119 / 164
2章 神よ、感謝します。けど、ちょっと違う叶ったけどちょっと違うんです。
119話 和服イベント 前編
しおりを挟む
「ひいいい」
「落ち着いて下さい」
「オリアーナ無理だよ何言ってるの」
「……」
ドン引きされた。もう見慣れてるはずでしょ、なにを今更。そもそも私の誘いに乗った時点で分かってたはずじゃない。と思ってたら、尚更引いた。ひどい。
「たまにはこうした時間を過ごすのも良いものだな」
「そうね、今後は東側の国の方ともお会いするでしょうし」
「ひょおお」
エステルトット眩しい。
色々試行錯誤の末、この世界での日本とおぼしき国のものを輸入出来るに至った。元々チョコの件でルートがあることはわかっていたしね。ディエゴのナイスアシストは当面私の中でグッジョブだよ。
「でも普段チアキはこうした服を着てなかったわ」
「普段着で着るのはあまりないね、うん可愛いエステル」
「あちらの茶はまた綺麗な色だな」
「そうだね、格好いいわというか神々しいよトット」
食品輸入についてはエドアルドにも協力願った。元々紅茶関係では大きく市場を把握してたのもあって、日本の茶葉は割と容易に手に入り、茶請け菓子については材料入手の末こちらで調理だ。
さらには欲しかった生地がやっと手に入り、着物に袴を生産できるところまでに至った。この国の生地作りでは限界あったから生地自体手に入ったのは行幸といえる。目新しい生地を見た時の作り手達の顔ときたら。きらっきらだったもんな。その道の人にしか分からない喜びに違いない。
「チアキ、これここでいい?」
「OK、ありがとう、ってそんな」
「え?」
なんだかんだ皆お手伝いしてくれてるけど、間近にいきなり現れたエドアルドの眩しさに驚愕だよ。茶道具持ってるだけ、それだけなのに私数十年長生きできるって確信した。
「ハニーフェイスはなんでも似合うね」
「え? あ、ありがとう?」
「はああああいいいいいいねええええ」
「エドアルド、こちらへ」
「あ、うん」
オリアーナに連れられていくのを眺め、可愛いすぎがすぎた輝きに空を仰ぎつつも、淡々と準備した。はああ世界はなんて輝かしいのか。
久しぶりの供給だなあ、ずっと動き続けてるとこういう時間がふとした時に欲しくなって、本当このタイミングでやれたことを神に感謝します、ありがとうございます、最高です。
「何をするんだ?」
「おうディエゴ、眩しいイケメンすごい」
「ああ、それで?」
「スルースキルあがりすぎやん……抹茶だよ」
「これが?」
抹茶を点てるよ!
と言っても皆なんのこっちゃ的なリアクションだ。それでも本日の衣装のおかげで何も問題ない。いや普段でも問題ないけど、本日は可愛いさ割り増しだよね。
目の保養がすぎてこまる。なんて幸せな悩みだろう。オルネッラとオーディオコメンテータリーしながら過ごしたい。
「なんでも似合うスキルあるけど、着物も袴もOKって罪深いスキルだよねえ」
「楽しそうだな」
「楽しいに決まってるでしょ」
今日は脳内シャッター常時連写モードでいきたい所存。もちろん私の脳内キャパシティはこういうときだけ無限大になります的な。
「チアキ、このキモノは本格的に販売していくの?」
「するよー、最初は受注生産でやってくけど」
ジャポニズムでも流行ればいいじゃない。
とはいえ、こちらで生地作りを出来るようにするには課題がある。着物用の生地は職人による伝統文化特殊技法だ。この国で生地から生産するのは職人をこちらに呼ぶか、あちらの国にこの国の職人が行くかして数十年修行を積んでもらわないと難しいんじゃなかろうか。となると当面は輸入になるかな。トットとエステルが交易で関わってくれば、もっと手に入りやすくなるかもしれない。
「着物もだけど、エドアルドのとこで緑茶お願いできてよかった。これからは気軽に飲めるといいねえ」
「こちらでうまく栽培できるよう頑張るね」
「うん、収穫までに茶摘み用の衣装用意しとく」
輸入に加え栽培頼んだら、あっさりOKだった。私もさすがに茶畑運営はしたことないから、輸入の際に詳しく聞き、好意で栽培方法メモを頂き、王都の図書館で少ないながらあった書籍からの知識でスタートだ。農業はそう簡単じゃないから忍耐の日々だろうな。
「チアキ、この衣装は本当に頂いても?」
「いいよ、エステル。次の入ったらよろしく」
「ええ、かまわないけれど」
「こちらは助かる。今後東側の交易が見込まれるから、少しでもそちらの文化を知っておきたい」
「トット真面目だねえ。袴いいねえ」
「チアキが幸せそうでなによりだ」
特段外交的な意味合いを兼ねた茶会じゃないけどね。
ただ私が前に夢見てお願いしていた着物が作れて着てもらえたというイベントなだけで。ジャージやら運動用ウェアのくだりと生地の問題でなかなか実現しなかったけど、神はやはり私に優しくこうしてイベントを提供してくれている。
「うへへへへ」
「さすがにその笑い方は駄目だ」
「いいじゃん、皆私の事よく知ってるし」
「……」
「ごめんて」
ディエゴですら若干引き気味ということは、私の顔は相当面白い事になってるということか。
まあ無茶な話、久しぶりの供給過多に飲み込まれれば、こうもなる。
「落ち着いて下さい」
