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108.すごい景色があったよ
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ウータとステラ、エンジェの三人はダンジョンの中を回って、鉱石を集めていった。
三つほどポイントを回ってツルハシで叩いたところ、目的としている量を採掘することができたらしい。
「ありがとう。これで十分よ」
採掘されたばかりのミスリル鉱石をバックに入れて、エンジェが言う。
「貴方達が手伝ってくれたおかげで、予定していたよりも短時間で鉱石を集めることができた。礼を言うわ」
「別に良いよー。僕達も色々と教えてもらったからね」
「はい。ダンジョン探索は不慣れだったので助かりました」
「……むしろ、貴方達がどうして何も知らずにダンジョンに飛び込んだのかが不思議よね。遭難して死んだらどうするつもりだったのかしら」
いま一つ、緊張感の欠けるウータとステラにエンジェが溜息を吐く。
これが普通の冒険者であったのならば、遭難して命を落としていた可能性もある。
エンジェからしてみれば、信じられないことだろう。
「もしかしたら知らないかもしれないけど……ダンジョン内では空間魔法による転移ができないのよ? ダンジョンから脱出する専用のアイテムを使えば話は別だけど、たまに勘違いして遭難する人がいるんだからね? 気をつけなさいよ?」
「うん、気をつけるよ」
「はい、気をつけますね」
などと言うウータとステラであったが……おそらく、ウータであれば転移で外に脱出することができるだろう。それが緊張感のない理由である。
ウータの転移は通常の転移とは違う。結界の内外を自由に移動することができるのだから。
「ウータさん……」
「うん。そっとだね。そっと」
ステラの声にウータが頷く。
余計な注目を避けるためにも、エンジェの前では転移をしない方が良いだろう。
「それじゃあ、私の用事は終わりだけど……貴方達はどうするの? まだダンジョンに用事があるかしら?」
「うーん、僕ももう良いかな? お腹空いてきたし。外出てご飯食べに行こうよ」
もう夕方に近い時間である。
ウータの胃も空腹を訴えていた。
「それじゃあ、外に出ようと思うけど……その前にもう一箇所だけ、付き合って頂戴」
「別に良いけど……どこに行くのかな?」
「とっておきの場所に連れていってあげるわ。鉱石採掘に付き合ってくれた御礼よ」
エンジェに案内されて、ウータとステラは出口とは別の方向に連れていかれた。
途中で何度か魔物と戦いながら、とある場所に連れていかれた。
「わっ……すごいよ!」
「すごいですね……とても綺麗です!」
そこには幻想的な景色が広がっていた。
坑道の先にあったのは巨大な縦穴である。
縦穴の底に流れているのは巨大な火の川。流れる真っ赤な溶岩だった。
そして、穴の壁には無数の鉱石がキラキラと輝いており、まるで星空をはめ込んだようである。
縦穴の底に近い部分は溶岩の光を反射して赤色。上に向かうにつれて徐々に赤から紫、そこから青に変わっていくコントラスト。
天井部分は星空そのものであり、暗い夜空にミスリルの青銀色が瞬いていた。
「この景色を見せたかったのよ……すごいでしょう?」
この場所に案内してくれたエンジェが微笑みながら言う。
その横顔は少女の姿とは裏腹にやけに大人びており、幼いのは外見だけで実際には大人の女性であることを物語っている。
「ここは父が私に教えてくれた特別な場所なのよ……また見に来れて良かったわ」
「うん、素敵な場所に案内してくれてありがとう」
「ありがとうございます、エンジェさん。とても良いものを見ることができました」
「喜んでくれて良かったわ」
ウータとステラ、エンジェは最高の景色を楽しんでから、ダンジョン探索を終えた。
エンジェは脱出用のアイテムによってダンジョンから離脱。ウータはダンジョンの中では使えるわけがないと言われていた転移魔法によって、外に脱出したのである。
三つほどポイントを回ってツルハシで叩いたところ、目的としている量を採掘することができたらしい。
「ありがとう。これで十分よ」
採掘されたばかりのミスリル鉱石をバックに入れて、エンジェが言う。
「貴方達が手伝ってくれたおかげで、予定していたよりも短時間で鉱石を集めることができた。礼を言うわ」
「別に良いよー。僕達も色々と教えてもらったからね」
「はい。ダンジョン探索は不慣れだったので助かりました」
「……むしろ、貴方達がどうして何も知らずにダンジョンに飛び込んだのかが不思議よね。遭難して死んだらどうするつもりだったのかしら」
いま一つ、緊張感の欠けるウータとステラにエンジェが溜息を吐く。
これが普通の冒険者であったのならば、遭難して命を落としていた可能性もある。
エンジェからしてみれば、信じられないことだろう。
「もしかしたら知らないかもしれないけど……ダンジョン内では空間魔法による転移ができないのよ? ダンジョンから脱出する専用のアイテムを使えば話は別だけど、たまに勘違いして遭難する人がいるんだからね? 気をつけなさいよ?」
「うん、気をつけるよ」
「はい、気をつけますね」
などと言うウータとステラであったが……おそらく、ウータであれば転移で外に脱出することができるだろう。それが緊張感のない理由である。
ウータの転移は通常の転移とは違う。結界の内外を自由に移動することができるのだから。
「ウータさん……」
「うん。そっとだね。そっと」
ステラの声にウータが頷く。
余計な注目を避けるためにも、エンジェの前では転移をしない方が良いだろう。
「それじゃあ、私の用事は終わりだけど……貴方達はどうするの? まだダンジョンに用事があるかしら?」
「うーん、僕ももう良いかな? お腹空いてきたし。外出てご飯食べに行こうよ」
もう夕方に近い時間である。
ウータの胃も空腹を訴えていた。
「それじゃあ、外に出ようと思うけど……その前にもう一箇所だけ、付き合って頂戴」
「別に良いけど……どこに行くのかな?」
「とっておきの場所に連れていってあげるわ。鉱石採掘に付き合ってくれた御礼よ」
エンジェに案内されて、ウータとステラは出口とは別の方向に連れていかれた。
途中で何度か魔物と戦いながら、とある場所に連れていかれた。
「わっ……すごいよ!」
「すごいですね……とても綺麗です!」
そこには幻想的な景色が広がっていた。
坑道の先にあったのは巨大な縦穴である。
縦穴の底に流れているのは巨大な火の川。流れる真っ赤な溶岩だった。
そして、穴の壁には無数の鉱石がキラキラと輝いており、まるで星空をはめ込んだようである。
縦穴の底に近い部分は溶岩の光を反射して赤色。上に向かうにつれて徐々に赤から紫、そこから青に変わっていくコントラスト。
天井部分は星空そのものであり、暗い夜空にミスリルの青銀色が瞬いていた。
「この景色を見せたかったのよ……すごいでしょう?」
この場所に案内してくれたエンジェが微笑みながら言う。
その横顔は少女の姿とは裏腹にやけに大人びており、幼いのは外見だけで実際には大人の女性であることを物語っている。
「ここは父が私に教えてくれた特別な場所なのよ……また見に来れて良かったわ」
「うん、素敵な場所に案内してくれてありがとう」
「ありがとうございます、エンジェさん。とても良いものを見ることができました」
「喜んでくれて良かったわ」
ウータとステラ、エンジェは最高の景色を楽しんでから、ダンジョン探索を終えた。
エンジェは脱出用のアイテムによってダンジョンから離脱。ウータはダンジョンの中では使えるわけがないと言われていた転移魔法によって、外に脱出したのである。
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