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物凄く驚いているナンフリーク殿下に視線を移しながら言う。
「インソルドではたまに罪から逃げてきた者が流れてくることがある。
その時は迷香薬を嗅がせてインソルドで見ている姿を本人の都合の良いモノに変え、その後にアデルの砦から適所に送り返して貰っている。
インソルドでは人間用の迷香薬があったから私も匂いは知ってる。」
毎夜貴族の女達と戯れている噂があるナンフリーク殿下。
困った顔で笑っているナンフリーク殿下に出来るだけ優しく笑い掛ける。
「あんまり嗅がせると効果が切れた後も脳に麻痺が残るって聞いたよ?
乳首が見えるくらいに胸を出して、相当頭が麻痺しちゃってるかも。」
大きな胸を指差しながら指摘をすると、ナンフリーク殿下はまた吹き出した。
「まだ2度しか嗅がせていないし、この胸の露出は最初からで・・・っ」
「え!!?胸が大きすぎて合うドレスがないんだ!!?可哀想に。」
「アナタ・・・!!
公爵家の私のことを無視してさっきから何の話をしているの!!?
可哀想な過去を持つ姿とは対照的に、黒髪も美しく見えるほど美しい姿のステル殿下と結婚出来たのはアナタが聖女になれたからよ!!?
そうじゃなければアナタみたいな女がステル殿下と結婚なんて出来なかったに決まってる!!!」
「うん、そうだよ?」
即答すると大きな胸が黙った。
大きな胸を見詰め続けながら口をもう1度開く。
「この国の安泰の為に私はここに来た。
苦しむ民が少しでも減るように。
安心して冬を越せる民が少しでも増えるように。
第2騎士団の団長、第3皇太子であるステル殿下と結婚するということは最初から分かっていた。
ステル殿下だって私と結婚するのは嫌だっただろうけど、私だってステル殿下と結婚なんてしたくなかった。」
細く小さく白くなった両手を強く握り締めながらナンフリーク殿下を見た。
「それでも私がここに来たのは全ては民の為。
ステル殿下に愛される為でも私がステル殿下を愛す為でも2人で愛し合う為でもない。
サンクリア王国に生きる全ての民の為、この胸にヒヒンソウの刻印を持って私はここに来た。」
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「インソルドではたまに罪から逃げてきた者が流れてくることがある。
その時は迷香薬を嗅がせてインソルドで見ている姿を本人の都合の良いモノに変え、その後にアデルの砦から適所に送り返して貰っている。
インソルドでは人間用の迷香薬があったから私も匂いは知ってる。」
毎夜貴族の女達と戯れている噂があるナンフリーク殿下。
困った顔で笑っているナンフリーク殿下に出来るだけ優しく笑い掛ける。
「あんまり嗅がせると効果が切れた後も脳に麻痺が残るって聞いたよ?
乳首が見えるくらいに胸を出して、相当頭が麻痺しちゃってるかも。」
大きな胸を指差しながら指摘をすると、ナンフリーク殿下はまた吹き出した。
「まだ2度しか嗅がせていないし、この胸の露出は最初からで・・・っ」
「え!!?胸が大きすぎて合うドレスがないんだ!!?可哀想に。」
「アナタ・・・!!
公爵家の私のことを無視してさっきから何の話をしているの!!?
可哀想な過去を持つ姿とは対照的に、黒髪も美しく見えるほど美しい姿のステル殿下と結婚出来たのはアナタが聖女になれたからよ!!?
そうじゃなければアナタみたいな女がステル殿下と結婚なんて出来なかったに決まってる!!!」
「うん、そうだよ?」
即答すると大きな胸が黙った。
大きな胸を見詰め続けながら口をもう1度開く。
「この国の安泰の為に私はここに来た。
苦しむ民が少しでも減るように。
安心して冬を越せる民が少しでも増えるように。
第2騎士団の団長、第3皇太子であるステル殿下と結婚するということは最初から分かっていた。
ステル殿下だって私と結婚するのは嫌だっただろうけど、私だってステル殿下と結婚なんてしたくなかった。」
細く小さく白くなった両手を強く握り締めながらナンフリーク殿下を見た。
「それでも私がここに来たのは全ては民の為。
ステル殿下に愛される為でも私がステル殿下を愛す為でも2人で愛し合う為でもない。
サンクリア王国に生きる全ての民の為、この胸にヒヒンソウの刻印を持って私はここに来た。」
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