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34話 決闘の結果
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さて、やらかした。
「な、るほど。私が勝てば殿下は皇太子になることはない。その地位から降りてもらうということですね」
驚きつつも感心しないで。そこは止めてよ、エール!
「では、殿下。よろしいですか?」
おめおめ逃げる選択肢はない。プライドの高い男は決闘を行う選択肢しかないはずだ。
「ふん、愚か者が」
あっれ、受けるのは分かってたけど、日を改めてとかじゃないの? 今やるの?
ヴォックスが出てきて事情を把握すると眉根を寄せて兄である第一皇子を見た。挙げ句剣でやるらしい。ギャラリーも見やすく丸く囲んでやる気満々だ。
「ちょ、本気でやるわけ?」
「ええ。すぐ終わらせますね」
笑顔で返すとこじゃないんだって。
「エクス、頑張ってね」
「イグニス様!」
「終わるまで我々は彼女の側にいましょう」
「はい。よろしくお願いします」
いやいやあれ真剣だし、記念すべきデビュタントを飾る若人の会が台無しになっている。これでいいはずがない。一歩間違えれば流血沙汰になるやつよ?
「御二人ともなんで止めてくれなかったんですか」
「面白そうだったし」
「マーロン侯爵家まで軽く見られている以上、私はエクスの行動に賛成します」
大人が子供を止めなくてどうするのよ。穏便におさめる方法なんていくらでも知ってるでしょ。
というか我々側は国家連合設立を考える穏健派! やってることが過激派じゃない!
「んー? 婚約者殿が心配?」
「からかわないでください」
「大丈夫だよ。エクス強いから」
話聞いてないし。そもそも婚約者にしたのってそっちの都合で私の意思は関係ない。
「……帰りたい」
「にしてもフィクタちゃん思いきったよね~! この場で継承権を天秤にかけてくるとは思わなかったよ」
「イグニス」
「分かってるって」
周囲はどちらが勝つかで賭けが始まった。今日は十六歳の男女が大人になったおめでとう会なのに、賭博場になるとは何事だ。誰か止めてよ。
「おや始まるかな」
立ち会いは第一皇子派一人とエールには第二皇子がつく。指揮はユースティーツィアだった。
「こうなったらユツィたやとヴィーてや見て癒されるか」
麗しい二人の騎士服いいなあと思っていたら、始まって本当すぐに終わってしまった。
見えなかったよ? 人ってあんなに速く動けるの?
気づいたら第一皇子の剣は吹っ飛んでいて、エールの剣が第一皇子の首筋にあてられていた。
「はっや」
「言ったじゃ~ん。エクス、君のとこの双子騎士を意識してこっそり剣の稽古してたんだよ」
双子に剣でも勝つ為に鍛えていた? もう私じゃなくて双子に気があるんじゃないのって話よ。意識しすぎ。
「貴方も多少は御存知でしょうが、魔法の腕も中々ですよ」
確かにシレのトラップにかかった時も意識あった。あれは気絶ものらしいからエールなりに耐性があったのかもしれない。
と、終わった試合に第一皇子の声が響いた。
「認めない!」
「おや、命尽きるまでやりますか?」
終わり方は良心的だった。だって首切ってないし。あんな速さで振り回されたら私の首もすぐ飛ぶなあ。やっぱりエールは死亡フラグだ。
そして、なおも駄々をこねる第一皇子にイグニスが口を開いた。
「殿下、多くの人間が証人になっている以上、決闘は有効です」
「そんなわけが」
「あるな」
会場にいる全ての人間が声のする方を振り向いた。
「父上!」
全員が礼をとる。まさか見ていたの?
