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65.魚のお姉さんに会いにいくよ
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宿屋を出たウータとステラは坂を上っていき、町の高台にある領主の屋敷に向かっていった。
「グーお姉さんはいるかな?」
「……誰だ、お前は」
屋敷の前に立っている兵士にウータが話しかける。
二人いた警備の兵士は怪訝そうな表情をして、不審者を見るような目をウータに向けた。
「あ、すみません! 私達、グラス様にお会いしたいんですけど……!」
ステラが慌てて、ウータと兵士の間に割って入る。
「えっと……四日ほど前に町に出た魔物を倒した者です。その魔物について大事な話があって、報告に来たんですけど……」
「あー……そういえば、外から来た人間が魔物を退治したって報告があったな。ちょっと確認してくるから待ってな」
警備の兵士の一人が屋敷に入っていき、しばらくすると戻ってくる。
「グラスお嬢様が会ってくれるそうだ。祭りの準備で忙しくしているから、あまり長居をしないようにな」
「わかりました。ありがとうございます」
兵士が扉を開けてくれた。
ウータとステラが門をくぐって、屋敷の方に向かっていく。
玄関を開いてエントランスホールに入ると……そこには艶やかな衣装をまとった女性が立っていた。
「ああ、貴方達。よく来てくれたね」
「わっ……綺麗……」
ステラが思わずといったふうにつぶやいた。
現れた女性は領主の娘であるグラス・アクエリアである。
グラスは薄手の水色のドレスを身にまとっており、ドレスの裾は貝殻やサンゴによって飾り付けられていた。
透明感のある清楚なドレスは青白い肌のグラスに良く似合っており、派手さはないが不思議と目を引き付けられる魅力がある。
「ありがとう、嬉しいよ……ちょうど今、祭りで着る巫女役の衣装を試着していたんだ。誰かに見てもらいたいと思っていたんだ」
「とてもお似合いです……」
「うんうん、似合っているよ。お姉さん」
ステラとウータが率直な感想を述べると、グラスが嬉しそうにはにかんだ。
「お世辞でも嬉しいよ。それで……今日は何の用かな? 怪物について話したいことがあると聞いたのだけど……」
「えっと……」
ステラがウータの顔を確認すると、ウータはグラスが着ているドレスについた貝殻がきになるようで、巻貝のクルクルをしきりに見つめている。
どうやら、話す内容についてはステラに一任されているようだ。
ステラは持ってきた古文書を数冊差し出して、口を開いた。
「えっと……こちらの古文書をたまたま手に入れまして、気になっている記述があったので持ってきたんですけど……」
ステラが古文書を解読した内容について説明した。
最初は穏やかな表情で話を聞いていたグラスであったが、話が進むにつれて顔つきが険しくなっていく。
最終的に、祭り当日に女神マリンが半魚人を率いて襲いにくるという話を聞いて、グラスが震える唇でつぶやいた。
「……ありえない」
青白い肌をさらに白くして、頭を振った。
「女神マリンは私達マーマンの創造主だ。救いの手を差し伸べてくれる存在であり、マーマンでありながら海の底で生きることができない私達に、この町を安住の地として与えてくれた御方……そんな女神マリンが私達を殺そうとするはずなんてない……」
「……信じられないのは無理もないと思います。ただ、この本にはそんなふうに書いてありました」
「……その本はどこで入手したんだい?」
「神殿の……その、隠された地下室で」
正直に話した方が信用してもらえると思ったのだろう。
ステラはこの古文書を発見した時の経緯について、説明した。
「神殿の地下……隠し部屋……」
「……もしかして、心当たりがあるんですか?」
「ない……いや、あるというべきか……」
「…………?」
ステラが首を傾げると、グラスが途方に暮れた様子で椅子に腰かける。
「……実を言うと、この町は過去に滅亡したことがあるんだ。詳しい記録が残っていないので正確な年代はわからないが、津波に飲み込まれたと聞いている」
「津波……ですか?」
「ああ。マーマンは海の民だ。私達のような陸生マーマンは海底で生活することこそできないが、人間よりもずっと泳ぎが上手くて、短い間であれば海中で呼吸もできる。津波だけならば町が滅びるほどの打撃を受けることはないのだが、同時に海に棲む魔物が押し寄せてきたらしい」
「…………」
それは古文書に記載されている内容とほぼ同じである。