「オリアーナ無理だよ何言ってるの」
「……」
ドン引きされた。もう見慣れてるはずでしょ、なにを今更。そもそも私の誘いに乗った時点で分かってたはずじゃない。と思ってたら、尚更引いた。ひどい。
「たまにはこうした時間を過ごすのも良いものだな」
「そうね、今後は東側の国の方ともお会いするでしょうし」
「ひょおお」
エステルトット眩しい。
色々試行錯誤の末、この世界での日本とおぼしき国のものを輸入出来るに至った。元々チョコの件でルートがあることはわかっていたしね。ディエゴのナイスアシストは当面私の中でグッジョブだよ。
「でも普段チアキはこうした服を着てなかったわ」
「普段着で着るのはあまりないね、うん可愛いエステル」
「あちらの茶はまた綺麗な色だな」
「そうだね、格好いいわというか神々しいよトット」
食品輸入についてはエドアルドにも協力願った。元々紅茶関係では大きく市場を把握してたのもあって、日本の茶葉は割と容易に手に入り、茶請け菓子については材料入手の末こちらで調理だ。
さらには欲しかった生地がやっと手に入り、着物に袴を生産できるところまでに至った。この国の生地作りでは限界あったから生地自体手に入ったのは行幸といえる。目新しい生地を見た時の作り手達の顔ときたら。きらっきらだったもんな。その道の人にしか分からない喜びに違いない。
「チアキ、これここでいい?」
「OK、ありがとう、ってそんな」
「え?」
なんだかんだ皆お手伝いしてくれてるけど、間近にいきなり現れたエドアルドの眩しさに驚愕だよ。茶道具持ってるだけ、それだけなのに私数十年長生きできるって確信した。
「ハニーフェイスはなんでも似合うね」
「え? あ、ありがとう?」
「はああああいいいいいいねええええ」
「エドアルド、こちらへ」
「あ、うん」
オリアーナに連れられていくのを眺め、可愛いすぎがすぎた輝きに空を仰ぎつつも、淡々と準備した。はああ世界はなんて輝かしいのか。
久しぶりの供給だなあ、ずっと動き続けてるとこういう時間がふとした時に欲しくなって、本当このタイミングでやれたことを神に感謝します、ありがとうございます、最高です。
「何をするんだ?」
「おうディエゴ、眩しいイケメンすごい」
「ああ、それで?」
「スルースキルあがりすぎやん……抹茶だよ」
「これが?」
抹茶を点てるよ!
と言っても皆なんのこっちゃ的なリアクションだ。それでも本日の衣装のおかげで何も問題ない。いや普段でも問題ないけど、本日は可愛いさ割り増しだよね。
目の保養がすぎてこまる。なんて幸せな悩みだろう。オルネッラとオーディオコメンテータリーしながら過ごしたい。
「なんでも似合うスキルあるけど、着物も袴もOKって罪深いスキルだよねえ」
「楽しそうだな」
「楽しいに決まってるでしょ」
今日は脳内シャッター常時連写モードでいきたい所存。もちろん私の脳内キャパシティはこういうときだけ無限大になります的な。
「チアキ、このキモノは本格的に販売していくの?」
「するよー、最初は受注生産でやってくけど」
ジャポニズムでも流行ればいいじゃない。
とはいえ、こちらで生地作りを出来るようにするには課題がある。着物用の生地は職人による伝統文化特殊技法だ。この国で生地から生産するのは職人をこちらに呼ぶか、あちらの国にこの国の職人が行くかして数十年修行を積んでもらわないと難しいんじゃなかろうか。となると当面は輸入になるかな。トットとエステルが交易で関わってくれば、もっと手に入りやすくなるかもしれない。
「着物もだけど、エドアルドのとこで緑茶お願いできてよかった。これからは気軽に飲めるといいねえ」
「こちらでうまく栽培できるよう頑張るね」
「うん、収穫までに茶摘み用の衣装用意しとく」
輸入に加え栽培頼んだら、あっさりOKだった。私もさすがに茶畑運営はしたことないから、輸入の際に詳しく聞き、好意で栽培方法メモを頂き、王都の図書館で少ないながらあった書籍からの知識でスタートだ。農業はそう簡単じゃないから忍耐の日々だろうな。
「チアキ、この衣装は本当に頂いても?」
「いいよ、エステル。次の入ったらよろしく」
「ええ、かまわないけれど」
「こちらは助かる。今後東側の交易が見込まれるから、少しでもそちらの文化を知っておきたい」
「トット真面目だねえ。袴いいねえ」
「チアキが幸せそうでなによりだ」
特段外交的な意味合いを兼ねた茶会じゃないけどね。
ただ私が前に夢見てお願いしていた着物が作れて着てもらえたというイベントなだけで。ジャージやら運動用ウェアのくだりと生地の問題でなかなか実現しなかったけど、神はやはり私に優しくこうしてイベントを提供してくれている。
「うへへへへ」
「さすがにその笑い方は駄目だ」
「いいじゃん、皆私の事よく知ってるし」
「……」
「ごめんて」
ディエゴですら若干引き気味ということは、私の顔は相当面白い事になってるということか。
まあ無茶な話、久しぶりの供給過多に飲み込まれれば、こうもなる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
33
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる