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1巻
1-3
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「……困ったな」
止めるべきかもしれないが……ウータは少しだけ、迷う。
ここが元の世界の日本であったのならば、誘拐も人身売買も犯罪である。
だが、この世界では合法という可能性があった。
「となると……一方的に男の人達を責めるのは間違いだ……そもそも、助ける理由があるわけでもないし」
「…………おい」
男に声をかけられても、ウータは考え続ける。
「でも、絵面はやっぱり犯罪だよね。この人達、ムチャクチャ悪人顔だし。見るからに息も臭そうだし。顔もブサイクだし」
「おい、そこの……おい!」
「やっぱり、どうにかした方がいいのかな……子供を見捨てたのが千花達にバレたら、怒られそうな気がするし……いや、でも関わりたくないなあ。すごい臭そうな顔をしているもの」
「テメエ、いい加減にしやがれ! 聞こえてんのか!?」
「わっ!」
男達に怒鳴りつけられ、ウータは驚きの声を上げた。
少女に絡んでいた男達がそろってウータを睨みつけており、怒りの形相になっている。
「あ、もしかして声に出していたかな?」
「無意識なのかよ! むしろ煽ってるかと思ったわ!」
少女を攫おうとしていた男の一人が怒鳴る。
ひとりごとが多いのはウータの悪い癖である。
「ごめんごめん、今のは僕が悪いね。見た目で人を判断するのはダメだよね。息はやっぱり臭そうだけど、悪人だと勝手に判断して悪かったよ」
「謝罪するふりして、また煽ってるだろうが! ぶち殺すぞテメエ!」
男達の一人が少女を押さえ込み、残りの二人がウータに向かってズンズンと歩いてくる。拳を振り上げて、いきなり殴りかかってきた。
「ウラアッ!」
「ッ……!」
ウータはそのまま、無抵抗で殴られた。
地面に仰向けに倒れる。口の中に錆に似た血の味がした。
「俺達にケンカを売っておいて、ただで済むと思ってんじゃねえぞ、クソガキがあ!」
「テメエも売り飛ばしてやろうか!? それとも、畑の肥料にでもなるかあ!?」
男達が倒れたウータを踏みつけ、ツバを吐きながら暴言を撒き散らす。
何度もウータのことを蹴って……気が済んだ彼らは「フンッ!」と鼻を鳴らした。
「ガキが……これに懲りたら、舐めたマネするなよ!」
「二度とこの辺をうろつくんじゃねえぞ。次に顔を見せたらぶっ殺す!」
「それは怖いね。気を付けるよ」
「「なっ……!」」
ウータが軽く言って、平然と立ち上がる。
さんざん男達から暴力を受けていたというのに、その身体に傷らしい傷はない。
軽くブレザーの制服を叩いて、身体についた砂埃を落とす。
「悪口を言った僕が悪かったから、わざと蹴られたんだ。満足してくれたのなら嬉しいよ」
「テメエ……何者だ?」
「説明すると長くなるから答えられないよ。お腹も空いてきたし、もう行っていいかな?」
「クソが……死ねや!」
そのしゃべり方が気に障った男達は、再びウータに殴りかかる。
ウータはやはり抵抗しないが……男達の拳が身体に触れた途端、男達が消失した。
「は……?」
「え……?」
少し離れた場所にいるもう一人の男と、少女が驚きの声を上げた。
一度に二人の男が煙のように姿を消したのだから、当然の反応である。
「悪口を言ってしまった分だけ、殴られたし蹴られた。これ以上やるようだったら、抵抗するよ?」
「お、おい! アイツらをいったいどこに……!」
「一人ぼっちは寂しいよね」
「ッ……!?」
ウータの声は最後に残った男……その背後から聞こえた。
いつの間にか、ウータは男の後方へと移動していた。
「後を追ってあげるといいよ。友達が待っているから」
「おま……」
男は最後まで言い切ることができず、姿を消した。
ウータの力によって、強制的に転移させられたのだ。
一部始終を見ていた少女が恐る恐るウータに話しかける。
「あ、あなたはいったい……」
「あの人達、町の外に飛ばしただけだから。すぐに戻ってくるだろうし、逃げるのなら早く逃げた方がいいよ」
「あ……」
「僕だって、分別もなく殺したりはしないってことで……じゃあね」
困惑する少女に軽く手を振ってから、ウータは裏通りから出ていった。
男達とのトラブルを解決したウータは、そのまま城下町の大通りへと出る。
すると、そこには賑やかな光景が広がっていた。
「おお、ファンタジーだ」
そこにあったのはまさにファンタジー作品に登場する街並みだった。
