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第十九話
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裏口から入った場所は食料庫みたいだった。
その食料庫から更に中に進み扉をひとつ抜けると大きなキッチンがある。
とはいえ普通にウチのリビングより広いぞ。
俺とエリーはその先の応接室へと招き入れられた。
多分ここがこの屋敷で一番広い場所なんだろう。
ジャンプしても絶対に届きそうにない高い天井からは、落ちてきたら絶対大怪我じゃすみそうにない豪華なシャンデリアがぶら下がっていて、その真下に8人掛けの縦長のテーブルが置いてあり。
キッチン側の壁には大きな暖炉があって、冬場はとても暖かそうだ。
左右の天井付近から下に3分の1位までの所には装飾の施された幾つもの窓があり外からの陽射しを取り込んでいた。
シエラは暖炉を背にする形で席に着き、俺たちはテーブルを挟んで反対側に座って話を始めた。
「ようこそ異界の少年。」
「サトルで良いですよ。」
「ではサトル、ひとつ聞いてもいいか?何故エリーは若いままなのだ?」
「あ、それは私が説明するよ。」
エリーは今までの経緯をシエラに話して聞かせた。
テーブルには、こっちの紅茶みたいなものだろう、とても香りの良い暖かい飲み物と見るからに甘そうなお菓子が運ばれてきた。
お菓子を運んで来てくれたのが、いかにもって感じのメイド服を着た女の子。
そして白い長い髪を首の後ろで括ってスーツの様な服装の老人がお茶を淹れてくれた。
実際に見た事は無いけど、まるで中世ヨーロッパで貴族なんかがやってたであろうお茶会みたいだよな。
「そうか…お前はあの後、死んでしまったんだな…。そして今はサトルの世界で暮らしていると言う事か…。」
「うん、だから時間の流れが違うみたいでな。」
「うーむ…納得いかないな。なんでエリーだけ若いままなんだよ。私もそっちに連れて行ってくれないか?」
「いやいや、シエラさんそれは…。」
「なんでダメなんだ?いいじゃないか1人くらい。」
「シエラ、向こうに行っても歳は取るんだぞ。こっちと時間の流れるスピードが違うだけで…。」
「それはわかるけど…納得いかないな…だってさ、お前がひとつ歳をとる間に私は30歳も歳をとる事になるんだろ?……やっぱり納得いかない…。」
「そんなこと言われても…。」
「まぁ、良いとして、何をしに来たんだ?」
「実は、先日久しぶりに家に帰ったんだけどな、帝都の連中がイカサガンで何かしてるんだ。アレは何をやってるんだ?」
「あぁ、アレか、なんでも伝説の浮遊城が発見されたらしいんだ。」
「浮遊城?浮遊城ってアレか?昔話にでてくる…?」
「うん、ムートリア城だよ。」
「本当にあったんだな。」
エリーが眼を輝かせて食いついた。
「えーっと、そのムートリアってなんだ?なんかデカイ鼠みたいな名前だな。」
「ムートリア城って言うのはな、この辺の子供達なら誰でも知ってる昔話に出て来る天空に浮かぶ城なんだ。昔々、今から1500年くらい前の話だ。このユークス島にはひとつの国があったんだ、ちょうど今のイカサガンの中央辺りに首都が有って城が有ったらしい。今はアテマに首都が有るんだけどな。王様はその城に住んで居たんだ。それが今のバング帝国の王様のご先祖様なんだけど、いつも城から離れて街まで出て来たらしくってな、住民にも凄く人気があったらしい。長い間、戦乱もなくて平和に暮らしてたんだが、ある時、西の大陸から巨大な黒いドラゴンが飛んできて、たった一夜で国を焼き尽くしたらしい。その時、王様が自分の住む城にドラゴンを封印して空の彼方に追放したって話だったかな?」
多分魔法で城ごと吹き飛ばしたんだろう。
そんなデカイモノを吹き飛ばすなんて、どんだけだよ…。
