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そんなオチには小さく笑っていると、ノートパソコンの中の母ちゃんがお茶を飲んだ。
きっと中身はルイボスティーだろうお茶を飲んだ。
それから、また言葉を出した。
『“かぞく”が1番なのは私も分かる。』
そんな母ちゃんの言葉は、何故だかスッと俺の心に、精神に入ってくる。
『“彼氏”なんていう不安定な存在より、“かぞく”が1番強く繋がっていられると思うのは私も分かる。』
ノートパソコンの中の豊も頷く。
それと同じタイミングで俺も頷く。
『理子は“お兄ちゃん”と“妹”で結婚がしたいの。
“かぞく”は理子にとって特別だから。
彼氏なんかよりもずっと特別だから。』
母ちゃんの言葉に、俺は苦しくなってきた胸をおさえた。
入ったからだと思う。
母ちゃんの苦しみも、俺の胸に入ってきたからだと思う。
そしたら、ノートパソコンの中の豊が・・・
『それは、桃子さんにとっても・・・?』
こういう切り込みをする豊を、俺は初めて見た。
それには驚いていると・・・
リビングにセットしてある理子のカメラを少し確認した豊の目は、鋭く光っていた。
『“他の男”よりも、“かぞく”が1番?
特別に好き?』
力強い声で聞いた豊に、ノートパソコンからでも全員が驚いた様子になったのが分かる。
『豊・・・?』
真理姉が初めて声を発するくらい、驚いたらしい。
『桃子さんに“本当の家族”はいない。
1人もいない。
いるのは、血も繋がっていない、戸籍上も無関係“かぞく”だけ。』
『・・・そうだね。』
『桃子さんは逃げてるの?
りーちゃんが言う通り、恋愛するのを逃げてるの?』
豊のそんな切り込みに、母ちゃんは困ったように笑っていて・・・
『逃げるもなにも、私には“お母さん”の顔しかないからね。
この世界で生き延びるのに、“お母さん”の顔しかないから。
“お母さん”の顔を理子と光一が与えてくれたの。
“お母さん”の顔がなければ、私はどんな顔をして生きていけばいいのか分からない。』
『それは、“お母さん”以外の顔を貰えれば恋愛出来る可能性があるってことだよね?』
そう聞いた豊に、母ちゃんは困った顔で首を横に振った。
『私は恋愛なんてしないよ。
光一と桃子が幸せになるのを見守るのが“お母さん”の役目だから。』
『でも、桃子さんが恋愛をしないと得られない幸せもあるから。』
豊がリビングにセットしてあるカメラを手に持ったのが分かる。
そして・・・そのカメラを渡の方に向けた。
『お父さん、お母さん以外の人を好きにならないんだよね?』
そう聞いた豊に、渡は物凄く驚いた顔をしていて・・・。
目も口も大きく開けて、アホみたいな顔をしながら何度も頷いていた。
きっと中身はルイボスティーだろうお茶を飲んだ。
それから、また言葉を出した。
『“かぞく”が1番なのは私も分かる。』
そんな母ちゃんの言葉は、何故だかスッと俺の心に、精神に入ってくる。
『“彼氏”なんていう不安定な存在より、“かぞく”が1番強く繋がっていられると思うのは私も分かる。』
ノートパソコンの中の豊も頷く。
それと同じタイミングで俺も頷く。
『理子は“お兄ちゃん”と“妹”で結婚がしたいの。
“かぞく”は理子にとって特別だから。
彼氏なんかよりもずっと特別だから。』
母ちゃんの言葉に、俺は苦しくなってきた胸をおさえた。
入ったからだと思う。
母ちゃんの苦しみも、俺の胸に入ってきたからだと思う。
そしたら、ノートパソコンの中の豊が・・・
『それは、桃子さんにとっても・・・?』
こういう切り込みをする豊を、俺は初めて見た。
それには驚いていると・・・
リビングにセットしてある理子のカメラを少し確認した豊の目は、鋭く光っていた。
『“他の男”よりも、“かぞく”が1番?
特別に好き?』
力強い声で聞いた豊に、ノートパソコンからでも全員が驚いた様子になったのが分かる。
『豊・・・?』
真理姉が初めて声を発するくらい、驚いたらしい。
『桃子さんに“本当の家族”はいない。
1人もいない。
いるのは、血も繋がっていない、戸籍上も無関係“かぞく”だけ。』
『・・・そうだね。』
『桃子さんは逃げてるの?
りーちゃんが言う通り、恋愛するのを逃げてるの?』
豊のそんな切り込みに、母ちゃんは困ったように笑っていて・・・
『逃げるもなにも、私には“お母さん”の顔しかないからね。
この世界で生き延びるのに、“お母さん”の顔しかないから。
“お母さん”の顔を理子と光一が与えてくれたの。
“お母さん”の顔がなければ、私はどんな顔をして生きていけばいいのか分からない。』
『それは、“お母さん”以外の顔を貰えれば恋愛出来る可能性があるってことだよね?』
そう聞いた豊に、母ちゃんは困った顔で首を横に振った。
『私は恋愛なんてしないよ。
光一と桃子が幸せになるのを見守るのが“お母さん”の役目だから。』
『でも、桃子さんが恋愛をしないと得られない幸せもあるから。』
豊がリビングにセットしてあるカメラを手に持ったのが分かる。
そして・・・そのカメラを渡の方に向けた。
『お父さん、お母さん以外の人を好きにならないんだよね?』
そう聞いた豊に、渡は物凄く驚いた顔をしていて・・・。
目も口も大きく開けて、アホみたいな顔をしながら何度も頷いていた。
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