楽園異能力者

那月いくら

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3章 実技授業

13話

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いつものように支度をする琉乃愛。今日は、1週間の謹慎が解けた日だ。彼女は、鏡の前で自分の姿を見るが、そこに映っていたのは、手を胸に当てて震えていた自分だった。
 (皆に会うのが怖い……でも…このままじゃダメ…な気がする。)琉乃愛は、震えていた両手を両頬に持ってきて、同時に叩いた。彼女は、気持ちの入れ替えをするために叩いたのだ。

 学園についた彼女は、教室のドアの前で、立ち止まってしまったが、勇気を振り絞って、ドアを開けた。
 「お、おはよう!」ドアを開けた瞬間、一斉に静まり返ったが、後に、おはようと返してくれた。
 私は、嬉しさのあまり、顔が少し赤らんだ。

 「「琉乃愛~!」」私の席に押しかけてきたのは、泣きながら走ってくる、樺音と狐絈だった。琉乃愛は、泣く2人に驚いていたが、すぐに理由がわかった。
 2人には、謹慎中、ずっとあっていなかったから、すごく申し訳ないと思った。

 「2人に聞いて欲しいことがあるの。」私は、意を決して今までの事を話そうと思った。

 2人は、私の話が終わるまで黙って聞いてくれた。
 
 「2人ともありがとね。少し気が楽になったよ。」琉乃愛は、話せてスッキリしたせいか、涙をこぼしながら、笑みを浮かべていた。


ー 昼休み ー

 「あ、あの私と一緒にお昼ご飯食べませんか?」話しかけてきた子は、知らない子だった。ただ、同じクラスだってことは分かる。顔は覚えてないけど。
 「同じクラスだよね?確か名前は…」
 「つ、露野未来瑠つゆのみくるです。」彼女は、私が名前を覚えてないことを知っていて気を使ってくれたのだ。
 
 
私達は、お昼ご飯を済ませるために、食堂に向かった。
 
「わぁ~」私は、驚きのあまり、心の声が漏れ出ていた。噂によらず凄かっかからだ。
 ここの食堂は、世界に一つしかないレシピや、料理場には、ロボットがいる。
 しかも、初・中・高・大学の生徒が一斉に集まる場所でもある。そのため、建物は、広くて、3階建てになっている。
 
「すごいでしょ?私も初めて来た時は、唖然としていたわよ。でも、ここって女子にとっては、スポットでもあるのよ。」
 「なんでなの?」彼女は、にこにこしながら、私を見てきた。
 「ここは、学園の生徒が一斉に集まる場所でしょ?だからよ。ここで、気の合う人を見つけたりできるのよ?あと、榎恋様にも!」
 「か、れん様?」
 「あ!榎恋様って言うのは、この学園の生徒会長の事だよ。藍原榎恋あいはらかれん様。高等部1年、ランク3S、氷を自由自在に使うことが出来る"シャーベット"のステラ、人の心を読むことが出来る"心読みテレパス"のステラ、歳を取らず死ぬことも無い"不老不死インモータル"のステラの3つを持っている。榎恋様は、学園長の娘でステラが強いこともあって、氷姫こおりひめとも呼ばれているの。」私は、ランクが最高ランクと言うだけで驚いているのに、学園長の娘って聞いたら、腰が抜けそうだった。
 
「私も見てみたいな。榎恋さん。」それを聞いた未来瑠は、そうした方がいいと言わんばかりに首を縦に振っていた。
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