楽園異能力者

那月いくら

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1章 憧れと現実

3話

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『ね!おばあちゃん!もし、私にステラが備わるとしたら、どんなのがいいと思う?』朝の会話が琉乃愛の頭をよぎった。
     
    「え……確かに求めていたけど………こういう……のじゃない!……」
彼女は、何がなんだか分からなくなり、次第に涙が出て、その場でなきじゃくっていたのだ。

    彼女は、やがて、口数が減り、ぶつぶつ何かを言っていたのだ。
    「…たしじゃない」「…しじゃない」「わ、私は、やってない!」
  そう何度も同じことを繰り返してい
た。
   
  今回は、ステラが関係していたため、警察ではなく、国の偉い人が来て、
琉乃愛を連れていこうとしていた。
  「わ、私は、やってない!」そういいはったが、相手にもされず車に乗せられたのだ。

    
    彼女が連れてこられたのはどこかの個室みたいなところだった。今日の出来事を聞くにはうってつけの場所だ。
      
   彼女はと言うと、ぼーっとした顔でぶつぶつ何かを言っていたのだ。

ー 10分後 ー

   知らない男が部屋に入ってきた。刑事…ではなさそうだった。
    中学生相手に優しく尋問って訳でもなさそうだった。
    
「君が犯人を捕まえてくれたのは嬉しいが、どうやって捕まえたんだ?」
そう問いつめられていた彼女は、どう説明した方がいいか混乱していたのだ。

   「あ、あの!私にも…よく…分からなくて…」琉乃愛がそう言いかけた時、いきなり机が1cmほどにちっちゃくなった。
  「ほら、それが証拠だよ。」男はニヤリとした顔を見せて言ってきた。
    「ーー!?」私でも驚いてるのに何故そんなに淡々と話せるの?
   琉乃愛は、一瞬その男のことが怖くなった。
    「犯人の腕がおれたのも今君がやった事と同じ事」男は琉乃愛のことを何もかも知っているような顔で言ってきた。
     私は、自分がやった事を思い出すと、吐き気がしてきたのだ。
     「…!!じゃあ、なんだって言うの?今私に湧いてきてるこの力!?」琉乃愛は、今にも泣き出しそうになりながら言ったのだ。
   「君が持って産まれた力さ。」「君は、ありとあらゆる物をまとめることがてきる"圧縮コンパクト"というステラ」男は琉乃愛が泣いているにもかかわらず、平然としていた。
    「ー!!」琉乃愛は、この話を聞いてからというもの、何を聞かれてもぼーっとしていた。
    ただ、 最後に聞かれた質問だけは答えたのだ。
       「自分にステラがあるのがわかってよかったかい?」「はい」彼女は、声がかすれているにもかかわらず笑顔を見せて答えた。
 
彼女は、ようやく、置かれた立場を理解して、涙をふき取ったのだ。
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