27 / 82
27話 魔力枯渇→魔力補充(体液摂取もしくは体液交換)
しおりを挟む
小難しい言葉を使うなら阿鼻叫喚。
城の前にある山の斜面は地獄絵図だった。一方的な駆逐という意味で。
「エフィってこんなに強いの?」
「おー。てか、貴族院で主席か次席しかとってなかっただろ?」
「そういうの興味なくて」
「お前……」
私が知らなかっただけでエフィは相当優秀らしい。
一個師団の魔法使いの集団相手に一切傷を負わず叩きのめしている。
もしかして、俺つえええの雷も本当は避けられたんじゃないの?
ていうか、私が俺つえええモードでやったやつ、エフィが今やってんだけど?
素で俺つえええ人いるんだ……。
「けどまー、さすがに枯渇すんな」
「それってやばいやつだよね?」
「そりゃな」
魔力枯渇は一歩間違えれば死を招く。
辛うじて助かったとしても、最低三ヶ月は高熱でうなされ寝たきり。
「治せないの?」
「俺が使える治癒魔法使っても一ヶ月だな。聖女の使う治癒も効かねえからな」
「一ヶ月……」
そんな苦しむことになるのに、エフィは躊躇いなんて見せずに戦い続ける。
これがゲームなら、クリアした時点で全回復とかするけど、今は現実だからそうもいかない。
「私、こうまでして戻ってきてほしいわけじゃない」
「んなこと、エフィだって分かって、」
「こんなの嫌」
「落ち着けって」
あのやり取りがあったが故に、ギリギリまで自分を酷使してるなら、それは絶対に嫌。
気づくのが遅かったから、もう加勢なんてしても意味がない。
「まあそうだな、後は」
アステリに解決策を教えられる。
ああそういえば、聖の記憶にもあった。
「魔力の強い人間の体液摂取」
「あー、聞かなかったことにしろ」
「なんで?」
「お前が今考えたこと、エフィ嫌がんだろ」
「……精霊王の祝福でパワーアップした私の血でも飲めば一発じゃない?」
「それが駄目だっつの」
「なんでよ」
エフィが嫌がるのはなんで。
一ヶ月も苦しむぐらいなら、ちゃちゃっと強い人間の血飲んじゃえばいいのに。
美味しくはないだろうけど、高熱で苦しむことと天秤にかけたら飲むでしょ。
「お、終わったぞ」
「え、エフィ全滅させたの」
「みたいだな」
カロがエフィを抱えて戻ってくる。
動けないということは、魔力枯渇状態だ。
「アステリ、私やる」
「ええ……お前」
「アステリには迷惑かけないようにするから。責任は私がきちんととる」
「いや、そこじゃなくてな……」
「元々揉めた原因は私の所在でしょ。それに一ヶ月も苦しむエフィなんて見たくない。死んじゃうかもしれないって思いながら起きるの待つのも嫌……ねえ、やらせてよ」
「お前、今のエフィんとこ行って、自分がどうなるか分かってんのかよ」
「分かってる。それでもエフィを助けたい」
「あー……いや、んー…………分かった」
なんとかアステリが了承してくれた。
そこにカロが一人で戻ってきて、結果報告をしてくれる。
エフィは部屋のベッドの中だ。
見ていた通り、二個師団退かせて本人は魔力枯渇状態。
馬鹿だよねえとカロが苦笑した。
「じゃあ行く」
「おー」
「え? イリニちゃんが? まずいでしょ」
「イリニが行くってきかねえんだよ」
「イリニちゃん分かってるの?」
「うん」
いつも軽そうににほほんとしているカロでも、さすがに今回のは驚きに顔を染めていた。
そうだよねえ、ここは本来アステリが行くところだよね。
でもだめ、譲れない。
「いってくる」
* * *
「エフィ?」
エフィにあてた客間に入って数歩歩みを進めれば、エフィがすぐに気づいてベッドから起き上がった。
相当無理をしている。起き上がれる程の元気ないのに。
「な、なんで……」
来るはずのない私が来て驚いている。
高熱でか、顔が赤い。
息も絶え絶えにエフィが私の名前を呼んだ。
熱に浮かされて目がうつろ。私のこと見えてるのかな。
「アステリは、」
「頼み込んで、私が来た感じ」
「駄目だ、戻って」
「エフィ苦しいでしょ?」
というか、これ一ヶ月も耐えるのきつくない?
