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第17話 くらえ、呪詛返し!
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側妃の一人……エランダ妃は伯爵家の出身であり、王の妻の中ではかなり格下の女性だった。
第十二王子を産んだ母親であったが……その王子が王位を継ぐ可能性は限りなく低く、いずれは僧院に入るか臣籍降下するものと思われている。
せっかく、王の妃の一人となれたというのに……優雅な生活からはほど遠い。
他の妃からは馬鹿にされ、使用人からも軽んじられる日々を送っていた。
「ヒイ……ヒイ……なんで、どうして……私がこんな目に……!」
王宮の一室にて、エランダ妃がベッドに寝込んで荒い呼吸を繰り返していた。
引きつったような吐息。時折、出てくる咳には血の痰も混じっている。
どうして、自分がこんな目に遭わなくてはいけないのだろう……自問自答するが、その答えは出てこなかった。
「ゲホゲホッ……こ、これもぜんぶぜんぶ……あの女とガキのせいだ……!」
ベッドに横たわりながら、瞳を血走らせて吐き捨てる。
エランダ妃はかつて、一人の女性に嫌がらせを繰り返していた。
その女性というのが……ウィルフレッドの母親。末席である側妃である。
エランダ妃よりも身分が低く、けれど高位貴族にはない素朴な愛らしさを持った彼女は国王から寵愛を受けていた。
そんな彼女をエランダ妃は激しく憎んだ。
自分よりも卑しい生まれだというのに、自分よりも国王から愛されているのだ……とてもではないが、許せる存在ではなかった。
ドレスに泥をつけたり、部屋に虫やネズミを放ったり、廊下で足を引っ掛けて転ばせたり……そんな嫌がらせを繰り返すうちに、彼女はどんどん弱っていった。
塵も積もれば山となる……エランダ妃の嫌がらせによって心を病んでしまったのか、やがて命を落としてしまったのだ。
彼女が死んだ際には、エランダ妃は大いに喜んだものである。
しかし……そこから、エランダ妃の地獄が始まった。
それまでは他の妃らの悪意は『彼女』に向けられていたのだが、亡くなってしまったことでエランダ妃に向くことになったのだ。
それまで、『彼女』が受けていた嫌がらせを、エランダ妃が受ける立場になってしまった。
虐げてくるのは自分よりも身分が高い妃達である。エランダ妃に抵抗する手段はない。
一方的にイジメられる立場となったことで、今度はエランダ妃が心を病むことになってしまったのである。
「あの女のせいだ……あの女のせいだ……!」
そんな思いに憑りつかれてしまったエランダ妃がとった手段は、禁じられた忌むべきもの。
すなわち……『彼女』が残した息子であるウィルフレッドに呪いをかけるというものだった。
呪いをかけるために必要な道具は偶然にも手元に転がってきた。馴染みの商人が持ち込んだ本の中にそれらしい物が混じっていたのだ。
本の通りにしたところ、本当にウィルフレッドは体調を崩して寝込むようになった。
ウィルフレッドの体調不良が自分のかけた呪いが原因かはわからなかったが……それでも、気持ちが良かった。他の妃によるイジメの鬱憤が晴れた。
しかし……エランダ妃は知らなかった。
『人を呪わば穴二つ』……そんな言葉が呪術師の間で、教訓として語られていることを。
その日、突如としてエランダ妃は原因不明の病になって寝込むことになった。
まるで毒を盛られたように。まるで……何者かに呪いをかけられたかのように。
あるいは……自らが放った呪いが返ってきたかのように。
「ゲホ、ゲホ……ヒイ、ヒイ、ヒイ……!」
激しい苦痛に襲われながら、寝室でエランダ妃は苦しみ続けていた。
時刻は真夜中。昼間に来た宮廷医師もすでに帰ってしまった。
エランダ妃にも専属の侍女はいるものの……彼女達の中に、夜中に寝ずの看病をするほどエランダ妃に忠誠を誓っている者はいない。
結果、エランダ妃はたった一人でベッドに伏せることになっていた。
「ヒイ……ヒイ……なんで、こんなことに……」
「何でって……自業自得ではないですか」
「へ……?」
しかし、エランダ妃以外に誰もいないはずの部屋に、突如として鈴の音のように澄んだ声が響いた。
エランダ妃が声の方に顔を向けると……そこには、水色のドレスの上に紺のカーディガンを羽織った少女が立っている。
「私のウィルフレッド様に酷いことをするから、そんなことになるんですよ?」
少女がクスクスと楽しそうに笑いながら、エランダ妃を見下ろしている。
瞳に妖しい光が宿り、赤い唇が吊り上がって三日月のようになっていた。
無邪気で残酷な表情。まるで、地を這う蟻を潰して遊ぶ子供のようである。
「ヒイ……ヒイ……あ、あなた……誰なの……?」
