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ロバート先生の近接戦闘学
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俺が通っているこの学園の正式名称は、国立レオール魔法科学園。
読んで字のごとく、魔法を教える学校だ。
だが、教えるのは魔法や一般教養だけではない。
魔法師には縁がないと思われがちな、近接戦闘学の授業も執り行われている。
とはいえ、魔法科の学園だ。
近接戦闘術に詳しい教師は数える程しか居ない。
ロバート=ウェルキン先生もその一人。
「みんな、それじゃあどれでも良いから好きな武器を一つ取ってみてくれ。 どれも刃を潰してあるから、安心して良いよ。 触っても怪我する事はないからね」
茶髪のイケメン教師に言われ、二組の面々が各々の好みに合った武器を持ち去っていく。
残ったのは大剣と鎖分銅か。
何故こんなマイナーな武器が……。
「うーん」
どちらにすべきか非常に悩む。
まだ比較的使いやすい大剣か、未体験の鎖分銅か。
なかなか悩ましい選択肢だ。
「邪魔だ、どけ」
「!」
反射的に場所を空けると、耳にピアスを着けている赤毛の男が大剣に手を伸ばした。
初めて見る顔だな。
こいつがカンナの兄、ルベール=ブロッケンか。
噂通り、ヤンチャそうな男だ。
「全員、武器を持ったか? 持ったら男女に分かれて集まれー。 授業始めるぞー」
おっと、やばい。
後は俺だけか。
「リュート=ヴェルエスタ、早くしろー。 出遅れてるぞー」
「すいません、今行きます!」
先生に急かされ、俺は鎖分銅を持って男子生徒の集団に紛れ込んだ。
「リュートは何にしたんだい?」
「ああ、俺は余り物の鎖分銅にしたよ」
見せると、ホルトが眉をひそませて。
「それ、武器なん? 鎖にしか見えねえけど」
「一応武器らしいぞ。 多分、先端についてる分銅で相手を殴る武器なんじゃないかな。 二人は剣?」
「おう! 選ぶなら断然剣だよな! 他の武器とはロマンがちげぇよ、ロマンが!」
わかる。
「シュテルクも同じ理由?」
「ううん、僕は違うよ。 しいて言うなら使い慣れてるから、かな。 僕の家は代々騎士でさ、幼少期の頃から剣を叩き込まれてきたんだよね。 だから剣にしただけだよ」
へえ、シュテルクは騎士の家系なのか。
どおりで……。
「代々ってことは、シュテルクの家は貴族なのか?」
「うん、まあね。 とは言っても、リュートみたいに格式ある爵位はないよ。 ただの準男爵に過ぎないから」
「準男爵……」
準男爵と言えば、爵位の中でも最低辺の位。
殆んど平民に近い爵位だ。
それゆえ、金と格式を重んじる貴族社会において準男爵家は異端とされ、他の貴族から迫害されるのも珍しくないと聞く。
これだから貴族社会ってのは嫌いなんだ。
人の価値は金や爵位で決まるものじゃないだろうに。
「はは……やっぱり準男爵みたいな家柄の人間とは知り合いになりたくない、かな」
「……いや、そんな事はないよ。 爵位なんて結構のところ、ただの言葉でしかない。 大事なのは権力じゃなくて誰かを思いやれる心だ。 俺はそう父さんに学んだ。 だからシュテルクが準男爵だろうと平民だろうとどうでも良い。 だって友達を作るのに、立場なんて関係ないだろ?」
「リュート……」
シュテルクは呟くと、目を閉じて微笑んだ。
「そうだね、君の言う通りだ。 ありがとう、リュート。 君とクラスメイトになれて、本当によかった」
「ああ、こちらこそ」
と、友好を深めていたらそこへ。
「そこの三人、遊んでないでちゃんと聞いてろよー」
「だってさ、ホルト」
「お前が騒ぐからだぞ」
「ひでぇ!」
さてと、ふざけるのはここまでにして、授業をしっかり聞かないとな。