やっぱり私の判断正しい気がする。
起き上がったはいいけど、そこから動けないエフィの目の前、すなわちベッドの上に乗り込んで座り込んだら、うつろに潤んだ瞳が見開かれた。
行儀悪いのはこの際、許してほしい。
「イリニ」
小さなナイフを取り出して、自分の指を切った。
ああ、指先って痛いんだよね。
でもこのぐらいって話か。エフィはもっと辛いんだから。
「手っ取り早く治そ。ね?」
「駄目、だ、もごっ」
血が滲む指を問答無用でエフィに突っ込んだ。
こくりと喉が動くのを見て、飲んだことを確認した。
「人の血飲むのなんておいしくないし嫌だろうけど我慢して」
「うっ」
相当身体がきついみたい。
指を吸われてエフィが血を吸っているのが分かった。
少しぴりっとした痛みがあったけど、なるたけ顔に出さずにエフィの様子を窺う。
顔は赤いまま、力も入ってない感じ。
そんなすぐには治らないか。
「っ」
「エフィ?」
エフィの右手が私の手首を掴んで、エフィの口の中から外された。
瞳に少し力が戻ってきてる。
このまま飲み続けたら治りそうなのに。
「これ以上はいい。戻って」
「魔力強い人間の体液摂取が手っ取り早いんだからいいじゃん」
「俺の為にイリニがここまでやる必要なんてない」
「私がやりたいからやってるだけだよ」
「駄目だ」
さっきから否定の言葉ばかり。
私の純粋にエフィを助けたいって気持ちはどこへいけばいいの。
「今すぐこの部屋から出ていけ」
「一ヶ月も寝込むの?」
「それでいい」
「エフィ苦しいでしょ?」
「君が目の前にいる事よりはマシだ」
なんなの。
あれだけ帰ってきたいって言ったくせに。その言葉が嬉しかったのに。
戻ってきたエフィが苦しんでたんじゃ意味ない。
「そんなになって戻ってきてほしいんじゃない」
「俺はこれで構わない。どうなってもいいから、ここに戻れればよかった」
「エフィ苦しいだけじゃん」
「それでも、この城にいられるならいい」
「やだ。苦しんでるエフィ見たくない」
駄々をこねるな、とエフィが窘める。
エフィのこんな姿を見るぐらいなら、あんな本音を吐露するんじゃなかった。
もっとよく考えてれば言えばよかった。
浅はかな自分に腹が立つ。
「体液摂取より、もっと手っ取り早いのにする?」
「え?」
「エフィも分かってるでしょ」
「それは、」
「体液交換。する?」
年齢指定でよくあるテンプレ。
魔力補充は体液交換。これ以上は語らないんだから。
これがあったから、アステリも渋ったし、カロも驚いたんだと思う。
テンプレ通り、魔力枯渇状態の時は理性もきかないらしいし。
だから、私がエフィの部屋に入った時点で、そういうことだったりする。
「分かって、ここに?」
「うん。ファンタジー系年齢指定もののテンプレだからね」
城の前にある山の斜面は地獄絵図だった。一方的な駆逐という意味で。
「エフィってこんなに強いの?」
「おー。てか、貴族院で主席か次席しかとってなかっただろ?」
「そういうの興味なくて」
「お前……」
私が知らなかっただけでエフィは相当優秀らしい。
一個師団の魔法使いの集団相手に一切傷を負わず叩きのめしている。
もしかして、俺つえええの雷も本当は避けられたんじゃないの?
ていうか、私が俺つえええモードでやったやつ、エフィが今やってんだけど?
素で俺つえええ人いるんだ……。
「けどまー、さすがに枯渇すんな」
「それってやばいやつだよね?」
「そりゃな」
魔力枯渇は一歩間違えれば死を招く。
辛うじて助かったとしても、最低三ヶ月は高熱でうなされ寝たきり。
「治せないの?」
「俺が使える治癒魔法使っても一ヶ月だな。聖女の使う治癒も効かねえからな」
「一ヶ月……」
そんな苦しむことになるのに、エフィは躊躇いなんて見せずに戦い続ける。
これがゲームなら、クリアした時点で全回復とかするけど、今は現実だからそうもいかない。
「私、こうまでして戻ってきてほしいわけじゃない」
「んなこと、エフィだって分かって、」
「こんなの嫌」
「落ち着けって」
あのやり取りがあったが故に、ギリギリまで自分を酷使してるなら、それは絶対に嫌。
気づくのが遅かったから、もう加勢なんてしても意味がない。
「まあそうだな、後は」
アステリに解決策を教えられる。
ああそういえば、聖の記憶にもあった。
「魔力の強い人間の体液摂取」
「あー、聞かなかったことにしろ」
「なんで?」
「お前が今考えたこと、エフィ嫌がんだろ」
「……精霊王の祝福でパワーアップした私の血でも飲めば一発じゃない?」
「それが駄目だっつの」
「なんでよ」
エフィが嫌がるのはなんで。
一ヶ月も苦しむぐらいなら、ちゃちゃっと強い人間の血飲んじゃえばいいのに。
美味しくはないだろうけど、高熱で苦しむことと天秤にかけたら飲むでしょ。
「お、終わったぞ」
「え、エフィ全滅させたの」
「みたいだな」
カロがエフィを抱えて戻ってくる。
動けないということは、魔力枯渇状態だ。
「アステリ、私やる」
「ええ……お前」
「アステリには迷惑かけないようにするから。責任は私がきちんととる」
「いや、そこじゃなくてな……」
「元々揉めた原因は私の所在でしょ。それに一ヶ月も苦しむエフィなんて見たくない。死んじゃうかもしれないって思いながら起きるの待つのも嫌……ねえ、やらせてよ」
「お前、今のエフィんとこ行って、自分がどうなるか分かってんのかよ」
「分かってる。それでもエフィを助けたい」
「あー……いや、んー…………分かった」
なんとかアステリが了承してくれた。
そこにカロが一人で戻ってきて、結果報告をしてくれる。
エフィは部屋のベッドの中だ。
見ていた通り、二個師団退かせて本人は魔力枯渇状態。
馬鹿だよねえとカロが苦笑した。
「じゃあ行く」
「おー」
「え? イリニちゃんが? まずいでしょ」
「イリニが行くってきかねえんだよ」
「イリニちゃん分かってるの?」
「うん」
いつも軽そうににほほんとしているカロでも、さすがに今回のは驚きに顔を染めていた。
そうだよねえ、ここは本来アステリが行くところだよね。
でもだめ、譲れない。
「いってくる」
* * *
「エフィ?」
エフィにあてた客間に入って数歩歩みを進めれば、エフィがすぐに気づいてベッドから起き上がった。
相当無理をしている。起き上がれる程の元気ないのに。
「な、なんで……」
来るはずのない私が来て驚いている。
高熱でか、顔が赤い。
息も絶え絶えにエフィが私の名前を呼んだ。
熱に浮かされて目がうつろ。私のこと見えてるのかな。
「アステリは、」
「頼み込んで、私が来た感じ」
「駄目だ、戻って」
「エフィ苦しいでしょ?」
というか、これ一ヶ月も耐えるのきつくない?
