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突然の別れ
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私、リリア・ラピスラズリは今日、婚約者のアルス・アレンシュタインと婚約パーティーが行われる。
大好きなアルス様とようやく婚約できるのだ。
この日を待ち望んでいた。
「アルス・アレンシュタイン王太子、リリア・ラピスラズリ様、入場」
深呼吸をしてアルスと目を合わす。
「リリ、緊張してる?」
「はい、、でも、アルス様と正式に婚約できるのだから頑張りますわ。」
「そう。私はリリをみんなに見せるのが嫌だな。かわいいリリが減ってしまう。」
「アルス様、、、私は減りませんわ!安心してくださいまし。」
「わかったよ。これが終わったら一緒にお茶でもどうだい?」
「よろこんで!お受けいたしますわ。」
「それはよかった。緊張もやわらいできたようでよかったよ」
「ありがとうございますわ。」
今まで身に着けてきた全てを生かすように、指先まで神経を集中させる。
ゆっくり、、、でもだらだらと歩くのではなく、優雅に歩く。
「これより、アルス・アレンシュタイン王太子殿下とリリア・ラピスラズリ嬢の
婚約パーティーを始める。皆の者、乾杯!!」
国王陛下が挨拶をする。
次は私達の番だ。
「それでは、アルス・アレンシュタイン王太子殿下、リリア・ラピスラズリ嬢からのご挨拶でございます。」
「今日は、この良き日に皆様お集まりくださり誠にありがとうございます。
まだまだ、若輩者ですが今後とも宜しくお願い致します。私からは以上です。」
「皆様こんにちは。リリア・ラピスラズリと申します。
皆様お集まりくださり誠にありがとうございます。
私はアルス王太子殿下を支えていけるように努めて参ります。
皆様、今後ともよろしくお願い致します。」
楽しい時間は早く過ぎるとはよく言ったもので、婚約パーティーはあっという間に過ぎた。
もう、パーティー後半だ。
その時、私の意識が何者かに飲み込まれていった。
フラフラと窓の方へ向かう。
自分の体のはずなのに、自分では動かすことができない。
怖くなり涙が出てしまった。
こんなところで泣いてしまったら後でお母様に怒られてしまうわ。
それよりも、心配されてしまうわね。
どうしましょう。
そんなことを考えているうちに体はどんどん窓の方へ向かって歩いていく。
まさか、、、私を殺す気!?
こんなことしていったい何になるというの?
もしかして、、、アルス様狙い?
そういえば、アルス様は女性に人気だわ。
もしかすると、私を殺してアルス様の婚約者になりたいのかしら?
でも、アルス様の婚約者の座は渡さないわ。
だって、私はアルス様のことが大好きなんですもの。
とうとう、窓のすぐ隣に来た。
なんとか足を止めようとするが止まらない。
「アルス様、、、助けて!」
かすれた声で叫ぶ。
叫んだはずだった。しかし、パーティーの喧騒で遠くにいるアルス様には届かなかった。
私を乗っ取った人はどうやらが私の声までも操れるようだ。
「さようなら。アルス様。」
パーティー会場に私の声が響く。
言いたくないのに。こんなことやりたくないのに。
体が勝手に動いてしまう。
そうして、私は窓から飛び降りた。
浮遊感と恐怖が私を支配した世界で私の人生は幕を閉じた。
~~~~~~~
読んでくださりありがとうございます(>_<)
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大好きなアルス様とようやく婚約できるのだ。
この日を待ち望んでいた。
「アルス・アレンシュタイン王太子、リリア・ラピスラズリ様、入場」
深呼吸をしてアルスと目を合わす。
「リリ、緊張してる?」
「はい、、でも、アルス様と正式に婚約できるのだから頑張りますわ。」
「そう。私はリリをみんなに見せるのが嫌だな。かわいいリリが減ってしまう。」
「アルス様、、、私は減りませんわ!安心してくださいまし。」
「わかったよ。これが終わったら一緒にお茶でもどうだい?」
「よろこんで!お受けいたしますわ。」
「それはよかった。緊張もやわらいできたようでよかったよ」
「ありがとうございますわ。」
今まで身に着けてきた全てを生かすように、指先まで神経を集中させる。
ゆっくり、、、でもだらだらと歩くのではなく、優雅に歩く。
「これより、アルス・アレンシュタイン王太子殿下とリリア・ラピスラズリ嬢の
婚約パーティーを始める。皆の者、乾杯!!」
国王陛下が挨拶をする。
次は私達の番だ。
「それでは、アルス・アレンシュタイン王太子殿下、リリア・ラピスラズリ嬢からのご挨拶でございます。」
「今日は、この良き日に皆様お集まりくださり誠にありがとうございます。
まだまだ、若輩者ですが今後とも宜しくお願い致します。私からは以上です。」
「皆様こんにちは。リリア・ラピスラズリと申します。
皆様お集まりくださり誠にありがとうございます。
私はアルス王太子殿下を支えていけるように努めて参ります。
皆様、今後ともよろしくお願い致します。」
楽しい時間は早く過ぎるとはよく言ったもので、婚約パーティーはあっという間に過ぎた。
もう、パーティー後半だ。
その時、私の意識が何者かに飲み込まれていった。
フラフラと窓の方へ向かう。
自分の体のはずなのに、自分では動かすことができない。
怖くなり涙が出てしまった。
こんなところで泣いてしまったら後でお母様に怒られてしまうわ。
それよりも、心配されてしまうわね。
どうしましょう。
そんなことを考えているうちに体はどんどん窓の方へ向かって歩いていく。
まさか、、、私を殺す気!?
こんなことしていったい何になるというの?
もしかして、、、アルス様狙い?
そういえば、アルス様は女性に人気だわ。
もしかすると、私を殺してアルス様の婚約者になりたいのかしら?
でも、アルス様の婚約者の座は渡さないわ。
だって、私はアルス様のことが大好きなんですもの。
とうとう、窓のすぐ隣に来た。
なんとか足を止めようとするが止まらない。
「アルス様、、、助けて!」
かすれた声で叫ぶ。
叫んだはずだった。しかし、パーティーの喧騒で遠くにいるアルス様には届かなかった。
私を乗っ取った人はどうやらが私の声までも操れるようだ。
「さようなら。アルス様。」
パーティー会場に私の声が響く。
言いたくないのに。こんなことやりたくないのに。
体が勝手に動いてしまう。
そうして、私は窓から飛び降りた。
浮遊感と恐怖が私を支配した世界で私の人生は幕を閉じた。
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