「今から近接戦闘学の授業を始めるわけだが、この中に近接戦闘が得意やつは居るか? 居たら手を上げてくれ」
手を上げたのは俺とシュテルクに、ブロッケン兄妹だけだった。
「えー、じゃあ……シュテルク=アルクトゥルス! 何故魔法学に特化したこの学園で、魔法とは縁遠い近接戦闘術を学ばなければならないのか、その理由がわかるか?」
「理由、ですか。 そうですね……魔法は強力ですが、その分発動まで時間がかかる上、詠唱中は無防備になってしまうから、でしょうか。 なので少しでも無防備な状態を削減する為、近接戦闘術を学ぶのでは、と」
「うん、その通りだね。 素晴らしい回答だ」
なるほど、理にかなっている。
いざという時の為に、自分の身を守る術は一つでも多く持っておくのはとても大事な事だ。
いつも前衛が居るとは限らないからな。
「君らが今後どんな職に就くのかは君ら次第だけど、魔法師として活動していくのなら魔法無しでの戦闘手段も持っておくに越した事はないだろうね。 いざという時、必ず役に立つから。 という訳で、今日は武器に慣れてみようか。 各々ペアを作って、広がるように。 準備が整ったら好きに振ってみてくれ。 ただし危険な行為が認められたら、即刻退場して貰うからそのつもりで」
「はーい」
返事をすると、皆一斉にペアを探し始めた。
仲の良い者同士、同じ武器を持つ者同士は直ぐ様ペアとなり、余った者も自分と同じく余り物のクラスメイトに声をかけている。
「なあシュテルク、良かったら俺と……」
「あっ、ごめんねリュート。 ホルトともう組んじゃってて」
「リュート、わりい! 俺らでペア組むからよ、お前は他の奴誘ってくれよな!」
マジかよ。
「あ、ああ……わかった」
とはいえ、他に仲が良いクラスメイトはナギサとカンナぐらいのもの。
その肝心の二人も既にパートナーを見つけているようで、
「お兄様、ご一緒してもよろしくて?」
「チッ、好きにしろよ」
「ナギサちゃーん!」
「ミィちゃーん!」
俺の入る隙間はなさそうだ。
……どうしよう、余った。
このままでは一人で授業を受ける羽目になってしまう。
なんとか見つけなくては。
最悪、先生にパートナーを勤めて貰うしか……。
「あ、あの……リュートくん、よかったら僕とペアに……」
女の子……?
いやこいつ、男か?
男子の体操着を着用しているのもそうだが、骨格がやや男っぽい気がする。
「えっと、誰だっけ」
「はうっ! そ、そうだよね……僕の事なんか知らないよね。 ごめんね……」
覚えて貰ってなかったのが余程ショックだったのか、少年は涙目になってしまった。
……可愛いなこいつ。
低身長に童顔、ヘアゴムで纏められた広背筋まで届く茶髪も相まって、女の子にしか見えない。
もし女生徒の制服を着ていたら、男か女かわからないレベルで美少女だ。
男の娘恐るべし。
「じゃあ、改めて自己紹介するね。 僕の名前は、ルゥ。 ルゥ=アリスティ。 見ての通り、リュートくんと同じ男子だよ」
めっちゃ男子って部分を強調してきた。
よく女の子と間違われるのだろうか。
「それはまあ、見ればわかると言うか……なんにしろ今日はよろしくな、ルゥ。 余り者同士、仲良くしようぜ」
「うん! よろしくね、リュートくん! えへへ」
ホントに可愛いな、おい。
こんな妹が欲しかった人生だった。
こうしてペアを組んだ俺は、ロバート先生に言われ、ルゥに剣の扱いを教える羽目になったのだが……。
「や、やああ~! て~い!」
「これはまた酷いな……」
残念ながら、ルゥに剣の才能は微塵も感じられなかった。
というか、センスが壊滅的過ぎる。
剣を振る時、目をつむる、切っ先が常にブレブレなのはまだ良い。
このくらいなら特訓でなんとかなる範疇だ。
だが、これは流石に酷い。
「おりゃあ~! ……あわわわわ! へぶっ!」
