23 / 58
私は……
しおりを挟む
〈桐崎 陵 視点〉
私、桐崎陵は、中等部の入学と同時にこの紫柳学園に入学した。
私の父とこの学園は深い繋がりがある。
それに同じ年の息子がいるという事で親しくなる為にこの学園に入学した。
名前は紫柳 光。
入学式の頃から他とは違う雰囲気を感じる人だった。
テストも私よりも上。容姿も、クラスの人気者でもある。
とても悔しかった。
ある日、私は怠いと思いながら学校に向かうものの、完全に熱が出て医務室に向かった。そしてその時、聞いてしまったのだ。
紫柳光が女である、と。
中が静かになったのを感じて医務室に入ると奥の方の部屋はカーテンで見えなくなっていて分からなかったけど、誰かいる事は間違いなかった。
私も病人だったしそこまで考えがいかず、そのまま青柳先生に診て貰ってから寝る事にした。
「……ぃ、なんで………こんな目に…
たすけてよ……」
隣の隣のベッドからそんな声がした。
それはとても辛そうで、私は風邪薬も飲んだし結構寝たみたいだから随分良くなったけど、あの人はそういう類いの病気では無いのかと思った。
「大丈夫だよ。ほら、ホットミルク。
先生が側に付いているから。どうして欲しい?」
「手……握ってください……
あと、腰のあたりを……摩って……」
すごい聞いてはいけないような会話が聞こえてしまった。
そして、暫くして青柳先生がこちらに来た。
私が目を覚ましていたのを知ると、まずそうな顔をして、「今の会話は内緒ね」と言った。
何が内緒なのだろう…
この学園に来て一番驚いたのは普通に同性愛者がいる事。
この2人は付き合っているのだろうか…
「あぁ、付き合ってるわけでは無いんだ。
まぁ、それ以上に大切な大事な存在なんだよ。オレにとって。オレ達にとって。」
まるで私の考えを読み取ったかのように青柳先生は話した。
あれから1ヶ月に一回、必ず紫柳さんは医務室に向かっている事を知った。
知ってどうこうする訳ではないが、なぜ女子校ではなく男子校にいるのかとても不思議だった。
そして、私は紫柳さんと共に生徒会の役員に指名された。
知っているからなのか、見れば見る程キレイな所作、整った顔、そして真っ直ぐを見つめる藍色の瞳。
気付けば目で追って、惚れてしまっていた。
そして、高等部に入ってからも変わらず紫柳さんは女子高等部ではなく男子高等部に入学した。
中等部の生徒会で顔見知りになり、いつからか生徒会メンバー同士、名前で呼ぶようになった。しかし、中等部では「光」と恥ずかしくて言えず、ずっと「紫柳さん」と呼んでいた。
でも、高等部に入りやっと「光」と呼べるようになった時、光もとても嬉しそうにニコッと笑ってくれた。
学園ではとても静かで美人の「紫柳の貴公子」。
しかし、打ち解けた相手に対しては、一人称が「僕」になるし、男友達の普通の口調になる。この口調で光が話してくれた時、私はとても嬉しく、そして益々「光」という存在に惚れたのだ。
私、桐崎陵は、中等部の入学と同時にこの紫柳学園に入学した。
私の父とこの学園は深い繋がりがある。
それに同じ年の息子がいるという事で親しくなる為にこの学園に入学した。
名前は紫柳 光。
入学式の頃から他とは違う雰囲気を感じる人だった。
テストも私よりも上。容姿も、クラスの人気者でもある。
とても悔しかった。
ある日、私は怠いと思いながら学校に向かうものの、完全に熱が出て医務室に向かった。そしてその時、聞いてしまったのだ。
紫柳光が女である、と。
中が静かになったのを感じて医務室に入ると奥の方の部屋はカーテンで見えなくなっていて分からなかったけど、誰かいる事は間違いなかった。
私も病人だったしそこまで考えがいかず、そのまま青柳先生に診て貰ってから寝る事にした。
「……ぃ、なんで………こんな目に…
たすけてよ……」
隣の隣のベッドからそんな声がした。
それはとても辛そうで、私は風邪薬も飲んだし結構寝たみたいだから随分良くなったけど、あの人はそういう類いの病気では無いのかと思った。
「大丈夫だよ。ほら、ホットミルク。
先生が側に付いているから。どうして欲しい?」
「手……握ってください……
あと、腰のあたりを……摩って……」
すごい聞いてはいけないような会話が聞こえてしまった。
そして、暫くして青柳先生がこちらに来た。
私が目を覚ましていたのを知ると、まずそうな顔をして、「今の会話は内緒ね」と言った。
何が内緒なのだろう…
この学園に来て一番驚いたのは普通に同性愛者がいる事。
この2人は付き合っているのだろうか…
「あぁ、付き合ってるわけでは無いんだ。
まぁ、それ以上に大切な大事な存在なんだよ。オレにとって。オレ達にとって。」
まるで私の考えを読み取ったかのように青柳先生は話した。
あれから1ヶ月に一回、必ず紫柳さんは医務室に向かっている事を知った。
知ってどうこうする訳ではないが、なぜ女子校ではなく男子校にいるのかとても不思議だった。
そして、私は紫柳さんと共に生徒会の役員に指名された。
知っているからなのか、見れば見る程キレイな所作、整った顔、そして真っ直ぐを見つめる藍色の瞳。
気付けば目で追って、惚れてしまっていた。
そして、高等部に入ってからも変わらず紫柳さんは女子高等部ではなく男子高等部に入学した。
中等部の生徒会で顔見知りになり、いつからか生徒会メンバー同士、名前で呼ぶようになった。しかし、中等部では「光」と恥ずかしくて言えず、ずっと「紫柳さん」と呼んでいた。
でも、高等部に入りやっと「光」と呼べるようになった時、光もとても嬉しそうにニコッと笑ってくれた。
学園ではとても静かで美人の「紫柳の貴公子」。
しかし、打ち解けた相手に対しては、一人称が「僕」になるし、男友達の普通の口調になる。この口調で光が話してくれた時、私はとても嬉しく、そして益々「光」という存在に惚れたのだ。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?
ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。
しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。
しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
秘密 〜官能短編集〜
槙璃人
恋愛
不定期に更新していく官能小説です。
まだまだ下手なので優しい目で見てくれればうれしいです。
小さなことでもいいので感想くれたら喜びます。
こここうしたらいいんじゃない?などもお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる