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なんでお前がここに居る
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「はあ、疲れた……」
今日は朝からついてない。
首席になったせいで変な奴に絡まれた挙げ句、決闘を挑まれる始末。
唯一良かったのは、俺やフィオに今後一切関わるなと命令出来た事かな。
ダスティの言っていた通り決闘のルールは不可侵条約らしく、あのマークが文句も言わず受け入れた。
色々大変だったが、これからあいつに絡まれなくなるなら、あれも悪くない経験だったかもしれない。
とはいえ今日はもう何も起きないで欲しい所だ。
「まさか朝からこんな事になるとは思いもしませんでした…………なんと言いますか、リュートと出会ってからというものトラブル続きのような……」
「あらあら、フィオさまったら。 もしやお忘れで? 入学初日に面倒事を運んできたのはそちらでしてよ?」
「……あはっ」
「ふふっ」
あらあらまあまあ、忘れっぽい頭ですこと。
治癒師に頭を診て貰った方がよろしいんじゃないかしら。
「お前ら二人揃ってトラブルメイカー過ぎだろ。 ちょっとは俺を見習え。 俺ほどトラブルと無縁の男は居ないぞ?」
「あらやだ、聞きました奥さん。 自分はトラブルを起こさないと自負してますわよ、このゴリラ。 絶対にそのうちトラブル起こしますわよねぇ。 そうは思いません?」
「あらあら、ダスティ様ったら冗談がお上手なんですから。 たまたまトラブルを起こしてないだけで、きっと近々大きなトラブルを起こすに違いありませんわ。 わたくし、人を見る目には自信がありますの。 間違いないですわ。 ねー、奥様」
「ねー」
「……仲良いな、こいつら」
と、ふざけあっていたら、
「ん……? おっと、ここか。 俺の教室は」
いつの間にか自分達の教室の前にやってきていた。
「んじゃな、リュート。 ちゃんと勉強しろよー」
「こっちの台詞なんだが」
「ではわたしもこれで。 リュート、ちゃんと勉強するんですよ。 転げ落ちるのは簡単ですが、這い上がるのは難しいんですから」
「ねえ、なんで二人とも俺にばっかり言うの? ねえ、なんで? ねえ」
あいつら、内心では俺のことバカにしてるな?
よーし、良いだろう。
なら次の試験でも大差で勝ってやろうじゃないか。
そしたらぐうの音も────ガラッ。
「あっ! ヴェルエスタくんだ、おはよう!」
「おはよー!」
「うおっ」
なにごと?
教室に入った途端、30人弱の生徒が一気に押し寄せてきた。
「さっきの決闘ここから見てたよ! 凄かったー!」
「さっすが二組のエースだよな! スカッとしたぜ!」
勝手にエースにしないでほしい。
首席だけでお腹いっぱいです。
「あ、ありがと。 えっと、ところで俺の席は……」
と、話題を逸らそうと自分の席を探していた所で、ここで聞く筈の無い聞き慣れた声が……。
「み……みなさぁん、そろそろ席に着いてくださいねぇ。 ホームルーム始めますからぁ」
「……いっ!?」
な……ななな、なんでシンシアが学園に!?
そんな話聞いてないぞ!
「はーい」
「おまっ、こんな所でなにして……!」
「ヴェルちん、ヴェルちん、なにしてんの? 座らないと先生に起こられちゃうよ?」
皆が席に着く中、シンシアに事の次第を問い詰めようとしていたら、柑橘系の明るい髪色をした快活そうな女の子が話しかけてきた。
このまま問い詰めれば注目を集めてしまう。
ここは一旦引き下がるしかないか。
「あ……ああ、わかった……って、誰がヴェルちんだ」
「あはは! ほら、早く早く!」
少女は階段を登って三段目の席に俺を座らせると、隣に腰を下ろした。
まさかのお隣さんであった。
「は、初めまして皆さん! 本年度より教師として勤める事になりました、シンシアと申します! 色々と至らぬ所があるとは思いますが、よろしくお願いしますぅ~!」
他人の空似かと思ったけど、やっぱりシンシアじゃねえか!
