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そんな軽い反応にも俺は驚くしかない。
敢えて驚きを隠すことなく聞いた。
「渡、桃子が他の男とセックスとかそういうことしても、何も言わねー感じなの?」
昨日“桃子”があんな感じで男といる姿を渡だって見たことがあるはずで。
それなのに、何も言ってこないのか・・・。
彼女である母ちゃんが処女ではなくなったのに、何でもない感じでいるような男なのか・・・。
このパターンは予想していなかった。
全然、全く、何も予想していなかった。
母ちゃんは浮気をしたのではなく、溜まりまくっていた息子である俺が穴だけ借りてしまい、渡からぶっ飛ばされる覚悟まで出来ていた。
二度と会えない覚悟まで出来ていた。
母ちゃんと、“桃子”と、一生会わない覚悟まで出来ていた。
ヨボヨボのババアになって死ぬ“その時”が来る“桃子”にも、会わない覚悟が出来ていた。
何としてでも、“桃子”にウェディングドレスを着せる為に・・・。
桃子からの言葉を待っていると、桃子は何でもない感じで笑った。
「別に言わないでしょ。
笑いながら“どうだった?”とか聞いてきそうだけどね。」
そんな母ちゃんの反応に、俺は笑いながら立ち上がった。
分かったから。
あいつがどんな男なのか、よく分かったから。
器が違うと、よく分かったから・・・。
渡とよく似た豊を思い浮かべる・・・。
理子が他の男と結婚するのを受け入れているかのような豊を・・・。
「もし妊娠してたら、その時はまたどうするか考えるか!!
とりあえず、渡がそんな感じなら渡には言うなよ!?」
立ち上がりそう言った俺に、母ちゃんは笑う。
「こんなこと言えるわけないでしょ。」
「だな!!俺が墓場まで、いや・・・地獄まで持っていく!!
母ちゃんは覚えてねーだろうし、何も気にすんな!!
何も気にしねーで、渡と結婚しろよ!!」
地獄まで持っていく・・・。
俺は、地獄まで持っていく・・・。
一生どころか、死んでも忘れたくないから・・・。
全然幸せなセックスではなかったけど・・・。
虚しいだけのセックスだったけど・・・。
好きな女と・・・
愛して愛して仕方ない女とした、最初で最後のセックスだから・・・。
俺は死んでも忘れない・・・。
驚いた顔をしている母ちゃんの顔を見ながら、最後に目に焼き付けた“桃子”の姿を思い浮かべる。
俺は、俺を殺す・・・。
何度だって、殺す・・・。
地獄に行きたい・・・。
早く、地獄に行きたい・・・。
そしたら、叫べるのに・・・。
きっと聞こえないから・・・。
天国までは、聞こえないから・・・。
そんなことを願いながら、俺は起き上がる・・・。
笑いながら、起き上がる・・・。
そして、口を開いた・・・。
笑いながら、口を開いた・・・。
「もしも渡から何か言われたら、俺からも話すから。
俺が絶対に渡と母ちゃんを結婚させてやるから。
だから、母ちゃんは何も気にすんな。
何も気にしねーで、渡から着せて貰ったウェディングドレス姿で幸せそうに笑ってろよ。」
そう言って、俺は笑いながら歩き出した。
扉へと、歩き出した。
「・・・光一!ちょっと待って・・・」
母ちゃんの声を背中に、俺は歩き続けた。
歩き続けた・・・。
歩き続けた・・・。
歩き続けた・・・。
敢えて驚きを隠すことなく聞いた。
「渡、桃子が他の男とセックスとかそういうことしても、何も言わねー感じなの?」
昨日“桃子”があんな感じで男といる姿を渡だって見たことがあるはずで。
それなのに、何も言ってこないのか・・・。
彼女である母ちゃんが処女ではなくなったのに、何でもない感じでいるような男なのか・・・。
このパターンは予想していなかった。
全然、全く、何も予想していなかった。
母ちゃんは浮気をしたのではなく、溜まりまくっていた息子である俺が穴だけ借りてしまい、渡からぶっ飛ばされる覚悟まで出来ていた。
二度と会えない覚悟まで出来ていた。
母ちゃんと、“桃子”と、一生会わない覚悟まで出来ていた。
ヨボヨボのババアになって死ぬ“その時”が来る“桃子”にも、会わない覚悟が出来ていた。
何としてでも、“桃子”にウェディングドレスを着せる為に・・・。
桃子からの言葉を待っていると、桃子は何でもない感じで笑った。
「別に言わないでしょ。
笑いながら“どうだった?”とか聞いてきそうだけどね。」
そんな母ちゃんの反応に、俺は笑いながら立ち上がった。
分かったから。
あいつがどんな男なのか、よく分かったから。
器が違うと、よく分かったから・・・。
渡とよく似た豊を思い浮かべる・・・。
理子が他の男と結婚するのを受け入れているかのような豊を・・・。
「もし妊娠してたら、その時はまたどうするか考えるか!!
とりあえず、渡がそんな感じなら渡には言うなよ!?」
立ち上がりそう言った俺に、母ちゃんは笑う。
「こんなこと言えるわけないでしょ。」
「だな!!俺が墓場まで、いや・・・地獄まで持っていく!!
母ちゃんは覚えてねーだろうし、何も気にすんな!!
何も気にしねーで、渡と結婚しろよ!!」
地獄まで持っていく・・・。
俺は、地獄まで持っていく・・・。
一生どころか、死んでも忘れたくないから・・・。
全然幸せなセックスではなかったけど・・・。
虚しいだけのセックスだったけど・・・。
好きな女と・・・
愛して愛して仕方ない女とした、最初で最後のセックスだから・・・。
俺は死んでも忘れない・・・。
驚いた顔をしている母ちゃんの顔を見ながら、最後に目に焼き付けた“桃子”の姿を思い浮かべる。
俺は、俺を殺す・・・。
何度だって、殺す・・・。
地獄に行きたい・・・。
早く、地獄に行きたい・・・。
そしたら、叫べるのに・・・。
きっと聞こえないから・・・。
天国までは、聞こえないから・・・。
そんなことを願いながら、俺は起き上がる・・・。
笑いながら、起き上がる・・・。
そして、口を開いた・・・。
笑いながら、口を開いた・・・。
「もしも渡から何か言われたら、俺からも話すから。
俺が絶対に渡と母ちゃんを結婚させてやるから。
だから、母ちゃんは何も気にすんな。
何も気にしねーで、渡から着せて貰ったウェディングドレス姿で幸せそうに笑ってろよ。」
そう言って、俺は笑いながら歩き出した。
扉へと、歩き出した。
「・・・光一!ちょっと待って・・・」
母ちゃんの声を背中に、俺は歩き続けた。
歩き続けた・・・。
歩き続けた・・・。
歩き続けた・・・。
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