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常連のオジサンのそんな発言に羽鳥さんは顔色1つ変えず、スープをゆっくりとまた一口飲んだ。
それから俺のことをゆっくりと見上げ、普通の顔で笑いながら口を開いた。
「バレンタインのチョコ、準備してないや。」
それに返事をしたのは俺ではなく常連のオジサン。
「なんだよ、“ハンカチさん”。
“ハンカチさん”からチョコを貰えるの、幸治楽しみにしてたんだぞ?」
「いや、そんな嘘言うのやめろよ。
いつ俺がそんなことを言ってたんだよ?」
思わずタメ語になりながら口を挟むと、羽鳥さんがクスクスと静かに笑った。
「私から貰っても嬉しくないよね?」
そう聞かれ・・・
「貰えるなら嬉しいっすよ。
でも・・・」
そう素直に答えた後、羽鳥さんのことを見ることなく続けた。
「ホワイトデーのお返しに百貨店のお菓子とか買うお金が俺にはないので、やっぱりいらないっすね。
チョコよりも醤油ラーメン1杯でも食べに来てくれた方が俺は嬉しいですよ。」
俺の言葉に反応したのは羽鳥さんではなく、また常連のオジサン。
「他の女の子達にはその場でお返ししてたじゃねーか!!
“ハンカチさん”にもあのお返しでいいだろ!!
女の子達もみんな喜んでただろ?」
「俺のことをバカにして喜んでましたよね。
俺、百貨店のホワイトデーコーナーの物をお返しに渡すことなんて出来ない男なので。」
「幸治、お前ひねくれてるな~。
“ハンカチさん”、百貨店のホワイトデーコーナーの物じゃなくてもお返し大丈夫ですよね!?」
「そうですね、気持ちだけでも貰えれば嬉しいと思いますよ。」
羽鳥さんが何でもない顔でそう言って、またスープを一口飲んだ。
そんな羽鳥さんを見下ろしながら小さく聞いた。
「気持ちってどうやったら貰えるんですか?」
カウンターの向こう側から俺のことをゆっくりと見上げてきた羽鳥さんに聞く。
「俺、チョコなんて好きじゃないのでいらないので。
気持ちだけでも貰いたいんですけど、どうやったら気持ちだけでも貰えるんですか?」
カウンターのこちら側からそう聞いた。
真剣な顔で俺のことを見上げている羽鳥さんに。
俺の質問に答えたのは羽鳥さんではなくまたもや常連のオジサン。
「俺が知る限り“ハンカチさん”の気持ちならとっくに受け取ってるだろ。
週末はいつもその席で幸治と長いこと向き合って、幸治と色んな話をして。」
常連のオジサンがそう言うと、羽鳥さんは普通に笑いながら頷いた。
「そうですね、私の色んな気持ちを幸治君にぶつけちゃってますからね。」
羽鳥さんのその発言には常連のオジサンが爆笑しながら羽鳥さんのことを指差し笑っていて。
「このお嬢様、どこのお嬢様なんだよ?
どこでこんなにお嬢様すぎるお嬢様を引っかけてきたんだよ?
毎週末のようにお前に会いにくるくらいお前のことが大好きなお嬢様!!」
「私は三大財閥のうちの1つの財閥、その分家の女です。
たまたま私がこのお店に入っただけで、幸治君に引っかけられたとかそういうのではありません。
それに私が幸治君のことが大好きとか、そういうのはないので。
私が幸治君とかナイですから。
私が大好きなのは“中華料理屋 安部”です。」
「とんでもなく世間知らずのお嬢様だな、こりゃあ・・・。」
「・・・今、色々と勉強中ですので。」
「勉強しろ!勉強!!
男と女のことも勉強しろ!!
それで幸治のことも貰ってやれよ!!」
常連のオジサンが爆笑しながらカウンターに650円丁度を置き、爆笑し続けたまま「若いっていいな!!!」と店の外に出て行った。
それから俺のことをゆっくりと見上げ、普通の顔で笑いながら口を開いた。
「バレンタインのチョコ、準備してないや。」
それに返事をしたのは俺ではなく常連のオジサン。
「なんだよ、“ハンカチさん”。
“ハンカチさん”からチョコを貰えるの、幸治楽しみにしてたんだぞ?」
「いや、そんな嘘言うのやめろよ。
いつ俺がそんなことを言ってたんだよ?」
思わずタメ語になりながら口を挟むと、羽鳥さんがクスクスと静かに笑った。
「私から貰っても嬉しくないよね?」
そう聞かれ・・・
「貰えるなら嬉しいっすよ。
でも・・・」
そう素直に答えた後、羽鳥さんのことを見ることなく続けた。
「ホワイトデーのお返しに百貨店のお菓子とか買うお金が俺にはないので、やっぱりいらないっすね。
チョコよりも醤油ラーメン1杯でも食べに来てくれた方が俺は嬉しいですよ。」
俺の言葉に反応したのは羽鳥さんではなく、また常連のオジサン。
「他の女の子達にはその場でお返ししてたじゃねーか!!
“ハンカチさん”にもあのお返しでいいだろ!!
女の子達もみんな喜んでただろ?」
「俺のことをバカにして喜んでましたよね。
俺、百貨店のホワイトデーコーナーの物をお返しに渡すことなんて出来ない男なので。」
「幸治、お前ひねくれてるな~。
“ハンカチさん”、百貨店のホワイトデーコーナーの物じゃなくてもお返し大丈夫ですよね!?」
「そうですね、気持ちだけでも貰えれば嬉しいと思いますよ。」
羽鳥さんが何でもない顔でそう言って、またスープを一口飲んだ。
そんな羽鳥さんを見下ろしながら小さく聞いた。
「気持ちってどうやったら貰えるんですか?」
カウンターの向こう側から俺のことをゆっくりと見上げてきた羽鳥さんに聞く。
「俺、チョコなんて好きじゃないのでいらないので。
気持ちだけでも貰いたいんですけど、どうやったら気持ちだけでも貰えるんですか?」
カウンターのこちら側からそう聞いた。
真剣な顔で俺のことを見上げている羽鳥さんに。
俺の質問に答えたのは羽鳥さんではなくまたもや常連のオジサン。
「俺が知る限り“ハンカチさん”の気持ちならとっくに受け取ってるだろ。
週末はいつもその席で幸治と長いこと向き合って、幸治と色んな話をして。」
常連のオジサンがそう言うと、羽鳥さんは普通に笑いながら頷いた。
「そうですね、私の色んな気持ちを幸治君にぶつけちゃってますからね。」
羽鳥さんのその発言には常連のオジサンが爆笑しながら羽鳥さんのことを指差し笑っていて。
「このお嬢様、どこのお嬢様なんだよ?
どこでこんなにお嬢様すぎるお嬢様を引っかけてきたんだよ?
毎週末のようにお前に会いにくるくらいお前のことが大好きなお嬢様!!」
「私は三大財閥のうちの1つの財閥、その分家の女です。
たまたま私がこのお店に入っただけで、幸治君に引っかけられたとかそういうのではありません。
それに私が幸治君のことが大好きとか、そういうのはないので。
私が幸治君とかナイですから。
私が大好きなのは“中華料理屋 安部”です。」
「とんでもなく世間知らずのお嬢様だな、こりゃあ・・・。」
「・・・今、色々と勉強中ですので。」
「勉強しろ!勉強!!
男と女のことも勉強しろ!!
それで幸治のことも貰ってやれよ!!」
常連のオジサンが爆笑しながらカウンターに650円丁度を置き、爆笑し続けたまま「若いっていいな!!!」と店の外に出て行った。
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