大通りには中世ヨーロッパ風の三角屋根の建物が並んでおり、大勢の人々が行き交っている。
普通の人間に混じって、ちらほらとエルフやドワーフと呼ばれるような者達も歩いており、なんとも幻想的な光景が広がっていた。
「安いよ、安いよー! ナップルの実が安いよー!」
「奥さん、こっちの魚も見ていってー。獲れたて新鮮だよー」
通りに並んだ店からは、店主の客引きの声も聞こえる。
こうして見ると、ファンタジー世界も日本の商店街とさほど変わらない。
どちらも大勢の人間が暮らしていて、彼らの生活の営みがあるのだ。
「おっと、ごめんな」
「わっ」
通りをぼんやりと眺めていたら、誰かがぶつかってきた。
その誰かは謝罪の言葉を残して、そそくさと人混みの中に消えていく。
「……へえ、治安はそれほどよくないのかな」
ウータは小さくつぶやく。
財布をすられてしまった。財布といっても、あの国王から貰った金貨の袋だが。
「えいっ」
「へ……?」
人混みに紛れて逃げようとしているスリの目の前に転移する。
スリはなにが起こったのかわからないといった顔をしており、右手にはウータから盗んだ金袋を持っていた。
「ごめんね、これがないと困るから返してもらうよ」
「あ……」
ウータはスリの手から金袋を取り返し、再びポケットに入れた。
金さえ戻ってくれば、後はどうでもいい。スリを放置して去っていこうとする。
「あ、おい! 待て!」
しかし、スリが何故か食い下がってきて、ウータの肩を掴んでくる。
「それは俺の金だ! 返しやがれ!」
「おお、文字通りに盗人猛々しいなあ。人から盗んだものを自分のものとか言っちゃうんだ」
「う、うるせえ! さっさとそれを……」
「やめておけばいいのにね、この世界も馬鹿が多いよ」
「ッ……!?」
ウータは再度、力を行使する。
肩を掴んでいた男の指先から肘までが、一瞬で塵に変わった。
「今はそれほど機嫌が悪くないから、左手だけでいいよ。右手は大切にしてあげてね」
「ひ……ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」
悲鳴を上げる男に周囲からの視線が集まるが……ウータは素知らぬ顔で立ち去る。
あのスリは標的にする人間を間違えた……ただ、それだけのことだ。
「とりあえず、腹ごしらえかなー。ご飯を食べよう」
のんびりと言いながら、ウータは大通りを散策した。
通りには露店も多くあって、串に刺した肉を焼いていたり、なにかのスープを売っていたりする。この辺りで済ませてしまってもいいが……ふと、スパイシーな匂いが鼻を突いてきた。
「これは……」
ウータが匂いの方に視線を向けると、そこには小さな食堂があり、スパイスの香りはそこからしていた。
「うん、いいね」
店構えも綺麗で、それでいて高級店というふうには見えない。ちょっと昼ご飯を食べるには手頃そうな店だった。
ウータが店に入ると、恰幅のいい店主がカウンターの向こうから声をかけてくる。
「いらっしゃい! 空いている席に座ってよー!」
「あ、はい」
ウータがカウンターの席に座った。
メニューらしきものが置かれていたので、手に取ってみる。そこに書かれているのは初めて見る文字だったが、不思議と意味は理解することができた。
「カリー……匂いでそうかと思ったけど、やっぱりか」
予想通り。匂いの正体は『カリー』……つまり、カレーだった。
どうりで食欲をそそられるわけだ。メニューには『野菜カリー』や『チキンカリー』、『シーフドカリー』などが羅列されている。
「それじゃあ、チキンカリーで」
「あいよ、チキンカリー一丁。お飲みものは?」
「えーと、水でいいかな」
「はいよ、お水ね。御代は先払いだよ。五百五十ペイツね」
「あー、えーと……」
通貨がわからない。ウータは金袋に入っていた金貨を一枚取り出し、カウンターに置いて店主の反応を見る。
「あー、一万ペイツ金貨ね。細かいのはないのかい?」
「すみません。今日はこれしかなくって」
「仕方ないなあ。お釣りを持ってくるから待っていてくれ」
店主は受け取った金貨を持って、店の奥に消えていく。
すぐに戻ってきて、ウータに十数枚の貨幣を渡してきた。
「はいよ、確認してくれ」
「どうも」
ウータは渡されたお釣りを確認する。
大きな銀貨が九枚、小さな銀貨が四枚、銅貨が五枚。
そして……先ほど、店主は金貨のことを『一万ペイツ』と言っていた。
(金貨が一枚一万ペイツだから……大きな銀貨が千、小さな銀貨が百、銅貨が十ってところかな?)
