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第三の瞳 後編
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────1────
「え……? どうやって存在定義を見破ったのかって?」
少し前とは一変。
殺し屋からご主人に絶対尽くすマンに転身したロゼが、新妻よろしく。
鍋でシチューを作っている最中、そんな事を聞いてきた。
「うん。 見えてなかった筈なのに」
「そんなの簡単だ。 第三の瞳。 心の目を使っただけだ」
「心の……目?」
「ああ、心の目だ。 幾ら意識を阻害しても、目に見えない速度で動いても、攻撃の瞬間は動きが止まるだろう? その瞬間を気配や物音で感じ取り、先手を取る。 それが心の目だ。 簡単だろ?」
そう語ると、ロゼは人差し指を顎に、視線を天井に向けて。
「簡単じゃない。 普通、出来ない。 ロゼ、出来ない」
そんな難しいか?
物心ついた頃にはなんとなく会得していたものだが。
「意識を前方だけじゃなく全方位に向けるだけなんだがな。 ……まあその話は置いておくとして。 ロゼに幾つか聞きたいことがある」
「なに?」
「それはもちろん、お前を雇った人物についてだ。 何故そいつはお前を雇った? どうしてシャロ村を狙う。 目的はなんだ。 教えてくれ、ロゼ」
「……うん、わかった。 教える」
ロゼは頷くと、一枚の紙を取り出し、渡してきた。
「これは?」
「読んで」
仕方ない、一旦読んでみるか。
じゃないと話をしてくれそうにないしな。
どれどれ……。
俺は言われた通り、紙に記された文字に目を走らせる。
そこには驚くべき内容が記載されていた。
──手段は問わない。 ソーマ=イグベルトを、イグネア=スツールと共謀してなんとしてでも殺せ。 カイネル=ハルトマン。
「そうか……そういう事かよ。 シャロ村が狙われたのは、何もかも俺のせいだってのか。 あの金髪野郎……!」
これでハッキリした。
何故シャロ村が狙われないといけないのか、どうしてあのトカゲ面男が俺を殺そうとしたのか、何もかも。
全てはあのクソッタレ貴族の差し金か。
「ふざけやがって……」
「………………」
こうなると、このまま村に留まるのはよくないかもしれない。
このまま留まったら皆が巻き込まれるだろう。
逃げ出すしかない、またいつものように。
「なあ、ロゼ。 もし……もしもの話なんだが、俺がこの村から去れば誰も傷つかずに済むと思うか?」
俺はきっと、逃げて良いと言って欲しいだけだ。
これは仕方のない事なんだと。
皆を守るためには逃げるしかないのだと、誰かに同意して貰いたいだけだ。
自分が安心したいだけだ。
あまりにも愚かで醜い。
本当にどうしようもない男だ、俺は。
それを見透かしたように、ロゼは呟いた。
たった一つの真実を。
「逃げても変わらない。 結果は、なにも変わらない。 あの人達はご主人を殺す為なら手段を厭わない。 この村の人を人質にしてでも、あの人達はご主人を殺そうとする。 だから……」
「…………! くっ……」
確かにロゼの言う通りだ。
逃げたところで火の粉は振り払えない。
全てを燃やし尽くすまで止まりはしない。
ああ、そうだ。
最初からわかっていたじゃないか。
答えなんか、最初から。
「……もう逃げる訳にはいかないか。 あいつらに罪はないんだ。 なんとしてでも助けないと。 ……なら、ロゼ。 お前に一つ頼みがある。 聞いてくれるか」
「ロゼはご主人の僕。 好きに命令して。 じゃあ、何する? 何をしたら良い?」
ロゼの瞳には一切の迷いはない。
やると決めたらやる、この目はそういう目だ。
なら俺も覚悟を決めよう。
逃げずに立ち向かう覚悟を。
今ここに。
たとえ、どれだけの人間を斬る事になろうとも、俺はもう逃げない。
皆を、リアを守る為に。
────2────
「という訳で、お前にも力を貸して欲しい。 頼めるか、エリオ」
深夜。
村の外に呼び出したエリオにこれまでの経緯を話した。
この襲撃の裏に隠された真実。
俺を狙っての犯行、誰が差し向けた差し金か。
そして、指揮しているであろう奴について。
「……わかったよ、協力する。 これでも僕はこの村のギルドマスターだからね。 やるだけやってみるさ」
こんな無茶な作戦に付き合ってくれるだなんて、流石は相棒。
親友冥利に尽きる。