まさか剣の重量に体幹が耐えきれず、数回素振りしただけで転ぶとは思いもよらなかった。
「はぁ」
「いひゃいよぉ……」
「おいおい、男の子だろ? この程度で泣くなよ」
「だってぇ……」
泣きたいのはこっちの方なんだが。
「どうだ、ヴェルエスタ。 ちょっとは使えるようになりそうか?」
「防御魔法を覚えさせた方がまだマシでしょうね」
「だよなぁ」
剣が駄目なのかと思ってクラスメイトに協力して貰い、他の武器も試してみたのだが結果は全滅。
どの武器種もまともに使える物は一つとしてなかった。
「まっ、苦手なもんはしゃーないし、ひとまず怪我しないようにだけ見ててやってくれ。 頼んだぜ、優等生」
「へーい」
それから二十分が経ち、授業が終盤に差し掛かった頃。
「よし、そこまで! 全員素振りをやめて戻ってこい!」
号令を受けた俺達は、いそいそと先生の前に集合していった。
「一通り見せて貰ったけど、今年の新入生は全員なかなかスジが良いね。 中でも特に優秀だったシェリー=バートンの大鎚術には目を見張るものがあった。 みんな、拍手!」
「えっ、私ですか!? あ、ありがとうございます、ありがとうございます!」
拍手喝采が起こる中、おさげのメガネ女子が、360度全方位に何度も頭を下げる。
お辞儀をする度に胸元に実ったえっちぃ果実がバルンバルン揺れ、なかなかに目の毒だ。
メリルもそこそこ大きいが、シェリーには遠く及ばない。
巨乳メガネ女子…………良いね!
「俺さっき見ちゃったんだけどさ。 シェリーのやつ、あのバカでかいハンマーを軽々振り回しててよ。 マジ引いたわ」
「男でも持ち上げられなかったあのハンマーを、あの細腕で!? 冗談だろ……」
この世界の女、恐ろしいやつ多くない?
「さて、それじゃあ最後に経験者四人で模擬試合をして貰おうか。 初授業の締めとして相応しい試合を期待してるよ、四人とも」
…………は?
読んで字のごとく、魔法を教える学校だ。
だが、教えるのは魔法や一般教養だけではない。
魔法師には縁がないと思われがちな、近接戦闘学の授業も執り行われている。
とはいえ、魔法科の学園だ。
近接戦闘術に詳しい教師は数える程しか居ない。
ロバート=ウェルキン先生もその一人。
「みんな、それじゃあどれでも良いから好きな武器を一つ取ってみてくれ。 どれも刃を潰してあるから、安心して良いよ。 触っても怪我する事はないからね」
茶髪のイケメン教師に言われ、二組の面々が各々の好みに合った武器を持ち去っていく。
残ったのは大剣と鎖分銅か。
何故こんなマイナーな武器が……。
「うーん」
どちらにすべきか非常に悩む。
まだ比較的使いやすい大剣か、未体験の鎖分銅か。
なかなか悩ましい選択肢だ。
「邪魔だ、どけ」
「!」
反射的に場所を空けると、耳にピアスを着けている赤毛の男が大剣に手を伸ばした。
初めて見る顔だな。
こいつがカンナの兄、ルベール=ブロッケンか。
噂通り、ヤンチャそうな男だ。
「全員、武器を持ったか? 持ったら男女に分かれて集まれー。 授業始めるぞー」
おっと、やばい。
後は俺だけか。
「リュート=ヴェルエスタ、早くしろー。 出遅れてるぞー」
「すいません、今行きます!」
先生に急かされ、俺は鎖分銅を持って男子生徒の集団に紛れ込んだ。
「リュートは何にしたんだい?」
「ああ、俺は余り物の鎖分銅にしたよ」
見せると、ホルトが眉をひそませて。
「それ、武器なん? 鎖にしか見えねえけど」
「一応武器らしいぞ。 多分、先端についてる分銅で相手を殴る武器なんじゃないかな。 二人は剣?」
「おう! 選ぶなら断然剣だよな! 他の武器とはロマンがちげぇよ、ロマンが!」
わかる。
「シュテルクも同じ理由?」
「ううん、僕は違うよ。 しいて言うなら使い慣れてるから、かな。 僕の家は代々騎士でさ、幼少期の頃から剣を叩き込まれてきたんだよね。 だから剣にしただけだよ」
