【完】死神にウェディングドレスを

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光一が男の鬼にまた掴まり、それでも不思議とスルリとすり抜け・・・
女の鬼が振り上げた包丁をヒラリとかわしていく・・・。
狂ったように笑いながら・・・。



守ってくれているのだと分かる・・・。
大切な家族ではないけれど、少しだけでも家族だった私を、守ってくれているのだとは分かる・・・。



大切な家族を守る為なら、苦しくても笑っているのが“男”だそうだから・・・。



私の血で塗れていく光一を見ながら、私は両手で自分を抱き締めながらその光景を見ているしか出来ない。



一昨日の夜も一緒に寝てくれた光一を。
寝ていた光一に“寝てる？”と呼び掛け、いつものように“寝てる”と答えられ・・・。
光一のベッドに座り、“寂しい”と言った私を・・・。
面倒そうにしながらもベッドに入れてくれた光一を。



鬼から殺されそうになっている光一を、私は震えながら見ているしか出来てくて。



さっき男の鬼から無理矢理脱がされた服。
無理矢理触られた身体。



そんな時、すぐに帰って来た女の鬼。
“忘れ物”と言って、すぐに帰って来て・・・。
私達のことを見て、言葉の通り鬼の形相になった・・・。
そして、包丁を持ったかと思ったら私を殺そうとしてきた・・・。



グチャグチャに汚い部屋の中、私は逃げ回った。
私は戦いまくった・・・。
何をどうやったのかは分からないけど、とにかく夢中で戦いまくった・・・。



そしたら、来た・・・。



来た・・・。



信じられないことに、光一が来た・・・。



そして、私の姿を見てから笑った・・・。
何故か満足そうに笑って・・・。



それからは、狂ったように笑いながら戦いだした・・・。
5歳の小さな男の子が、鬼2人と・・・戦いだした・・・。