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王国陰謀編
魔女の呪い~王都へ~
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それから四人は狭いテーブルを囲んで、私が何者か、どうしてここにいるのか、探していた理由について詳細に話してくれた。それはとても長い話で気が付くと夜が明けていた。その内容はとても突飛で私は俄かに信じることはできなかった。
「私が聖女マヤ・クラキで魔法をかけられて、ここに閉じ込められていたんだって? そんなことがあるのかね? 私には何の力もないよ?」
「ええ、あなたにはマヤさんの面影もありますし、呪いの痕跡もありました」
私は何とかここに来る前のことを思い出そうと試みた。しかし、ひどい頭痛がしてきて上手く思考がまとまらなくなってきた。
「ここに来るまでのことは何一つ思い出せないんだよ。妖精みたいな綺麗なお嬢様が私のことをカヤと呼んでここに暮らしていたと言っていた。あの人がレイラ・ジラールって言うんだね」
「そうだよ。そのレイラ・ジラールによって、君は来年の十二時ピッタリに元の世界に戻る呪いがかけられている。そのためにライアン王子の心を取り戻さなければならないんだ」
「王子様の心を取り戻すだって? こんなおばあさんにそんなことができるかね?」
三人の表情が曇った。私はなんだかとても申し訳ない気持ちでいっぱいになって来た。この人たちにとってマヤという人物はとても大切な存在だったのだろう。自分がそうだったと確信がまるで持てないが、彼らは信用できると思った。
「よし、あなた様方三人を信じましょう。こんなおばあさんでも何かできることがあるかもしれない。私をお城へ連れて行ってくれるかい?」
「ああ、もちろん。道中、少しでも記憶が戻るよう思い出話をしながら王都へ帰ろう」
そう言うと女を馬車に押し込め、リアンと名乗る黒髪の青年が私の体面に座り、デヴィンという銀髪の青年が私の隣に座った。エヴァンと言った青年は御者席に座り手綱を握った。
王都に着くと女は警官に引き渡された。私は初めて見る王都に感動していた。
「立派なお城にたくさんの人! 私はこんなところに暮らしていたのかね?」
「貴方は国の顧問魔術師で、大陸でも最高峰の魔術師の一人ですよ」
私はリアンの屋敷に逗留することになった。エヴァンとデヴィンは一度自宅へと帰ることになった。私も長旅に疲れ、客室で休ませてもらうことにした。その部屋は私の村で暮らしていた家が一軒入ってしまうほど広かった。メイドたちによって着ていた服を脱がされ、私は大きなベッドに横たわった。すべてが夢のようで、あまりに現実感が無かった。道すがら聞かされたマヤ・クラキの話はとても私自身の話だと思えなかった。美しい殿方たちに囲まれて自分が無力で無知な醜い老婆であることをひどく恥じた。私は頭痛に悩まされながらも必死で話を聞いた。
「眠って起きたら、あの村の小さな家のベッドに寝ているかもしれないね」
私はそう自嘲してそのまま深く眠り込んだ。
「私が聖女マヤ・クラキで魔法をかけられて、ここに閉じ込められていたんだって? そんなことがあるのかね? 私には何の力もないよ?」
「ええ、あなたにはマヤさんの面影もありますし、呪いの痕跡もありました」
私は何とかここに来る前のことを思い出そうと試みた。しかし、ひどい頭痛がしてきて上手く思考がまとまらなくなってきた。
「ここに来るまでのことは何一つ思い出せないんだよ。妖精みたいな綺麗なお嬢様が私のことをカヤと呼んでここに暮らしていたと言っていた。あの人がレイラ・ジラールって言うんだね」
「そうだよ。そのレイラ・ジラールによって、君は来年の十二時ピッタリに元の世界に戻る呪いがかけられている。そのためにライアン王子の心を取り戻さなければならないんだ」
「王子様の心を取り戻すだって? こんなおばあさんにそんなことができるかね?」
三人の表情が曇った。私はなんだかとても申し訳ない気持ちでいっぱいになって来た。この人たちにとってマヤという人物はとても大切な存在だったのだろう。自分がそうだったと確信がまるで持てないが、彼らは信用できると思った。
「よし、あなた様方三人を信じましょう。こんなおばあさんでも何かできることがあるかもしれない。私をお城へ連れて行ってくれるかい?」
「ああ、もちろん。道中、少しでも記憶が戻るよう思い出話をしながら王都へ帰ろう」
そう言うと女を馬車に押し込め、リアンと名乗る黒髪の青年が私の体面に座り、デヴィンという銀髪の青年が私の隣に座った。エヴァンと言った青年は御者席に座り手綱を握った。
王都に着くと女は警官に引き渡された。私は初めて見る王都に感動していた。
「立派なお城にたくさんの人! 私はこんなところに暮らしていたのかね?」
「貴方は国の顧問魔術師で、大陸でも最高峰の魔術師の一人ですよ」
私はリアンの屋敷に逗留することになった。エヴァンとデヴィンは一度自宅へと帰ることになった。私も長旅に疲れ、客室で休ませてもらうことにした。その部屋は私の村で暮らしていた家が一軒入ってしまうほど広かった。メイドたちによって着ていた服を脱がされ、私は大きなベッドに横たわった。すべてが夢のようで、あまりに現実感が無かった。道すがら聞かされたマヤ・クラキの話はとても私自身の話だと思えなかった。美しい殿方たちに囲まれて自分が無力で無知な醜い老婆であることをひどく恥じた。私は頭痛に悩まされながらも必死で話を聞いた。
「眠って起きたら、あの村の小さな家のベッドに寝ているかもしれないね」
私はそう自嘲してそのまま深く眠り込んだ。
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