何してんだ、あいつ。
屋敷に残してきた筈だろ。
「よろしくお願いしまーす」
「シンシア先生、めっちゃ可愛くね? タイプだわ」
「恋人とか居るんかな? 居なかったら俺、立候補しちゃおっかな」
シンシアだけはやめとけ、男子諸君。
一見清楚そうに見えるが、その正体は秘密組織で斥候兼暗殺者を務めるほどの強者で、巻き込んだ人間を事故死させる最強のドジっ子属性反社危険人物だぞ。
巻き込まれて死にたくなかったら、そいつにだけは手を出さない方が良い。
俺なら絶対に手を出さない。
「では点呼を取りますので、呼ばれた方は返事を……」
「はーい、せんせー! せんせーって恋人とか居るんですかあ?」
「ええ!? なんです、急に!?」
「俺も気になりまーす! どうなんですか、せんせー!」
やいのやいのと美人教師にプライベートな質問をぶつける男子どもに、クラスの女子が辛辣な言葉を述べる。
「ホント男って……」
「頭悪すぎ」
「マジでキモい」
「それに比べて、ヴェルエスタくんは違うよねぇ」
……ん?
「常に冷静っていうかさ、大人だよねー」
「確かに! 付き合うならああいう人が良いよね!」
「わかる~!」
「……だってさ、ヴェルちん。 いよっ、モテモテだねぇ。 羨ましいね、このこの!」
鬱陶しい……。
「やめろよ、ウザい。 肘でつついてくんな。 そんでお前らもそこまでにしとけ、先生が困ってるだろ」
「お、おう」
「わりぃ、調子に乗りすぎちまった」
「きゃー! ヴェルエスタくん、かっこいー!」
「わたしもあんな風に流し目で怒られたい……」
ダメだこいつら、早くなんとかしないと。
「あのその、リュ……ヴェルエスタさ……くん。 ありがとうござ……ありがとね? 先生助かっちゃった」
頭痛くなってきた……。
「えっと、次は……ナギサ=ホークエルさん」
「はーい」
出会い頭から人懐っこいお隣さんは、ナギサというらしい。
快活な彼女にお似合いな名前だ。
「ホークエルさんも皆と同じく簡単に自己紹介お願いね?」
「はい! わたしの名前はナギサ=ホークエル! ド田舎のファムファタ村から来た、ド平民です! 特技はマラソン! 得意な魔法は治癒魔法! 好きな食べ物はステーキ! 将来の夢は、沢山の人を救える治癒師になること! みんな、これから三年間よろしくね!」
自己紹介が終わり座ると、方々から拍手が送られた。
ナギサはとても満足そうに、どや顔を向けてきている。
「……なんだよ」
「んーん、なんでもー? 次の人はどんな面白い自己紹介してくれるのかとても楽しみだなぁ、なんて思ってないよ? ぷーくすくす!」
こいつ、ほんま……。
「ホークエルさん、ありがとうございましたぁ。 では次に、リュート=ヴェルエスタくん。 よろしくお願いしますぅ」
「はい」
「おっ、次はヴェルエスタの番か。 どんな自己紹介が飛び出すのか、楽しみだな」
「俺らの首席様だぜ? きっとあっと驚く自己紹介をしてくれるに違いねえよ」
ハードルがガンガン上がる!