「その城が今でも空を飛んでるって言うのか?」
「あぁ、その時の魔法の影響なんだろうけど、肉眼では見る事が出来なかったんだ。」
エリーがまるで『私にもできるぞ』と言いたそうにシエラの話しに頷いている。
「見えないって、本当にあるかどうかも怪しくないか?」
「いや、時々空から昔の遺物…食器だとかレンガだとかが落ちてくる事があってね。」
「危ねぇな。」
「うん、ただ落ちてくる場所ってのが今塔が建っている辺りが中心なんだけどな。だからあの上に城がまだ浮かんでるって話が語り継がれてるんだ。」
「私の家にも何度か落ちてきた事があったぞ。」
「よくそんな危なっかしい所に住んでたな。」
「気をつけてたら大丈夫だろ。」
エリーは目の前のお菓子にかぶりつきながら答えた。
「エリーがウチに立ち寄った頃に、ほら変な病気が流行ってたでしょ?」
「うん、それでその病気を治す薬が帝都に無いか探しに行ったんだ。」
「アレの原因が、どうもムートリア城から降ってきた何かが原因みたいでさ。帝都のヤツら慌ててイカサガンを封鎖して調査を始めたんだ。」
「そうだったんだ…私が死んだ後、そんな事になってたんだな。」
「うん、その病気ってさ、凄い熱が出た後に皮膚がだんだん黒くなっていって死んじゃう人も居たでしょ?」
「うん。」
「アレは、ドラゴンの呪いなんだって。1500年経って封印が解け始めてるのよきっと…。」
「で、あの塔は何に使うんだ?」
「少しでも塔に近づいて観測為に建てたらしいわよ。」
「真下から監視するって事か…でも見えないんじゃなかったっけ?」
「うん、だから封印が解け始めてるから肉眼でも時々見えるようになったんだと思うよ。」
そうか、そう言う事か…でも待てよ…西の大陸からドラゴンが来たって言ってたよな…それって…。
「なぁ、ドラゴンってその一匹だけなのか?」
「昔は沢山居たらしいけどな。ドラゴンの角、爪、鱗に骨なんかは武器や防具を作るのに使えるし、肉はもちろん食料になるし、捨てる所が無いくらいなんだ。だから乱獲されて絶滅したって聞いてたんだけど、西の大陸から来たドラゴンはその生き残りなんじゃ無いかってのが、物語でも語られている。」
「と言う事は、伝説は真実であって、バング帝国の王様はご先祖様が封印したドラゴンを再び封印しなおそうとしてるのか?」
「いや、今度は封印じゃなくて打ち取ってしまうつもりみたいだぞ。」
なんかここまで話を聞いて、まるでゲームやアニメの世界だよなと改めて思う。
俺は結局、異世界に転生し損ねた訳だけど、こうやって行き来できて、ファンタジー要素満点の冒険が出来るなんて思いもしなかった…って思うのはちょっと不謹慎だよな…やっぱり。
「なにをニヤニヤしてるんだ?」
エリーの声で我に返った。
「あ、ごめん…ところでそのドラゴンってさ、本当に倒せるのか?だって1500年前は倒せなかったから封印したんだろ?」
「まぁ倒せると思ってるからやってるんじゃ無いのか?」
「その前にどうやって、その浮遊城に行くんだよ?」
「実はな、ここ数年でかなり下降して来てるみたいなんだ。あと1~2年もすれば完全に地上に降りてしまうんじゃ無いかって言われてる。」
「そうなると、どうなるんだ?」
「多分、その頃には封印も完全に解けちゃってるだろうからドラゴンは怒って大暴れだろうな。」
「暴れて貰っては困るな、私の家が被害を受けるかもしれないじゃないか。」
「そもそもドラゴンってそんなに長生きなのか?って言うか1500年も飲まず食わずだったら流石に死んでるだろ?」
「まぁ伝説だけで、誰もその姿を見てないから降りて来たモノを確認しないと何も解らないんだけどな。」
シエラが言う通り、伝説をただ鵜呑みにしても仕方ないよな。
伝説は伝説だ、そのドラゴンが生きているかも、死んでいるかも実物を見まで誰にもわからない。
とりあえず、塔の事も帝都の連中の事も解ったし、今日の所は一旦帰るかな。
「エリー、一度帰ってミヨと対策を考えよう。」
「ちょっと待ってくれ、実はシエラに頼みたい事があるんだ。」
エリーはそう言うと、鞄の中からいくつかの魔法石と鉱石の類をテーブルに並べた。
「これを使ってサトル用に何か作ってもらえないか?」
シエラはテーブルに並べられたモノをひとつずつ手にとってじっくりと眺めてから口を開いた。
「一体どこからこんなモノを手に入れたんだ?どれも希少な魔法石や鉱物じゃないか。」
「地下の研究室に保管してあったんだ、実験に使うにはもったいないモノばかり残ってたからな、武器とか防具を作るのにもってこいだろ?」
「そうだが…これなんか小さいけどオリハルコンじゃないのか?それにコレはホワイトドラゴンの鱗だろ?凄いな。」
「それだけ有れば何か作れるだろ?」
「分かった、いくつか作れそうだから任せててくれ。」
「じゃぁまた来るよ。ゆっくりでいいから。」
「エリーちょっと待って、帰るってまさか向こうの世界にか?」
「そうだが?」
「サトルの話だと、向こうでの1日がこっちこ30日に相当するんだろ?だったらその分私はまた歳をとるって事だよな?」
「そうなるな。」
「やっぱりなんか納得いかないよなぉ…。そこで提案なんだけど、今度来るときこっちじゃ食べられないお菓子をいっぱい持ってきてくれ!それで手を打とう。」
「お菓子って…そんなので良いのか?」
「そうだなぁ、とびきり甘いお菓子を買ってきて貰えると嬉しいぞ。で、つきはいつ来るんだ?」
「今から帰っても、またすぐに来れないぞ、向こうの明日のこの時間だと、こっちじゃ一ヶ月後くらいになっちまうけど、いいか?」
「なに?1ヶ月後だと?そんなに掛かるのか?」
「仕方ないだろ?時間の流れが違うんだから。」
「まぁ仕方ないだろ…時間の問題があるからな…。既に7年以上の差がついてるしな。じゃまた会おう。」
次回来る時にお菓子を大量に持ってくる約束をして、シエラの屋敷の中から直接ゲートに飛んだ。
その食料庫から更に中に進み扉をひとつ抜けると大きなキッチンがある。
とはいえ普通にウチのリビングより広いぞ。
俺とエリーはその先の応接室へと招き入れられた。
多分ここがこの屋敷で一番広い場所なんだろう。
ジャンプしても絶対に届きそうにない高い天井からは、落ちてきたら絶対大怪我じゃすみそうにない豪華なシャンデリアがぶら下がっていて、その真下に8人掛けの縦長のテーブルが置いてあり。
キッチン側の壁には大きな暖炉があって、冬場はとても暖かそうだ。
左右の天井付近から下に3分の1位までの所には装飾の施された幾つもの窓があり外からの陽射しを取り込んでいた。
シエラは暖炉を背にする形で席に着き、俺たちはテーブルを挟んで反対側に座って話を始めた。
「ようこそ異界の少年。」
「サトルで良いですよ。」
「ではサトル、ひとつ聞いてもいいか?何故エリーは若いままなのだ?」
「あ、それは私が説明するよ。」
エリーは今までの経緯をシエラに話して聞かせた。
テーブルには、こっちの紅茶みたいなものだろう、とても香りの良い暖かい飲み物と見るからに甘そうなお菓子が運ばれてきた。
お菓子を運んで来てくれたのが、いかにもって感じのメイド服を着た女の子。
そして白い長い髪を首の後ろで括ってスーツの様な服装の老人がお茶を淹れてくれた。
実際に見た事は無いけど、まるで中世ヨーロッパで貴族なんかがやってたであろうお茶会みたいだよな。
「そうか…お前はあの後、死んでしまったんだな…。そして今はサトルの世界で暮らしていると言う事か…。」
「うん、だから時間の流れが違うみたいでな。」
「うーむ…納得いかないな。なんでエリーだけ若いままなんだよ。私もそっちに連れて行ってくれないか?」
「いやいや、シエラさんそれは…。」
「なんでダメなんだ?いいじゃないか1人くらい。」
「シエラ、向こうに行っても歳は取るんだぞ。こっちと時間の流れるスピードが違うだけで…。」
「それはわかるけど…納得いかないな…だってさ、お前がひとつ歳をとる間に私は30歳も歳をとる事になるんだろ?……やっぱり納得いかない…。」
「そんなこと言われても…。」
「まぁ、良いとして、何をしに来たんだ?」
「実は、先日久しぶりに家に帰ったんだけどな、帝都の連中がイカサガンで何かしてるんだ。アレは何をやってるんだ?」
「あぁ、アレか、なんでも伝説の浮遊城が発見されたらしいんだ。」
「浮遊城?浮遊城ってアレか?昔話にでてくる…?」
「うん、ムートリア城だよ。」
「本当にあったんだな。」
エリーが眼を輝かせて食いついた。
「えーっと、そのムートリアってなんだ?なんかデカイ鼠みたいな名前だな。」
「ムートリア城って言うのはな、この辺の子供達なら誰でも知ってる昔話に出て来る天空に浮かぶ城なんだ。昔々、今から1500年くらい前の話だ。このユークス島にはひとつの国があったんだ、ちょうど今のイカサガンの中央辺りに首都が有って城が有ったらしい。今はアテマに首都が有るんだけどな。王様はその城に住んで居たんだ。それが今のバング帝国の王様のご先祖様なんだけど、いつも城から離れて街まで出て来たらしくってな、住民にも凄く人気があったらしい。長い間、戦乱もなくて平和に暮らしてたんだが、ある時、西の大陸から巨大な黒いドラゴンが飛んできて、たった一夜で国を焼き尽くしたらしい。その時、王様が自分の住む城にドラゴンを封印して空の彼方に追放したって話だったかな?」
多分魔法で城ごと吹き飛ばしたんだろう。
そんなデカイモノを吹き飛ばすなんて、どんだけだよ…。
「その城が今でも空を飛んでるって言うのか?」
「あぁ、その時の魔法の影響なんだろうけど、肉眼では見る事が出来なかったんだ。」
エリーがまるで『私にもできるぞ』と言いたそうにシエラの話しに頷いている。
「見えないって、本当にあるかどうかも怪しくないか?」
「いや、時々空から昔の遺物…食器だとかレンガだとかが落ちてくる事があってね。」
「危ねぇな。」
「うん、ただ落ちてくる場所ってのが今塔が建っている辺りが中心なんだけどな。だからあの上に城がまだ浮かんでるって話が語り継がれてるんだ。」
「私の家にも何度か落ちてきた事があったぞ。」
「よくそんな危なっかしい所に住んでたな。」
「気をつけてたら大丈夫だろ。」
エリーは目の前のお菓子にかぶりつきながら答えた。
「エリーがウチに立ち寄った頃に、ほら変な病気が流行ってたでしょ?」
「うん、それでその病気を治す薬が帝都に無いか探しに行ったんだ。」
「アレの原因が、どうもムートリア城から降ってきた何かが原因みたいでさ。帝都のヤツら慌ててイカサガンを封鎖して調査を始めたんだ。」
「そうだったんだ…私が死んだ後、そんな事になってたんだな。」
「うん、その病気ってさ、凄い熱が出た後に皮膚がだんだん黒くなっていって死んじゃう人も居たでしょ?」
「うん。」
「アレは、ドラゴンの呪いなんだって。1500年経って封印が解け始めてるのよきっと…。」
「で、あの塔は何に使うんだ?」
「少しでも塔に近づいて観測為に建てたらしいわよ。」
「真下から監視するって事か…でも見えないんじゃなかったっけ?」
「うん、だから封印が解け始めてるから肉眼でも時々見えるようになったんだと思うよ。」
そうか、そう言う事か…でも待てよ…西の大陸からドラゴンが来たって言ってたよな…それって…。
「なぁ、ドラゴンってその一匹だけなのか?」
「昔は沢山居たらしいけどな。ドラゴンの角、爪、鱗に骨なんかは武器や防具を作るのに使えるし、肉はもちろん食料になるし、捨てる所が無いくらいなんだ。だから乱獲されて絶滅したって聞いてたんだけど、西の大陸から来たドラゴンはその生き残りなんじゃ無いかってのが、物語でも語られている。」
