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「何が、“桃、死のうとしてるかもしれない”だよ、あのつるっぱげジジイ。」 



光一がそんなことを言ったので、私は号泣しながらも顔を上げた。
そんな私を光一が見下ろしてくる。



「じいちゃんが言ってた、桃子が学校に行く前に。
“心が真っ黒になった”って。
確かに真っ暗な顔してたけどな、お前。」



そう、言われ・・・



そう言われて・・・



私は光一から目を逸らした・・・。



だって、確かに思っていたから・・・。



施設に入ってから、死んでしまおうと・・・。



だって、こんなのもう生きていても意味なんてない・・・。
これから幸せなんてない・・・。
守る家族もいない・・・。



大切な時間を守る為に笑い掛ける家族が、私にはもういない・・・。



そう思っていた時、光一の言葉が頭の上から降ってきた。



「バリバリ生きる気あるじゃねーか!!
自分を守ったんだろ、その腕で。」



光一が、そんなことを言ってきて・・・。



自分の腕を見下ろした・・・。



血塗れの腕を・・・。



血塗れすぎて、傷もよく分からないような腕を・・・。



それを見て・・・ 



それを、見て・・・



「痛い・・・。」



初めて、痛みに気付いた・・・。
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