【完】死神にウェディングドレスを

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俺の叫びに豊がいつもよりも大きめに笑っている。



「いや、マジで無理。
この前なんて人事部の飲み会の後にホテル行ったけど、取っ組み合いのセックスして終わった。」



「・・・そういうのはしてるんだね。」



「マジで無理矢理！！
男として見て貰うにはそこしかねーと思うけど、全然無理。
あの人が昔から俺のことが好きなのって、男としてじゃなくて人としてじゃねーの？
俺が本当に妙子を持ってたとしても、俺は妙子とセックスなんて出来ねーもん。」



俺がそう言うと、豊は少し考えた様子になった。
そんな豊に俺は口を開く。



「頼む、分析して。
俺の頭ではこれが限界。
絶体絶命の俺を助けて欲しい。」



「うん・・・。」



「ありがと・・・。
天野さんも会社と家族の頭脳だけどな、豊だって加賀製薬の未来の頭脳だし、俺達きょうだいの頭脳だからな。」



俺が素直にそう言うと、豊はピクリと動いた。



「きょうだいの・・・。」



「理子にとっても真理姉にとっても、そして俺にとっても豊は頭脳だよ。
俺達きょうだいの頭脳。」



「うん、きょうだいの・・・。」



豊は何やら真剣な顔で考えた様子になり・・・



「ごめん、ちょっと待ってて・・・。」



そう言って、急に部屋から出ていった。