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始まり
五人の親友
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超能力、異能、超常現象…。
様々な呼ばれ方をされる非化学現象。それを引き起こす人たち「異能使い」
そんな異能使い達と凡人の間には風習とも言える絶対的な「壁」があった。一人、そんな壁を越えて人気者になった芸人がいた。しかし、それでも壁が取り払われることはなかった。
だからこそ、今の現代では異能使い達は素性を明かさずひっそりと社会に溶け込んで生きているやつらが多い。
そんな時代に一人、五人格の異能使いがいた。
「なあ、一人で寂しくねえの?www」
…。
「あっれ~?なんにも言い返さないのかい?弱虫ク~ン?」
これは俺宛じゃないこれは俺宛じゃないこれは俺宛じゃない。
心の中、というより五人の親友に暗示をかける。
「…なんとかいえよ!!!!」
と言いながらさっきから突っかかるやつに強めに吹っ飛ばされる。
勉強していたためノートや参考書が散乱する。
…めんどいなぁ。
と思っていたら数少ない友達の一人が走って
「おい!なにしてんだ!」
と怒号を叫びながら走ってくる。
「…ありがとう。助けてくれて」
「いいってことよ!俺ら親友だろ!」
と言ってくれるのは白鯨涼。数少ない親友の一人だ。
「まったく、なぜあのものはこんなにも馬鹿なのでしょうか…」
「ほんとほんと~。馬鹿なのかっ!!!!」
「…よしなよ、真仁。子供っぽい」
「あ~!言っちゃった!刹那に言われたくないね!!!!」
「…傷つくなぁ…」
と勝手に会話を勝手に弾ませる三人。加木塚使徒、椎名真仁、結城刹那。
「まあまあ…そんなに怒ってやんなよ…」
「鴉さんはもっと怒るべきだと思うのですが…」
という先生のようにガタイのがっちりした男は伊高弁慶。
この五人はいわゆる「いつメン」という仲だ。いつもいつもいろんなところに行ってはバカ騒ぎしたりなど毎日楽しく遊んでいた。
「ごめんね、僕はもう大丈夫だから」
「んなこと言ったって…」
「…大丈夫、だから」
「…」
しかし、5人とは最近は壁を感じるようになってしまった。
理由なんて簡単。こいつらは「美男子」と校内で言われ始め、次第に関わりづらくなっていってしまったのだ。
(はあ…居づらいな…)
その日はやけに学校にいられない気持ちになってしまい、早めに帰った。
「おい」
「…どうしたの?涼くん」
「体、大丈夫か?」
「…大丈夫だよ。それより、授業ちゃんと受けてきな」
「…早く元気になれよ…」
なにか心配そうな言葉に背を向けて僕は歩き出した。
「早く元気になれよ」
その言葉が嫌に背筋を凍らす。
…まさか、な。
背筋の寒気がいつの間にか俺の体を弱く、確かに動かしていた。
「早く元気になれよ」
その言葉が最期。いつの間にかそんな思想が駆け巡っていた。
他の奴らにも会えない…のか?
