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第4章 『水とともに生きる:後編』
第3話 チェーロ
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数日後。
淡海へと集まる私たちの元へ、ジブリールさんが例の絵を持って来てくれた。
今日は淡海の方もお休みだけれど、猫をフロアまで出すのは流石にどうかと言うことで、二階の居住スペースへとジブリールさんを招き入れる形となった。
先日の買い物でかなり充実した猫用品は、物置のように使用されていた空き部屋を丸々模様替えして専用の部屋として配置。すっかりメルヘンなお部屋になってしまっていた。
「クリス! ほらツメをといでます! あっ、いま目があいました! ダッヴェーロ・カリーノ!」
先ほど、ここへ来た時には緊張と申し訳なさとで硬い表情だった筈が、例の子猫を目にしてからこっち、興奮しっぱなしのジブリールさん。
考えられるあらゆる角度からスマホでパシャリ。その度、ほら見て見て、と子どものように私やクリスさんに見せびらかせてくる程だ。
ずっと緊張しっぱなしというよりかは、こうして元気でいてくれる方がよっぽど良い。
クリスさんもそれが気にかかっていたようで、さっきまではチラチラとジブリールさんの様子を窺っていたけれど、今はこうして笑顔で対応している。
「雫さん、はしゃぎ通しのジブリールさんをお願いしてもよろしいですか?」
「え? あ、はい。どちらへ?」
「お話しをするのに、飲み物の一つでもないのでは、口が渇いてしまいますからね。雫さんは何を飲まれますか?」
「ブレンド一択! ジブリールさんはどうします?」
尋ねると、ようやくその手を止めてこちらへと振り返る。
「リョクチャ、ありますか?」
また渋いチョイスだ。
「ええ、もちろん。温かいのと冷たいの、どちらにいたしますか?」
「あたたかい、おねがいします」
「分かりました。すぐに準備してまいりますので、少々お待ちください」
「私、手伝いますっ!」
立ち上がった私を、クリスさんは制して扉を開ける。
「それでは彼女が一人になってしまいますから。おばあちゃんもいませんし、ジブリールさんの話し相手になってあげてください」
「あっ、そっか。分かりました」
「ええ。お願いします」
クリスさんは、いつものようにふわりと笑うと、そのまま部屋を後にした。
「おねえさん! ほら、おヘソみせてます! ほら!」
袖をぐいぐいと引っ張られる。
なるほど。確かにこれは、話し相手というより、誰かが隣でついててあげなければ、体力の続く限り子猫にかまけそうな勢いだ。
「あっ、そう言えばジブリールさん。この子の名前、決まりましたか?」
尋ねると、忘れてたとばかりにもの凄い勢いで振り返るジブリールさん。
しかし、すぐに名前を教えてくれる訳ではなく、どこか緊張した面持ちで私の方を見据えている。
どうしたの、と尋ねるより早く、ジブリールさんは右手を差し出して「グラッツィエ」と言う。
これは知ってる。『ありがとう』って意味だ。
でも、どうして……?
