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11.森の奥1
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翌朝、リオリヤが昨夜の寝付きの悪さからイライラとしながら宿を出ると、部下たちに出発の指示するユーイがふとこちらを顔を向け、目があった。
その瞬間、白い顔を真っ赤にさせて、つい今まで凛々しかった瞳を泳がせ慌てるものだから、騎士たちから痛いぐらいの疑惑の視線を浴びる事になった。
到頭お二人は……、などと言い出す者までいたので、馬鹿を言えと素っ気なく切り捨てる。
そもそも到頭って何だ、到頭って。
「昨日誤って二人で例の酒場に行ってしまったんだ。そこで見てしまったものに、きっとまだ動揺しているんだろう」
そう説明すれば騎士たちは、あぁ……とあっさりと納得した。副団長は純粋無垢な箱入り息子と、部下たちからも思われているようだ。
しかし露骨にこちらを意識するユーイの態度にはリオリヤは頭を抱えた。
そんなごたごたとしたまま、シフォン隊一行はルジェラを出発し、馬を走らせてルーヴァの森へとやって来た。
リオリヤは一度ここを通った事があったが、その時の事は殆ど記憶にはないので訪れたのは初めてに等しい。騎士たちもあまり領地から出た事がなく、ここへ来た事がある者はいなかった。
何があるか分からない場所で無闇に馬を走らせる訳にも行かず、何かあった時の事も考えて、騎士の数名を馬番として森の入口に残してリオリヤたちは森の中へと足を踏み入れた。
森の中は確かに木々の葉は枯れており、幹はおかしな形をしている。そして何かの植物の蔓が木々に巻き付いて、一部道を塞いでいた。
何だこの蔓は?ねばねはとしていて気味が悪い。
蔓にはねっとりとした液に覆われており、ぽたり……と糸を引いて落ちた液が地面を濡らしていた。おまけに辺りは変な甘ったるい匂いがして不快だった。
それを見つめていると、蔓が這う蛇のように微かに動いたような気がして、リオリオは嫌な予感に額に手を当てた。
「……ユーイ、その蔓には近づくなよ。絶対に」
「どうしてだ?」
名を呼ばれたユーイは横目でリオリヤを見る。
馬を走らせる内に気持ちも落ち着いたのか、今は凛々しい副団長様といった顔つきに戻っていた。
「いや、何となくお前は駄目な気がする」
「だからどういう意味だ、それは」
ムッと眉を寄せるユーイに、怒らせずに上手く説明出来る気がせず、リオリヤはそれだけ告げると足を進めた。
それにしてもこの場所は居心地悪いな。
森全体に黒く不気味な気が漂っており、それが陽の光を遮りじめじめとした陰湿的な空気を作り出している。
この不気味な気は奥へと足を進めて行くごとに増していき、リオリヤはその鬱陶しさに徐々に苛立ちを覚えた。
森全体に影響を与える魔術など然う然うない。それにそんな魔術を使う為にはそれなりの魔力が必要だ。
そんな異質な魔力は──グラナーの目か……。
「どうかしたのか?」
顎に手を当て、神妙な面持ちで考え込むリオリヤに気付いたユーイが声をかけてきた。
「……いや何でもない」
そう返した時、騎士が真っ青な顔をして地に膝を付いた。それも一人ではなく何人もおり、立っている者たちも表情は厳しく、辛うじて立っているといった所だ。
「どうしたお前たち!」
ユーイが慌てて騎士たちに駆け寄る。
「気分が……」
苦しげに声を絞り出すその騎士も、言葉の途中で片膝をついてしまった。
「恐らく強い魔力に当てられたんだ。無理しないほうが良い。気を失うか、下手すると気が触れるぞ」
リオリヤは騎士たちのような様子を知っている。なんと言っても飽きる程見てきたのだから。
冷静に判断しながらユーイを見るとこちらは平気なようで、しかし部下たちを心配して平静さを失っていた。
この強い魔力が効かないなんて、やはりエルフの血が混ざってるからか?