「さあ、誰でしょうか?」
「ふ、ふざけないで……ちょうだい……水を、水を持ってきなさいよ……!」
「水? 水が欲しいんですか?」
少女が愉快そうな笑みを浮かべたまま、テーブルに置かれた水差しを手に取った。
グラスの中に水を注いで、エランダ妃に見えるように掲げる。
「ゴクゴク……」
そして……見せつけるようにして、グラスの水を飲み干した。
「プハア……美味しいです」
「あ、あなた……!」
エランダ妃が憎々しげに表情を歪める。
こんなにも他者に腹を立てたのは久しぶりである。
あの女……ウィルフレッドの母親である『彼女』が死んだとき以来だった。
「こ、殺してやる……ヒイ、ヒイ……病気が治ったら、アンタなんて……殺してやるんだから……!」
「『病気が治ったら』?」
少女が皮肉そうに肩をすくめる。
「そんな日は来ませんよ……だって、呪いは倍返しが基本なんですからね」
「ヒイ……ヒイ……の、のろい……?」
「ああ……気がつかずにやったんですね。たまにいますよね、呪いを『おまじない』か何かと勘違いして、気軽に手を染める人が」
少女がツイッと指を伸ばして、ベッドに横たわるエランダ妃の隣を指差す。
「これだけ弱れば、見えてくるはずですよ……それは貴女が生み出した呪いです」
「へ……?」
エランダ妃が少女の声に動かされるようにして、首を反対側に巡らせる。
「ヒ……ヒエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!?」
そして……そこで目が合った。
いったい、いつからそこにいたのだろう。
隣に蠅頭の女がいて、六本の腕を伸ばしてエランダ妃の全身を撫でまわしていたのである。
「ば……ばけ、もの……!」
「自分が産んだ子供にそんな言い方をするものじゃありませんよ。それは貴女が生み出したもの。貴女の恨みの結晶なのですから」
少女はエランダ妃に背中を向けて……壁際にあった本棚まで歩いていく。
そして、そこに置かれていた本の一冊を手に取った。
「へえ……この世界の人間にしては良くできた呪法ですね。誰が作ったのかは知りませんが……」
「た、たすけ……」
「朝までには終わっているでしょう……それでは、さようなら」
少女が笑いながら窓から外に出ていった。
ここは二階だというのに……平然と空中に身を躍らせる。
「ヒ……ギャ……」
『キシャシャシャシャシャシャシャ』
翌朝、寝室で変わり果てたエランダ妃が見つかった。
恐怖と苦悶の表情を浮かべたエランダ妃は全身を青くうっ血させた状態で、無惨にも絶命していたのである。
第十二王子を産んだ母親であったが……その王子が王位を継ぐ可能性は限りなく低く、いずれは僧院に入るか臣籍降下するものと思われている。
せっかく、王の妃の一人となれたというのに……優雅な生活からはほど遠い。
他の妃からは馬鹿にされ、使用人からも軽んじられる日々を送っていた。
「ヒイ……ヒイ……なんで、どうして……私がこんな目に……!」
王宮の一室にて、エランダ妃がベッドに寝込んで荒い呼吸を繰り返していた。
引きつったような吐息。時折、出てくる咳には血の痰も混じっている。
どうして、自分がこんな目に遭わなくてはいけないのだろう……自問自答するが、その答えは出てこなかった。
「ゲホゲホッ……こ、これもぜんぶぜんぶ……あの女とガキのせいだ……!」
ベッドに横たわりながら、瞳を血走らせて吐き捨てる。
エランダ妃はかつて、一人の女性に嫌がらせを繰り返していた。
その女性というのが……ウィルフレッドの母親。末席である側妃である。
エランダ妃よりも身分が低く、けれど高位貴族にはない素朴な愛らしさを持った彼女は国王から寵愛を受けていた。
そんな彼女をエランダ妃は激しく憎んだ。
自分よりも卑しい生まれだというのに、自分よりも国王から愛されているのだ……とてもではないが、許せる存在ではなかった。
ドレスに泥をつけたり、部屋に虫やネズミを放ったり、廊下で足を引っ掛けて転ばせたり……そんな嫌がらせを繰り返すうちに、彼女はどんどん弱っていった。
塵も積もれば山となる……エランダ妃の嫌がらせによって心を病んでしまったのか、やがて命を落としてしまったのだ。
彼女が死んだ際には、エランダ妃は大いに喜んだものである。
しかし……そこから、エランダ妃の地獄が始まった。
それまでは他の妃らの悪意は『彼女』に向けられていたのだが、亡くなってしまったことでエランダ妃に向くことになったのだ。
それまで、『彼女』が受けていた嫌がらせを、エランダ妃が受ける立場になってしまった。
虐げてくるのは自分よりも身分が高い妃達である。エランダ妃に抵抗する手段はない。
一方的にイジメられる立場となったことで、今度はエランダ妃が心を病むことになってしまったのである。