抜けているのは、女神マリンと海生マーマンの侵略について。
「現在、町に住んでいる者達は町が滅んでから移住してきた者の子孫なんだ。移住してきてから長い時間をかけて現在の人口まで増えたんだが……移住してきた当初は百人ほどしかいなかったらしい」
「こちらの古文書と一緒に置かれていた手記には、女神マリンは過去に何度も『それ』を繰り返しているそうです。町に陸生マーマンを住ませて繁殖させて、十分に数が増えたら津波を起こして襲撃して滅ぼす。また移住させて、数が増えたら滅ぼす。そうやって海生マーマンの敵意と破壊衝動を満たさせていたのだと」
「…………」
「海生マーマンは人間や陸生マーマンを食べることにより、肉体が強化されるとも書かれていました。現在、魔王が現れて魔族との戦いが起ころうとしています。このタイミングで事を起こそうとしているということは、魔王との戦いのために……」
「もういい、わかった……」
グラスが首を振って、話を打ち切った。
「……君達の言いたいことは理解した。だけど、やっぱり私には信じられない」
「…………」
「信じられないが……それでも、君から聞いた話については領主である父に話してみよう。その古文書についてもこちらで調べさせて欲しい。預かっても構わないだろうか?」
「ええ、もちろん」
ステラが古文書を差し出した。
グラスが受け取って、テーブルの上に置く。
「……この古文書に書かれていたという話がどこまで正しいのかはわからないが、君達はすぐに町を出た方がいい。万が一ということがあるからね」
グラスがフラフラと立ち上がって、少し離れた場所にあるデスクまで歩いていく。
引き出しを開けて、小さな袋を取り出してステラに握らせる。
「少ないが、色々と話をしてくれた謝礼だよ。そのお金があれば馬車を雇って、隣国まで移動することができるだろう。気をつけてね」
「グラスさん……」
「……もしもこの古文書の内容が真実であったとしても、私はここを離れるつもりはない。この町以外で生きていく方法を知らないから」
グラスが笑った。
どこか悲しくなるような暗い笑顔である。
「それじゃあ、また……今度は祭りが終わった後にでも遊びに来てくれ。きっとまた会えるはずだから……」
ウータとステラは話を終えて、屋敷を出た。
グラスが……領主や町の住民がどんな決断をするのか、全ての決断は二人の手を離れたのである。
「グーお姉さんはいるかな?」
「……誰だ、お前は」
屋敷の前に立っている兵士にウータが話しかける。
二人いた警備の兵士は怪訝そうな表情をして、不審者を見るような目をウータに向けた。
「あ、すみません! 私達、グラス様にお会いしたいんですけど……!」
ステラが慌てて、ウータと兵士の間に割って入る。
「えっと……四日ほど前に町に出た魔物を倒した者です。その魔物について大事な話があって、報告に来たんですけど……」
「あー……そういえば、外から来た人間が魔物を退治したって報告があったな。ちょっと確認してくるから待ってな」
警備の兵士の一人が屋敷に入っていき、しばらくすると戻ってくる。
「グラスお嬢様が会ってくれるそうだ。祭りの準備で忙しくしているから、あまり長居をしないようにな」
「わかりました。ありがとうございます」
兵士が扉を開けてくれた。
ウータとステラが門をくぐって、屋敷の方に向かっていく。
玄関を開いてエントランスホールに入ると……そこには艶やかな衣装をまとった女性が立っていた。
「ああ、貴方達。よく来てくれたね」
「わっ……綺麗……」
ステラが思わずといったふうにつぶやいた。
現れた女性は領主の娘であるグラス・アクエリアである。
グラスは薄手の水色のドレスを身にまとっており、ドレスの裾は貝殻やサンゴによって飾り付けられていた。
透明感のある清楚なドレスは青白い肌のグラスに良く似合っており、派手さはないが不思議と目を引き付けられる魅力がある。
「ありがとう、嬉しいよ……ちょうど今、祭りで着る巫女役の衣装を試着していたんだ。誰かに見てもらいたいと思っていたんだ」
「とてもお似合いです……」
「うんうん、似合っているよ。お姉さん」
ステラとウータが率直な感想を述べると、グラスが嬉しそうにはにかんだ。
「お世辞でも嬉しいよ。それで……今日は何の用かな? 怪物について話したいことがあると聞いたのだけど……」
「えっと……」
ステラがウータの顔を確認すると、ウータはグラスが着ているドレスについた貝殻がきになるようで、巻貝のクルクルをしきりに見つめている。