リオリヤは辺りを見渡し、それしかないかと溜め息を吐いた。
「お前たちは森の外に戻っていろ。奥へは僕と副団長殿の二人で行く」
「いえ、自分たちも……」
「──邪魔になるから来るな」
赤い目で睨むと騎士の顔はますますと青くなり、口を噤んだ。
静かになった所で、リオリヤは視線を騎士たちからユーイへと移した。
「それで良いだろう?」
「……あぁ」
ユーイは辛そうな部下たちを置いて事が心配のようだったが、それでも領主から任された務めを果たす為、頷くしかなかった。
辺りを警戒しながら奥へと進むと、道は少し泥濘んでいて歩き難さを感じた。靴は汚れるのは仕方がないとして、衣服──外套の裾が汚れるのはだけは嫌だった。
眉間に皺を寄せながら足元へと目を向けると、ユーイの進む先に泥水が溜まる澱みが見えた。
立派な騎士服が汚れては不憫だと、親切心から腰に手を回して自分の方へと引き寄せる。
「っ──な、何をするっ!」
何をするとはこちらの台詞で、ユーイが突然突き飛ばしてきた。
リオリヤはこう見ても貧弱とは程遠い体をしているので倒れるなんて無様な事は無かった。
しかし足元は少しよろけ、後ろにあった泥濘みを踏んでしまい、跳ねた泥水が外套の裾を汚していた。
「今は任務中だぞ!な、何を考えているんだお前はっ!」
顔を真っ赤にして叫ぶユーイにリオリヤは呆気に取られたが、すぐにその様子を察して、へぇ……、と笑みを浮かべた。
「足元に水が溜まっていたから、僕はユーイが踏んでしまわないように引き寄せてやっただけなんだが?」
「……え?」
「ユーイは一体、僕に何をされると思ったんだ?」
「そ、それは、その……」
口籠ると言う事は、言えない事を考えていたと言う事だ。
恥ずかしさから慌てるユーイが面白く、リオリヤはからかってやりたくなった。
そうだ、とある事を思いついて、ユーイの耳に唇を寄せる。
「折角の二人きりだ。昨日の練習の続きだと思ったか?」
「んんっ……」
真っ赤な耳にふっと息をかけると目で分かるぐらいに体がぞわぞわと震えた。
体を離そうとする手を掴み、なぁ、と耳輪を唇で優しく挟んでふにふにと弄ぶ。
「ぁ……耳は駄目だとっ……んっ」
ぴくぴくと体全体を震わせ、漏らす息は熱がこもり、耳を少し弄っているだけで火照っているようだ。
こう言うのを性感帯というのか、それをユーイに教えるとどんな反応を見せてくれるか気になった。
「ぁっ……リオ、リヤ……くッ……」
恥ずかしさに唇を噛み締めて堪える姿もそそられる。
しかし今は惜しくも任務中なので、最後に耳輪を軽く引っ張って、ぱっと口から離すとユーイから離れた。
これで昨夜寝不足にさせられた仕返しも出来たと、リオリヤは大満足だった。
ユーイは解放されると、散々遊ばれた耳を手で押さえながらキッと睨んできた。息を荒くさせ、潤んだ瞳で見上げられても怖くなどなく、むしろ男を得意げにさせるだけだ。
「今はしないとい事は、任務中でなければ良いと言う事か。ならこれが終わったら、街でまた口づけの練習をするか?」
「だ、誰があんな事を」
「ほぉ、じゃあしないのか?」
リオリヤはどちらでも良かった。街に戻れば愉しませてくれるものは沢山あるのだから、ここで拒絶されたとしてもどうって事はなかった……多少は味気なさを感じさせるが。
それに先程破廉恥な事をされたばかりのユーイならば意地でも首を縦には振らないだろうと思って──
「…………る」
とても小さな声だったが、近くにいるリオリヤに聞こえていた。ユーイは確かに『する』と言った事に。
するのか。随分と素直だ。
恥ずかしそうに下を俯いていたユーイだったが、急に目を鋭くさせて遠くを睨んだ。
見事な切り替わりだ。
リオリヤは感心しながら、ずっと下ろしていたフードを真深く被ると、同じく目を向ける。
少しして、茂みの中からガラの悪い男たちが現れた──反逆者だ。
この邪悪な空気でぴんぴんとしているのはおかしな光景だった。しかしそのおかげで気づけた、道中襲ってきた下っ端とは違う、森を変異させた者の側にいる連中なのだと。
「まさかこの森を歩ける奴らがいるなんな」
「それはこちらの台詞だ」