「と言う事は、伝説は真実であって、バング帝国の王様はご先祖様が封印したドラゴンを再び封印しなおそうとしてるのか?」
「いや、今度は封印じゃなくて打ち取ってしまうつもりみたいだぞ。」
なんかここまで話を聞いて、まるでゲームやアニメの世界だよなと改めて思う。
俺は結局、異世界に転生し損ねた訳だけど、こうやって行き来できて、ファンタジー要素満点の冒険が出来るなんて思いもしなかった…って思うのはちょっと不謹慎だよな…やっぱり。
「なにをニヤニヤしてるんだ?」
エリーの声で我に返った。
「あ、ごめん…ところでそのドラゴンってさ、本当に倒せるのか?だって1500年前は倒せなかったから封印したんだろ?」
「まぁ倒せると思ってるからやってるんじゃ無いのか?」
「その前にどうやって、その浮遊城に行くんだよ?」
「実はな、ここ数年でかなり下降して来てるみたいなんだ。あと1~2年もすれば完全に地上に降りてしまうんじゃ無いかって言われてる。」
「そうなると、どうなるんだ?」
「多分、その頃には封印も完全に解けちゃってるだろうからドラゴンは怒って大暴れだろうな。」
「暴れて貰っては困るな、私の家が被害を受けるかもしれないじゃないか。」
「そもそもドラゴンってそんなに長生きなのか?って言うか1500年も飲まず食わずだったら流石に死んでるだろ?」
「まぁ伝説だけで、誰もその姿を見てないから降りて来たモノを確認しないと何も解らないんだけどな。」
シエラが言う通り、伝説をただ鵜呑みにしても仕方ないよな。
伝説は伝説だ、そのドラゴンが生きているかも、死んでいるかも実物を見まで誰にもわからない。
とりあえず、塔の事も帝都の連中の事も解ったし、今日の所は一旦帰るかな。
「エリー、一度帰ってミヨと対策を考えよう。」
「ちょっと待ってくれ、実はシエラに頼みたい事があるんだ。」
エリーはそう言うと、鞄の中からいくつかの魔法石と鉱石の類をテーブルに並べた。
「これを使ってサトル用に何か作ってもらえないか?」
シエラはテーブルに並べられたモノをひとつずつ手にとってじっくりと眺めてから口を開いた。
「一体どこからこんなモノを手に入れたんだ?どれも希少な魔法石や鉱物じゃないか。」
「地下の研究室に保管してあったんだ、実験に使うにはもったいないモノばかり残ってたからな、武器とか防具を作るのにもってこいだろ?」
「そうだが…これなんか小さいけどオリハルコンじゃないのか?それにコレはホワイトドラゴンの鱗だろ?凄いな。」
「それだけ有れば何か作れるだろ?」
「分かった、いくつか作れそうだから任せててくれ。」
「じゃぁまた来るよ。ゆっくりでいいから。」
「エリーちょっと待って、帰るってまさか向こうの世界にか?」
「そうだが?」
「サトルの話だと、向こうでの1日がこっちこ30日に相当するんだろ?だったらその分私はまた歳をとるって事だよな?」
「そうなるな。」
「やっぱりなんか納得いかないよなぉ…。そこで提案なんだけど、今度来るときこっちじゃ食べられないお菓子をいっぱい持ってきてくれ!それで手を打とう。」
「お菓子って…そんなので良いのか?」
「そうだなぁ、とびきり甘いお菓子を買ってきて貰えると嬉しいぞ。で、つきはいつ来るんだ?」
「今から帰っても、またすぐに来れないぞ、向こうの明日のこの時間だと、こっちじゃ一ヶ月後くらいになっちまうけど、いいか?」
「なに?1ヶ月後だと?そんなに掛かるのか?」
「仕方ないだろ?時間の流れが違うんだから。」
「まぁ仕方ないだろ…時間の問題があるからな…。既に7年以上の差がついてるしな。じゃまた会おう。」
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