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そう聞かれ・・・



ステル殿下にそう聞かれて・・・。



「その話、知っていたんですか・・・?」



「カルティーヌがこっちに来てからしばらくしてからミランダから聞いたからな。
インソルドを発つ前夜に2人だけで結婚式を挙げた相手がいたと。
その相手と心だけは結ばれることが出来たから可哀想な女ではないと、カルティーヌがそう言っていたと。」



「そうですね・・・私は可哀想な女ではありません・・・。
ちゃんと受け取りましたから・・・。
男が女に求婚する時に渡す花を、私はちゃんとこの両手で受け取ってきました・・・。」



「花か・・・そうだ、忘れていた・・・。
俺はカルティーヌに何も渡していなかったな・・・。」



そう言われてしまい、私は小さく笑った。



「そうですね、ステル殿下からは求婚されませんでしたから・・・。
花なんていりませんよ、私達は戦友なんですから・・・。」



私が答えるとステル殿下は無言になり、その目に怒りの感情を更に込めた。
そんな目のまま腰をゆっくりと引き、私の腰に腰を激しく打ち付け始めた。



「誰と結婚してきた・・・?
正式な結婚式ではないにしても、誰と結ばれてきた・・・?」



その質問には答えず、私は両手でこの胸の真ん中をおさえた。



“死の森”に咲くヒヒンソウの花を渡し、私に求婚してくれた男のことを思い浮かべながら・・・。



泣きながらも力強い目をして・・・



強く強く強く、どこまでも強い目をして・・・



私に求婚してくれた男、血の繋がらない弟であるソソのことを思い浮かべながら・・・。



インソルドに置いてきたソソのことを思い浮かべながら・・・



「俺を見ろ、カルティーヌ・・・っ。
今だけでも、俺のことを見ていろ・・・っ」



ステル殿下との快楽に溺れた・・・。
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