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過去編④〜平凡な日常の変化〜
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ゴールデンウィークも終わり、5月中旬。
休み明けで頭も身体もまだ学校生活に慣れきれていない。そんなある日から、私…佐倉蒼は日常が変化した。
始まりはゴールデンウィークが終わったすぐ後のこと。
私は、いつも通り朝礼が始まる20分前に教室へ入った。しかしいつもより私のクラスが騒がしい…そう思った私は廊下で野次馬と化していた天ちゃんを見つけ、そちらへ向かった。
「天ちゃん、おはよう!なんで教室入らないの?」
私が天ちゃんに挨拶をすると、天ちゃんは私の腕を引っ張りながら口早に言った。
「蒼!今すぐここから逃げよう!あの方が…修弥様が……貴女を探しているの。
このままじゃ貴女が危ない!!」
何て言っているのか意味がわからなかったけど、天ちゃんに言われるがまま自分達のクラスから抜け出した。
しかし、みんなが寄ってくる中、反対に離れていく人影を見逃すはずもなく……ましてや蒼は艶やかな黒髪のストレート。容姿といい性格といい、1年男子だけでなく、他学年にまで注目の的だった蒼はどこにも逃げ場所などないことは天にもわかっていたのだ。
修弥様は私達もしっかりと見つめていたはずだ。
「そこのお二人さん、少しいいかな?と言っても用があるのはその内のお一人さんなんだけど。」
初めて感じた恐怖。そして、以前天ちゃんが言っていたことを軽く流した自分自身に対する憤りと後悔で私は“目の前が真っ暗になる”という状況を初めて味わった。
そこからはよく覚えていない。
気づいたら私は修弥様の婚約者として紫柳家の方々に紹介されていた。その中には出席番号が私の後ろの修司様もいた。私も修弥様もこの婚約に同意の上とし、私が高校を卒業すると同時に婚姻届を出すことになっていた。
助けて…
そう思いながら修司様の方へ目を向ける。
でも修司様はそんなことお構い無しとばかりに私の視線に気づいてくれない。
私は……私の普通で平凡、それでいて些細な幸せが沢山詰まっているこの日常を終えた。
でも、この時から既に私の運命が始まっていたんだ。
それを知るのはまだまだ先の事。。。
休み明けで頭も身体もまだ学校生活に慣れきれていない。そんなある日から、私…佐倉蒼は日常が変化した。
始まりはゴールデンウィークが終わったすぐ後のこと。
私は、いつも通り朝礼が始まる20分前に教室へ入った。しかしいつもより私のクラスが騒がしい…そう思った私は廊下で野次馬と化していた天ちゃんを見つけ、そちらへ向かった。
「天ちゃん、おはよう!なんで教室入らないの?」
私が天ちゃんに挨拶をすると、天ちゃんは私の腕を引っ張りながら口早に言った。
「蒼!今すぐここから逃げよう!あの方が…修弥様が……貴女を探しているの。
このままじゃ貴女が危ない!!」
何て言っているのか意味がわからなかったけど、天ちゃんに言われるがまま自分達のクラスから抜け出した。
しかし、みんなが寄ってくる中、反対に離れていく人影を見逃すはずもなく……ましてや蒼は艶やかな黒髪のストレート。容姿といい性格といい、1年男子だけでなく、他学年にまで注目の的だった蒼はどこにも逃げ場所などないことは天にもわかっていたのだ。
修弥様は私達もしっかりと見つめていたはずだ。
「そこのお二人さん、少しいいかな?と言っても用があるのはその内のお一人さんなんだけど。」
初めて感じた恐怖。そして、以前天ちゃんが言っていたことを軽く流した自分自身に対する憤りと後悔で私は“目の前が真っ暗になる”という状況を初めて味わった。
そこからはよく覚えていない。
気づいたら私は修弥様の婚約者として紫柳家の方々に紹介されていた。その中には出席番号が私の後ろの修司様もいた。私も修弥様もこの婚約に同意の上とし、私が高校を卒業すると同時に婚姻届を出すことになっていた。
助けて…
そう思いながら修司様の方へ目を向ける。
でも修司様はそんなことお構い無しとばかりに私の視線に気づいてくれない。
私は……私の普通で平凡、それでいて些細な幸せが沢山詰まっているこの日常を終えた。
でも、この時から既に私の運命が始まっていたんだ。
それを知るのはまだまだ先の事。。。
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