82 / 103
2章 変態宰相公爵の、魔女への溺愛ストーカー記録
82話 コタツと看病
しおりを挟む
「記者いなかったのに」
「物を提供すればいくらでも記事にできますよ」
偉業扱いになってるのはなんで?
前々から火山活動を分かっていて、条件揃ったから避難をしたたけじゃないの?
「わざと記事にしたの?」
「訊かれた事に応えただけ」
「もう……」
もう事後だ。覆せない。仕方ないので新聞はスルーした。
「公共温泉施設になりますよ。今は建設中、進捗三割ってとこ」
「へえ」
「管轄がウニバーシタスですが、後々麓の方々に移譲します」
了承も得ていると言う。やることが本当に早い。
「視察で入りに行けるので行きましょう」
「うん」
「ん……そしたら混浴作っておくか……いや他の男に見られるわけにはいかないしな……けど混浴……」
そして鼻血を出す。変わらない流れだ。本人目の前にして裸を想像してほしくないけど悲しいことに慣れてきた。
にしても温泉。
「あったかいだろうなあ」
「今も充分暖かいでしょう?」
「うん、コタツすごい」
サクが冬になってコタツをつくってくれた。異国の家具らしい。ドラゴンとフェンリルが早すぎるとサクを嗜めていたけど、ここだけでしか使わないことを約束したらあっさり許された。挙げ句今ではコタツの魔力に負けて二人ともぬくぬくしている。暑さ寒さには強いはずなのにコタツの快適さは別だと言って中々離れない。
なんだか私より懐柔されてない? 私の味方というよりもよほどサクの味方になっている。
「外堀埋めるの有効かなと思って、二人は懐柔対象なんです」
「心の声を読まないでよ」
元々そんなに反対してない二人なのに。
「満更でもないでしょ?」
「からかわないで」
「いつも本気だけど」
「む……」
コタツでぬくぬくしながら話すことじゃない気もする。一瞬の真剣な光が紫の瞳に宿るから本気なのも充分分かってしまう。
私の戸惑いを理解してか、少し意地悪く口角を上げた。
「毎日美味しいご飯にあったかくて広いお風呂」
「ぐっ……」
「リーディングヌックと大きな本棚」
「ぐう……」
「イケメンの添い寝つき」
「それはいらない」
ちぇーとわざと唇尖らせる。イルミナルクスのリーディングヌックと本棚は魅力的だなあ。
「僕と一緒なら焼きたてパンが毎朝食べれて」
「確かに美味しいんだよねえ」
外側さくさく中はふっくらしっとり。あつあつパンにバターつけて食べると滅茶苦茶美味しい。チーズとか卵とかつけてもいいなあ。
「ピザやパイもいけますし」
「美味しいよねえ」
サクの作るピザもパイも最高なんだよねえ。季節の食材選んでくれるし、毎回違うレシピでくるしなあ。サク、職人になれるよ。
「デザートも得意で」
「うん、この前のプリン美味しかった」
「今日のドーナッツは?」
「ぐぬう……」
さっき出来たばかりのドーナッツも美味しいもんなあ。ドラゴンとフェンリルの食の進みがすごくて一気に平らげていた。
「……すごく美味しい」
「ふふふふ」
悔しいけど美味しい。コタツ出したので次はセンベイ焼きますとか言ってるけど、どんなお菓子だろう。
「サクなしじゃ生きていけない身体にされてる」
「おや」
少し驚いていた。ご飯が美味しいのは罪だ。
「名残惜しくなっちゃう」
このまま緩やかな日々の中で終わりを迎えると思っていた。それがたった一人増えただけで随分離れがたくなってしまう。もっと一緒にいたいと欲張りになる。こんなはずじゃなかった。
「もっと我が儘になって」
「充分なのに」
「そう言って自分に制限かけてるでしょう?」
「え?」
「充分幸せだと言い聞かせて辛い事に蓋をしてる。もっとしたい事を言って?」
「なにを……」
戸惑う私にサクが手を伸ばした。頬を包んで指の腹で目尻を撫でる。逃げられなかった。
「すみません、困らせました」
「えっと」
「風邪引くのでコタツで寝ちゃだめですよ?」
「そんな子供みたいなことするわけない」
話を逸らされてほっとするも子供扱いにむっとする。
「まあ看病できるなら喜んでってとこだけど」
「鼻血」
「あ、すみません」
分かっている。小さな幸せで充分なのは本当だけど、辛いことを見ないふりしてたのは図星だ。でもずっと蓋して遠慮してきたから、うまく言葉にできなくて今更願望を口にするなんてできなかった。
* * *
「う……」
結局、考えすぎて眠くなってうとうとしてたら軽く風邪を引いた。悲しい。
「ふふふふ」
「……ちょっと」
喉をやられた。かさっかさの声に重だるい身体は完全に風邪を引いたことを示している。
「いいんですよ。今日一日僕が看病するんで」
怪しげな笑みのまま鼻を抑えつつ器用に私の額のタオルを変えた。器用だけど、見た目引くから勘弁してほしい。看病に鼻血出す人間がいるわけ?
