【完】死神にウェディングドレスを

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「最っ悪！！！！
なんなの！？お兄ちゃん、なんなの！？」



今日も豊の部屋で理子の怒鳴り声が響く。
それに俺は笑いながら口を開く。



「悪い悪い、真っ最中か！！」



「まだだよ！！！まだだったから！！！！
あと少しだったのに！！！
お兄ちゃんの部屋に来すぎじゃない！？
私とお兄ちゃんが婚約してから、お兄ちゃんの部屋に来すぎじゃない！？」



豊と理子は無事に婚約をした。
それから確かに俺は豊の部屋によく来ていて・・・。



「この部屋、やけに落ち着くからな！！
俺気にしねーから、続けてろよ。」



「はあ！！！？？
そんなの無理に決まってるでしょ！！！
バカ！！！？？」



豊の部屋の中で今日も理子の怒鳴り声が響く。



それでも・・・
不思議と落ち着く部屋で・・・。



10月に入り俺は忙しくなっていた・・・。
もう時間はあまり残されていないから・・・。
マツイ化粧品のコンサル・・・。
確かにすげー空手家ばかりで、難航していた・・・。



会社でも会社外でも、俺は時間が許す限り須崎社長と行動を共にしていた。
だから会社でしか母ちゃんを口説く時間もなく・・・。



そう思いながら、豊を見た。
怒りまくっている理子を無視して、豊を見た。



「宝田って知ってるか？
マツイ化粧品の社長の秘書をやってる男なんだけど。」



「「知ってる。」」



まさかの、豊だけではなく理子まで口を開いた。