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世界線の始まり
特別な誰か
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「式神術・除神技」
僕の体が勝手に動く。いやまあ、原因は分かっているけど…。
「紅」
と、裏神の体は切り刻まれる。だけど、裏神は気付いてない。およそ0.001秒程度で切り刻まれるのだから気付けなんて無理な話なんだろう。そして程なく。裏神は消えていった。体からは九十九神の刀華さんが出てくる。
「お、おつかれ!刀華さん」
と言いながら、あらかじめ持ってきてたお供え物の九十九饅頭を渡した。
「あ、ありがと~」
と言いながらニコッと笑う。クス…。心の中でそう笑った。
「お~い礼人~」
と遠くから聞こえる大きな声。
「朝洋くん!」
心が弾む。なんだか、とても嬉しい。
「どうしたの?バイトは?」
「あ、今日は休みになったからな。暇だし、どっか遊びに行こうかなって」
と、気さくに話す朝洋くん。あ~、やっぱり…可愛いな~。
「礼人。顔」
と、刀華さん。
「え?なんかついてる?」
「そうじゃなくて。真っ赤っかだよ。ピシッとしないと!」
確かに頬の辺りが熱かった。
「あっ、うん」
と慌てて平常心に戻る。
「いいよ!どこに行く?」
そう聞き、何も考えてないと言われ、考えた末に、朝洋くんの家で遊ぶことになった。
「ただいま~」
「お…おじゃま…します…」
少しだけ、恥ずかしい。
「あら…あらあらあら!」
朝洋くんのお母さんらしき人が絶句しながらこっちを見てくる。すると、
「朝洋!あんたいつの間に彼女作ったの!」
…と言われてしまったとさ…。
「えっと…おばさん?」
「?、なんだい?」
「僕、男の子…です。よく間違われるけれど…」
数分の驚き。無言で「は?」と言う目で見られてる。そうとう驚いてるなぁ~…。すると朝洋くんが、
「母さん。黙る前に言うことあるだろ」
と言ってきた。え?。
「どういう…こと?」
「だって、母さん男女間違えたんだろ。だったら一人で驚くんじゃなくて、一言謝れよ」
え?え?。
「と、朝洋くん!べ、別に僕はいいから。ね!ほ、ほらお母さんも。間違えられても仕方ないし、ね!」
僕はどうしてこんなに必死に弁明してるんだろう…。
そして、なんとかお母さんの男女間違えた事をとりあえず落ち着かせて、僕らは朝洋くんの部屋で遊んでた。
「にしても…悪いけど本当に女の子っぽいよな…。未だに信じられねー」
「まあ、僕も小学生のころはよく間違われたしね~。卒業式の時にふざけて女物着ていったら何故か最後まで疑われないで女子と写真撮ったり、挙げ句には男子に告白までされちゃって。本当に大変だったな~」
と、昔の話で盛り上がってた。
「なあ、ちょっとばかしきつい話になっちまうかもしれねえけどいいか?」と聞いてきた。
「いいよ。どんな話かな?」
「礼人の母さんって…どこにいるんだ?」
お母…さん。それは、昔の昔に忘れた言葉。存在。
「…お母さんはね…」
と、事情の全てを打ち明けた。
裏神になったこと。それでも僕を可愛がってくれたこと。そして…見知らぬ男に連れて行かれたこと。
話すと嘘くさくなって。でも、すべてが事実で。とても受け入れられる事ではなかった。
「…そっか…。辛かったな。礼人」
そう言いながら、僕の事をそっと抱きしめてくれた。暖かい。こうして、人に抱きしめられたことはいつぶりだろうか。確か、お母さんがいた頃が最後だったな…。
僕はその体をしっかりと抱きしめていた。離すと、もうこうすることが出来ない気がしたから。
「今日はありがと。また明日ね!朝洋くん!」
と、僕は満面の笑みを浮かべた。
「なあ、これから、朝洋くんじゃなくて、ともちゃんって…呼んでくれ。そっちの方が気安くていい」
と言ってきた。僕は安心した笑顔で、
「うん!これからもよろしくね!ともちゃん!」