へえ、シュテルクは騎士の家系なのか。
どおりで……。
「代々ってことは、シュテルクの家は貴族なのか?」
「うん、まあね。 とは言っても、リュートみたいに格式ある爵位はないよ。 ただの準男爵に過ぎないから」
「準男爵……」
準男爵と言えば、爵位の中でも最低辺の位。
殆んど平民に近い爵位だ。
それゆえ、金と格式を重んじる貴族社会において準男爵家は異端とされ、他の貴族から迫害されるのも珍しくないと聞く。
これだから貴族社会ってのは嫌いなんだ。
人の価値は金や爵位で決まるものじゃないだろうに。
「はは……やっぱり準男爵みたいな家柄の人間とは知り合いになりたくない、かな」
「……いや、そんな事はないよ。 爵位なんて結構のところ、ただの言葉でしかない。 大事なのは権力じゃなくて誰かを思いやれる心だ。 俺はそう父さんに学んだ。 だからシュテルクが準男爵だろうと平民だろうとどうでも良い。 だって友達を作るのに、立場なんて関係ないだろ?」
「リュート……」
シュテルクは呟くと、目を閉じて微笑んだ。
「そうだね、君の言う通りだ。 ありがとう、リュート。 君とクラスメイトになれて、本当によかった」
「ああ、こちらこそ」
と、友好を深めていたらそこへ。
「そこの三人、遊んでないでちゃんと聞いてろよー」
「だってさ、ホルト」
「お前が騒ぐからだぞ」
「ひでぇ!」
さてと、ふざけるのはここまでにして、授業をしっかり聞かないとな。
「今から近接戦闘学の授業を始めるわけだが、この中に近接戦闘が得意やつは居るか? 居たら手を上げてくれ」
手を上げたのは俺とシュテルクに、ブロッケン兄妹だけだった。
「えー、じゃあ……シュテルク=アルクトゥルス! 何故魔法学に特化したこの学園で、魔法とは縁遠い近接戦闘術を学ばなければならないのか、その理由がわかるか?」
「理由、ですか。 そうですね……魔法は強力ですが、その分発動まで時間がかかる上、詠唱中は無防備になってしまうから、でしょうか。 なので少しでも無防備な状態を削減する為、近接戦闘術を学ぶのでは、と」
「うん、その通りだね。 素晴らしい回答だ」
なるほど、理にかなっている。
いざという時の為に、自分の身を守る術は一つでも多く持っておくのはとても大事な事だ。
いつも前衛が居るとは限らないからな。
「君らが今後どんな職に就くのかは君ら次第だけど、魔法師として活動していくのなら魔法無しでの戦闘手段も持っておくに越した事はないだろうね。 いざという時、必ず役に立つから。 という訳で、今日は武器に慣れてみようか。 各々ペアを作って、広がるように。 準備が整ったら好きに振ってみてくれ。 ただし危険な行為が認められたら、即刻退場して貰うからそのつもりで」
「はーい」
返事をすると、皆一斉にペアを探し始めた。
仲の良い者同士、同じ武器を持つ者同士は直ぐ様ペアとなり、余った者も自分と同じく余り物のクラスメイトに声をかけている。
「なあシュテルク、良かったら俺と……」
「あっ、ごめんねリュート。 ホルトともう組んじゃってて」
「リュート、わりい! 俺らでペア組むからよ、お前は他の奴誘ってくれよな!」
マジかよ。
「あ、ああ……わかった」
とはいえ、他に仲が良いクラスメイトはナギサとカンナぐらいのもの。
その肝心の二人も既にパートナーを見つけているようで、
「お兄様、ご一緒してもよろしくて?」
「チッ、好きにしろよ」
「ナギサちゃーん!」
「ミィちゃーん!」
俺の入る隙間はなさそうだ。
……どうしよう、余った。
このままでは一人で授業を受ける羽目になってしまう。
なんとか見つけなくては。
最悪、先生にパートナーを勤めて貰うしか……。
「あ、あの……リュートくん、よかったら僕とペアに……」
女の子……?
