【エゴイスト】~The first world~

綾瀬川

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*プロローグ*

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人類愛。私が一番嫌いな言葉だ。
誰もを愛し、誰からも愛される。
そんなことが現実にあるのならば構わない。
が、実際は違うだろう。
私たち人間にとって、その言葉は綺麗事でしかない。

かつて神は、私たちに二物を与えた。
平凡な暮らしとそれを遮る『能力』だ。
平凡な暮らしを何の問題もなく過ごせる人間。
それに比べ、望まぬ力を手にする人間。
その差に狂い始めた人間すら、世に存在してきた。
私は、残念ながら望まぬ力を手にした。
私のような人間は、他人から冷たい視線を受ける。
力を得た者が出たその日から、人としては見てくれなくなったのだ。
それもそのはず。
私たちのように、力を得ずともそういう人間・・・・・・がいて、その人間たちは、私たちに感染した、汚染されたとか勝手なことを言い始めたのだから。
それから、私たちは呼び名が付いた。
憎悪と恐れを込められた汚名。
『エゴイスト』だ。

全く、本当に。
神は、果たして何を望んだのだろうか。
何のための力なのだろうか。
私たちを救うためか?
特別を造りたかったのか?
それとも、人間崩壊を見物したかったのか……?
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