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2章 能力者だけの街
7話
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学園長との話が終わって帰宅するところだった。校門には、樺音がたっていて、琉乃愛を待っていたのだ。樺音は、琉乃愛が来たのがわかった瞬間、子供のようにはしゃいで手を振っていた。2人は、寮への帰り道の途中、WALL街に寄り道をしたのだ。
WALL街というのは、ショッピングモールを中心に、沢山のお店が建ち並んでいて、ちょっとした都会のようなところだ。ここに来れば、手に入らないものなんてひとつもない。
当然、お金は、必要だけど、外の世界のお金は使えないようになっている。
その代わり、楽園が支給してくれる専用コイン"Leaf"がある。
Leafも、ランク制度で貰える量が変わってくる。だいたい、1Leafで100円くらいで、月に貰える額は、
ランク
3S = 65Leaf D = 35Leaf
2S = 60Leaf E = 30Leaf
S = 55Leaf F = 25Leaf
A = 50Leaf G = 20Leaf
B = 45Leaf H = 15Leaf
C = 40Leaf I = 10Leaf
となる。
なので、買えるものも限られてくる。
WALL街で楽しんだふたりは、門限の8時をすぎて寮に帰ったので、反省室で管理人さんに怒られたのであった。部屋を出た2人は、ほっとして廊下を歩いていると、誰かにぶつかったのだ。私は、慌てて離れたのだが、そこにたっていたのは、この寮の監督生だった。名前は確か、南奏音、高等部2年だったと思う。彼女が2人に向ける顔は、いつもの優しい顔ではなかった。2人は、彼女の顔を見て察したのか、足を1歩後ろに引いて逃げようとしたが、制服の後ろ襟をつかまれて、捕まったのだ。
「はぁー。」2人は、やっと、監督生の説教から解放されたのだ。
監督生と言うだけあって、規律には、厳しいらしい。いつもは、優しい人だが、今日のような怖い顔は見たことがなかったのだ。2人とも、今回が初めてだったので、ちゃんと反省していたようだ。
「ごめんね。僕のせいで。」どうやら、彼は、迷惑をかけたことに責任を感じているようだ。「私こそ、ごめん…なさい」「大丈夫。次回から気をつければいいんだから。」彼は、自分のことより、私のことを気にかけてくれていた。
ー 初登校日 ー
6 : 00
今日は、初登校の日だ。私は、鏡の前で着慣れない、真新しい制服を来て見せた。そこに映っていたのは、Infinity学園の制服を着た自分だった。
私は、朝ごはんを食べるため、鞄を手に、部屋を後にした。
(ちょっと早すぎたかも)広場には、誰一人としていなかったのだ。私は、いつもの席について、みんなを待つことにした。
6 : 30
あちらこちらで目覚まし時計のベルがなって、支度を済ませた子から、広場に集まってきた。
全員が揃ってようやく、朝ごはんを食べ始めたのだ。
「琉乃愛~!」朝ごはんを済ませた時だった。彼女の名前を呼んだのは、樺音だ。昨日のように、一緒に登校してくれるそうだ。
学園に着いた私は、まず、自分が入るクラスの担任に会うため、職員室に向かった。職員室は、どこの学校も同じようだ。
「あのー。中等部1年B組の担任の先生ですよね?今日からこの学園に入学することになった、鹿島琉乃愛です。これからよろしくお願いします。」「あ!こちらこそ。僕は、中等部1年B組担任、松嶋楓です。ものを操ることが出来る"念力のステラを持っている。」私が呼びかけた先生は、優しそうに見えた。でも喋り方から見て、誠実で真っ直ぐな性格をしてそうだった。
「皆、今日は新入生がいます。」私は、先生の合図で教室のドアを開け、入っていった。みんなの視線が私に注がれていたけど、その中に、樺音がいたのだ。樺音は、皆にバレないよう手を振ってくれていた。「今日からこの学園に入学することになった、鹿島琉乃愛です。ランクは、Dで、ありとあらゆる物をまとめることが出来る"圧縮のステラです。これからよろしくお願いします!」皆、物珍しそうに琉乃愛を見て、ざわついていたが、先生の一言で静かになったのだった。