「マーロン侯爵、マジア侯爵令嬢、愚息が大変失礼した」
「無礼なのは奴らです、父上!」
口を慎めと一喝される。可哀想に、この二人の関係は小説通りになるのだろうか。
「レックス、お前が決闘を申し込む所から見聞きしていた。決闘は有効なものとする」
「そんな!」
「お前は少し世界を見て学べ」
コロルベーマヌを初め各国を周り勉強と福祉活動に従事するという。すごい。まさか小説通りに進むとは思わなかった。これも修正力なのだろうか。
「お前がしたのは国に宣戦布告するのと同義だ。おいそれと簡単にできるものではない」
「父上っ」
「これは学び直す時間だと思うことだ。帝国と言う狭い場所だけに固執するのはやめなさい」
確かにその通りだ。私だけならまだしもエールにもちょっかい出す形になったのは国同士の問題になりかねない。まあそこまであの男は考えてないだろうし、戦争になった方がいいんだろうけど。それにエール自ら絡みにいってたしね。
「フィクタ」
「あ、お帰り……随分嬉しそうね」
「ええ。懸念してた件を一つ解決できましたので」
「そう」
「それに交えることなく剣の腕を見せることもできました」
「ん?」
エールが視線をずらした。追って見ると庭の双子がこちらを眼光強く見据えている。
「双子に見せつけたかったの」
「はい。双子より強ければ護衛は必要ないでしょう」
双子すっごい嫌そう。
それもそうね。一見すると文系なタイプが剣の腕めっちゃいいとか、ありなしで問われるならなしだもの。
「あんまり煽らないでよ。面倒なことになったらどうするの」
「フィクタの特別で一番がもらえるよう努力しているだけです」
譲らない気だ。意外と頑固ね。
「マーロン侯爵、マジア侯爵令嬢」
「陛下」
第一皇子を配備した騎士に連れていかせたところで現皇帝に話しかけられた。礼をとって、陛下の言葉がかかって顔を上げると小説の中でのやつれた姿はどこにもなかった。思えばこの人も死亡フラグなのよね。滅多に会えないからノーマークだった。なにより陛下には生きて平和な大陸にしてもらわないと推しカプが幸せになれない。
「先程の息子の非礼、代わってお詫びする」
「滅相も御座いません、陛下」
「いや、君達二人はとても優秀だと聞いている。学院卒業後は是非帝国に来てほしいぐらいだ」
成程、友好関係をアピールね。
コロルベーマヌ王国とウニバーシタス帝国はとても仲良しです。争いなんて起きませんよ? 国のトップが自ら話しかけちゃうぐらい仲が良いんでね! みたいな感じだろう。
「私は個人的に、君達二人の仲を応援している」
「ん?」
「有難き御言葉大変光栄に存じます」
「結婚式は是非この城でも行ってほしい」
「はい、陛下」
「んん?」
いやいやいやいやちょっと待って。
そんなのいいから! その前に出ていくから! 友好関係は違う形でアピールしようよ!
「おめでとう、皇帝陛下から君たちの仲が公認されたね」
陛下が去った後のイグニスの言葉に顔を青くしたのは言うまでもない。
なんてことしてくれるの!
「な、るほど。私が勝てば殿下は皇太子になることはない。その地位から降りてもらうということですね」
驚きつつも感心しないで。そこは止めてよ、エール!
「では、殿下。よろしいですか?」
おめおめ逃げる選択肢はない。プライドの高い男は決闘を行う選択肢しかないはずだ。
「ふん、愚か者が」
あっれ、受けるのは分かってたけど、日を改めてとかじゃないの? 今やるの?
ヴォックスが出てきて事情を把握すると眉根を寄せて兄である第一皇子を見た。挙げ句剣でやるらしい。ギャラリーも見やすく丸く囲んでやる気満々だ。
「ちょ、本気でやるわけ?」
「ええ。すぐ終わらせますね」
笑顔で返すとこじゃないんだって。
「エクス、頑張ってね」
「イグニス様!」
「終わるまで我々は彼女の側にいましょう」
「はい。よろしくお願いします」
いやいやあれ真剣だし、記念すべきデビュタントを飾る若人の会が台無しになっている。これでいいはずがない。一歩間違えれば流血沙汰になるやつよ?
「御二人ともなんで止めてくれなかったんですか」
「面白そうだったし」
「マーロン侯爵家まで軽く見られている以上、私はエクスの行動に賛成します」
大人が子供を止めなくてどうするのよ。穏便におさめる方法なんていくらでも知ってるでしょ。
というか我々側は国家連合設立を考える穏健派! やってることが過激派じゃない!
「んー? 婚約者殿が心配?」
「からかわないでください」
「大丈夫だよ。エクス強いから」
話聞いてないし。そもそも婚約者にしたのってそっちの都合で私の意思は関係ない。
「……帰りたい」
「にしてもフィクタちゃん思いきったよね~! この場で継承権を天秤にかけてくるとは思わなかったよ」
「イグニス」
「分かってるって」
周囲はどちらが勝つかで賭けが始まった。今日は十六歳の男女が大人になったおめでとう会なのに、賭博場になるとは何事だ。誰か止めてよ。
「おや始まるかな」
立ち会いは第一皇子派一人とエールには第二皇子がつく。指揮はユースティーツィアだった。
「こうなったらユツィたやとヴィーてや見て癒されるか」
麗しい二人の騎士服いいなあと思っていたら、始まって本当すぐに終わってしまった。
見えなかったよ? 人ってあんなに速く動けるの?
