【完】死神にウェディングドレスを

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教会の扉、そこで板東社長と向かい合う。
今年50代とは思えないくらいに美しい板東社長に。



2人で微笑み合いながら、私はカラフルなブーケを板東社長に差し出す。
それを、板東社長はスラッと白くて綺麗な腕を伸ばして受け取った。



「その傷痕・・・昔から何度も伝えたけど、化粧で隠せたけどね。」



「この傷痕は私が私を守る為に戦った証拠なので。
格好良いから大好きなんです。」



私が初めてこの傷痕のことについてそう返すと、板東社長は私を見詰めながら頷いた。



「ここで終わりではないからね。
ここからが始まりでもある。
気を抜かないようにね。」



仕事中、いつもそう言われていたことをこの場でも言われる。
でも、板東社長からのこの言葉は重い。
とても、重い。



そう思っていた時・・・



開けられていた扉から、1人の男性が・・・。



「・・・ｵｯ！やっぱり良い女だな～、桃子ちゃん！」



と・・・。



須崎社長が・・・。



須崎社長が、来た。



そして、真っ白なタキシード姿で、真っ白なウェディングドレスを着ている板東社長の隣に立った。



私達の後にここで挙式を挙げる2人が、並んだ。



でも、お互いに初めての結婚ではなくて・・・



「そんなことばっかり言ってるから、結婚生活失敗したんだろ！！
女好きの竜！！！」



光一が須崎社長にそんなことを言ってしまった。