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驚いた顔をしているみんなの前で空いている片手で下腹部に触れた。
「ずっと好きだった7歳も8歳も年下の男の子との赤ちゃんを妊娠しちゃった・・・!!
結婚もしてないのに妊娠しちゃったの!!」
自然とこの目から涙が流れてきて、震えてきた手で唯斗君の腕を強く握った。
でも、やっぱり大きな大きな声を上げた。
「お願い・・・・っっ助けて・・・・!!!」
“みんな”と同じ言葉を私も吐き出した。
“いけないコト”をしてしまった分家の“みんな”はよくそう言い合って、お互いにお互いを助け合って生きてきた。
“綺麗で正しく”生きてきた私も当たり前のように“みんな”のことを助けることもあった。
増田社長も譲社長も元気君も、永家財閥だって知らない。
私達分家の人間がどんな思いを抱きながら生きてきたか。
私達分家の人間がどれ程苦しみながら生きてきたか。
私達分家の人間を突き動かす物は何なのか。
「みんな、私の“いけないコト”に付き合って・・・?
“Koseki”で一緒に働いて財閥1の会社を作るの、付き合って・・・?」
大きな大きな声で吐き出す。
「妊婦の私1人じゃ出来ない・・・!!
お願い、助けて・・・・っっ!!!」
私の吐き出した言葉に店内はシ──────────ン...となっていて、誰も動かない。
誰も何も言わない。
でも、“怖い”と思う前に唯乃がゆっくりと立ち上がった。
“増田”の名字を持つ唯乃の“家”。
小関の“家”なんかよりも1番本家に近い血を持っている唯乃が。
私の目の前まで歩いてきて・・・
そして、力強く笑った。
「分家の人間であるうちらで、財閥のトップの会社を作るっていう“いけないコト”、みんなでしようか。」
唯乃に泣きながら頷くと、唯乃の向こう側に見えたみんなも楽しそうな顔で、でも力強い顔で頷いてくれた。
ここにいるみんなは増田財閥の分家の人間達。
私達には私達同士でしか理解し合えないことがあまりにも多くある。
私達は生粋のお嬢様とお坊っちゃまで・・・。
本物のお嬢様とお坊っちゃまで・・・。
生まれた瞬間からしてはいけない“いけないコト”を沢山押し付けられて生きてきた。
だから私は・・・
私達は・・・
「これけらやる“いけないコト”に、かんぱーーーーーい!!!!」
唯斗君の声にみんながウワッ────────...と盛り上がった。
私達は昔も今もこれからも、“いけないコト”がしたいお嬢様とお坊っちゃま達だから。
「でもあのやっっすい服でしょ~・・・!?」
みんなを代表したような唯乃の嘆きについては、唯斗君に任せようと思う。
「え、一美ちゃん俺に丸投げ!?
それはナイっしょ!!!」
久しぶりに会ったみんなはやっぱり私の親戚で。
「今何ヵ月?」
「髪色良いじゃん!」
「てか、久しぶりに会ったけどやっぱり若いね!」
「7歳も8歳も年下の男の子とか、めっちゃ“いけないコト”しちゃったね~。」
「ぜっっっったいに“いけないコト”をしなかったあの一美ちゃんが・・・!!!
俺の一美ちゃんが・・・・!!!」
「はいはい、うちの男達の初恋の相手はだいたいみんな一美だからね。」
「あ・・・っそれ幸治君には秘密ね?」
「幸治・・・・っっっどんな奴だよ・・・・!!!!」
こんなにお洒落なお店の中で、お嬢様やお坊っちゃまとは思えないような声や笑い声が響き続けた。
長い時間、響き続けた。
「ずっと好きだった7歳も8歳も年下の男の子との赤ちゃんを妊娠しちゃった・・・!!
結婚もしてないのに妊娠しちゃったの!!」
自然とこの目から涙が流れてきて、震えてきた手で唯斗君の腕を強く握った。
でも、やっぱり大きな大きな声を上げた。
「お願い・・・・っっ助けて・・・・!!!」
“みんな”と同じ言葉を私も吐き出した。
“いけないコト”をしてしまった分家の“みんな”はよくそう言い合って、お互いにお互いを助け合って生きてきた。
“綺麗で正しく”生きてきた私も当たり前のように“みんな”のことを助けることもあった。
増田社長も譲社長も元気君も、永家財閥だって知らない。
私達分家の人間がどんな思いを抱きながら生きてきたか。
私達分家の人間がどれ程苦しみながら生きてきたか。
私達分家の人間を突き動かす物は何なのか。
「みんな、私の“いけないコト”に付き合って・・・?
“Koseki”で一緒に働いて財閥1の会社を作るの、付き合って・・・?」
大きな大きな声で吐き出す。
「妊婦の私1人じゃ出来ない・・・!!
お願い、助けて・・・・っっ!!!」
私の吐き出した言葉に店内はシ──────────ン...となっていて、誰も動かない。
誰も何も言わない。
でも、“怖い”と思う前に唯乃がゆっくりと立ち上がった。
“増田”の名字を持つ唯乃の“家”。
小関の“家”なんかよりも1番本家に近い血を持っている唯乃が。
私の目の前まで歩いてきて・・・
そして、力強く笑った。
「分家の人間であるうちらで、財閥のトップの会社を作るっていう“いけないコト”、みんなでしようか。」
唯乃に泣きながら頷くと、唯乃の向こう側に見えたみんなも楽しそうな顔で、でも力強い顔で頷いてくれた。
ここにいるみんなは増田財閥の分家の人間達。
私達には私達同士でしか理解し合えないことがあまりにも多くある。
私達は生粋のお嬢様とお坊っちゃまで・・・。
本物のお嬢様とお坊っちゃまで・・・。
生まれた瞬間からしてはいけない“いけないコト”を沢山押し付けられて生きてきた。
だから私は・・・
私達は・・・
「これけらやる“いけないコト”に、かんぱーーーーーい!!!!」
唯斗君の声にみんながウワッ────────...と盛り上がった。
私達は昔も今もこれからも、“いけないコト”がしたいお嬢様とお坊っちゃま達だから。
「でもあのやっっすい服でしょ~・・・!?」
みんなを代表したような唯乃の嘆きについては、唯斗君に任せようと思う。
「え、一美ちゃん俺に丸投げ!?
それはナイっしょ!!!」
久しぶりに会ったみんなはやっぱり私の親戚で。
「今何ヵ月?」
「髪色良いじゃん!」
「てか、久しぶりに会ったけどやっぱり若いね!」
「7歳も8歳も年下の男の子とか、めっちゃ“いけないコト”しちゃったね~。」
「ぜっっっったいに“いけないコト”をしなかったあの一美ちゃんが・・・!!!
俺の一美ちゃんが・・・・!!!」
「はいはい、うちの男達の初恋の相手はだいたいみんな一美だからね。」
「あ・・・っそれ幸治君には秘密ね?」
「幸治・・・・っっっどんな奴だよ・・・・!!!!」
こんなにお洒落なお店の中で、お嬢様やお坊っちゃまとは思えないような声や笑い声が響き続けた。
長い時間、響き続けた。
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