【完】死神にウェディングドレスを

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「真理みたいな子、好きなんだ？」



帰り道、桃子からそう聞かれ俺は少し考えて・・・



「桃子、金持ってる？
牛丼食ってから帰りたい。」



途中にある駅前の牛丼屋の前で桃子にそう聞くと、桃子は笑った。



「豊も凄い食べる子だったね。
あれだと量足りなかったか～。」



桃子がそう言いながら、財布の中身を確認している。



「理子は太るから食べな～い。
太ったら可愛くないし。」



「太ってなくても可愛くないだろ。」



理子にまた腕を噛みつかれて騒ぎまくっていると、桃子が泣きそうな顔で俺のことを見下ろしてきた。



「牛丼買ってくるから待ってて？」



「何泣きそうな顔してるんだよ、泣き虫桃子。」



「泣き虫桃子～！！」



さっきまでは“お母さんごっこ”をしていた5歳の理子が、俺の真似を始める。



桃子は涙を流しながら俺と理子のことを見下ろしてきて、ま～た面倒臭いことを言い出すと分かる。



「光一も理子も、真理みたいな子が好きなのかなって思って・・・。
私・・・こんなんだし・・・。
中学3年になっても、こんなんだし・・・。」



「そう思ってるなら強くなれよ、面倒臭いババアだな。無駄に年上。」



「桃子は理子より泣き虫。
真理ちゃんはか弱そうなのに桃子より強いのは何となく分かるもん。
ギャップっていうの～？
そういうの、気になるよね。」



理子が生意気なことを言うけど、この生意気な話には俺も頷く。



「強くなれよ、桃子。
俺と理子と一応きょうだいなのに、そんなナヨナヨしてたら許さねーぞ。」



「どうやって強くなるんだろう・・・。
私、どうやったら強くなれるんだろう・・・。」



「死神だから強いだろ、自信持てよ。」



俺がそう言うと、泣いていた桃子が顔を上げた。



「悪ガキ・・・。」



「うるせぇよ、ババア。」



「牛丼買わない。」



「すみませんでした！！！」



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