ユーイは男たちを冷たく睨みつけながら剣を抜く。
リオリヤもまた手を構えた時だった、隣にいたユーイが忽然と消えたのだ。
いや、背後の茂みの中から何かが伸びてきてユーイを攫ったのだ。
「あ~ぁ、美人の連れがアレに捕まっちまったぞ」
「アレ?アレとは何だ?」
「早く助けに行かないとあの美人は……ひひっ」
男たちはにたにたと下衆な笑みを浮かべて笑う。
アレと言うのは分からないが、リオリヤには何となくだがどうなるのか分かった気がして、口端を吊り上げた。
「なら早く片付けて観に行った方が良さそうだ」
リオリヤは魔術を使おうと広げた手のひらを、ぐっと硬く握り締めた。
その瞬間、白い顔を真っ赤にさせて、つい今まで凛々しかった瞳を泳がせ慌てるものだから、騎士たちから痛いぐらいの疑惑の視線を浴びる事になった。
到頭お二人は……、などと言い出す者までいたので、馬鹿を言えと素っ気なく切り捨てる。
そもそも到頭って何だ、到頭って。
「昨日誤って二人で例の酒場に行ってしまったんだ。そこで見てしまったものに、きっとまだ動揺しているんだろう」
そう説明すれば騎士たちは、あぁ……とあっさりと納得した。副団長は純粋無垢な箱入り息子と、部下たちからも思われているようだ。
しかし露骨にこちらを意識するユーイの態度にはリオリヤは頭を抱えた。
そんなごたごたとしたまま、シフォン隊一行はルジェラを出発し、馬を走らせてルーヴァの森へとやって来た。
リオリヤは一度ここを通った事があったが、その時の事は殆ど記憶にはないので訪れたのは初めてに等しい。騎士たちもあまり領地から出た事がなく、ここへ来た事がある者はいなかった。
何があるか分からない場所で無闇に馬を走らせる訳にも行かず、何かあった時の事も考えて、騎士の数名を馬番として森の入口に残してリオリヤたちは森の中へと足を踏み入れた。
森の中は確かに木々の葉は枯れており、幹はおかしな形をしている。そして何かの植物の蔓が木々に巻き付いて、一部道を塞いでいた。
何だこの蔓は?ねばねはとしていて気味が悪い。
蔓にはねっとりとした液に覆われており、ぽたり……と糸を引いて落ちた液が地面を濡らしていた。おまけに辺りは変な甘ったるい匂いがして不快だった。
それを見つめていると、蔓が這う蛇のように微かに動いたような気がして、リオリオは嫌な予感に額に手を当てた。
「……ユーイ、その蔓には近づくなよ。絶対に」
「どうしてだ?」
名を呼ばれたユーイは横目でリオリヤを見る。
馬を走らせる内に気持ちも落ち着いたのか、今は凛々しい副団長様といった顔つきに戻っていた。
「いや、何となくお前は駄目な気がする」
「だからどういう意味だ、それは」
ムッと眉を寄せるユーイに、怒らせずに上手く説明出来る気がせず、リオリヤはそれだけ告げると足を進めた。
それにしてもこの場所は居心地悪いな。
森全体に黒く不気味な気が漂っており、それが陽の光を遮りじめじめとした陰湿的な空気を作り出している。
この不気味な気は奥へと足を進めて行くごとに増していき、リオリヤはその鬱陶しさに徐々に苛立ちを覚えた。
森全体に影響を与える魔術など然う然うない。それにそんな魔術を使う為にはそれなりの魔力が必要だ。
そんな異質な魔力は──グラナーの目か……。
「どうかしたのか?」
顎に手を当て、神妙な面持ちで考え込むリオリヤに気付いたユーイが声をかけてきた。
「……いや何でもない」
そう返した時、騎士が真っ青な顔をして地に膝を付いた。それも一人ではなく何人もおり、立っている者たちも表情は厳しく、辛うじて立っているといった所だ。
「どうしたお前たち!」
ユーイが慌てて騎士たちに駆け寄る。
「気分が……」
苦しげに声を絞り出すその騎士も、言葉の途中で片膝をついてしまった。
「恐らく強い魔力に当てられたんだ。無理しないほうが良い。気を失うか、下手すると気が触れるぞ」
リオリヤは騎士たちのような様子を知っている。なんと言っても飽きる程見てきたのだから。
冷静に判断しながらユーイを見るとこちらは平気なようで、しかし部下たちを心配して平静さを失っていた。
この強い魔力が効かないなんて、やはりエルフの血が混ざってるからか?