「薬草茶も用意したし、栄養高い食べ物も用意してます。勿論食べやすくしてますし、着替えもすぐ出来るようここに。もう少ししたら湯とタオル持ってくるので身体を拭きましょう」
「……身体は一人で拭く」
「そんなっ僕がやります!」
「そう言うと思った」
けほっと咳込むとサクが慌てて起こして蜂蜜をスプーンに乗せて与えてくる。もう恥ずかしさとか無視して与えられるものを口にした。手ずから食べてくれてると感動して震えているけど無視だ。食べないと終わらないでしょうに。
「もっと早くに寝室に運べばよかった」
「寝ちゃった私のせいでしょ」
サクがお風呂に入っている間にコタツで寝てしまった私を散々眺めた後に寝室に寝かしてくれたらしい。そこはありがたいけど、どんだけ眺めてたのよ。いやそこに文句言っても意味ないか。
「まあおかげで付きっ切りで看病出来るし」
「二度としない」
「クラスが苦しむのは嫌だけど看病はたまにあっても」
「絶対しない」
サクがべったりすぎるぐらいべったりで調子に乗るから絶対にしないと心に誓った。
「物を提供すればいくらでも記事にできますよ」
偉業扱いになってるのはなんで?
前々から火山活動を分かっていて、条件揃ったから避難をしたたけじゃないの?
「わざと記事にしたの?」
「訊かれた事に応えただけ」
「もう……」
もう事後だ。覆せない。仕方ないので新聞はスルーした。
「公共温泉施設になりますよ。今は建設中、進捗三割ってとこ」
「へえ」
「管轄がウニバーシタスですが、後々麓の方々に移譲します」
了承も得ていると言う。やることが本当に早い。
「視察で入りに行けるので行きましょう」
「うん」
「ん……そしたら混浴作っておくか……いや他の男に見られるわけにはいかないしな……けど混浴……」
そして鼻血を出す。変わらない流れだ。本人目の前にして裸を想像してほしくないけど悲しいことに慣れてきた。
にしても温泉。
「あったかいだろうなあ」
「今も充分暖かいでしょう?」
「うん、コタツすごい」
サクが冬になってコタツをつくってくれた。異国の家具らしい。ドラゴンとフェンリルが早すぎるとサクを嗜めていたけど、ここだけでしか使わないことを約束したらあっさり許された。挙げ句今ではコタツの魔力に負けて二人ともぬくぬくしている。暑さ寒さには強いはずなのにコタツの快適さは別だと言って中々離れない。
なんだか私より懐柔されてない? 私の味方というよりもよほどサクの味方になっている。
「外堀埋めるの有効かなと思って、二人は懐柔対象なんです」
「心の声を読まないでよ」
元々そんなに反対してない二人なのに。
「満更でもないでしょ?」
「からかわないで」
「いつも本気だけど」
「む……」
コタツでぬくぬくしながら話すことじゃない気もする。一瞬の真剣な光が紫の瞳に宿るから本気なのも充分分かってしまう。