やっぱり私の判断正しい気がする。
起き上がったはいいけど、そこから動けないエフィの目の前、すなわちベッドの上に乗り込んで座り込んだら、うつろに潤んだ瞳が見開かれた。
行儀悪いのはこの際、許してほしい。
「イリニ」
小さなナイフを取り出して、自分の指を切った。
ああ、指先って痛いんだよね。
でもこのぐらいって話か。エフィはもっと辛いんだから。
「手っ取り早く治そ。ね?」
「駄目、だ、もごっ」
血が滲む指を問答無用でエフィに突っ込んだ。
こくりと喉が動くのを見て、飲んだことを確認した。
「人の血飲むのなんておいしくないし嫌だろうけど我慢して」
「うっ」
相当身体がきついみたい。
指を吸われてエフィが血を吸っているのが分かった。
少しぴりっとした痛みがあったけど、なるたけ顔に出さずにエフィの様子を窺う。
顔は赤いまま、力も入ってない感じ。
そんなすぐには治らないか。
「っ」
「エフィ?」
エフィの右手が私の手首を掴んで、エフィの口の中から外された。
瞳に少し力が戻ってきてる。
このまま飲み続けたら治りそうなのに。
「これ以上はいい。戻って」
「魔力強い人間の体液摂取が手っ取り早いんだからいいじゃん」
「俺の為にイリニがここまでやる必要なんてない」
「私がやりたいからやってるだけだよ」
「駄目だ」
さっきから否定の言葉ばかり。
私の純粋にエフィを助けたいって気持ちはどこへいけばいいの。
「今すぐこの部屋から出ていけ」
「一ヶ月も寝込むの?」
「それでいい」
「エフィ苦しいでしょ?」
「君が目の前にいる事よりはマシだ」
なんなの。
あれだけ帰ってきたいって言ったくせに。その言葉が嬉しかったのに。
戻ってきたエフィが苦しんでたんじゃ意味ない。
「そんなになって戻ってきてほしいんじゃない」
「俺はこれで構わない。どうなってもいいから、ここに戻れればよかった」
「エフィ苦しいだけじゃん」
「それでも、この城にいられるならいい」
「やだ。苦しんでるエフィ見たくない」
駄々をこねるな、とエフィが窘める。
エフィのこんな姿を見るぐらいなら、あんな本音を吐露するんじゃなかった。
もっとよく考えてれば言えばよかった。
浅はかな自分に腹が立つ。
「体液摂取より、もっと手っ取り早いのにする?」
「え?」
「エフィも分かってるでしょ」
「それは、」
「体液交換。する?」
年齢指定でよくあるテンプレ。
魔力補充は体液交換。これ以上は語らないんだから。
これがあったから、アステリも渋ったし、カロも驚いたんだと思う。
テンプレ通り、魔力枯渇状態の時は理性もきかないらしいし。
だから、私がエフィの部屋に入った時点で、そういうことだったりする。
「分かって、ここに?」
「うん。ファンタジー系年齢指定もののテンプレだからね」
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
婚約破棄してくださって結構です
二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。
※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています
踏み台令嬢はへこたれない
IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。

わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。

婚約破棄のその後に
ゆーぞー
恋愛
「ライラ、婚約は破棄させてもらおう」
来月結婚するはずだった婚約者のレナード・アイザックス様に王宮の夜会で言われてしまった。しかもレナード様の隣には侯爵家のご令嬢メリア・リオンヌ様。
「あなた程度の人が彼と結婚できると本気で考えていたの?」
一方的に言われ混乱している最中、王妃様が現れて。
見たことも聞いたこともない人と結婚することになってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる