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第2章 『祖父の写真』

第26話 改めて

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 それから、数日が経ったある日のことだった。
 私のスマホに、善利さんからメッセージが来た。

『改めて、先日はどうもありがとうございました。お陰で、つかえていた胸のもやもやが晴れた心地です。
 祖父が本当に大事にしていたもの。それを知ることが出来て、ますますあの人のことが大好きになりました』

 と。
 それは何よりだ。亡くなってしまったって、それで終わりじゃない。
 想いは届く。いつでも、どこへでも。
 善利さんがそれを忘れない限り、そしておじいさんのことを好きでいる限り、どこにいようと関係ない。

『そのお礼と言っては何ですが、母から預かっているものがありますので、今度またお店にお邪魔させて頂きたく思います。妹尾さんのアルバイトが入っている日に伺いたいと思うのですけれど』

 お礼なんて、そんなこと良いのに。
 しかし、母からと来ては……わざわざお母さんからのお礼ということは、きっと母方の祖父だったんだろうな。
 断るのも、無粋というものだ。

『分かった。じゃあ、明後日かな。明日はバイトがないから、大学の後はそのまま家に帰っちゃうから。明後日、夕方から最後までの時間でバイトだよ』

『明後日ですね、分かりました。では、その時に』

『うん。気を付けて来てね』

『ありがとうございます。それでは、失礼致します』

 善利さん、メッセージでもお堅い文章だな。
 距離を感じる、とまでは言わないけど……まぁいいか。
 これが善利さんだもんね。
 目上相手には緊張しちゃって堅くなって、でもやっぱり年相応にも見えるような女の子。

 大学生活の中よりも先に、友人が出来てしまった。
 ……友人、なのかな?
 善利さんもそう思ってくれたらいいな。
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