私の戸惑いを理解してか、少し意地悪く口角を上げた。
「毎日美味しいご飯にあったかくて広いお風呂」
「ぐっ……」
「リーディングヌックと大きな本棚」
「ぐう……」
「イケメンの添い寝つき」
「それはいらない」
ちぇーとわざと唇尖らせる。イルミナルクスのリーディングヌックと本棚は魅力的だなあ。
「僕と一緒なら焼きたてパンが毎朝食べれて」
「確かに美味しいんだよねえ」
外側さくさく中はふっくらしっとり。あつあつパンにバターつけて食べると滅茶苦茶美味しい。チーズとか卵とかつけてもいいなあ。
「ピザやパイもいけますし」
「美味しいよねえ」
サクの作るピザもパイも最高なんだよねえ。季節の食材選んでくれるし、毎回違うレシピでくるしなあ。サク、職人になれるよ。
「デザートも得意で」
「うん、この前のプリン美味しかった」
「今日のドーナッツは?」
「ぐぬう……」
さっき出来たばかりのドーナッツも美味しいもんなあ。ドラゴンとフェンリルの食の進みがすごくて一気に平らげていた。
「……すごく美味しい」
「ふふふふ」
悔しいけど美味しい。コタツ出したので次はセンベイ焼きますとか言ってるけど、どんなお菓子だろう。
「サクなしじゃ生きていけない身体にされてる」
「おや」
少し驚いていた。ご飯が美味しいのは罪だ。
「名残惜しくなっちゃう」
このまま緩やかな日々の中で終わりを迎えると思っていた。それがたった一人増えただけで随分離れがたくなってしまう。もっと一緒にいたいと欲張りになる。こんなはずじゃなかった。
「もっと我が儘になって」
「充分なのに」
「そう言って自分に制限かけてるでしょう?」
「え?」
「充分幸せだと言い聞かせて辛い事に蓋をしてる。もっとしたい事を言って?」
「なにを……」
戸惑う私にサクが手を伸ばした。頬を包んで指の腹で目尻を撫でる。逃げられなかった。
「すみません、困らせました」
「えっと」
「風邪引くのでコタツで寝ちゃだめですよ?」
「そんな子供みたいなことするわけない」
話を逸らされてほっとするも子供扱いにむっとする。
「まあ看病できるなら喜んでってとこだけど」
「鼻血」
「あ、すみません」
分かっている。小さな幸せで充分なのは本当だけど、辛いことを見ないふりしてたのは図星だ。でもずっと蓋して遠慮してきたから、うまく言葉にできなくて今更願望を口にするなんてできなかった。
* * *
「う……」
結局、考えすぎて眠くなってうとうとしてたら軽く風邪を引いた。悲しい。
「ふふふふ」
「……ちょっと」
喉をやられた。かさっかさの声に重だるい身体は完全に風邪を引いたことを示している。
「いいんですよ。今日一日僕が看病するんで」
怪しげな笑みのまま鼻を抑えつつ器用に私の額のタオルを変えた。器用だけど、見た目引くから勘弁してほしい。看病に鼻血出す人間がいるわけ?