「で、僕は何をしたら良いのかな」
「ああ、エリオには俺が討ち漏らした奴が村に入らないよう始末して欲しい。 出来るか?」
「まぁ……なんとかやってみるよ。 君ほど大変じゃないだろうしね」
それは言えてるな。
俺のするべき事はただ一つ。
村を襲撃してくる奴らを一人残さず殺す事だ。
かなり危険を伴うだろう。
だがやるしかない。
もう逃げないと決めたのだから。
「そういえば、遺跡について聞いてなかったな。 どうだった? やはり占拠されてたか?」
「ああ。 君の予測した通り、占拠されていた。 全体の数まではわからないけど、十人はまず固いだろう。 ざっと見渡しただけで見張りが六人、交代で更に六人居たからね」
「思っていたよりも多いな。 後は敵の錬度次第と言ったところか。 相手はどんな奴らだった? 冒険者や傭兵か?」
「だと思う。 少なくとも騎士や一般人ではなかったよ」
貴族であるあいつが騎士を使わなかった、か。
となると、冒険者の線も薄いな。
恐らく、今回と前回の殺害計画はあいつの個人的なもの。
ゆえに国の機関であるギルドや騎士団を利用しなかったのだろう。
突っ込まれると厄介な事態になるから。
あのトカゲ面野郎のような、裏でなにをしているかわからないような奴を雇ってまで俺を殺そうとした理由が、まさにそれなのだろう。
そもそも騎士団やギルドが人殺しに荷担する筈も無いしな。
俺が指名手配犯相手ならまだしも。
「なら心置きなく斬れるな。 一般人や騎士が相手なら殺すわけにはいかないが、こんな殺しに与する奴らだ。 遠慮してやる必要はない。 皆殺しにしてやる」
「可哀想に。 君を敵に回した彼らに同情するよ。 僕だったらこんな悪鬼羅刹、絶対敵に回さないね」
だれが悪鬼だ、人聞きの悪い。
と、エリオにジト目を向けていたら、足元に矢文が刺さった。
「それはなんだい?」
「頼りになる仲間からの連絡だ。 奴らに潜り込ませたな」
「ほう……」
ふむ……。
「なんと書いてあるんだい?」
「ああ、奴らが動き出したらしい。 そろそろ戦いが始まるぞ」
「……了解した。 では所定の位置に行って、狙撃の準備に移るとするよ。 ソーマくん、この村の命運は君にかかっている。 頑張りたまえ」
他人事みたいに言ってるけど、お前も頑張らなきゃいけない立場だからな。
頼むからちゃんとやってくれよ、相棒。
頼りにしてるんだから。
「え……? どうやって存在定義を見破ったのかって?」
少し前とは一変。
殺し屋からご主人に絶対尽くすマンに転身したロゼが、新妻よろしく。
鍋でシチューを作っている最中、そんな事を聞いてきた。
「うん。 見えてなかった筈なのに」
「そんなの簡単だ。 第三の瞳。 心の目を使っただけだ」
「心の……目?」
「ああ、心の目だ。 幾ら意識を阻害しても、目に見えない速度で動いても、攻撃の瞬間は動きが止まるだろう? その瞬間を気配や物音で感じ取り、先手を取る。 それが心の目だ。 簡単だろ?」
そう語ると、ロゼは人差し指を顎に、視線を天井に向けて。
「簡単じゃない。 普通、出来ない。 ロゼ、出来ない」
そんな難しいか?
物心ついた頃にはなんとなく会得していたものだが。
「意識を前方だけじゃなく全方位に向けるだけなんだがな。 ……まあその話は置いておくとして。 ロゼに幾つか聞きたいことがある」
「なに?」
「それはもちろん、お前を雇った人物についてだ。 何故そいつはお前を雇った? どうしてシャロ村を狙う。 目的はなんだ。 教えてくれ、ロゼ」
「……うん、わかった。 教える」
ロゼは頷くと、一枚の紙を取り出し、渡してきた。
「これは?」
「読んで」
仕方ない、一旦読んでみるか。
じゃないと話をしてくれそうにないしな。
どれどれ……。
俺は言われた通り、紙に記された文字に目を走らせる。
そこには驚くべき内容が記載されていた。
──手段は問わない。 ソーマ=イグベルトを、イグネア=スツールと共謀してなんとしてでも殺せ。 カイネル=ハルトマン。
「そうか……そういう事かよ。 シャロ村が狙われたのは、何もかも俺のせいだってのか。 あの金髪野郎……!」
これでハッキリした。
何故シャロ村が狙われないといけないのか、どうしてあのトカゲ面男が俺を殺そうとしたのか、何もかも。
全てはあのクソッタレ貴族の差し金か。
「ふざけやがって……」
「………………」
こうなると、このまま村に留まるのはよくないかもしれない。
このまま留まったら皆が巻き込まれるだろう。
逃げ出すしかない、またいつものように。
「なあ、ロゼ。 もし……もしもの話なんだが、俺がこの村から去れば誰も傷つかずに済むと思うか?」
俺はきっと、逃げて良いと言って欲しいだけだ。
これは仕方のない事なんだと。
皆を守るためには逃げるしかないのだと、誰かに同意して貰いたいだけだ。
自分が安心したいだけだ。
あまりにも愚かで醜い。
本当にどうしようもない男だ、俺は。
それを見透かしたように、ロゼは呟いた。
たった一つの真実を。
「逃げても変わらない。 結果は、なにも変わらない。 あの人達はご主人を殺す為なら手段を厭わない。 この村の人を人質にしてでも、あの人達はご主人を殺そうとする。 だから……」
「…………! くっ……」
確かにロゼの言う通りだ。
逃げたところで火の粉は振り払えない。
全てを燃やし尽くすまで止まりはしない。
ああ、そうだ。
最初からわかっていたじゃないか。
答えなんか、最初から。
「……もう逃げる訳にはいかないか。 あいつらに罪はないんだ。 なんとしてでも助けないと。 ……なら、ロゼ。 お前に一つ頼みがある。 聞いてくれるか」
「ロゼはご主人の僕。 好きに命令して。 じゃあ、何する? 何をしたら良い?」
ロゼの瞳には一切の迷いはない。
やると決めたらやる、この目はそういう目だ。
なら俺も覚悟を決めよう。
逃げずに立ち向かう覚悟を。
今ここに。
たとえ、どれだけの人間を斬る事になろうとも、俺はもう逃げない。
皆を、リアを守る為に。
────2────
「という訳で、お前にも力を貸して欲しい。 頼めるか、エリオ」
深夜。
村の外に呼び出したエリオにこれまでの経緯を話した。
この襲撃の裏に隠された真実。
俺を狙っての犯行、誰が差し向けた差し金か。
そして、指揮しているであろう奴について。
「……わかったよ、協力する。 これでも僕はこの村のギルドマスターだからね。 やるだけやってみるさ」
こんな無茶な作戦に付き合ってくれるだなんて、流石は相棒。
親友冥利に尽きる。
「で、僕は何をしたら良いのかな」
「ああ、エリオには俺が討ち漏らした奴が村に入らないよう始末して欲しい。 出来るか?」
「まぁ……なんとかやってみるよ。 君ほど大変じゃないだろうしね」
それは言えてるな。
俺のするべき事はただ一つ。
村を襲撃してくる奴らを一人残さず殺す事だ。
かなり危険を伴うだろう。
だがやるしかない。
もう逃げないと決めたのだから。
「そういえば、遺跡について聞いてなかったな。 どうだった? やはり占拠されてたか?」
「ああ。 君の予測した通り、占拠されていた。 全体の数まではわからないけど、十人はまず固いだろう。 ざっと見渡しただけで見張りが六人、交代で更に六人居たからね」
「思っていたよりも多いな。 後は敵の錬度次第と言ったところか。 相手はどんな奴らだった? 冒険者や傭兵か?」
「だと思う。 少なくとも騎士や一般人ではなかったよ」
貴族であるあいつが騎士を使わなかった、か。
となると、冒険者の線も薄いな。
恐らく、今回と前回の殺害計画はあいつの個人的なもの。
ゆえに国の機関であるギルドや騎士団を利用しなかったのだろう。
突っ込まれると厄介な事態になるから。
あのトカゲ面野郎のような、裏でなにをしているかわからないような奴を雇ってまで俺を殺そうとした理由が、まさにそれなのだろう。
そもそも騎士団やギルドが人殺しに荷担する筈も無いしな。
俺が指名手配犯相手ならまだしも。
「なら心置きなく斬れるな。 一般人や騎士が相手なら殺すわけにはいかないが、こんな殺しに与する奴らだ。 遠慮してやる必要はない。 皆殺しにしてやる」
「可哀想に。 君を敵に回した彼らに同情するよ。 僕だったらこんな悪鬼羅刹、絶対敵に回さないね」
だれが悪鬼だ、人聞きの悪い。
と、エリオにジト目を向けていたら、足元に矢文が刺さった。
「それはなんだい?」
「頼りになる仲間からの連絡だ。 奴らに潜り込ませたな」
「ほう……」
ふむ……。
「なんと書いてあるんだい?」
「ああ、奴らが動き出したらしい。 そろそろ戦いが始まるぞ」
「……了解した。 では所定の位置に行って、狙撃の準備に移るとするよ。 ソーマくん、この村の命運は君にかかっている。 頑張りたまえ」
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