【完】可哀想な皇太子殿下と没落ヒヒンソウ聖女は血の刻印で結ばれる

Bu-cha

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国王になる為には2つの方法ある。
現国王が次の国王を明言すること。
しかし、現国王が明言する前に何かしらの原因で死亡した場合、その遺体をカンザル教会の教皇が確認し、国王陛下の子どもの中から1人が教皇によって選ばれる。
教皇によって“王の器”を確認された者として、次の国王になる。



俺の血が流れているが、2人の皇太子はクラストの子どもとして考えて間違いない。
これまでの歴史の中で似たようなことがあったが、その時は兄殿下の血が流れている子どもが教皇に選ばれたこともあった。



だが、俺の2人の息子には“王の器”はない。



だから、あと1人・・・。



“このガキ”は本当にクラストの息子なのか・・・。



顔は俺の父にソックリで・・・。



王族の薄い血が入っているだけの者も勿論多く存在する。
その中の男との子どもであってもこんなことは起きる可能性はゼロではない。



だが、もしも本当にクラストの子どもなのだとしたら・・・。
クラストがあの冴えない侍女にだけは下半身が使えたのだとしたら・・・。



“このガキ”は使える・・・。



少なくとも俺の息子2人よりは“王の器”がある・・・。



それは分かる・・・。



それは分かってしまう・・・。



俺も王族だからか、それがこんなにも分かってしまう・・・。



“あの子は王になる・・・きっと、王になる・・・。
私には見えた・・・あの子を産んだ瞬間・・・あの子が王になった所が見えた・・・。
金にも銀にも見える髪の色をした、華奢で真っ赤なドレスを着た女の子と2人で並び、王座に座るでもなく立っている姿が見えた・・・。”



こんな時にエリナエルのイカれた言葉まで思い出してしまい、それには心の中でエリナエルを嘲笑った。



その時、部屋の扉が開き・・・



魔獣が来た・・・。



“俺の魔獣”が来た・・・。
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