いやこいつ、男か?
男子の体操着を着用しているのもそうだが、骨格がやや男っぽい気がする。
「えっと、誰だっけ」
「はうっ! そ、そうだよね……僕の事なんか知らないよね。 ごめんね……」
覚えて貰ってなかったのが余程ショックだったのか、少年は涙目になってしまった。
……可愛いなこいつ。
低身長に童顔、ヘアゴムで纏められた広背筋まで届く茶髪も相まって、女の子にしか見えない。
もし女生徒の制服を着ていたら、男か女かわからないレベルで美少女だ。
男の娘恐るべし。
「じゃあ、改めて自己紹介するね。 僕の名前は、ルゥ。 ルゥ=アリスティ。 見ての通り、リュートくんと同じ男子だよ」
めっちゃ男子って部分を強調してきた。
よく女の子と間違われるのだろうか。
「それはまあ、見ればわかると言うか……なんにしろ今日はよろしくな、ルゥ。 余り者同士、仲良くしようぜ」
「うん! よろしくね、リュートくん! えへへ」
ホントに可愛いな、おい。
こんな妹が欲しかった人生だった。
こうしてペアを組んだ俺は、ロバート先生に言われ、ルゥに剣の扱いを教える羽目になったのだが……。
「や、やああ~! て~い!」
「これはまた酷いな……」
残念ながら、ルゥに剣の才能は微塵も感じられなかった。
というか、センスが壊滅的過ぎる。
剣を振る時、目をつむる、切っ先が常にブレブレなのはまだ良い。
このくらいなら特訓でなんとかなる範疇だ。
だが、これは流石に酷い。
「おりゃあ~! ……あわわわわ! へぶっ!」
まさか剣の重量に体幹が耐えきれず、数回素振りしただけで転ぶとは思いもよらなかった。
「はぁ」
「いひゃいよぉ……」
「おいおい、男の子だろ? この程度で泣くなよ」
「だってぇ……」
泣きたいのはこっちの方なんだが。
「どうだ、ヴェルエスタ。 ちょっとは使えるようになりそうか?」
「防御魔法を覚えさせた方がまだマシでしょうね」
「だよなぁ」
剣が駄目なのかと思ってクラスメイトに協力して貰い、他の武器も試してみたのだが結果は全滅。
どの武器種もまともに使える物は一つとしてなかった。
「まっ、苦手なもんはしゃーないし、ひとまず怪我しないようにだけ見ててやってくれ。 頼んだぜ、優等生」
「へーい」
それから二十分が経ち、授業が終盤に差し掛かった頃。
「よし、そこまで! 全員素振りをやめて戻ってこい!」
号令を受けた俺達は、いそいそと先生の前に集合していった。
「一通り見せて貰ったけど、今年の新入生は全員なかなかスジが良いね。 中でも特に優秀だったシェリー=バートンの大鎚術には目を見張るものがあった。 みんな、拍手!」
「えっ、私ですか!? あ、ありがとうございます、ありがとうございます!」
拍手喝采が起こる中、おさげのメガネ女子が、360度全方位に何度も頭を下げる。
お辞儀をする度に胸元に実ったえっちぃ果実がバルンバルン揺れ、なかなかに目の毒だ。
メリルもそこそこ大きいが、シェリーには遠く及ばない。
巨乳メガネ女子…………良いね!
「俺さっき見ちゃったんだけどさ。 シェリーのやつ、あのバカでかいハンマーを軽々振り回しててよ。 マジ引いたわ」
「男でも持ち上げられなかったあのハンマーを、あの細腕で!? 冗談だろ……」
この世界の女、恐ろしいやつ多くない?
「さて、それじゃあ最後に経験者四人で模擬試合をして貰おうか。 初授業の締めとして相応しい試合を期待してるよ、四人とも」
…………は?
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