チキンカレー一杯が五百五十ペイツということは、当分食うのには困らなそうだと、ウータは袋の中身を思い返す。
(王様がくれた袋には金貨が百枚くらい入っていたから……百万ペイツってことね。それなりに大金をくれていたんだな……どうせ殺して、奪い返せるからということかもしれないけど……)
ウータは怯えた表情の国王を思い出す。
(助かったよ、お互いにね。あまりにも少額だったら、お金を取りに戻らなくちゃいけないところだった)
そうなれば、確実に国王は絶望の底に落とされる。自分を何十年も老化させた悪魔に再び会うことになるのだから、恐怖のあまり我を失うかもしれない。
「はい、チキンカリー。お待ち」
「わっ、美味しそう!」
考えているうちに、料理が運ばれてきた。
カウンター席に、皿に入ったカレーとナンのようなものが置かれる。
食欲を誘うスパイスの匂いがさらに強くなり、胃袋が空腹を訴えてきた。
「いただきますっ!」
これからのことなど考えることは多いが、とりあえず今するべきことは腹ごしらえである。
ウータはナンを千切って、カレーを付けてから口に運んだ。
スパイシーな味わいは癖になるもので、一度食べ始めたら手が止まらなくなる。
「フウ……満腹満腹」
やがて食事を終えて、ウータは満足げに息を吐いた。
目の前に置かれた皿はすっかり空になっている。
大衆食堂らしく値段の割に量もあって、味もなかなかのものだった。
異世界転移もののマンガやライトノベルの中には、異世界は食文化が未発達で苦労させられるパターンもあるが、この世界の料理は十分に美味かった。
「ハハッ、気に入ってくれたようでよかったよ! カリーは苦手っていう人もいるからね!」
太った店主がウータに笑いかけてきた。
ウータの食べっぷりを気に入り、上機嫌な様子だ。
「これを不味いって言う人がいるのかな? 信じられないなあ」
カレーはインド料理ではあるものの、日本でも愛されている。カレーを気に入らない人間がいるとは納得がいかないことである。ウータは断固として抗議したいと感じた。
「そうなんだよ。ドワーフとかは辛いものが好きなようだけど、エルフなどは苦手という人が多いな」
「フーン、そうなんだ」
種族が異なれば、味の好みなども異なるということだろうか。
ウータは水を飲み干して、ふと気になったことを訊ねる。
「ところで……カリーだったよね? この料理はファンブル王国の名物とかなのかな?」
この国の文化についてはまるで知らないが、カレーはインドのような暑い国の食べ物だ。
この城下町のヨーロッパ風の街並みからは違和感があった。
「ふぁんぶる……ファーブニル王国のことか?」
「あ、そう。それそれ」
「この国の名前も知らないのかよ。どこから来たんだ、君は」
店主が呆れた様子で苦笑しながら、ウータの前にある空の食器を回収する。
「これはファーブニル王国東の都市……『魔法都市・オールデン』で生み出されたものだよ。親父がそっちの出身でね。俺は親父から店を継いだ二代目の店主ってわけさ。なんでも、その町にいる大賢者様が故郷の料理を真似して香辛料を生み出し、広めたものだとか」
「大賢者様……?」
「ああ。五百年前、当時の勇者様と一緒に魔王を倒して世界を救った御方さ。この世界とは別の世界から来られた方で、『賢者の塔』という場所のトップをしている」
そんな人がいるのかと思った矢先、ふと店主の言い回しに引っかかりを覚えた。
「トップを……している? 五百年前の人なんだよね?」
「ああ。大賢者様……名前はユキナ様というのだけど、彼女は不老不死であられるのさ。今も若々しい姿で生きている。五百年前から生きていて、国王陛下だって頭が上がらない人なんだぜ?」
「…………」
店主の説明から察するに、その大賢者という人は異世界から召喚された人間なのだろう。
『ユキナ様』という名前から、日本人である可能性が高い。
(これは……いきなり、次の目的地が決まったんじゃないかな?)
