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こぼれ話~初夜への道のり~
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「優斗の想像の中のおれは、どんなの?」
「……ん?」
「巨乳? 貧乳?」
真面目な表情で、璃空が詰めよってくる。璃空は時々、斜め上の思考をしてくるなあと頭の隅で思いながら、優斗は迷った。そして、余計なことは何も言わず、正直に答えることにした。
「胸はないかな。そのままの璃空が好きだから」
ふうん。
璃空はそっと自分の胸を押さえてから、きゅっと口を固く引き結んだ。顔を若干赤くしながら、シャツをゆっくりとまくりあげていく。突然の行動に、優斗が動揺する。
「……璃空? 何してるの?」
「見て。ほら、胸ないよ? 本当にこんなので興奮なんかする?」
涙ぐみながらシャツを自分でまくり、胸にある突起を露にする璃空。不安からか、恥ずかしさからか。手はぷるぷると震えている。
「…………」
何やらいけないことをしている気分になり、優斗は璃空の手を掴み、少々強引にシャツを下げさせた。とたん、璃空がくしゃっと顔を歪ませた。
──まずい。
泣いてしまうと焦った優斗は、迷ったすえ「……ちょっとごめんね」と璃空の手を取り、自身の下半身に当てた。璃空が目を丸くする。
「……勃ってる」
流石に恥ずかしく、優斗はすぐに手を離したが、璃空が再び触ろうとしたので、慌てて手を掴み、止めた。璃空は顔を上げると「触りたい」と言ってきた。
「え?」
視線がばっちりとぶつかる。璃空の目は、先ほどまでとはうって変わって、キラキラと輝いていた。
「触りたい。直接、優斗の触りたい」
「それはちょっと……」
「何で? おれに触られるの、気持ち悪い?」
璃空の双眸が僅かに滲む。優斗はうっと若干怯みながら、渋々折れた。というかそんな顔をされてしまっては、折れるしかなかった。
ベッドの上に向かい合って座り、璃空が優斗の性器に触る。優斗は璃空の肩に顔を埋めているため、息遣いが間近に聴こえる。いつもより高い体温。艶のある声音。ドキドキしながらも、璃空の目は爛々と輝いたままだ。
顔が見たいな。思っているうちに、優斗が射精してしまった。優斗が離れ、下着とスウェットパンツを元の位置に戻す。その一連の動作を見てから、璃空はじっと手についた精液に視線を移した──かと思うと、そっと舌を出した。
「ちょっ、ストップ!」
優斗は慌てて、璃空の手をティッシュで拭った。璃空がしょぼんと肩を落とす。
「どんな味か知りたかったのに」
「……そんなの知らなくていいから」
優斗は綺麗になった璃空の手を掴むと、力を入れて、おもむろに自分の方に引き寄せた。
「……ん?」
「巨乳? 貧乳?」
真面目な表情で、璃空が詰めよってくる。璃空は時々、斜め上の思考をしてくるなあと頭の隅で思いながら、優斗は迷った。そして、余計なことは何も言わず、正直に答えることにした。
「胸はないかな。そのままの璃空が好きだから」
ふうん。
璃空はそっと自分の胸を押さえてから、きゅっと口を固く引き結んだ。顔を若干赤くしながら、シャツをゆっくりとまくりあげていく。突然の行動に、優斗が動揺する。
「……璃空? 何してるの?」
「見て。ほら、胸ないよ? 本当にこんなので興奮なんかする?」
涙ぐみながらシャツを自分でまくり、胸にある突起を露にする璃空。不安からか、恥ずかしさからか。手はぷるぷると震えている。
「…………」
何やらいけないことをしている気分になり、優斗は璃空の手を掴み、少々強引にシャツを下げさせた。とたん、璃空がくしゃっと顔を歪ませた。
──まずい。
泣いてしまうと焦った優斗は、迷ったすえ「……ちょっとごめんね」と璃空の手を取り、自身の下半身に当てた。璃空が目を丸くする。
「……勃ってる」
流石に恥ずかしく、優斗はすぐに手を離したが、璃空が再び触ろうとしたので、慌てて手を掴み、止めた。璃空は顔を上げると「触りたい」と言ってきた。
「え?」
視線がばっちりとぶつかる。璃空の目は、先ほどまでとはうって変わって、キラキラと輝いていた。
「触りたい。直接、優斗の触りたい」
「それはちょっと……」
「何で? おれに触られるの、気持ち悪い?」
璃空の双眸が僅かに滲む。優斗はうっと若干怯みながら、渋々折れた。というかそんな顔をされてしまっては、折れるしかなかった。
ベッドの上に向かい合って座り、璃空が優斗の性器に触る。優斗は璃空の肩に顔を埋めているため、息遣いが間近に聴こえる。いつもより高い体温。艶のある声音。ドキドキしながらも、璃空の目は爛々と輝いたままだ。
顔が見たいな。思っているうちに、優斗が射精してしまった。優斗が離れ、下着とスウェットパンツを元の位置に戻す。その一連の動作を見てから、璃空はじっと手についた精液に視線を移した──かと思うと、そっと舌を出した。
「ちょっ、ストップ!」
優斗は慌てて、璃空の手をティッシュで拭った。璃空がしょぼんと肩を落とす。
「どんな味か知りたかったのに」
「……そんなの知らなくていいから」
優斗は綺麗になった璃空の手を掴むと、力を入れて、おもむろに自分の方に引き寄せた。
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