WALL街というのは、ショッピングモールを中心に、沢山のお店が建ち並んでいて、ちょっとした都会のようなところだ。ここに来れば、手に入らないものなんてひとつもない。
当然、お金は、必要だけど、外の世界のお金は使えないようになっている。
その代わり、楽園が支給してくれる専用コイン"Leaf"がある。
Leafも、ランク制度で貰える量が変わってくる。だいたい、1Leafで100円くらいで、月に貰える額は、
ランク
3S = 65Leaf D = 35Leaf
2S = 60Leaf E = 30Leaf
S = 55Leaf F = 25Leaf
A = 50Leaf G = 20Leaf
B = 45Leaf H = 15Leaf
C = 40Leaf I = 10Leaf
となる。
なので、買えるものも限られてくる。
WALL街で楽しんだふたりは、門限の8時をすぎて寮に帰ったので、反省室で管理人さんに怒られたのであった。部屋を出た2人は、ほっとして廊下を歩いていると、誰かにぶつかったのだ。私は、慌てて離れたのだが、そこにたっていたのは、この寮の監督生だった。名前は確か、南奏音、高等部2年だったと思う。彼女が2人に向ける顔は、いつもの優しい顔ではなかった。2人は、彼女の顔を見て察したのか、足を1歩後ろに引いて逃げようとしたが、制服の後ろ襟をつかまれて、捕まったのだ。
「はぁー。」2人は、やっと、監督生の説教から解放されたのだ。
監督生と言うだけあって、規律には、厳しいらしい。いつもは、優しい人だが、今日のような怖い顔は見たことがなかったのだ。2人とも、今回が初めてだったので、ちゃんと反省していたようだ。
「ごめんね。僕のせいで。」どうやら、彼は、迷惑をかけたことに責任を感じているようだ。「私こそ、ごめん…なさい」「大丈夫。次回から気をつければいいんだから。」彼は、自分のことより、私のことを気にかけてくれていた。
ー 初登校日 ー
6 : 00
今日は、初登校の日だ。私は、鏡の前で着慣れない、真新しい制服を来て見せた。そこに映っていたのは、Infinity学園の制服を着た自分だった。
私は、朝ごはんを食べるため、鞄を手に、部屋を後にした。
(ちょっと早すぎたかも)広場には、誰一人としていなかったのだ。私は、いつもの席について、みんなを待つことにした。
6 : 30
あちらこちらで目覚まし時計のベルがなって、支度を済ませた子から、広場に集まってきた。
全員が揃ってようやく、朝ごはんを食べ始めたのだ。
「琉乃愛~!」朝ごはんを済ませた時だった。彼女の名前を呼んだのは、樺音だ。昨日のように、一緒に登校してくれるそうだ。
学園に着いた私は、まず、自分が入るクラスの担任に会うため、職員室に向かった。職員室は、どこの学校も同じようだ。
「あのー。中等部1年B組の担任の先生ですよね?今日からこの学園に入学することになった、鹿島琉乃愛です。これからよろしくお願いします。」「あ!こちらこそ。僕は、中等部1年B組担任、松嶋楓です。ものを操ることが出来る"念力のステラを持っている。」私が呼びかけた先生は、優しそうに見えた。でも喋り方から見て、誠実で真っ直ぐな性格をしてそうだった。
「皆、今日は新入生がいます。」私は、先生の合図で教室のドアを開け、入っていった。みんなの視線が私に注がれていたけど、その中に、樺音がいたのだ。樺音は、皆にバレないよう手を振ってくれていた。「今日からこの学園に入学することになった、鹿島琉乃愛です。ランクは、Dで、ありとあらゆる物をまとめることが出来る"圧縮のステラです。これからよろしくお願いします!」皆、物珍しそうに琉乃愛を見て、ざわついていたが、先生の一言で静かになったのだった。
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