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1年後



「ミランダ、旦那は遠征中だろ?
俺でよければ少しだけ相手をするよ。
新婚なのに可哀想に。
指だけでもさ。」



結婚しても尚美しく光り輝いているミランダに初めてそう声を掛けた。
ミランダは洗濯中の手を止め俺のことを見て、輝く笑顔で笑い掛ける。



「平民出身の侍女がジルゴバート殿下のお手を汚すわけにはいきませんよ。」



「手だけでは済まないぞ?
マルチネス妃は俺の身体にまで浴びせるほど吹き出しているからな。
今はマルチネスの出産前で俺の手も空いている。」



「マルチネス妃の・・・ですか・・・?」



「ここだけの話、マルチネス妃が身籠っているのは俺との子どもだ。
クラスト陛下は不能なんだよ。」



「クラスト陛下が不能・・・?
そんなはずは・・・。」



物凄く驚いている顔も可愛いミランダ。
そんなミランダに更に近付き、腰に手を回した。



「側近達だけではなく、もう少し下の連中も知っているくらいの事実だから言いふらしても構わない。
マルチネス妃が人目を気にせず俺の身体を求める姿を目撃されているからな。
1度すると夢中になるくらい俺は良いらしい。」



驚いているミランダの腰に回した手をゆっくりと下に下げていく。
そして、あと少しで尻にまで触れそうになった時・・・



「・・・いたっ!!!」



ミランダが大きな声を上げた。



そして本当に痛そうな顔で俺のことを見上げてくる。



「ここだけの話、数日前からお尻に大きな出来物が出来てしまって。
恥ずかしいので誰にも言わないでいただけますか?
主人が遠征に行った後なので主人も知らないくらいで。」



ミランダの言葉には物凄く興奮し、両手で尻を強く撫でまくり、熱が集まっている下半身をエミリアの身体に押し付けていく。



「俺にだけ見せてご覧、ミランダ・・・。
俺が薬を塗ってあげるから・・・。」



そう耳元で囁くと・・・



「いっったぁ~~~い!!!
痛いですってジルゴバート殿下~!!!
痛い・・・っ痛い~!!!!
全然気持ち良くないやつじゃないですか、も~!!!!」



本気で怒った顔で俺のことを見上げてきて、そんな顔も可愛いミランダにもっと下半身を押し付けようとした時・・・



「ミランダ、どうしたの~?
・・・あ!ジルゴバート殿下・・・?」



冴えない女が向こう側から来て、ミランダがスッと俺の元から去ってしまった。



「聞いて、エリナエル~!!
ジルゴバート殿下ったら酷いの~!!
痛いことしてくるの~!!」



「痛いこと?どうしたの?」



冴えない女が心配そうな顔でミランダに聞くと、ミランダはその女の背中を押しながら歩き出した。



それからイタズラっ子のような顔で俺の方を振り向いてきて・・・



口元に人差し指を立て、可愛すぎる笑顔で笑い掛けてきた。



その笑顔に俺も笑い返しながら自分の口元に人差し指を持ってきた。
こんな動作をしたのは生まれて初めてだった。



この下半身の熱は行き場所を失ったのに、何故だか心も身体も温かくなったような感覚になった。
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