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第六話
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そして、ミネルヴァの話しの続きを聞いた。
女神曰く、今自分達が居る世界は異世界で『イリニゲザフォス』と言うらしい。
この世界には四つの大陸があるそうで、俺達が居るのはその四つある大陸の一つで『カタメカ大陸』にある一つの国だそうだ。
大陸の形で言うと、太腿まである人の足を逆さにした形になっているそうだ。
俺は最初、元の世界にあるイタリアを逆さにした形なのかと思ったが、良く聞いてみると、アメリカ大陸と南アメリカ大陸をくっつけたような形だと分かった。
だとしたら、それなりに大きな国があるのだと思っていると、この『カタメカ大陸』には幾つかの国はあるが、大国と言われる国が二つあるそうだ。
一つは俺達が居るアテネ神権国。略して『神国』と言うそうだ。
もう一つはテバスパ=イルタ二重王国と言い、略して『二重王国』と言うそうだ。
この二国は直接領土は接していなかったのだが、ある時、二国の間にあるコレタ王国とデロス王国という小国同士が戦争となった。
その争っている小国同士の国力は同じの為か、両国は互いに領土が近い国に援軍を求めた。
結果、その小国同士の戦争が何時の間にか『神国』と『二重王国』の戦争となった。
その余波で二つの小さい国は併合という名の国家としての終わりを迎えた。
そして、停戦休戦を何度も挟みつつ、両大国の戦争は続いていた。
ある日、休戦中の『二重王国』が休戦を破り宣戦布告をしてきた。
その布告を聞いたミネルヴァは直ぐに軍備を整えようとした所で、隣の大陸にある魔族国家の『スラヴ帝国』通称『帝国』が突如侵攻してきた。
領海権で揉める事はあったが、それなりに友好的に接して来た国が侵攻してきたの理由は『二重王国』と同盟を結んだからだ。
二面作戦を取る事となった『神国』は『二重王国』の侵攻は防いだが、『帝国』の侵略を防ぐ事は出来なかった。
領土の一部を征服された事で『帝国』は『神国』への橋頭保を確保された。
領土の奪還に兵を送りたくても『二重王国』が侵攻してくる可能性があった。
ミネルヴァは『神国』内の上層部と話し合った結果、戦力増強の為に俺達を呼んだそうだ。
異世界人はこちらの世界に来る際、この世界の人間よりも高い身体能力と天職が与えられると資料に書かれていたので、ミネルヴァは呼ぶ事としたそうだ。
話はそれで終わりだが、聞き終わって思ったのは、これって拉致だよなと思った。
でも、こいつらからしたらそういう考えはないんだろうな。
必要だから呼んだ。ただ、それだけなのだろう。
話を聞いたクラスメート達の殆どの奴らは今にも爆発しそうな位に怒っていた。
一部の奴らは「俺にチートがっ」とか「異世界転生? いや、この場合は転移か?」とか「やったぜ。俺もノベルみたいな主人公になれるんだっ」とか言って喜んでいた。
馬鹿か。こいつら。
俺達はその能力で人殺しをさせられるんだぞ。しかも、強制的に。
怒っている奴らは俺と同じ気持ちだから怒っているのだろう。
「そんな事できるかっ」
案の定、築山が噛みついた。
「人殺しに参加させるつもりだろうが、こっちはそんな命令に従うつもりは無いっ」
「しかし、このままでは都にまで敵は攻め込んできます。どうか、お願いできないでしょうか?」
ミネルヴァが懇願するが、築山は聞く耳を持たなかった。
「そっちが勝手に召喚しただけだろうが。兎も角、僕は戦争に参加しないぞっ」
築山がそう言うと「俺も」「わたしも」と何人かのクラスメート達が追従する様に戦争に不参加を決めた。
「でもよ。俺達はこの世界じゃあ、強いんだろう。だったら、そうそう死ぬ事は無いだろうぜ」
其処に鬼島が口を挟んだ。
話を聞いて、自分にも強い力が宿っていると分かり、その力を試したいと言う顔をしていた。
「鬼島、お前っ」
「別にお前は参加しなくてもいいだろう。ショタコン」
「おまえっ」
築山は自分の名前が、そう言われる事があるので嫌っていた。
それを言われると、普段は冷静の築山も冷静でいられなくなる。
「止めなさい。二人共」
霧島先生が二人を仲裁して大人しくさせた。
そして、ミネルヴァを見た。
「女神様。わたし達は戦った事が無い者達ばかりです。幾ら高い能力を持っていても、とても」
霧島先生はそう言って戦争の惨禍を拒否しようとした。
「そうですか。残念です。協力してくれれば、貴方達を元の世界に戻れる手段が見つかるかもしれないと言うのに」
ミネルヴァは残念そうに首を振りながら呟いた。
「何ですって?」
「実は『二重王国』には貴方達を帰還せる程の魔力を持っている魔石があると噂はあるのです」
「その魔石があれば、わたし達は元の世界に帰れると?」
「ああ、飽くまでもその魔石があればですがね」
ミネルヴァがそう言うと、霧島先生は考えただした。
「・・・・・・もし、その魔石があれば、わたし達を元の世界に帰る事が出来るのですか?」
「ええ、そうですね」
ミネルヴァの答えを聞いて霧島先生は悩みだした。
戦争に参加すべきか否かを。
「まぁ、少し時間を上げますので、今日の所は皆さんの天職を知って置いて下さい」
ミネルヴァにそう言われたが、俺達はどうやって、その天職とやらを調べるのか分からなかった。
「『ステータス』」と唱えれば、自分の能力がどれくらいか分かりますよ」