と言った。夕焼けが僕の勇気と友情を深く刻んだ。それと同時に何か大切な物を与えてくれたような気がして、満足感に浸りながら家へと帰っていった。
僕の体が勝手に動く。いやまあ、原因は分かっているけど…。
「紅」
と、裏神の体は切り刻まれる。だけど、裏神は気付いてない。およそ0.001秒程度で切り刻まれるのだから気付けなんて無理な話なんだろう。そして程なく。裏神は消えていった。体からは九十九神の刀華さんが出てくる。
「お、おつかれ!刀華さん」
と言いながら、あらかじめ持ってきてたお供え物の九十九饅頭を渡した。
「あ、ありがと~」
と言いながらニコッと笑う。クス…。心の中でそう笑った。
「お~い礼人~」
と遠くから聞こえる大きな声。
「朝洋くん!」
心が弾む。なんだか、とても嬉しい。
「どうしたの?バイトは?」
「あ、今日は休みになったからな。暇だし、どっか遊びに行こうかなって」
と、気さくに話す朝洋くん。あ~、やっぱり…可愛いな~。
「礼人。顔」
と、刀華さん。
「え?なんかついてる?」
「そうじゃなくて。真っ赤っかだよ。ピシッとしないと!」
確かに頬の辺りが熱かった。
「あっ、うん」
と慌てて平常心に戻る。
「いいよ!どこに行く?」
そう聞き、何も考えてないと言われ、考えた末に、朝洋くんの家で遊ぶことになった。
「ただいま~」
「お…おじゃま…します…」
少しだけ、恥ずかしい。
「あら…あらあらあら!」
朝洋くんのお母さんらしき人が絶句しながらこっちを見てくる。すると、
「朝洋!あんたいつの間に彼女作ったの!」
…と言われてしまったとさ…。
「えっと…おばさん?」
「?、なんだい?」
「僕、男の子…です。よく間違われるけれど…」
数分の驚き。無言で「は?」と言う目で見られてる。そうとう驚いてるなぁ~…。すると朝洋くんが、
「母さん。黙る前に言うことあるだろ」
と言ってきた。え?。
「どういう…こと?」
「だって、母さん男女間違えたんだろ。だったら一人で驚くんじゃなくて、一言謝れよ」
え?え?。
「と、朝洋くん!べ、別に僕はいいから。ね!ほ、ほらお母さんも。間違えられても仕方ないし、ね!」
僕はどうしてこんなに必死に弁明してるんだろう…。
そして、なんとかお母さんの男女間違えた事をとりあえず落ち着かせて、僕らは朝洋くんの部屋で遊んでた。
「にしても…悪いけど本当に女の子っぽいよな…。未だに信じられねー」
「まあ、僕も小学生のころはよく間違われたしね~。卒業式の時にふざけて女物着ていったら何故か最後まで疑われないで女子と写真撮ったり、挙げ句には男子に告白までされちゃって。本当に大変だったな~」
と、昔の話で盛り上がってた。
「なあ、ちょっとばかしきつい話になっちまうかもしれねえけどいいか?」と聞いてきた。
「いいよ。どんな話かな?」
「礼人の母さんって…どこにいるんだ?」
お母…さん。それは、昔の昔に忘れた言葉。存在。
「…お母さんはね…」
と、事情の全てを打ち明けた。
裏神になったこと。それでも僕を可愛がってくれたこと。そして…見知らぬ男に連れて行かれたこと。
話すと嘘くさくなって。でも、すべてが事実で。とても受け入れられる事ではなかった。
「…そっか…。辛かったな。礼人」
そう言いながら、僕の事をそっと抱きしめてくれた。暖かい。こうして、人に抱きしめられたことはいつぶりだろうか。確か、お母さんがいた頃が最後だったな…。
僕はその体をしっかりと抱きしめていた。離すと、もうこうすることが出来ない気がしたから。
「今日はありがと。また明日ね!朝洋くん!」
と、僕は満面の笑みを浮かべた。
「なあ、これから、朝洋くんじゃなくて、ともちゃんって…呼んでくれ。そっちの方が気安くていい」
と言ってきた。僕は安心した笑顔で、
「うん!これからもよろしくね!ともちゃん!」
と言った。夕焼けが僕の勇気と友情を深く刻んだ。それと同時に何か大切な物を与えてくれたような気がして、満足感に浸りながら家へと帰っていった。
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