リオリヤは辺りを見渡し、それしかないかと溜め息を吐いた。
「お前たちは森の外に戻っていろ。奥へは僕と副団長殿の二人で行く」
「いえ、自分たちも……」
「──邪魔になるから来るな」
赤い目で睨むと騎士の顔はますますと青くなり、口を噤んだ。
静かになった所で、リオリヤは視線を騎士たちからユーイへと移した。
「それで良いだろう?」
「……あぁ」
ユーイは辛そうな部下たちを置いて事が心配のようだったが、それでも領主から任された務めを果たす為、頷くしかなかった。
辺りを警戒しながら奥へと進むと、道は少し泥濘んでいて歩き難さを感じた。靴は汚れるのは仕方がないとして、衣服──外套の裾が汚れるのはだけは嫌だった。
眉間に皺を寄せながら足元へと目を向けると、ユーイの進む先に泥水が溜まる澱みが見えた。
立派な騎士服が汚れては不憫だと、親切心から腰に手を回して自分の方へと引き寄せる。
「っ──な、何をするっ!」
何をするとはこちらの台詞で、ユーイが突然突き飛ばしてきた。
リオリヤはこう見ても貧弱とは程遠い体をしているので倒れるなんて無様な事は無かった。
しかし足元は少しよろけ、後ろにあった泥濘みを踏んでしまい、跳ねた泥水が外套の裾を汚していた。
「今は任務中だぞ!な、何を考えているんだお前はっ!」
顔を真っ赤にして叫ぶユーイにリオリヤは呆気に取られたが、すぐにその様子を察して、へぇ……、と笑みを浮かべた。
「足元に水が溜まっていたから、僕はユーイが踏んでしまわないように引き寄せてやっただけなんだが?」
「……え?」
「ユーイは一体、僕に何をされると思ったんだ?」
「そ、それは、その……」
口籠ると言う事は、言えない事を考えていたと言う事だ。
恥ずかしさから慌てるユーイが面白く、リオリヤはからかってやりたくなった。
そうだ、とある事を思いついて、ユーイの耳に唇を寄せる。
「折角の二人きりだ。昨日の練習の続きだと思ったか?」
「んんっ……」
真っ赤な耳にふっと息をかけると目で分かるぐらいに体がぞわぞわと震えた。
体を離そうとする手を掴み、なぁ、と耳輪を唇で優しく挟んでふにふにと弄ぶ。
「ぁ……耳は駄目だとっ……んっ」
ぴくぴくと体全体を震わせ、漏らす息は熱がこもり、耳を少し弄っているだけで火照っているようだ。
こう言うのを性感帯というのか、それをユーイに教えるとどんな反応を見せてくれるか気になった。
「ぁっ……リオ、リヤ……くッ……」
恥ずかしさに唇を噛み締めて堪える姿もそそられる。
しかし今は惜しくも任務中なので、最後に耳輪を軽く引っ張って、ぱっと口から離すとユーイから離れた。
これで昨夜寝不足にさせられた仕返しも出来たと、リオリヤは大満足だった。
ユーイは解放されると、散々遊ばれた耳を手で押さえながらキッと睨んできた。息を荒くさせ、潤んだ瞳で見上げられても怖くなどなく、むしろ男を得意げにさせるだけだ。
「今はしないとい事は、任務中でなければ良いと言う事か。ならこれが終わったら、街でまた口づけの練習をするか?」
「だ、誰があんな事を」
「ほぉ、じゃあしないのか?」
リオリヤはどちらでも良かった。街に戻れば愉しませてくれるものは沢山あるのだから、ここで拒絶されたとしてもどうって事はなかった……多少は味気なさを感じさせるが。
それに先程破廉恥な事をされたばかりのユーイならば意地でも首を縦には振らないだろうと思って──
「…………る」
とても小さな声だったが、近くにいるリオリヤに聞こえていた。ユーイは確かに『する』と言った事に。
するのか。随分と素直だ。
恥ずかしそうに下を俯いていたユーイだったが、急に目を鋭くさせて遠くを睨んだ。
見事な切り替わりだ。
リオリヤは感心しながら、ずっと下ろしていたフードを真深く被ると、同じく目を向ける。
少しして、茂みの中からガラの悪い男たちが現れた──反逆者だ。
この邪悪な空気でぴんぴんとしているのはおかしな光景だった。しかしそのおかげで気づけた、道中襲ってきた下っ端とは違う、森を変異させた者の側にいる連中なのだと。
「まさかこの森を歩ける奴らがいるなんな」
「それはこちらの台詞だ」
ユーイは男たちを冷たく睨みつけながら剣を抜く。
リオリヤもまた手を構えた時だった、隣にいたユーイが忽然と消えたのだ。
いや、背後の茂みの中から何かが伸びてきてユーイを攫ったのだ。
「あ~ぁ、美人の連れがアレに捕まっちまったぞ」
「アレ?アレとは何だ?」
「早く助けに行かないとあの美人は……ひひっ」
男たちはにたにたと下衆な笑みを浮かべて笑う。
アレと言うのは分からないが、リオリヤには何となくだがどうなるのか分かった気がして、口端を吊り上げた。
「なら早く片付けて観に行った方が良さそうだ」
リオリヤは魔術を使おうと広げた手のひらを、ぐっと硬く握り締めた。
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