どうやら、話す内容についてはステラに一任されているようだ。
ステラは持ってきた古文書を数冊差し出して、口を開いた。
「えっと……こちらの古文書をたまたま手に入れまして、気になっている記述があったので持ってきたんですけど……」
ステラが古文書を解読した内容について説明した。
最初は穏やかな表情で話を聞いていたグラスであったが、話が進むにつれて顔つきが険しくなっていく。
最終的に、祭り当日に女神マリンが半魚人を率いて襲いにくるという話を聞いて、グラスが震える唇でつぶやいた。
「……ありえない」
青白い肌をさらに白くして、頭を振った。
「女神マリンは私達マーマンの創造主だ。救いの手を差し伸べてくれる存在であり、マーマンでありながら海の底で生きることができない私達に、この町を安住の地として与えてくれた御方……そんな女神マリンが私達を殺そうとするはずなんてない……」
「……信じられないのは無理もないと思います。ただ、この本にはそんなふうに書いてありました」
「……その本はどこで入手したんだい?」
「神殿の……その、隠された地下室で」
正直に話した方が信用してもらえると思ったのだろう。
ステラはこの古文書を発見した時の経緯について、説明した。
「神殿の地下……隠し部屋……」
「……もしかして、心当たりがあるんですか?」
「ない……いや、あるというべきか……」
「…………?」
ステラが首を傾げると、グラスが途方に暮れた様子で椅子に腰かける。
「……実を言うと、この町は過去に滅亡したことがあるんだ。詳しい記録が残っていないので正確な年代はわからないが、津波に飲み込まれたと聞いている」
「津波……ですか?」
「ああ。マーマンは海の民だ。私達のような陸生マーマンは海底で生活することこそできないが、人間よりもずっと泳ぎが上手くて、短い間であれば海中で呼吸もできる。津波だけならば町が滅びるほどの打撃を受けることはないのだが、同時に海に棲む魔物が押し寄せてきたらしい」
「…………」
それは古文書に記載されている内容とほぼ同じである。
抜けているのは、女神マリンと海生マーマンの侵略について。
「現在、町に住んでいる者達は町が滅んでから移住してきた者の子孫なんだ。移住してきてから長い時間をかけて現在の人口まで増えたんだが……移住してきた当初は百人ほどしかいなかったらしい」
「こちらの古文書と一緒に置かれていた手記には、女神マリンは過去に何度も『それ』を繰り返しているそうです。町に陸生マーマンを住ませて繁殖させて、十分に数が増えたら津波を起こして襲撃して滅ぼす。また移住させて、数が増えたら滅ぼす。そうやって海生マーマンの敵意と破壊衝動を満たさせていたのだと」
「…………」
「海生マーマンは人間や陸生マーマンを食べることにより、肉体が強化されるとも書かれていました。現在、魔王が現れて魔族との戦いが起ころうとしています。このタイミングで事を起こそうとしているということは、魔王との戦いのために……」
「もういい、わかった……」
グラスが首を振って、話を打ち切った。
「……君達の言いたいことは理解した。だけど、やっぱり私には信じられない」
「…………」
「信じられないが……それでも、君から聞いた話については領主である父に話してみよう。その古文書についてもこちらで調べさせて欲しい。預かっても構わないだろうか?」
「ええ、もちろん」
ステラが古文書を差し出した。
グラスが受け取って、テーブルの上に置く。
「……この古文書に書かれていたという話がどこまで正しいのかはわからないが、君達はすぐに町を出た方がいい。万が一ということがあるからね」
グラスがフラフラと立ち上がって、少し離れた場所にあるデスクまで歩いていく。
引き出しを開けて、小さな袋を取り出してステラに握らせる。
「少ないが、色々と話をしてくれた謝礼だよ。そのお金があれば馬車を雇って、隣国まで移動することができるだろう。気をつけてね」
「グラスさん……」
「……もしもこの古文書の内容が真実であったとしても、私はここを離れるつもりはない。この町以外で生きていく方法を知らないから」
グラスが笑った。
どこか悲しくなるような暗い笑顔である。
「それじゃあ、また……今度は祭りが終わった後にでも遊びに来てくれ。きっとまた会えるはずだから……」
ウータとステラは話を終えて、屋敷を出た。
グラスが……領主や町の住民がどんな決断をするのか、全ての決断は二人の手を離れたのである。
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