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その日の夜
今日はなかなか部屋に戻ってこなかったステル殿下が夜も遅くなってから静かに入ってきた。
「お帰り。遅かったね?」
「ああ。」
“ああ”とだけ答えたステル殿下が静かにベッドの中に入ってきた。
てっきりすぐに私に触れてくるのかと思ったら、私に大きな背中を向けてしまって。
「今晩は性行為しなくていいの?」
「ああ。」
「そっか、お休み。」
最後に枕元にあるナイフを確認してから目を閉じた。
そしたら・・・
「子作り以外ではもうしないから安心しろ。」
そんなことを小さな声で言ってきた。
昨晩まであんなにしてきたステル殿下がそんなことを言い出したのは少し心配だし、何よりも・・・
私に大きな背中を向けて寝ているステル殿下の姿には思わず笑ってしまった。
「どうしたの?」
笑いながら聞いた私にステル殿下は何も答えない。
それにも自然と笑いながら両手をステル殿下の身体にソッと伸ばして・・・
「・・・・っ・・・!!!」
思いっきりくすぐった。
「・・・まっ・・・やめ・・・っ!!」
ステル殿下は私の両手から逃れようとするけれど私は逃がさない。
聖女になり身体能力が向上しているそうなのでこんなに大きくて強いはずのステル殿下でも逃がさないことが出来る。
「・・・・・っ、わかっ・・・たから・・・っ!!」
「ねぇねぇ、どうしたの~?」
「はなす・・・っはなすから・・・っ!!」
「なになに?どうしたの~?」
「やめ・・・っ、いったん、やめ・・・っ」
ベッドがフカフカ過ぎるからか身動きが上手く取れていないステル殿下を、大笑いしながら両手で追い込んでいく。
大笑いしながら追い込み、追い込み、追い込んで・・・
「負けました・・・っ!!
俺の負けです・・・!!!」
必死な顔と必死な声でステル殿下が叫び、それをステル殿下の大きな身体が仰向けになった上に跨がりながら聞いた。
「私の勝ち!!」
「全く抜け出せなかった・・・。
俺よりも強いのか・・・?」
「ケロルドよりは遥かに強かったよ!!」
「俺だってケロルドより遥かに強い。」
「明日訓練に一緒に参加しようかな。」
「訓練に集中出来なくなるからダメだ。」
「誰が?」
「俺が。」
それにも大笑いしながら、ステル殿下の脇から両手をゆっくりと抜いた。
その手をステル殿下の固いお腹の上につきながら、跨がったままステル殿下を見下ろす。
「それで、どうしたの?」
私が聞くとステル殿下はサッと私から目を逸らし、悲しそうな顔で口を開いた。
「カルティーヌは俺と結婚なんてしたくなかったと聞いたから。」
今日はなかなか部屋に戻ってこなかったステル殿下が夜も遅くなってから静かに入ってきた。
「お帰り。遅かったね?」
「ああ。」
“ああ”とだけ答えたステル殿下が静かにベッドの中に入ってきた。
てっきりすぐに私に触れてくるのかと思ったら、私に大きな背中を向けてしまって。
「今晩は性行為しなくていいの?」
「ああ。」
「そっか、お休み。」
最後に枕元にあるナイフを確認してから目を閉じた。
そしたら・・・
「子作り以外ではもうしないから安心しろ。」
そんなことを小さな声で言ってきた。
昨晩まであんなにしてきたステル殿下がそんなことを言い出したのは少し心配だし、何よりも・・・
私に大きな背中を向けて寝ているステル殿下の姿には思わず笑ってしまった。
「どうしたの?」
笑いながら聞いた私にステル殿下は何も答えない。
それにも自然と笑いながら両手をステル殿下の身体にソッと伸ばして・・・
「・・・・っ・・・!!!」
思いっきりくすぐった。
「・・・まっ・・・やめ・・・っ!!」
ステル殿下は私の両手から逃れようとするけれど私は逃がさない。
聖女になり身体能力が向上しているそうなのでこんなに大きくて強いはずのステル殿下でも逃がさないことが出来る。
「・・・・・っ、わかっ・・・たから・・・っ!!」
「ねぇねぇ、どうしたの~?」
「はなす・・・っはなすから・・・っ!!」
「なになに?どうしたの~?」
「やめ・・・っ、いったん、やめ・・・っ」
ベッドがフカフカ過ぎるからか身動きが上手く取れていないステル殿下を、大笑いしながら両手で追い込んでいく。
大笑いしながら追い込み、追い込み、追い込んで・・・
「負けました・・・っ!!
俺の負けです・・・!!!」
必死な顔と必死な声でステル殿下が叫び、それをステル殿下の大きな身体が仰向けになった上に跨がりながら聞いた。
「私の勝ち!!」
「全く抜け出せなかった・・・。
俺よりも強いのか・・・?」
「ケロルドよりは遥かに強かったよ!!」
「俺だってケロルドより遥かに強い。」
「明日訓練に一緒に参加しようかな。」
「訓練に集中出来なくなるからダメだ。」
「誰が?」
「俺が。」
それにも大笑いしながら、ステル殿下の脇から両手をゆっくりと抜いた。
その手をステル殿下の固いお腹の上につきながら、跨がったままステル殿下を見下ろす。
「それで、どうしたの?」
私が聞くとステル殿下はサッと私から目を逸らし、悲しそうな顔で口を開いた。
「カルティーヌは俺と結婚なんてしたくなかったと聞いたから。」
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