける事はない。
剣術部の者達の顔にはそう書かれていた。
「さてと、行くとするか」
ティルズは剣を手に取り、立ち上がる。
「頑張ってくれ」
「おうよ」
ザガードがそう声を掛けると、ティルズは白い歯を見せながら笑う。
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