「薬草茶も用意したし、栄養高い食べ物も用意してます。勿論食べやすくしてますし、着替えもすぐ出来るようここに。もう少ししたら湯とタオル持ってくるので身体を拭きましょう」
「……身体は一人で拭く」
「そんなっ僕がやります!」
「そう言うと思った」
けほっと咳込むとサクが慌てて起こして蜂蜜をスプーンに乗せて与えてくる。もう恥ずかしさとか無視して与えられるものを口にした。手ずから食べてくれてると感動して震えているけど無視だ。食べないと終わらないでしょうに。
「もっと早くに寝室に運べばよかった」
「寝ちゃった私のせいでしょ」
サクがお風呂に入っている間にコタツで寝てしまった私を散々眺めた後に寝室に寝かしてくれたらしい。そこはありがたいけど、どんだけ眺めてたのよ。いやそこに文句言っても意味ないか。
「まあおかげで付きっ切りで看病出来るし」
「二度としない」
「クラスが苦しむのは嫌だけど看病はたまにあっても」
「絶対しない」
サクがべったりすぎるぐらいべったりで調子に乗るから絶対にしないと心に誓った。
0
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました
あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。
どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
悪役令嬢はお断りです
あみにあ
恋愛
あの日、初めて王子を見た瞬間、私は全てを思い出した。
この世界が前世で大好きだった小説と類似している事実を————。
その小説は王子と侍女との切ない恋物語。
そして私はというと……小説に登場する悪役令嬢だった。
侍女に執拗な虐めを繰り返し、最後は断罪されてしまう哀れな令嬢。
このまま進めば断罪コースは確定。
寒い牢屋で孤独に過ごすなんて、そんなの嫌だ。
何とかしないと。
でもせっかく大好きだった小説のストーリー……王子から離れ見られないのは悲しい。
そう思い飛び出した言葉が、王子の護衛騎士へ志願することだった。
剣も持ったことのない温室育ちの令嬢が
女の騎士がいないこの世界で、初の女騎士になるべく奮闘していきます。
そんな小説の世界に転生した令嬢の恋物語。
●表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
●毎日21時更新(サクサク進みます)
●全四部構成:133話完結+おまけ(2021年4月2日 21時完結)
(第一章16話完結/第二章44話完結/第三章78話完結/第四章133話で完結)。
麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。
お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。
少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。
22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
魔王伯爵と呪われた宝石~お願いですから、豹変して抱きついてくるのはやめてください~
狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
婚約者に伯爵家を奪われ、家庭教師として勤めていた子爵家でもとある一件から追い出されたエイジェリンは、エイミーと言う偽名を使って、魔王伯爵や悪魔伯爵とささやかれる難ありなブラッド伯爵家の当主ウィリアムの部屋付きメイドとして再就職した。勤めはじめて三日目の朝、エイジェリンはウィリアムを起こしに部屋に向かう。すると、寝ぼけたウィリアムが突然抱きついてきて、硬直するエイジェリンを「ママ」と呼んで甘えだした!ウィリアムはほどなくして正気に戻ったけれど、唖然とするエイジェリンに彼が語ったことには、どうやら彼の一族は、宝石に宿った魂が体に乗り移ってしまう厄介な体質を持っているらしい。エイジェリンに抱きついたのも、彼が指にはめていたブラックダイヤモンドの指輪の霊のせいだという。
ウィリアムは何とかしてブラックダイヤモンドの霊を成仏させようとしているが、なかなかうまくいかない。ウィリアムの秘密を知ってしまったエイジェリンは、必然的に彼に協力するようになったのだけど――お願いですから「ママ」と呼んで抱きついてくるのはやめてください!
※ヒーローはマザコンではありません。
お金目的で王子様に近づいたら、いつの間にか外堀埋められて逃げられなくなっていた……
木野ダック
恋愛
いよいよ食卓が茹でジャガイモ一色で飾られることになった日の朝。貧乏伯爵令嬢ミラ・オーフェルは、決意する。
恋人を作ろう!と。
そして、お金を恵んでもらおう!と。
ターゲットは、おあつらえむきに中庭で読書を楽しむ王子様。
捨て身になった私は、無謀にも無縁の王子様に告白する。勿論、ダメ元。無理だろうなぁって思ったその返事は、まさかの快諾で……?
聞けば、王子にも事情があるみたい!
それならWINWINな関係で丁度良いよね……って思ってたはずなのに!
まさかの狙いは私だった⁉︎
ちょっと浅薄な貧乏令嬢と、狂愛一途な完璧王子の追いかけっこ恋愛譚。
※王子がストーカー気質なので、苦手な方はご注意いただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる