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1章 始まりと別れ。
ともだち
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大きなクラス替えはなく、メンバーもあまり変わらないまま2年生がスタートした。
、、多分、校長なりの計らいだろう。
学校全体の交友関係は全て把握してるだろうから、誰と誰が仲がいいとか悪いとか知ってるから、それを踏まえてのクラス替えなんだろうな。
仲のいいもの同士は大概離れることは無いし。
それは多分、西高ならではじゃないかな。
「ゆーずーちゃんっ!」
キラキラ笑顔を向けながら私の方へ駆け寄ってきた彼女、如月麻衣はいつも一緒にいるグループの一人。
背が低くてふわふわしてて、色素の薄い栗色の髪をツインテールにして、それが可愛らしい顔立ちによく似合ってる。
一言で言うと守りたくなるような子。
間延びした、おっとりな喋り方は、性格そのものが滲み出ているようでどこからどう見ても可愛い、で出来上がった子。
、、こんな子になりたいと思った時期もあったなあ。
「どうしたの?麻衣」
「ふふっ、あのねぇ、みんなでこの後遊びに行かな、」
「またこの子は、、突拍子もないことを言うんじゃない!」
麻衣の言葉を遮るように、ため息混じりで制止を促すように話すこの声は。。
入学式の時からその顔立ちで騒がれてた、美女。
冷静沈着で、あまり思ってることが表情に出ない、麻衣とは真逆の性格の持ち主北西かれん。
サラサラでキレイな黒髪ロングは腰まで伸び、目鼻が整った顔立ちに、すらっとしたスタイル。
文句の言いようがないくらい容相がよく、おまけに運動神経もいいときたら、、ねぇ?、、。
見た目は近寄り難いって感じだけど実際話してみれば友達思いでお姉ちゃんって感じで面倒見がいい。
保護者的存在でホントに頼りになる。
「麻衣、ごめんね。この後遥輝とクレープ屋に行くの。明日、遊びに行こ?」
「むーっ!高田きらぁいっ!!明日、絶対だよぉ!?」
ぷりぷり怒ってる麻衣の頭を撫でて、明日ね、っと約束する。
それで満足したのか、少し離れたところで他クラスの男子と話す白石美桜の所へ行った。
美桜もよく一緒にいる子。
麻衣とはちょっと違うけど、この子もおっとりしてて天然なところがあって、放っておけないって感じの子。
肩まで伸びた茶色の髪をいつもは下ろしているのに、今日は高めの位置でポニーテールにしている。
「そういえば、3バカが今年も同じクラスで揃ってるわね」
「、、あはは」
呆れ口調のかれんの言葉に苦笑いしか返せなかった。
あれはどうしようもないからなあ、、。
クラスを離しても色々と問題を起こしかねないだろうし。
かと言って3人一緒にされてもこっち側が困るし。
かれんの言う"3バカ"とは、、。
去年の入学式で、ド派手に問題を起こした奥野希来と華神千歳、そして高田遥輝の事。
遥輝と華神くんは同じ中学で、奥野くんだけ違う中学出身で。
3人の中に何があったとか詳しいことは知らないんだけど、見るからに仲は良くなかった。
その3人が高校でばったりあって、入学式だと言うのに大喧嘩し出して式どころじゃなくなった。
なんだかんだあったみたいだけど1年間同じクラスで過ごした甲斐があった(?)のか今ではすっかり仲良しさん。
、、、仲良しなのはいいけど、勉強できないし、授業の邪魔はするし、でかれんはこの3人を毛嫌いしてる。
そういえば、華神くんは遥輝と中学から仲良いし私も同じ中学だったけどそんなに大して喋ったことないな。
まず、華神くんと接点がなかったからなぁ、、。
どういう人か分からないけど、見てる感じ、よく笑ってよく喋る人だってことだけは分かる。
「奥野くんの髪の毛って地毛なのかな」
「、、さあ、?どうでもいい」
ふと目に入った人物のことをかれんに聞くけど相手にされなかった。
さすが、、周りに無頓着なんだから。
奥野希来くんは入学当初から金髪で、誰よりも目立っていた。
おまけに左右にたくさん付いたピアスはいつ見てもキラキラしている。
制服も着崩して、"ザ・不良"って感じ。
まあ、それは遥輝も華神くんも同じなんだけど。
「柚、高田が待ってるよ」
「え?、、あっ、ホントだ!ありがとう、かれん!、じゃ、また明日ね!」
かれんが教室の入口でカバン片手にこっちを見る遥輝の存在を教えてくれる。
私は急いで自分の荷物を持って、みんなに別れを告げ、遥輝の所へ行く。
今日は進級式だけだったから、どこのクラスも廊下も生徒でごった返し。
点呼取れ次第解散になっていたから、帰る生徒で溢れ返っているのだ。
昇降口には真新しい制服に包まれた1年生もいて、なんだかそれを見るだけでうきうきする。
まあ、2年生ともなれば慣れてきて、1年前よりずっと学校が楽しいんだけど。
正門を抜け、行き慣れた道を遥輝と通り、お目当てのクレープ屋でクレープを食べて、少しお喋りしてばいばいする。
特別なことなんてない、なんてことない日。
私はこういう日が大好きだ。
大きな問題とか事件とかなく、ただ普通の日。