ミネルヴァがそう教えてくれた事で、俺達は言われた通りに『ステータス』と唱えた。
女神曰く、今自分達が居る世界は異世界で『イリニゲザフォス』と言うらしい。
この世界には四つの大陸があるそうで、俺達が居るのはその四つある大陸の一つで『カタメカ大陸』にある一つの国だそうだ。
大陸の形で言うと、太腿まである人の足を逆さにした形になっているそうだ。
俺は最初、元の世界にあるイタリアを逆さにした形なのかと思ったが、良く聞いてみると、アメリカ大陸と南アメリカ大陸をくっつけたような形だと分かった。
だとしたら、それなりに大きな国があるのだと思っていると、この『カタメカ大陸』には幾つかの国はあるが、大国と言われる国が二つあるそうだ。
一つは俺達が居るアテネ神権国。略して『神国』と言うそうだ。
もう一つはテバスパ=イルタ二重王国と言い、略して『二重王国』と言うそうだ。
この二国は直接領土は接していなかったのだが、ある時、二国の間にあるコレタ王国とデロス王国という小国同士が戦争となった。
その争っている小国同士の国力は同じの為か、両国は互いに領土が近い国に援軍を求めた。
結果、その小国同士の戦争が何時の間にか『神国』と『二重王国』の戦争となった。
その余波で二つの小さい国は併合という名の国家としての終わりを迎えた。
そして、停戦休戦を何度も挟みつつ、両大国の戦争は続いていた。
ある日、休戦中の『二重王国』が休戦を破り宣戦布告をしてきた。
その布告を聞いたミネルヴァは直ぐに軍備を整えようとした所で、隣の大陸にある魔族国家の『スラヴ帝国』通称『帝国』が突如侵攻してきた。
領海権で揉める事はあったが、それなりに友好的に接して来た国が侵攻してきたの理由は『二重王国』と同盟を結んだからだ。
二面作戦を取る事となった『神国』は『二重王国』の侵攻は防いだが、『帝国』の侵略を防ぐ事は出来なかった。
領土の一部を征服された事で『帝国』は『神国』への橋頭保を確保された。
領土の奪還に兵を送りたくても『二重王国』が侵攻してくる可能性があった。
ミネルヴァは『神国』内の上層部と話し合った結果、戦力増強の為に俺達を呼んだそうだ。
異世界人はこちらの世界に来る際、この世界の人間よりも高い身体能力と天職が与えられると資料に書かれていたので、ミネルヴァは呼ぶ事としたそうだ。
話はそれで終わりだが、聞き終わって思ったのは、これって拉致だよなと思った。
でも、こいつらからしたらそういう考えはないんだろうな。
必要だから呼んだ。ただ、それだけなのだろう。
話を聞いたクラスメート達の殆どの奴らは今にも爆発しそうな位に怒っていた。
一部の奴らは「俺にチートがっ」とか「異世界転生? いや、この場合は転移か?」とか「やったぜ。俺もノベルみたいな主人公になれるんだっ」とか言って喜んでいた。
馬鹿か。こいつら。
俺達はその能力で人殺しをさせられるんだぞ。しかも、強制的に。
怒っている奴らは俺と同じ気持ちだから怒っているのだろう。
「そんな事できるかっ」
案の定、築山が噛みついた。
「人殺しに参加させるつもりだろうが、こっちはそんな命令に従うつもりは無いっ」
「しかし、このままでは都にまで敵は攻め込んできます。どうか、お願いできないでしょうか?」
ミネルヴァが懇願するが、築山は聞く耳を持たなかった。
「そっちが勝手に召喚しただけだろうが。兎も角、僕は戦争に参加しないぞっ」
築山がそう言うと「俺も」「わたしも」と何人かのクラスメート達が追従する様に戦争に不参加を決めた。
「でもよ。俺達はこの世界じゃあ、強いんだろう。だったら、そうそう死ぬ事は無いだろうぜ」
其処に鬼島が口を挟んだ。
話を聞いて、自分にも強い力が宿っていると分かり、その力を試したいと言う顔をしていた。
「鬼島、お前っ」
「別にお前は参加しなくてもいいだろう。ショタコン」
「おまえっ」
築山は自分の名前が、そう言われる事があるので嫌っていた。
それを言われると、普段は冷静の築山も冷静でいられなくなる。
「止めなさい。二人共」
霧島先生が二人を仲裁して大人しくさせた。
そして、ミネルヴァを見た。
「女神様。わたし達は戦った事が無い者達ばかりです。幾ら高い能力を持っていても、とても」
霧島先生はそう言って戦争の惨禍を拒否しようとした。
「そうですか。残念です。協力してくれれば、貴方達を元の世界に戻れる手段が見つかるかもしれないと言うのに」
ミネルヴァは残念そうに首を振りながら呟いた。
「何ですって?」
「実は『二重王国』には貴方達を帰還せる程の魔力を持っている魔石があると噂はあるのです」
「その魔石があれば、わたし達は元の世界に帰れると?」
「ああ、飽くまでもその魔石があればですがね」
ミネルヴァがそう言うと、霧島先生は考えただした。
「・・・・・・もし、その魔石があれば、わたし達を元の世界に帰る事が出来るのですか?」
「ええ、そうですね」
ミネルヴァの答えを聞いて霧島先生は悩みだした。
戦争に参加すべきか否かを。
「まぁ、少し時間を上げますので、今日の所は皆さんの天職を知って置いて下さい」
ミネルヴァにそう言われたが、俺達はどうやって、その天職とやらを調べるのか分からなかった。
「『ステータス』」と唱えれば、自分の能力がどれくらいか分かりますよ」
ミネルヴァがそう教えてくれた事で、俺達は言われた通りに『ステータス』と唱えた。
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