「あー……皆も知っての通り、俺の名前はリュート=ヴェルエスタ。 ヴェルエスタ領を治める剣聖、アンドリュー=ヴェルエスタ伯爵の息子だ」
「アンドリュー様って、国を魔族の手から救ったあのアンドリュー様……?」
「どおりで……」
父さん、意外と凄いことしてた。
剣聖の二つ名は伊達じゃない。
「特技、得意魔法は特に無し。 好きな食べ物は肉料理全般。 将来の夢は、領地を発展させること。 以上です」
魔法を創造出来る事が特技っちゃ特技なんだが、流石にそれを公言する訳にはいかないからな。
無難に特に無しとしておけば問題ないだろう。
「何も無いって事は無くね? あんだけすげぇ魔法使っといてさ」
「なんでも出来るから逆に特技になるもんがないんじゃね? 天才肌の奴ってそうらしいぜ」
「ああー、なるほどなぁ」
思わぬ方向に行ってしまった。
「それじゃあ最後に、ルベールくん。 ルベール=ブロッケンくん、自己紹介をお願いします。 ……ルベールくん? あれ、遅刻?」
シンシアの目線を追うと、空席が目についた。
初日から遅刻とは良い度胸だ。
何事も初めが肝心だからな。
足並み揃えないとクラスに馴染めなくなるから、俺なら絶対に遅刻しない。
「ルベールってあれだろ? ダブリって噂の……」
「その話なら俺も聞いたな。 なんでも去年事件起こして、留年したらしいぞ」
「うへぇ、マジかよ」
いわゆる不良ってやつか。
「よく知りもしないくせに……」
通路を挟んで左に座る赤毛の女の子がそう呟いた。
この子の名前は確か……そうだ、カンナ=ブロッケンだったっけ。
ブロッケンなんて珍しい名字がたまたま一緒だとは考えにくい。
悔しそうに唇を噛んでいる所から見て、彼女はルベールの妹とかなのだろうか。
「……なんですの? 貴方もお兄様に何か文句でも?」
こわっ、触らぬ神に祟りなしだな。
この話題には触れないようにしよう。
「いや、なんでもないよ。 ただ、家族の事を悪く言われるのは嫌だよなと思って。 俺も両親の事を悪く言われるのは我慢ならないから、なんとなくわかるよ。 だからあんまり気にするなよ、所詮噂なんだしさ」
「え、ええ……ありがとう、ございます……」
まさか慰められるとは思ってもみなかったのか、カンナは驚きの表情を────
「ナンパ? ねぇ、ナンパしてるの? ねぇねぇ、ナンパ?」
席替えしたい。
今日は朝からついてない。
首席になったせいで変な奴に絡まれた挙げ句、決闘を挑まれる始末。
唯一良かったのは、俺やフィオに今後一切関わるなと命令出来た事かな。
ダスティの言っていた通り決闘のルールは不可侵条約らしく、あのマークが文句も言わず受け入れた。
色々大変だったが、これからあいつに絡まれなくなるなら、あれも悪くない経験だったかもしれない。
とはいえ今日はもう何も起きないで欲しい所だ。
「まさか朝からこんな事になるとは思いもしませんでした…………なんと言いますか、リュートと出会ってからというものトラブル続きのような……」
「あらあら、フィオさまったら。 もしやお忘れで? 入学初日に面倒事を運んできたのはそちらでしてよ?」
「……あはっ」
「ふふっ」
あらあらまあまあ、忘れっぽい頭ですこと。
治癒師に頭を診て貰った方がよろしいんじゃないかしら。
「お前ら二人揃ってトラブルメイカー過ぎだろ。 ちょっとは俺を見習え。 俺ほどトラブルと無縁の男は居ないぞ?」
「あらやだ、聞きました奥さん。 自分はトラブルを起こさないと自負してますわよ、このゴリラ。 絶対にそのうちトラブル起こしますわよねぇ。 そうは思いません?」
「あらあら、ダスティ様ったら冗談がお上手なんですから。 たまたまトラブルを起こしてないだけで、きっと近々大きなトラブルを起こすに違いありませんわ。 わたくし、人を見る目には自信がありますの。 間違いないですわ。 ねー、奥様」
「ねー」
「……仲良いな、こいつら」
と、ふざけあっていたら、
「ん……? おっと、ここか。 俺の教室は」
いつの間にか自分達の教室の前にやってきていた。
「んじゃな、リュート。 ちゃんと勉強しろよー」
「こっちの台詞なんだが」
「ではわたしもこれで。 リュート、ちゃんと勉強するんですよ。 転げ落ちるのは簡単ですが、這い上がるのは難しいんですから」
「ねえ、なんで二人とも俺にばっかり言うの? ねえ、なんで? ねえ」
あいつら、内心では俺のことバカにしてるな?