五百年前に召喚されたという大賢者であれば、元の世界に戻る方法を知っているかもしれない。
どうせアテがあるわけでもないので、とりあえずはそこを目指すのがいいだろう。
「ありがとう。色々と教えてくれて感謝するよ」
「よくわからないが、いいってことよ」
「それじゃあ、ごちそうさまでした」
ウータは店主にお礼を言ってから、店から出た。
初日から方針が決まった。幸先がいいことである。
東の都市……魔法都市オールデンを目指して、そこにいる大賢者ユキナと会う。
そしてその人から、元の世界に戻るための方法がないかを訊く。
(五百年、生きているような人だったら、なにか知っているかもしれない。それと魔王という存在についても情報を集めておかないとね)
「ひゃっ!」
「え?」
考えごとをしながら店を出たウータは、すぐそこにいた誰かとぶつかってしまう。
小柄な人物が尻もちをついて地面に転んでしまった。
「あ、ごめん! 大丈夫かな!?」
「だ、大丈夫です……」
「あれ、君はたしか……?」
転んでいた人物……小柄な少女に手を差し伸べて、そこで気がついた。
そこにいたのは先ほど、裏路地で男達に絡まれていた少女だったのだ。
「君は……どうしてここに?」
「え、えっと……」
ウータの問いに、少女が曖昧な顔をして目を逸らした。
しばし考え込む様子で黙り込み、やがて意を決したように口を開く。
「あ、案内はいりませんか!?」
「へ……?」
「お兄さん、この町の人じゃないんですよね!? おかしな服を着てますし……さっき助けてくれたお礼に、この町を案内します!」
「…………」
やけに圧の強い少女の様子に、ウータは目を白黒とさせるのだった。
◇ ◇ ◇
「こっち、こっちですっ。ここが『栄光通り』という場所です!」
少女の案内を受けて、ウータは城下町を散策することになった。
望んで来たわけではないが……人として生を受けて、初めてやってきた外国(?)だ。
いずれは元の世界に戻るにせよ、多少の観光くらいはしておかないともったいない。そう感じたウータは少女の提案を受け入れることにした。
少女の名前はマリーと言って、城下町の生まれであり、この町にはそれなりに詳しかった。
マリーは観光スポットなども知っていて、彼女の案内で観光客が必ず訪れるという『栄光通り』という場所にやってきていた。
レンガで舗装された広い道の左右には、たくさんの銅像が並んでおり、道行く人々を見下ろしている。
「通りの左右に銅像が並んでますよねっ。右にあるのが歴代の王様のもので、左にあるのが国のために戦った英雄のものです」
マリーの説明を受けて、ウータは左右を見渡しながらつぶやく。
「へえ……なかなか立派だね」
「そうなんですよっ! ほら……あっちの奥にあるのが初代国王様。向かい合っているのが、五百年前に魔王を倒した勇者様ですっ!」
「勇者ね……へえ……」
かつての勇者の銅像に近寄って、下から見上げる。
台座の上に立っている等身大の銅像は、涼しげな相貌の美男子の姿をしていた。
剣を高々と掲げており、いかにも勇者といった感じだ。
止めるべきかもしれないが……ウータは少しだけ、迷う。
ここが元の世界の日本であったのならば、誘拐も人身売買も犯罪である。
だが、この世界では合法という可能性があった。
「となると……一方的に男の人達を責めるのは間違いだ……そもそも、助ける理由があるわけでもないし」
「…………おい」
男に声をかけられても、ウータは考え続ける。
「でも、絵面はやっぱり犯罪だよね。この人達、ムチャクチャ悪人顔だし。見るからに息も臭そうだし。顔もブサイクだし」
「おい、そこの……おい!」
「やっぱり、どうにかした方がいいのかな……子供を見捨てたのが千花達にバレたら、怒られそうな気がするし……いや、でも関わりたくないなあ。すごい臭そうな顔をしているもの」
「テメエ、いい加減にしやがれ! 聞こえてんのか!?」
「わっ!」
男達に怒鳴りつけられ、ウータは驚きの声を上げた。