腕がぷるぷると震えていた。
ないないないないないないないないないないないないないない
暗示をかけてもそれはぬぐえなかった。
「みん…」
その惨状をみて、一瞬思考が止まり、徐々に絶望と後悔、怒りとマイナスの感情がからだを支配して
「あ…ああ…あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
発狂していた。狂っていた。
頭が潰れて、ぐしゃぐしゃになった、涼くん。
首から二つに分けられた、使徒くん。
四肢を捥ぎ取られ吊るされた、真仁くん。
鍋に入れられ最早原型をとどめない、結城くん。
そして
「ご………めん…………………なさ…い」
体に無数の穴を空け、立ちながら俺の目の前で死んでいった、弁慶。
この惨状を見て、確信したことがあった。信じたくなかった。信じられなかったが、こんな可能性しか考えられなかった。
「…異能使い、だ」
そう呟いた俺は、遠のく意識の中で、八枚に下ろされた「自分」を見ていた。
様々な呼ばれ方をされる非化学現象。それを引き起こす人たち「異能使い」
そんな異能使い達と凡人の間には風習とも言える絶対的な「壁」があった。一人、そんな壁を越えて人気者になった芸人がいた。しかし、それでも壁が取り払われることはなかった。
だからこそ、今の現代では異能使い達は素性を明かさずひっそりと社会に溶け込んで生きているやつらが多い。
そんな時代に一人、五人格の異能使いがいた。
「なあ、一人で寂しくねえの?www」
…。
「あっれ~?なんにも言い返さないのかい?弱虫ク~ン?」
これは俺宛じゃないこれは俺宛じゃないこれは俺宛じゃない。
心の中、というより五人の親友に暗示をかける。
「…なんとかいえよ!!!!」
と言いながらさっきから突っかかるやつに強めに吹っ飛ばされる。
勉強していたためノートや参考書が散乱する。
…めんどいなぁ。
と思っていたら数少ない友達の一人が走って
「おい!なにしてんだ!」
と怒号を叫びながら走ってくる。
「…ありがとう。助けてくれて」
「いいってことよ!俺ら親友だろ!」
と言ってくれるのは白鯨涼。数少ない親友の一人だ。
「まったく、なぜあのものはこんなにも馬鹿なのでしょうか…」
「ほんとほんと~。馬鹿なのかっ!!!!」
「…よしなよ、真仁。子供っぽい」
「あ~!言っちゃった!刹那に言われたくないね!!!!」
「…傷つくなぁ…」
と勝手に会話を勝手に弾ませる三人。加木塚使徒、椎名真仁、結城刹那。
「まあまあ…そんなに怒ってやんなよ…」
「鴉さんはもっと怒るべきだと思うのですが…」
という先生のようにガタイのがっちりした男は伊高弁慶。
この五人はいわゆる「いつメン」という仲だ。いつもいつもいろんなところに行ってはバカ騒ぎしたりなど毎日楽しく遊んでいた。
「ごめんね、僕はもう大丈夫だから」
「んなこと言ったって…」
「…大丈夫、だから」
「…」
しかし、5人とは最近は壁を感じるようになってしまった。
理由なんて簡単。こいつらは「美男子」と校内で言われ始め、次第に関わりづらくなっていってしまったのだ。
(はあ…居づらいな…)
その日はやけに学校にいられない気持ちになってしまい、早めに帰った。
「おい」
「…どうしたの?涼くん」
「体、大丈夫か?」
「…大丈夫だよ。それより、授業ちゃんと受けてきな」
「…早く元気になれよ…」
なにか心配そうな言葉に背を向けて僕は歩き出した。
「早く元気になれよ」
その言葉が嫌に背筋を凍らす。
…まさか、な。
背筋の寒気がいつの間にか俺の体を弱く、確かに動かしていた。
「早く元気になれよ」
その言葉が最期。いつの間にかそんな思想が駆け巡っていた。
他の奴らにも会えない…のか?
腕がぷるぷると震えていた。
ないないないないないないないないないないないないないない
暗示をかけてもそれはぬぐえなかった。
「みん…」
その惨状をみて、一瞬思考が止まり、徐々に絶望と後悔、怒りとマイナスの感情がからだを支配して
「あ…ああ…あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
発狂していた。狂っていた。
頭が潰れて、ぐしゃぐしゃになった、涼くん。
首から二つに分けられた、使徒くん。
四肢を捥ぎ取られ吊るされた、真仁くん。
鍋に入れられ最早原型をとどめない、結城くん。
そして
「ご………めん…………………なさ…い」
体に無数の穴を空け、立ちながら俺の目の前で死んでいった、弁慶。
この惨状を見て、確信したことがあった。信じたくなかった。信じられなかったが、こんな可能性しか考えられなかった。
「…異能使い、だ」
そう呟いた俺は、遠のく意識の中で、八枚に下ろされた「自分」を見ていた。
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