よーし、良いだろう。
なら次の試験でも大差で勝ってやろうじゃないか。
そしたらぐうの音も────ガラッ。
「あっ! ヴェルエスタくんだ、おはよう!」
「おはよー!」
「うおっ」
なにごと?
教室に入った途端、30人弱の生徒が一気に押し寄せてきた。
「さっきの決闘ここから見てたよ! 凄かったー!」
「さっすが二組のエースだよな! スカッとしたぜ!」
勝手にエースにしないでほしい。
首席だけでお腹いっぱいです。
「あ、ありがと。 えっと、ところで俺の席は……」
と、話題を逸らそうと自分の席を探していた所で、ここで聞く筈の無い聞き慣れた声が……。
「み……みなさぁん、そろそろ席に着いてくださいねぇ。 ホームルーム始めますからぁ」
「……いっ!?」
な……ななな、なんでシンシアが学園に!?
そんな話聞いてないぞ!
「はーい」
「おまっ、こんな所でなにして……!」
「ヴェルちん、ヴェルちん、なにしてんの? 座らないと先生に起こられちゃうよ?」
皆が席に着く中、シンシアに事の次第を問い詰めようとしていたら、柑橘系の明るい髪色をした快活そうな女の子が話しかけてきた。
このまま問い詰めれば注目を集めてしまう。
ここは一旦引き下がるしかないか。
「あ……ああ、わかった……って、誰がヴェルちんだ」
「あはは! ほら、早く早く!」
少女は階段を登って三段目の席に俺を座らせると、隣に腰を下ろした。
まさかのお隣さんであった。
「は、初めまして皆さん! 本年度より教師として勤める事になりました、シンシアと申します! 色々と至らぬ所があるとは思いますが、よろしくお願いしますぅ~!」
他人の空似かと思ったけど、やっぱりシンシアじゃねえか!
何してんだ、あいつ。
屋敷に残してきた筈だろ。
「よろしくお願いしまーす」
「シンシア先生、めっちゃ可愛くね? タイプだわ」
「恋人とか居るんかな? 居なかったら俺、立候補しちゃおっかな」
シンシアだけはやめとけ、男子諸君。
一見清楚そうに見えるが、その正体は秘密組織で斥候兼暗殺者を務めるほどの強者で、巻き込んだ人間を事故死させる最強のドジっ子属性反社危険人物だぞ。
巻き込まれて死にたくなかったら、そいつにだけは手を出さない方が良い。
俺なら絶対に手を出さない。
「では点呼を取りますので、呼ばれた方は返事を……」
「はーい、せんせー! せんせーって恋人とか居るんですかあ?」
「ええ!? なんです、急に!?」
「俺も気になりまーす! どうなんですか、せんせー!」
やいのやいのと美人教師にプライベートな質問をぶつける男子どもに、クラスの女子が辛辣な言葉を述べる。
「ホント男って……」
「頭悪すぎ」
「マジでキモい」
「それに比べて、ヴェルエスタくんは違うよねぇ」
……ん?
「常に冷静っていうかさ、大人だよねー」
「確かに! 付き合うならああいう人が良いよね!」
「わかる~!」
「……だってさ、ヴェルちん。 いよっ、モテモテだねぇ。 羨ましいね、このこの!」
鬱陶しい……。
「やめろよ、ウザい。 肘でつついてくんな。 そんでお前らもそこまでにしとけ、先生が困ってるだろ」
「お、おう」
「わりぃ、調子に乗りすぎちまった」
「きゃー! ヴェルエスタくん、かっこいー!」
「わたしもあんな風に流し目で怒られたい……」
ダメだこいつら、早くなんとかしないと。
「あのその、リュ……ヴェルエスタさ……くん。 ありがとうござ……ありがとね? 先生助かっちゃった」
頭痛くなってきた……。
「えっと、次は……ナギサ=ホークエルさん」
「はーい」
出会い頭から人懐っこいお隣さんは、ナギサというらしい。
快活な彼女にお似合いな名前だ。
「ホークエルさんも皆と同じく簡単に自己紹介お願いね?」
「はい! わたしの名前はナギサ=ホークエル! ド田舎のファムファタ村から来た、ド平民です! 特技はマラソン! 得意な魔法は治癒魔法! 好きな食べ物はステーキ! 将来の夢は、沢山の人を救える治癒師になること! みんな、これから三年間よろしくね!」
自己紹介が終わり座ると、方々から拍手が送られた。
ナギサはとても満足そうに、どや顔を向けてきている。
「……なんだよ」
「んーん、なんでもー? 次の人はどんな面白い自己紹介してくれるのかとても楽しみだなぁ、なんて思ってないよ? ぷーくすくす!」
こいつ、ほんま……。
「ホークエルさん、ありがとうございましたぁ。 では次に、リュート=ヴェルエスタくん。 よろしくお願いしますぅ」
「はい」
「おっ、次はヴェルエスタの番か。 どんな自己紹介が飛び出すのか、楽しみだな」
「俺らの首席様だぜ? きっとあっと驚く自己紹介をしてくれるに違いねえよ」
ハードルがガンガン上がる!
「あー……皆も知っての通り、俺の名前はリュート=ヴェルエスタ。 ヴェルエスタ領を治める剣聖、アンドリュー=ヴェルエスタ伯爵の息子だ」
「アンドリュー様って、国を魔族の手から救ったあのアンドリュー様……?」
「どおりで……」
父さん、意外と凄いことしてた。
剣聖の二つ名は伊達じゃない。
「特技、得意魔法は特に無し。 好きな食べ物は肉料理全般。 将来の夢は、領地を発展させること。 以上です」
魔法を創造出来る事が特技っちゃ特技なんだが、流石にそれを公言する訳にはいかないからな。
無難に特に無しとしておけば問題ないだろう。
「何も無いって事は無くね? あんだけすげぇ魔法使っといてさ」
「なんでも出来るから逆に特技になるもんがないんじゃね? 天才肌の奴ってそうらしいぜ」
「ああー、なるほどなぁ」
思わぬ方向に行ってしまった。
「それじゃあ最後に、ルベールくん。 ルベール=ブロッケンくん、自己紹介をお願いします。 ……ルベールくん? あれ、遅刻?」
シンシアの目線を追うと、空席が目についた。
初日から遅刻とは良い度胸だ。
何事も初めが肝心だからな。
足並み揃えないとクラスに馴染めなくなるから、俺なら絶対に遅刻しない。
「ルベールってあれだろ? ダブリって噂の……」
「その話なら俺も聞いたな。 なんでも去年事件起こして、留年したらしいぞ」
「うへぇ、マジかよ」
いわゆる不良ってやつか。
「よく知りもしないくせに……」
通路を挟んで左に座る赤毛の女の子がそう呟いた。
この子の名前は確か……そうだ、カンナ=ブロッケンだったっけ。
ブロッケンなんて珍しい名字がたまたま一緒だとは考えにくい。
悔しそうに唇を噛んでいる所から見て、彼女はルベールの妹とかなのだろうか。
「……なんですの? 貴方もお兄様に何か文句でも?」
こわっ、触らぬ神に祟りなしだな。
この話題には触れないようにしよう。
「いや、なんでもないよ。 ただ、家族の事を悪く言われるのは嫌だよなと思って。 俺も両親の事を悪く言われるのは我慢ならないから、なんとなくわかるよ。 だからあんまり気にするなよ、所詮噂なんだしさ」
「え、ええ……ありがとう、ございます……」
まさか慰められるとは思ってもみなかったのか、カンナは驚きの表情を────
「ナンパ? ねぇ、ナンパしてるの? ねぇねぇ、ナンパ?」
席替えしたい。
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