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2章 神よ、感謝します。けど、ちょっと違う叶ったけどちょっと違うんです。
154話 私、今すごい地雷踏んだ?墓穴堀った?
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これでもう安心だ、ひとまずシリアスに戻れるなんて思ってたのに、私に都合よくいかなかった。
神よ、どういうことですか。
「何故ディエゴと同じ馬なのか」
「仕様がないだろう」
帰路。
トットの傍に護衛が二人、私とディエゴの後ろに二人つけてるだけ、かなり安全策をとっている。けどディエゴと同じ馬に乗るだなんて。これならあの場所に残って、元山賊の皆さんと一緒に周辺の修繕でも一緒にすればよかった。
「馬車を用意してなかったからな。すまない」
「トットは何も悪くないよ!」
こちらを振り返って言うトットの申し訳なさそうな事。大丈夫、そこじゃないんだ。トットはなにも悪くないからね!ただちょっと私の気持ちがまだざわついてるところに、馬に二人乗りなものだから動揺隠せないだけ!違う、トットのせいじゃない!
「トットは本当真面目だね」
「ああ、有難う」
そう言ってトットが再び前を向いた所で、ディエゴが小さく息を吐いた。
「ディエゴ?」
「寿命が縮んだな」
「私は今寿命が縮みそうだよ」
「え?」
また後ろなのと思わざるを得ない。この馬が二人乗り大丈夫なのということとか、二人乗りの正しい乗り方これでいいのとか、そのへんはもうどうでもいい。この世界の独自設定なのだろうから。
けど、直近また後ろでぴったりくっついて一緒にいるって何事なの。
神よ、何故二度も同じことを提供なさるのです。見てる分には何度でも大丈夫ですけど、体験はお腹いっぱいですって。
「怪我」
「こら、手元は触るな」
「ええ……」
「危ないだろう」
手綱を持っているのはディエゴだから、それは分かる。まあ実際触っても許してくれるんだろうなと思いつつ、手は引っ込めてみた。私、えらい。
「ディエゴは私の無茶によく付き合ってくれるよね」
挙句、言わなくても分かってる感じがすごい。オリアーナと違って見えていないのに、私が次にやるであろう事をよく読んでいる。
「君のやりたい事はだいぶ理解出来るようになってきたさ」
「すごいね」
「だからといって、これ以上は止めてほしいんだが」
「お約束できません」
ぐぐっとディエゴが唸った。私が私の思う通りに動くと、多かれ少なかれスーパーマンな事態に及ぶ可能性のが高いし。
ディエゴはまた一つ溜息を吐いた。幸せが逃げるから止めた方がいいのに。
「ディエゴはさ」
「なんだ」
「私の事好きなのに、やたら触ったり抱きしめたりするよね?」
後ろからなんでそんなことをきくんだと言わんばかりの不穏な空気を感じたけど無視だ。触れないなら言葉で楽しむしかない。
「好きだから触りたいんだ」
「ふむ……動揺しないの?」
「え?」
急にテンパったり、顔が赤くなったり体温高くなったり、どもったり無口になったり色々あると思うけど、心内はどれもどっきどきのはず。それを超えて、好きだから触りたい全然平気ってなるには修行でも必要なのだろうか。
「あ、これだ」
閃いた。確かめればいいのか。
少し後ろを向く形で耳を彼の胸元へくっつける。
「チアキ!」
「あ、なるほど」
好きだから触りたいというのは彼の本音で間違いない。
で、今早鐘を打っている鼓動で動揺してるという事がはっきり分かった。なんだ、私不謹慎とか思ってたけど、ディエゴと同じなら大丈夫だわ。
「そっか。平気そうな顔してたけど、やっぱり内心どっきどきなのね」
「チアキ!」
窘められた。
ちらりと見上げるとこちらを見下ろすディエゴと目が合う。顔が赤い。
「恥ずかしがらなくても」
「違う!」
うん、ツンデレはこうでないと。ディエゴがこういう態度なら、私も多少は余裕を持っていられる。
ありがとうございます、神よ。ツンデレはやはり至高ということですね、わかります。
「あれ?」
ぐぐうと唸るディエゴは私の独り言に気付かなかった。逆にそれで助かったよ。
だって待って。
ディエゴと同じなら大丈夫?え?同じ?
「どうかしたか?」
「ちょっと待って」
ディエゴは私が好き。
好きだから触れたくて、触れたら触れたで、胸の鼓動鳴り止まない。こんなシリアス通り越したところに不謹慎にも動揺していた事が同じで良かったなんて思っている場合じゃない。
「チアキ?」
同じって事は、つまり、えっと、そ、そういう事?
ちょっと待って、私、今すごい地雷踏んだ?墓穴堀った?
「いや、だめだよね。さっきまでシリアス絶好調だったんだし」
「どうした」
「ディエゴ、今、私とくっついててドキドキでしょ?」
「違う」
「ツンデレありがとう」
テンプレありがとう。つまり、とてもどきどきしてるってことだね。
「チアキ、頼むから大人しくしててくれ」
「検討します」
「……」
いたく不服ですという空気が伝わってくる。私の様子がディエゴから見えなくて本当良かった。
「……」
うん、きっとこれは地雷でも墓穴でもない。同じ気持ちで安心という考え方の前提が違う、そう、きっとそう。
やっぱり不謹慎だと思い直し、私は気を引き締めて帰路を進むことにした。
大事な事だから繰り返す、これは断じて地雷でも墓穴も出ない…………たぶん。
神よ、どういうことですか。
「何故ディエゴと同じ馬なのか」
「仕様がないだろう」
帰路。
トットの傍に護衛が二人、私とディエゴの後ろに二人つけてるだけ、かなり安全策をとっている。けどディエゴと同じ馬に乗るだなんて。これならあの場所に残って、元山賊の皆さんと一緒に周辺の修繕でも一緒にすればよかった。
「馬車を用意してなかったからな。すまない」
「トットは何も悪くないよ!」
こちらを振り返って言うトットの申し訳なさそうな事。大丈夫、そこじゃないんだ。トットはなにも悪くないからね!ただちょっと私の気持ちがまだざわついてるところに、馬に二人乗りなものだから動揺隠せないだけ!違う、トットのせいじゃない!
「トットは本当真面目だね」
「ああ、有難う」
そう言ってトットが再び前を向いた所で、ディエゴが小さく息を吐いた。
「ディエゴ?」
「寿命が縮んだな」
「私は今寿命が縮みそうだよ」
「え?」
また後ろなのと思わざるを得ない。この馬が二人乗り大丈夫なのということとか、二人乗りの正しい乗り方これでいいのとか、そのへんはもうどうでもいい。この世界の独自設定なのだろうから。
けど、直近また後ろでぴったりくっついて一緒にいるって何事なの。
神よ、何故二度も同じことを提供なさるのです。見てる分には何度でも大丈夫ですけど、体験はお腹いっぱいですって。
「怪我」
「こら、手元は触るな」
「ええ……」
「危ないだろう」
手綱を持っているのはディエゴだから、それは分かる。まあ実際触っても許してくれるんだろうなと思いつつ、手は引っ込めてみた。私、えらい。
「ディエゴは私の無茶によく付き合ってくれるよね」
挙句、言わなくても分かってる感じがすごい。オリアーナと違って見えていないのに、私が次にやるであろう事をよく読んでいる。
「君のやりたい事はだいぶ理解出来るようになってきたさ」
「すごいね」
「だからといって、これ以上は止めてほしいんだが」
「お約束できません」
ぐぐっとディエゴが唸った。私が私の思う通りに動くと、多かれ少なかれスーパーマンな事態に及ぶ可能性のが高いし。
ディエゴはまた一つ溜息を吐いた。幸せが逃げるから止めた方がいいのに。
「ディエゴはさ」
「なんだ」
「私の事好きなのに、やたら触ったり抱きしめたりするよね?」
後ろからなんでそんなことをきくんだと言わんばかりの不穏な空気を感じたけど無視だ。触れないなら言葉で楽しむしかない。
「好きだから触りたいんだ」
「ふむ……動揺しないの?」
「え?」
急にテンパったり、顔が赤くなったり体温高くなったり、どもったり無口になったり色々あると思うけど、心内はどれもどっきどきのはず。それを超えて、好きだから触りたい全然平気ってなるには修行でも必要なのだろうか。
「あ、これだ」
閃いた。確かめればいいのか。
少し後ろを向く形で耳を彼の胸元へくっつける。
「チアキ!」
「あ、なるほど」
好きだから触りたいというのは彼の本音で間違いない。
で、今早鐘を打っている鼓動で動揺してるという事がはっきり分かった。なんだ、私不謹慎とか思ってたけど、ディエゴと同じなら大丈夫だわ。
「そっか。平気そうな顔してたけど、やっぱり内心どっきどきなのね」
「チアキ!」
窘められた。
ちらりと見上げるとこちらを見下ろすディエゴと目が合う。顔が赤い。
「恥ずかしがらなくても」
「違う!」
うん、ツンデレはこうでないと。ディエゴがこういう態度なら、私も多少は余裕を持っていられる。
ありがとうございます、神よ。ツンデレはやはり至高ということですね、わかります。
「あれ?」
ぐぐうと唸るディエゴは私の独り言に気付かなかった。逆にそれで助かったよ。
だって待って。
ディエゴと同じなら大丈夫?え?同じ?
「どうかしたか?」
「ちょっと待って」
ディエゴは私が好き。
好きだから触れたくて、触れたら触れたで、胸の鼓動鳴り止まない。こんなシリアス通り越したところに不謹慎にも動揺していた事が同じで良かったなんて思っている場合じゃない。
「チアキ?」
同じって事は、つまり、えっと、そ、そういう事?
ちょっと待って、私、今すごい地雷踏んだ?墓穴堀った?
「いや、だめだよね。さっきまでシリアス絶好調だったんだし」
「どうした」
「ディエゴ、今、私とくっついててドキドキでしょ?」
「違う」
「ツンデレありがとう」
テンプレありがとう。つまり、とてもどきどきしてるってことだね。
「チアキ、頼むから大人しくしててくれ」
「検討します」
「……」
いたく不服ですという空気が伝わってくる。私の様子がディエゴから見えなくて本当良かった。
「……」
うん、きっとこれは地雷でも墓穴でもない。同じ気持ちで安心という考え方の前提が違う、そう、きっとそう。
やっぱり不謹慎だと思い直し、私は気を引き締めて帰路を進むことにした。
大事な事だから繰り返す、これは断じて地雷でも墓穴も出ない…………たぶん。
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