少女に絡んでいた男達がそろってウータを睨みつけており、怒りの形相になっている。
「あ、もしかして声に出していたかな?」
「無意識なのかよ! むしろ煽ってるかと思ったわ!」
少女を攫おうとしていた男の一人が怒鳴る。
ひとりごとが多いのはウータの悪い癖である。
「ごめんごめん、今のは僕が悪いね。見た目で人を判断するのはダメだよね。息はやっぱり臭そうだけど、悪人だと勝手に判断して悪かったよ」
「謝罪するふりして、また煽ってるだろうが! ぶち殺すぞテメエ!」
男達の一人が少女を押さえ込み、残りの二人がウータに向かってズンズンと歩いてくる。拳を振り上げて、いきなり殴りかかってきた。
「ウラアッ!」
「ッ……!」
ウータはそのまま、無抵抗で殴られた。
地面に仰向けに倒れる。口の中に錆に似た血の味がした。
「俺達にケンカを売っておいて、ただで済むと思ってんじゃねえぞ、クソガキがあ!」
「テメエも売り飛ばしてやろうか!? それとも、畑の肥料にでもなるかあ!?」
男達が倒れたウータを踏みつけ、ツバを吐きながら暴言を撒き散らす。
何度もウータのことを蹴って……気が済んだ彼らは「フンッ!」と鼻を鳴らした。
「ガキが……これに懲りたら、舐めたマネするなよ!」
「二度とこの辺をうろつくんじゃねえぞ。次に顔を見せたらぶっ殺す!」
「それは怖いね。気を付けるよ」
「「なっ……!」」
ウータが軽く言って、平然と立ち上がる。
さんざん男達から暴力を受けていたというのに、その身体に傷らしい傷はない。
軽くブレザーの制服を叩いて、身体についた砂埃を落とす。
「悪口を言った僕が悪かったから、わざと蹴られたんだ。満足してくれたのなら嬉しいよ」
「テメエ……何者だ?」
「説明すると長くなるから答えられないよ。お腹も空いてきたし、もう行っていいかな?」
「クソが……死ねや!」
そのしゃべり方が気に障った男達は、再びウータに殴りかかる。
ウータはやはり抵抗しないが……男達の拳が身体に触れた途端、男達が消失した。
「は……?」
「え……?」
少し離れた場所にいるもう一人の男と、少女が驚きの声を上げた。
一度に二人の男が煙のように姿を消したのだから、当然の反応である。
「悪口を言ってしまった分だけ、殴られたし蹴られた。これ以上やるようだったら、抵抗するよ?」
「お、おい! アイツらをいったいどこに……!」
「一人ぼっちは寂しいよね」
「ッ……!?」
ウータの声は最後に残った男……その背後から聞こえた。
いつの間にか、ウータは男の後方へと移動していた。
「後を追ってあげるといいよ。友達が待っているから」
「おま……」
男は最後まで言い切ることができず、姿を消した。
ウータの力によって、強制的に転移させられたのだ。
一部始終を見ていた少女が恐る恐るウータに話しかける。
「あ、あなたはいったい……」
「あの人達、町の外に飛ばしただけだから。すぐに戻ってくるだろうし、逃げるのなら早く逃げた方がいいよ」
「あ……」
「僕だって、分別もなく殺したりはしないってことで……じゃあね」
困惑する少女に軽く手を振ってから、ウータは裏通りから出ていった。
男達とのトラブルを解決したウータは、そのまま城下町の大通りへと出る。
すると、そこには賑やかな光景が広がっていた。
「おお、ファンタジーだ」
そこにあったのはまさにファンタジー作品に登場する街並みだった。
大通りには中世ヨーロッパ風の三角屋根の建物が並んでおり、大勢の人々が行き交っている。
普通の人間に混じって、ちらほらとエルフやドワーフと呼ばれるような者達も歩いており、なんとも幻想的な光景が広がっていた。
「安いよ、安いよー! ナップルの実が安いよー!」
「奥さん、こっちの魚も見ていってー。獲れたて新鮮だよー」
通りに並んだ店からは、店主の客引きの声も聞こえる。
こうして見ると、ファンタジー世界も日本の商店街とさほど変わらない。
どちらも大勢の人間が暮らしていて、彼らの生活の営みがあるのだ。
「おっと、ごめんな」
「わっ」
通りをぼんやりと眺めていたら、誰かがぶつかってきた。
その誰かは謝罪の言葉を残して、そそくさと人混みの中に消えていく。
「……へえ、治安はそれほどよくないのかな」
ウータは小さくつぶやく。
財布をすられてしまった。財布といっても、あの国王から貰った金貨の袋だが。
「えいっ」
「へ……?」
人混みに紛れて逃げようとしているスリの目の前に転移する。
スリはなにが起こったのかわからないといった顔をしており、右手にはウータから盗んだ金袋を持っていた。
「ごめんね、これがないと困るから返してもらうよ」
「あ……」
ウータはスリの手から金袋を取り返し、再びポケットに入れた。
金さえ戻ってくれば、後はどうでもいい。スリを放置して去っていこうとする。
「あ、おい! 待て!」
しかし、スリが何故か食い下がってきて、ウータの肩を掴んでくる。
「それは俺の金だ! 返しやがれ!」
「おお、文字通りに盗人猛々しいなあ。人から盗んだものを自分のものとか言っちゃうんだ」
「う、うるせえ! さっさとそれを……」
「やめておけばいいのにね、この世界も馬鹿が多いよ」
「ッ……!?」
ウータは再度、力を行使する。
肩を掴んでいた男の指先から肘までが、一瞬で塵に変わった。
「今はそれほど機嫌が悪くないから、左手だけでいいよ。右手は大切にしてあげてね」
「ひ……ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」
悲鳴を上げる男に周囲からの視線が集まるが……ウータは素知らぬ顔で立ち去る。
あのスリは標的にする人間を間違えた……ただ、それだけのことだ。
「とりあえず、腹ごしらえかなー。ご飯を食べよう」
のんびりと言いながら、ウータは大通りを散策した。
通りには露店も多くあって、串に刺した肉を焼いていたり、なにかのスープを売っていたりする。この辺りで済ませてしまってもいいが……ふと、スパイシーな匂いが鼻を突いてきた。
「これは……」
ウータが匂いの方に視線を向けると、そこには小さな食堂があり、スパイスの香りはそこからしていた。
「うん、いいね」
店構えも綺麗で、それでいて高級店というふうには見えない。ちょっと昼ご飯を食べるには手頃そうな店だった。
ウータが店に入ると、恰幅のいい店主がカウンターの向こうから声をかけてくる。
「いらっしゃい! 空いている席に座ってよー!」
「あ、はい」
ウータがカウンターの席に座った。
メニューらしきものが置かれていたので、手に取ってみる。そこに書かれているのは初めて見る文字だったが、不思議と意味は理解することができた。
「カリー……匂いでそうかと思ったけど、やっぱりか」
予想通り。匂いの正体は『カリー』……つまり、カレーだった。
どうりで食欲をそそられるわけだ。メニューには『野菜カリー』や『チキンカリー』、『シーフドカリー』などが羅列されている。
「それじゃあ、チキンカリーで」
「あいよ、チキンカリー一丁。お飲みものは?」
「えーと、水でいいかな」
「はいよ、お水ね。御代は先払いだよ。五百五十ペイツね」
「あー、えーと……」
通貨がわからない。ウータは金袋に入っていた金貨を一枚取り出し、カウンターに置いて店主の反応を見る。
「あー、一万ペイツ金貨ね。細かいのはないのかい?」
「すみません。今日はこれしかなくって」
「仕方ないなあ。お釣りを持ってくるから待っていてくれ」
店主は受け取った金貨を持って、店の奥に消えていく。
すぐに戻ってきて、ウータに十数枚の貨幣を渡してきた。
「はいよ、確認してくれ」
「どうも」
ウータは渡されたお釣りを確認する。
大きな銀貨が九枚、小さな銀貨が四枚、銅貨が五枚。
そして……先ほど、店主は金貨のことを『一万ペイツ』と言っていた。
(金貨が一枚一万ペイツだから……大きな銀貨が千、小さな銀貨が百、銅貨が十ってところかな?)
チキンカレー一杯が五百五十ペイツということは、当分食うのには困らなそうだと、ウータは袋の中身を思い返す。
(王様がくれた袋には金貨が百枚くらい入っていたから……百万ペイツってことね。それなりに大金をくれていたんだな……どうせ殺して、奪い返せるからということかもしれないけど……)
ウータは怯えた表情の国王を思い出す。
(助かったよ、お互いにね。あまりにも少額だったら、お金を取りに戻らなくちゃいけないところだった)
そうなれば、確実に国王は絶望の底に落とされる。自分を何十年も老化させた悪魔に再び会うことになるのだから、恐怖のあまり我を失うかもしれない。
「はい、チキンカリー。お待ち」
「わっ、美味しそう!」
考えているうちに、料理が運ばれてきた。
カウンター席に、皿に入ったカレーとナンのようなものが置かれる。
食欲を誘うスパイスの匂いがさらに強くなり、胃袋が空腹を訴えてきた。
「いただきますっ!」
これからのことなど考えることは多いが、とりあえず今するべきことは腹ごしらえである。
ウータはナンを千切って、カレーを付けてから口に運んだ。
スパイシーな味わいは癖になるもので、一度食べ始めたら手が止まらなくなる。
「フウ……満腹満腹」
やがて食事を終えて、ウータは満足げに息を吐いた。
目の前に置かれた皿はすっかり空になっている。
大衆食堂らしく値段の割に量もあって、味もなかなかのものだった。
異世界転移もののマンガやライトノベルの中には、異世界は食文化が未発達で苦労させられるパターンもあるが、この世界の料理は十分に美味かった。
「ハハッ、気に入ってくれたようでよかったよ! カリーは苦手っていう人もいるからね!」
太った店主がウータに笑いかけてきた。
ウータの食べっぷりを気に入り、上機嫌な様子だ。
「これを不味いって言う人がいるのかな? 信じられないなあ」
カレーはインド料理ではあるものの、日本でも愛されている。カレーを気に入らない人間がいるとは納得がいかないことである。ウータは断固として抗議したいと感じた。
「そうなんだよ。ドワーフとかは辛いものが好きなようだけど、エルフなどは苦手という人が多いな」
「フーン、そうなんだ」
種族が異なれば、味の好みなども異なるということだろうか。
ウータは水を飲み干して、ふと気になったことを訊ねる。
「ところで……カリーだったよね? この料理はファンブル王国の名物とかなのかな?」
この国の文化についてはまるで知らないが、カレーはインドのような暑い国の食べ物だ。
この城下町のヨーロッパ風の街並みからは違和感があった。
「ふぁんぶる……ファーブニル王国のことか?」
「あ、そう。それそれ」
「この国の名前も知らないのかよ。どこから来たんだ、君は」
店主が呆れた様子で苦笑しながら、ウータの前にある空の食器を回収する。
「これはファーブニル王国東の都市……『魔法都市・オールデン』で生み出されたものだよ。親父がそっちの出身でね。俺は親父から店を継いだ二代目の店主ってわけさ。なんでも、その町にいる大賢者様が故郷の料理を真似して香辛料を生み出し、広めたものだとか」
「大賢者様……?」
「ああ。五百年前、当時の勇者様と一緒に魔王を倒して世界を救った御方さ。この世界とは別の世界から来られた方で、『賢者の塔』という場所のトップをしている」
そんな人がいるのかと思った矢先、ふと店主の言い回しに引っかかりを覚えた。
「トップを……している? 五百年前の人なんだよね?」
「ああ。大賢者様……名前はユキナ様というのだけど、彼女は不老不死であられるのさ。今も若々しい姿で生きている。五百年前から生きていて、国王陛下だって頭が上がらない人なんだぜ?」
「…………」
店主の説明から察するに、その大賢者という人は異世界から召喚された人間なのだろう。
『ユキナ様』という名前から、日本人である可能性が高い。
(これは……いきなり、次の目的地が決まったんじゃないかな?)
五百年前に召喚されたという大賢者であれば、元の世界に戻る方法を知っているかもしれない。
どうせアテがあるわけでもないので、とりあえずはそこを目指すのがいいだろう。
「ありがとう。色々と教えてくれて感謝するよ」
「よくわからないが、いいってことよ」
「それじゃあ、ごちそうさまでした」
ウータは店主にお礼を言ってから、店から出た。
初日から方針が決まった。幸先がいいことである。
東の都市……魔法都市オールデンを目指して、そこにいる大賢者ユキナと会う。
そしてその人から、元の世界に戻るための方法がないかを訊く。
(五百年、生きているような人だったら、なにか知っているかもしれない。それと魔王という存在についても情報を集めておかないとね)
「ひゃっ!」
「え?」
考えごとをしながら店を出たウータは、すぐそこにいた誰かとぶつかってしまう。
小柄な人物が尻もちをついて地面に転んでしまった。
「あ、ごめん! 大丈夫かな!?」
「だ、大丈夫です……」
「あれ、君はたしか……?」
転んでいた人物……小柄な少女に手を差し伸べて、そこで気がついた。
そこにいたのは先ほど、裏路地で男達に絡まれていた少女だったのだ。
「君は……どうしてここに?」
「え、えっと……」
ウータの問いに、少女が曖昧な顔をして目を逸らした。
しばし考え込む様子で黙り込み、やがて意を決したように口を開く。
「あ、案内はいりませんか!?」
「へ……?」
「お兄さん、この町の人じゃないんですよね!? おかしな服を着てますし……さっき助けてくれたお礼に、この町を案内します!」
「…………」
やけに圧の強い少女の様子に、ウータは目を白黒とさせるのだった。
◇ ◇ ◇
「こっち、こっちですっ。ここが『栄光通り』という場所です!」
少女の案内を受けて、ウータは城下町を散策することになった。
望んで来たわけではないが……人として生を受けて、初めてやってきた外国(?)だ。
いずれは元の世界に戻るにせよ、多少の観光くらいはしておかないともったいない。そう感じたウータは少女の提案を受け入れることにした。
少女の名前はマリーと言って、城下町の生まれであり、この町にはそれなりに詳しかった。
マリーは観光スポットなども知っていて、彼女の案内で観光客が必ず訪れるという『栄光通り』という場所にやってきていた。
レンガで舗装された広い道の左右には、たくさんの銅像が並んでおり、道行く人々を見下ろしている。
「通りの左右に銅像が並んでますよねっ。右にあるのが歴代の王様のもので、左にあるのが国のために戦った英雄のものです」
マリーの説明を受けて、ウータは左右を見渡しながらつぶやく。
「へえ……なかなか立派だね」
「そうなんですよっ! ほら……あっちの奥にあるのが初代国王様。向かい合っているのが、五百年前に魔王を倒した勇者様ですっ!」
「勇者ね……へえ……」
かつての勇者の銅像に近寄って、下から見上げる。
台座の上に立っている等身大の銅像は、涼しげな相貌の美男子の姿をしていた。
剣を高々と掲げており、いかにも勇者といった感じだ。
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