気づいたら第一皇子の剣は吹っ飛んでいて、エールの剣が第一皇子の首筋にあてられていた。
「はっや」
「言ったじゃ~ん。エクス、君のとこの双子騎士を意識してこっそり剣の稽古してたんだよ」
双子に剣でも勝つ為に鍛えていた? もう私じゃなくて双子に気があるんじゃないのって話よ。意識しすぎ。
「貴方も多少は御存知でしょうが、魔法の腕も中々ですよ」
確かにシレのトラップにかかった時も意識あった。あれは気絶ものらしいからエールなりに耐性があったのかもしれない。
と、終わった試合に第一皇子の声が響いた。
「認めない!」
「おや、命尽きるまでやりますか?」
終わり方は良心的だった。だって首切ってないし。あんな速さで振り回されたら私の首もすぐ飛ぶなあ。やっぱりエールは死亡フラグだ。
そして、なおも駄々をこねる第一皇子にイグニスが口を開いた。
「殿下、多くの人間が証人になっている以上、決闘は有効です」
「そんなわけが」
「あるな」
会場にいる全ての人間が声のする方を振り向いた。
「父上!」
全員が礼をとる。まさか見ていたの?
「マーロン侯爵、マジア侯爵令嬢、愚息が大変失礼した」
「無礼なのは奴らです、父上!」
口を慎めと一喝される。可哀想に、この二人の関係は小説通りになるのだろうか。
「レックス、お前が決闘を申し込む所から見聞きしていた。決闘は有効なものとする」
「そんな!」
「お前は少し世界を見て学べ」
コロルベーマヌを初め各国を周り勉強と福祉活動に従事するという。すごい。まさか小説通りに進むとは思わなかった。これも修正力なのだろうか。
「お前がしたのは国に宣戦布告するのと同義だ。おいそれと簡単にできるものではない」
「父上っ」
「これは学び直す時間だと思うことだ。帝国と言う狭い場所だけに固執するのはやめなさい」
確かにその通りだ。私だけならまだしもエールにもちょっかい出す形になったのは国同士の問題になりかねない。まあそこまであの男は考えてないだろうし、戦争になった方がいいんだろうけど。それにエール自ら絡みにいってたしね。
「フィクタ」
「あ、お帰り……随分嬉しそうね」
「ええ。懸念してた件を一つ解決できましたので」
「そう」
「それに交えることなく剣の腕を見せることもできました」
「ん?」
エールが視線をずらした。追って見ると庭の双子がこちらを眼光強く見据えている。
「双子に見せつけたかったの」
「はい。双子より強ければ護衛は必要ないでしょう」
双子すっごい嫌そう。
それもそうね。一見すると文系なタイプが剣の腕めっちゃいいとか、ありなしで問われるならなしだもの。
「あんまり煽らないでよ。面倒なことになったらどうするの」
「フィクタの特別で一番がもらえるよう努力しているだけです」
譲らない気だ。意外と頑固ね。
「マーロン侯爵、マジア侯爵令嬢」
「陛下」
第一皇子を配備した騎士に連れていかせたところで現皇帝に話しかけられた。礼をとって、陛下の言葉がかかって顔を上げると小説の中でのやつれた姿はどこにもなかった。思えばこの人も死亡フラグなのよね。滅多に会えないからノーマークだった。なにより陛下には生きて平和な大陸にしてもらわないと推しカプが幸せになれない。
「先程の息子の非礼、代わってお詫びする」
「滅相も御座いません、陛下」
「いや、君達二人はとても優秀だと聞いている。学院卒業後は是非帝国に来てほしいぐらいだ」
成程、友好関係をアピールね。
コロルベーマヌ王国とウニバーシタス帝国はとても仲良しです。争いなんて起きませんよ? 国のトップが自ら話しかけちゃうぐらい仲が良いんでね! みたいな感じだろう。
「私は個人的に、君達二人の仲を応援している」
「ん?」
「有難き御言葉大変光栄に存じます」
「結婚式は是非この城でも行ってほしい」
「はい、陛下」
「んん?」
いやいやいやいやちょっと待って。
そんなのいいから! その前に出ていくから! 友好関係は違う形でアピールしようよ!
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