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Time Leap.4
「冬美、俺と付き合え!」
「ええっ!?」
「お前に拒否権はない! 結婚して子供も作るから覚悟しろ!」
「ちょ、どうしてそんなに雑なの!? 私のこと舐めてるの!?」
三度の滅亡を経験した俺はかなり雑に冬美に告白をして、そしてオッケーをもぎ取った。
「春香、ごめんな! だけど……悪いのは俺だから、俺だけだからな! 失恋なんかでへこんで、世界を滅ぼそうとかしないでくれよ!?」
「ちょ……するわけないでしょ!? どうして、私が世界を滅ぼさなくちゃいけないのよ!」
春香が顔を真っ赤にして怒る。
自分でもおかしなことを言っているとわかっているが、パターンからして次はそうなると予想できていた。
「絶対だぞ、絶対だ! 世界を滅ぼさないでくれお願いします!」
「な、泣いてるの……」
「し、信也さん?」
「シンヤ……どうして、そこまで」
泣きながら謝罪をする俺に、少女達が唖然とした顔になっている。
しかし、それを気にする余裕はない。
なりふりなど構っていられなかった。
〇 〇 〇
そして、十年後へ。
「うがあああああああああああああっ!」
「キャアアアアアアアアアアアアアッ!?」
もちろん、周りは瓦礫の山。
俺は振り返りざま、そこにいた冬美のスカートを思いきり捲り上げた。
スカートの下、黒いタイツに包まれた下着が露わになる。
「も、もう……またムラムラしてきちゃったの? こんな世界なのに……また妊娠しちゃう。もう五人目なのに……」
「あ、子供いるんだね!」
その点だけは、これまでのパターンと異なっている。
「冬美、教えてくれ……何があった、春香は何をしやがった!?」
「何って……春香さんが儀式を行って、異次元から邪神ウィンターズタイムを呼び出したことで、邪神が生み出した怪物が世界中を……」
「もう、わからん!」
これまでで一番、荒唐無稽なやり方だった。
失恋なんかで邪神を呼び出すな。
世界を滅ぼすな
もう、本当に勘弁してもらいたい。
「だけど……」
あきらめない。
これでパターンは掴めた。
春香と結ばれると、夏樹が世界を滅ぼす。
夏樹と結ばれると、秋子が世界を滅ぼす。
秋子と結ばれると、冬美が世界を滅ぼす。
冬美と結ばれると、春香が世界を滅ぼす。
「次は、誰も選ばないパターンを試してみよう。誰も選ばない、だけど春香が自殺しなければいいんだ……」
「春香? 自殺? 何を言って……」
「プリーズ! レッツトライ!」
冬美の手からやはり持っていた缶ビールを奪い取り、フタを開けた。
「冬美、俺と付き合え!」
「ええっ!?」
「お前に拒否権はない! 結婚して子供も作るから覚悟しろ!」
「ちょ、どうしてそんなに雑なの!? 私のこと舐めてるの!?」
三度の滅亡を経験した俺はかなり雑に冬美に告白をして、そしてオッケーをもぎ取った。
「春香、ごめんな! だけど……悪いのは俺だから、俺だけだからな! 失恋なんかでへこんで、世界を滅ぼそうとかしないでくれよ!?」
「ちょ……するわけないでしょ!? どうして、私が世界を滅ぼさなくちゃいけないのよ!」
春香が顔を真っ赤にして怒る。
自分でもおかしなことを言っているとわかっているが、パターンからして次はそうなると予想できていた。
「絶対だぞ、絶対だ! 世界を滅ぼさないでくれお願いします!」
「な、泣いてるの……」
「し、信也さん?」
「シンヤ……どうして、そこまで」
泣きながら謝罪をする俺に、少女達が唖然とした顔になっている。
しかし、それを気にする余裕はない。
なりふりなど構っていられなかった。
〇 〇 〇
そして、十年後へ。
「うがあああああああああああああっ!」
「キャアアアアアアアアアアアアアッ!?」
もちろん、周りは瓦礫の山。
俺は振り返りざま、そこにいた冬美のスカートを思いきり捲り上げた。
スカートの下、黒いタイツに包まれた下着が露わになる。
「も、もう……またムラムラしてきちゃったの? こんな世界なのに……また妊娠しちゃう。もう五人目なのに……」
「あ、子供いるんだね!」
その点だけは、これまでのパターンと異なっている。
「冬美、教えてくれ……何があった、春香は何をしやがった!?」
「何って……春香さんが儀式を行って、異次元から邪神ウィンターズタイムを呼び出したことで、邪神が生み出した怪物が世界中を……」
「もう、わからん!」
これまでで一番、荒唐無稽なやり方だった。
失恋なんかで邪神を呼び出すな。
世界を滅ぼすな
もう、本当に勘弁してもらいたい。
「だけど……」
あきらめない。
これでパターンは掴めた。
春香と結ばれると、夏樹が世界を滅ぼす。
夏樹と結ばれると、秋子が世界を滅ぼす。
秋子と結ばれると、冬美が世界を滅ぼす。
冬美と結ばれると、春香が世界を滅ぼす。
「次は、誰も選ばないパターンを試してみよう。誰も選ばない、だけど春香が自殺しなければいいんだ……」
「春香? 自殺? 何を言って……」
「プリーズ! レッツトライ!」
冬美の手からやはり持っていた缶ビールを奪い取り、フタを開けた。
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