「あの女のせいだ……あの女のせいだ……!」
そんな思いに憑りつかれてしまったエランダ妃がとった手段は、禁じられた忌むべきもの。
すなわち……『彼女』が残した息子であるウィルフレッドに呪いをかけるというものだった。
呪いをかけるために必要な道具は偶然にも手元に転がってきた。馴染みの商人が持ち込んだ本の中にそれらしい物が混じっていたのだ。
本の通りにしたところ、本当にウィルフレッドは体調を崩して寝込むようになった。
ウィルフレッドの体調不良が自分のかけた呪いが原因かはわからなかったが……それでも、気持ちが良かった。他の妃によるイジメの鬱憤が晴れた。
しかし……エランダ妃は知らなかった。
『人を呪わば穴二つ』……そんな言葉が呪術師の間で、教訓として語られていることを。
その日、突如としてエランダ妃は原因不明の病になって寝込むことになった。
まるで毒を盛られたように。まるで……何者かに呪いをかけられたかのように。
あるいは……自らが放った呪いが返ってきたかのように。
「ゲホ、ゲホ……ヒイ、ヒイ、ヒイ……!」
激しい苦痛に襲われながら、寝室でエランダ妃は苦しみ続けていた。
時刻は真夜中。昼間に来た宮廷医師もすでに帰ってしまった。
エランダ妃にも専属の侍女はいるものの……彼女達の中に、夜中に寝ずの看病をするほどエランダ妃に忠誠を誓っている者はいない。
結果、エランダ妃はたった一人でベッドに伏せることになっていた。
「ヒイ……ヒイ……なんで、こんなことに……」
「何でって……自業自得ではないですか」
「へ……?」
しかし、エランダ妃以外に誰もいないはずの部屋に、突如として鈴の音のように澄んだ声が響いた。
エランダ妃が声の方に顔を向けると……そこには、水色のドレスの上に紺のカーディガンを羽織った少女が立っている。
「私のウィルフレッド様に酷いことをするから、そんなことになるんですよ?」
少女がクスクスと楽しそうに笑いながら、エランダ妃を見下ろしている。
瞳に妖しい光が宿り、赤い唇が吊り上がって三日月のようになっていた。
無邪気で残酷な表情。まるで、地を這う蟻を潰して遊ぶ子供のようである。
「ヒイ……ヒイ……あ、あなた……誰なの……?」
「さあ、誰でしょうか?」
「ふ、ふざけないで……ちょうだい……水を、水を持ってきなさいよ……!」
「水? 水が欲しいんですか?」
少女が愉快そうな笑みを浮かべたまま、テーブルに置かれた水差しを手に取った。
グラスの中に水を注いで、エランダ妃に見えるように掲げる。
「ゴクゴク……」
そして……見せつけるようにして、グラスの水を飲み干した。
「プハア……美味しいです」
「あ、あなた……!」
エランダ妃が憎々しげに表情を歪める。
こんなにも他者に腹を立てたのは久しぶりである。
あの女……ウィルフレッドの母親である『彼女』が死んだとき以来だった。
「こ、殺してやる……ヒイ、ヒイ……病気が治ったら、アンタなんて……殺してやるんだから……!」
「『病気が治ったら』?」
少女が皮肉そうに肩をすくめる。
「そんな日は来ませんよ……だって、呪いは倍返しが基本なんですからね」
「ヒイ……ヒイ……の、のろい……?」
「ああ……気がつかずにやったんですね。たまにいますよね、呪いを『おまじない』か何かと勘違いして、気軽に手を染める人が」
少女がツイッと指を伸ばして、ベッドに横たわるエランダ妃の隣を指差す。
「これだけ弱れば、見えてくるはずですよ……それは貴女が生み出した呪いです」
「へ……?」
エランダ妃が少女の声に動かされるようにして、首を反対側に巡らせる。
「ヒ……ヒエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!?」
そして……そこで目が合った。
いったい、いつからそこにいたのだろう。
隣に蠅頭の女がいて、六本の腕を伸ばしてエランダ妃の全身を撫でまわしていたのである。
「ば……ばけ、もの……!」
「自分が産んだ子供にそんな言い方をするものじゃありませんよ。それは貴女が生み出したもの。貴女の恨みの結晶なのですから」
少女はエランダ妃に背中を向けて……壁際にあった本棚まで歩いていく。
そして、そこに置かれていた本の一冊を手に取った。
「へえ……この世界の人間にしては良くできた呪法ですね。誰が作ったのかは知りませんが……」
「た、たすけ……」
「朝までには終わっているでしょう……それでは、さようなら」
少女が笑いながら窓から外に出ていった。
ここは二階だというのに……平然と空中に身を躍らせる。
「ヒ……ギャ……」
『キシャシャシャシャシャシャシャ』
翌朝、寝室で変わり果てたエランダ妃が見つかった。
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