「えっと……私、何かしたかな?」
言うと、ジブリールさんは明るく笑った。
「おねえさん、この子のことあずかるって言ってくれた。それなくても、クリスはたぶんこの子をあずかったでも、わたし、それがうれしい。おねえさんヤクソクした、この子をわるくしないって。そのとおり、すごくよくしてくれた。だから、グラッツィエ」
「あー……思い出すと恥ずかしいんだよね、あれ。勢い任せって言うか、多分あのまま連れて帰る訳にはいかなかったと思うし。うちのマンション、動物は飼えないからさ」
「ううん、それでも。何日も、この子のむかえなかった。かえない分かっても、おねえさんが『うちで』って言ってくれた、うれしかった」
「そっか。なら、私こそ『ありがとう』かな。こんなに可愛いにゃんに会えたし。ねー」
ツンと指先でつついてやると、子猫は楽し気にコロンと転がった。
もちろん、言ったことは嘘ではない。
別に隠すことでもないけれど、私は猫が大好きだから。
彼女がこの子を助けようとしているのだと分かった時は、悲しい気持ちにもなったけれど、正直少し嬉しかった。
ジブリールさんの行動があったからこそ、こうしてクリスさんと出会い、結果この子は助かっている。
差し出された手を取りながら、私はそんなことを考える。
「にゃんこ……?」
「あ、日本語で『子猫』のことね。『ガッティーノ』って言えば分かる?」
「あー! この子のこと!」
「そうそう。で、名前は?」
繋いでいた手を離しながら、ジブリールさんは子猫の方へと向き直る。
少し悲しそうな表情を浮かべると、
「あの子、たぶん空のいろ、しらない。小さい小さいからだで、あのハコに入ってたから」
そこまで言って、今度は優しく笑う。
「だから、あの子にはこれから、いろんなふうけい、見て欲しい。外にいくのはむずかしいかも知れないでも、そんなねがいを付けてあげたい」
「うん」
「『チェーロ』ってなづけます。わたしのコトバで『空』のいみです」
空。チェーロ。
わたしのことば、とはイタリア語のことだろう。
チェーロ――うん、いい名前だ。
と、ジブリールさんがそう口にした瞬間、子猫は彼女の元へと歩み寄った。
それから何度かチェーロ、チェーロ、と呼ぶ度、嬉しそうにコロコロと転がる。
「ジブリールさん、ひょっとして、前からそう呼んでたり?」
「わっ、なんで分かりました!?」
「いや、めっちゃ懐いてるし。その子の様子見がてら、自然とそう呼んでたんだね。考えることもなかったんだ」
「うぅ……すこし、はずかしいですね」
「いやいや。でも、それならクリスさんの采配には感謝だね――って、いや、あの人なら、ジブリールさんがその子に名前を付けていることも知ってた可能性が……」
いや、まさかね。
「仮説の域は出ませんでしたけどね」
「うわっ!」
背後から急に声をかけられて、思わず大きな声を上げて飛び退く。
それにびっくりした子猫が身体を縮め、ジブリールさんが抱き上げた。
「クリス、知ってたですか?」
「ええ、まぁ。それより、お飲み物も入りましたから、本来の目的について話し合うと致しましょうか」
「わぁ! リョクチャですね! ……でも、いつもと香りがちがう、ふしぎです」
「当店では、珈琲豆だけでなく、茶葉にもこだわっていますから」
ふふん、とクリスさんは自慢げに話す。
そうして私にはブレンド、クリスさん自身も同じく珈琲をそれぞれ手に、リビングルームの方へと赴いた。
以前にお泊りさせてもらった時も思ったけれど、リビングの中心にある丸い机、それに座布団という構えは、このお店がいかに長い年月を過ごして来たかを語る。
随分と使用感のあるものの、手入れはしっかりとされているよう。
箪笥の上に置かれている白黒の写真やこけしといった物も、時代を感じさせる。
「さて——では、ジブリールさん。件の絵を拝見させて頂けますか?」
「はい! これですね、どうぞ」
ジブリールさんは、肩に掛けていたポシェットからそれを取り出した。
どこにでもあるような紙。随分と古ぼけていて、上の方にはまるで表題のように『m note』と書いてある。
「M、のーと?」
「はい。マコトは、これを『マコトのMとマルティーニのM、二人のノートだから』と言ってました。がようし? が、いっぱいあつまった本にかいた、その一つです」
一枚のものに描いた訳ではなく、画用紙帳のようなものの中から一枚に描き、それを切り取ったということか。
わざわざ書いてある『えむのーと』というのは、ノートそれ自体のことかな。
「マルティーニ?」
次々訪れるはてなに首を傾げていると、
「イタリアの姓、つまりは苗字ですね。ジブリール・マルティーニ、それが彼女のフルネームなんですよ」
サラリと言ってのけるクリスさんに、ジブリールさんは深く頷いた。
本当、この人の知識ってどうなってるのかな。
趣味で勉強していた、ということだったけれど、趣味であればこそ、それが高じてどこまでも突き詰めて行ってしまったってところかな。
「では、この絵を描いた背景について、今一度お聞かせ願えますでしょうか」
「分かりました、ですね。えっと、これは十年くらいまえに、わたしの国に来たニホンのおとこのこから渡されました――」
淡海へと集まる私たちの元へ、ジブリールさんが例の絵を持って来てくれた。
今日は淡海の方もお休みだけれど、猫をフロアまで出すのは流石にどうかと言うことで、二階の居住スペースへとジブリールさんを招き入れる形となった。
先日の買い物でかなり充実した猫用品は、物置のように使用されていた空き部屋を丸々模様替えして専用の部屋として配置。すっかりメルヘンなお部屋になってしまっていた。
「クリス! ほらツメをといでます! あっ、いま目があいました! ダッヴェーロ・カリーノ!」
先ほど、ここへ来た時には緊張と申し訳なさとで硬い表情だった筈が、例の子猫を目にしてからこっち、興奮しっぱなしのジブリールさん。
考えられるあらゆる角度からスマホでパシャリ。その度、ほら見て見て、と子どものように私やクリスさんに見せびらかせてくる程だ。
ずっと緊張しっぱなしというよりかは、こうして元気でいてくれる方がよっぽど良い。
クリスさんもそれが気にかかっていたようで、さっきまではチラチラとジブリールさんの様子を窺っていたけれど、今はこうして笑顔で対応している。
「雫さん、はしゃぎ通しのジブリールさんをお願いしてもよろしいですか?」
「え? あ、はい。どちらへ?」
「お話しをするのに、飲み物の一つでもないのでは、口が渇いてしまいますからね。雫さんは何を飲まれますか?」
「ブレンド一択! ジブリールさんはどうします?」
尋ねると、ようやくその手を止めてこちらへと振り返る。
「リョクチャ、ありますか?」
また渋いチョイスだ。
「ええ、もちろん。温かいのと冷たいの、どちらにいたしますか?」
「あたたかい、おねがいします」
「分かりました。すぐに準備してまいりますので、少々お待ちください」
「私、手伝いますっ!」
立ち上がった私を、クリスさんは制して扉を開ける。
「それでは彼女が一人になってしまいますから。おばあちゃんもいませんし、ジブリールさんの話し相手になってあげてください」
「あっ、そっか。分かりました」
「ええ。お願いします」
クリスさんは、いつものようにふわりと笑うと、そのまま部屋を後にした。
「おねえさん! ほら、おヘソみせてます! ほら!」
袖をぐいぐいと引っ張られる。
なるほど。確かにこれは、話し相手というより、誰かが隣でついててあげなければ、体力の続く限り子猫にかまけそうな勢いだ。
「あっ、そう言えばジブリールさん。この子の名前、決まりましたか?」
尋ねると、忘れてたとばかりにもの凄い勢いで振り返るジブリールさん。
しかし、すぐに名前を教えてくれる訳ではなく、どこか緊張した面持ちで私の方を見据えている。
どうしたの、と尋ねるより早く、ジブリールさんは右手を差し出して「グラッツィエ」と言う。
これは知ってる。『ありがとう』って意味だ。
でも、どうして……?