大好きな友達に囲まれて、好きな人と学校帰りに寄り道して、、、。
誰にも干渉されない。
あの窮屈な日はもうやだ。
、、多分、校長なりの計らいだろう。
学校全体の交友関係は全て把握してるだろうから、誰と誰が仲がいいとか悪いとか知ってるから、それを踏まえてのクラス替えなんだろうな。
仲のいいもの同士は大概離れることは無いし。
それは多分、西高ならではじゃないかな。
「ゆーずーちゃんっ!」
キラキラ笑顔を向けながら私の方へ駆け寄ってきた彼女、如月麻衣はいつも一緒にいるグループの一人。
背が低くてふわふわしてて、色素の薄い栗色の髪をツインテールにして、それが可愛らしい顔立ちによく似合ってる。
一言で言うと守りたくなるような子。
間延びした、おっとりな喋り方は、性格そのものが滲み出ているようでどこからどう見ても可愛い、で出来上がった子。
、、こんな子になりたいと思った時期もあったなあ。
「どうしたの?麻衣」
「ふふっ、あのねぇ、みんなでこの後遊びに行かな、」
「またこの子は、、突拍子もないことを言うんじゃない!」
麻衣の言葉を遮るように、ため息混じりで制止を促すように話すこの声は。。
入学式の時からその顔立ちで騒がれてた、美女。
冷静沈着で、あまり思ってることが表情に出ない、麻衣とは真逆の性格の持ち主北西かれん。
サラサラでキレイな黒髪ロングは腰まで伸び、目鼻が整った顔立ちに、すらっとしたスタイル。
文句の言いようがないくらい容相がよく、おまけに運動神経もいいときたら、、ねぇ?、、。
見た目は近寄り難いって感じだけど実際話してみれば友達思いでお姉ちゃんって感じで面倒見がいい。
保護者的存在でホントに頼りになる。
「麻衣、ごめんね。この後遥輝とクレープ屋に行くの。明日、遊びに行こ?」
「むーっ!高田きらぁいっ!!明日、絶対だよぉ!?」
ぷりぷり怒ってる麻衣の頭を撫でて、明日ね、っと約束する。
それで満足したのか、少し離れたところで他クラスの男子と話す白石美桜の所へ行った。
美桜もよく一緒にいる子。
麻衣とはちょっと違うけど、この子もおっとりしてて天然なところがあって、放っておけないって感じの子。
肩まで伸びた茶色の髪をいつもは下ろしているのに、今日は高めの位置でポニーテールにしている。
「そういえば、3バカが今年も同じクラスで揃ってるわね」
「、、あはは」
呆れ口調のかれんの言葉に苦笑いしか返せなかった。
あれはどうしようもないからなあ、、。
クラスを離しても色々と問題を起こしかねないだろうし。
かと言って3人一緒にされてもこっち側が困るし。
かれんの言う"3バカ"とは、、。
去年の入学式で、ド派手に問題を起こした奥野希来と華神千歳、そして高田遥輝の事。
遥輝と華神くんは同じ中学で、奥野くんだけ違う中学出身で。
3人の中に何があったとか詳しいことは知らないんだけど、見るからに仲は良くなかった。
その3人が高校でばったりあって、入学式だと言うのに大喧嘩し出して式どころじゃなくなった。
なんだかんだあったみたいだけど1年間同じクラスで過ごした甲斐があった(?)のか今ではすっかり仲良しさん。
、、、仲良しなのはいいけど、勉強できないし、授業の邪魔はするし、でかれんはこの3人を毛嫌いしてる。
そういえば、華神くんは遥輝と中学から仲良いし私も同じ中学だったけどそんなに大して喋ったことないな。
まず、華神くんと接点がなかったからなぁ、、。
どういう人か分からないけど、見てる感じ、よく笑ってよく喋る人だってことだけは分かる。
「奥野くんの髪の毛って地毛なのかな」
「、、さあ、?どうでもいい」
ふと目に入った人物のことをかれんに聞くけど相手にされなかった。
さすが、、周りに無頓着なんだから。
奥野希来くんは入学当初から金髪で、誰よりも目立っていた。
おまけに左右にたくさん付いたピアスはいつ見てもキラキラしている。
制服も着崩して、"ザ・不良"って感じ。
まあ、それは遥輝も華神くんも同じなんだけど。
「柚、高田が待ってるよ」
「え?、、あっ、ホントだ!ありがとう、かれん!、じゃ、また明日ね!」
かれんが教室の入口でカバン片手にこっちを見る遥輝の存在を教えてくれる。
私は急いで自分の荷物を持って、みんなに別れを告げ、遥輝の所へ行く。
今日は進級式だけだったから、どこのクラスも廊下も生徒でごった返し。
点呼取れ次第解散になっていたから、帰る生徒で溢れ返っているのだ。
昇降口には真新しい制服に包まれた1年生もいて、なんだかそれを見るだけでうきうきする。
まあ、2年生ともなれば慣れてきて、1年前よりずっと学校が楽しいんだけど。
正門を抜け、行き慣れた道を遥輝と通り、お目当てのクレープ屋でクレープを食べて、少しお喋りしてばいばいする。
特別なことなんてない、なんてことない日。
私はこういう日が大好きだ。
大きな問題とか事件とかなく、ただ普通の日。
大好きな友達に囲まれて、好きな人と学校帰りに寄り道して、、、。
誰にも干渉されない。
あの窮屈な日はもうやだ。
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