「えっと……私、何かしたかな?」
言うと、ジブリールさんは明るく笑った。
「おねえさん、この子のことあずかるって言ってくれた。それなくても、クリスはたぶんこの子をあずかったでも、わたし、それがうれしい。おねえさんヤクソクした、この子をわるくしないって。そのとおり、すごくよくしてくれた。だから、グラッツィエ」
「あー……思い出すと恥ずかしいんだよね、あれ。勢い任せって言うか、多分あのまま連れて帰る訳にはいかなかったと思うし。うちのマンション、動物は飼えないからさ」
「ううん、それでも。何日も、この子のむかえなかった。かえない分かっても、おねえさんが『うちで』って言ってくれた、うれしかった」
「そっか。なら、私こそ『ありがとう』かな。こんなに可愛いにゃんに会えたし。ねー」
ツンと指先でつついてやると、子猫は楽し気にコロンと転がった。
もちろん、言ったことは嘘ではない。
別に隠すことでもないけれど、私は猫が大好きだから。
彼女がこの子を助けようとしているのだと分かった時は、悲しい気持ちにもなったけれど、正直少し嬉しかった。
ジブリールさんの行動があったからこそ、こうしてクリスさんと出会い、結果この子は助かっている。
差し出された手を取りながら、私はそんなことを考える。
「にゃんこ……?」
「あ、日本語で『子猫』のことね。『ガッティーノ』って言えば分かる?」
「あー! この子のこと!」
「そうそう。で、名前は?」
繋いでいた手を離しながら、ジブリールさんは子猫の方へと向き直る。
少し悲しそうな表情を浮かべると、
「あの子、たぶん空のいろ、しらない。小さい小さいからだで、あのハコに入ってたから」
そこまで言って、今度は優しく笑う。
「だから、あの子にはこれから、いろんなふうけい、見て欲しい。外にいくのはむずかしいかも知れないでも、そんなねがいを付けてあげたい」
「うん」
「『チェーロ』ってなづけます。わたしのコトバで『空』のいみです」
空。チェーロ。
わたしのことば、とはイタリア語のことだろう。
チェーロ――うん、いい名前だ。
と、ジブリールさんがそう口にした瞬間、子猫は彼女の元へと歩み寄った。
それから何度かチェーロ、チェーロ、と呼ぶ度、嬉しそうにコロコロと転がる。
「ジブリールさん、ひょっとして、前からそう呼んでたり?」
「わっ、なんで分かりました!?」
「いや、めっちゃ懐いてるし。その子の様子見がてら、自然とそう呼んでたんだね。考えることもなかったんだ」
「うぅ……すこし、はずかしいですね」
「いやいや。でも、それならクリスさんの采配には感謝だね――って、いや、あの人なら、ジブリールさんがその子に名前を付けていることも知ってた可能性が……」
いや、まさかね。
「仮説の域は出ませんでしたけどね」
「うわっ!」
背後から急に声をかけられて、思わず大きな声を上げて飛び退く。
それにびっくりした子猫が身体を縮め、ジブリールさんが抱き上げた。
「クリス、知ってたですか?」
「ええ、まぁ。それより、お飲み物も入りましたから、本来の目的について話し合うと致しましょうか」
「わぁ! リョクチャですね! ……でも、いつもと香りがちがう、ふしぎです」
「当店では、珈琲豆だけでなく、茶葉にもこだわっていますから」
ふふん、とクリスさんは自慢げに話す。
そうして私にはブレンド、クリスさん自身も同じく珈琲をそれぞれ手に、リビングルームの方へと赴いた。
以前にお泊りさせてもらった時も思ったけれど、リビングの中心にある丸い机、それに座布団という構えは、このお店がいかに長い年月を過ごして来たかを語る。
随分と使用感のあるものの、手入れはしっかりとされているよう。
箪笥の上に置かれている白黒の写真やこけしといった物も、時代を感じさせる。
「さて——では、ジブリールさん。件の絵を拝見させて頂けますか?」
「はい! これですね、どうぞ」
ジブリールさんは、肩に掛けていたポシェットからそれを取り出した。
どこにでもあるような紙。随分と古ぼけていて、上の方にはまるで表題のように『m note』と書いてある。
「M、のーと?」
「はい。マコトは、これを『マコトのMとマルティーニのM、二人のノートだから』と言ってました。がようし? が、いっぱいあつまった本にかいた、その一つです」
一枚のものに描いた訳ではなく、画用紙帳のようなものの中から一枚に描き、それを切り取ったということか。
わざわざ書いてある『えむのーと』というのは、ノートそれ自体のことかな。
「マルティーニ?」
次々訪れるはてなに首を傾げていると、
「イタリアの姓、つまりは苗字ですね。ジブリール・マルティーニ、それが彼女のフルネームなんですよ」
サラリと言ってのけるクリスさんに、ジブリールさんは深く頷いた。
本当、この人の知識ってどうなってるのかな。
趣味で勉強していた、ということだったけれど、趣味であればこそ、それが高じてどこまでも突き詰めて行ってしまったってところかな。
「では、この絵を描いた背景について、今一度お聞かせ願えますでしょうか」
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